
1. はじめに
給食にまつわる思い出をみんなで語りだすと止まらない。
給食当番もありました。私は、脱脂粉乳とマーガリンの世代。学校を休んだクラスメートに給食のパンを届けたっけ。おどけた男子が鼻からミルクを出してしまったのには心底驚いた。ふざけているうちにそうなったのだ。
娘の神奈川県の公立中学には、給食がなかった。公立小学校には、給食があり、その学校で作っていた。おいしいと評判だった。お弁当を毎日作りながら、国会に満員電車で通勤。お弁当を渡し忘れて、学校まで全速力で走って届け、それから国会へ行くということも何回かあったっけ。お弁当の具材を準備するのは結構大変だった。
給食。みんなで食べるのは、本当に楽しい。給食の献立も見るのが楽しみだった。
2.給食の無償化にかかる費用は4227億円
公立小学校における平均給食費は年額約46,930円である。国公立と私立を合わせた児童数は全国で約660万人である。うち95.6万人は就学援助などにより給食費が免除されているので、
46,930円×564.4万人≒2,648億円
一方、公立中学校における平均給食費は年額約53,702円である。国公立と私立を合わせた生徒数は全国で約352万人である。うち57.9万人は就学援助などにより給食費が免除されているので、
53,702円×294.1万人≒1,579億円
よって、小中学校の合計は4,227億円になる。
ただしこの試算は①私立小中学校における給食費の計算も、公立の給食費を基準に計算している②給食の新たな開始に伴う設備などの費用が入っていない、という点については注意が必要。
4227億円の費用の捻出はできると考える。何とか給食の無償化を実現したい。そのために国会で頑張ります。
3.日本の学校給食について
現在、学校給食にかかる食材費は、保護者負担である。学校給食法11条2項で規定されている。
学校給食費平均月額は、2014年度文部科学省調査で、公立小学校(高学年)で、4277円、公立中学校で、4882円である。
同じく2014年の文部科学省の調査で、完全給食の実施率は、公立小学校で、99.1%、公立中学校で、87.5%である。神奈川県は、24.4%、兵庫県は、55.6%である。
「要保護者」と「準要保護者」に対して市町村が支給している就学援助率は、15.42%、1514515人である。
自治体による支援状況については、まだ文部科学省の調査はない。
2015年11月の全日本教職員組合調査によると、1032の自治体が回答。完全無償化が45自治体。全員対象の一部補助が84自治体。多子世帯への補助40自治体。199自治体が何らかの支援を実施している
4.無償化のメリット
有効な子育て支援であり、子どもの貧困対策、支援でもある。
まず、子育て支援としても有効である。
平均年収が、400万円の家庭で、公立中学校の子どもと私立高校の子どもがいると、税金や授業料などを除くと可処分所得が、200万円を切るというデータがある。やはり子育てには、お金がかかる。
そして、給食の無償化は、自治体にとってもメリットがある。子育て世代や若い人たちが住むようになる。人口流出が止まる、あるいは、弱くなる。無償化によって、人口増加をしている。
兵庫県相生市は人口流出に歯止めがかかり、岐阜県岐南町は人口増加をしていると言われている。埼玉県滑川町は、人口増加し、かつ子どもの数が増えている。
こどもの貧困対策でもある。
8月、社民党で、自治体議員の勉強会を行った。阿部彩さん(首都大学東京教授)に、子どもの貧困について、講演をしていただいた。とりわけ各自治体の取り組みなど有意義で、本当にためになる講演だった。子どもの貧困のなかで、とりわけ重要なテーマが、食、住、医療という話も聞いた。
分科会で、子どもの貧困に対する政策について、たくさんの自治体議員と議論をした。
子どもの貧困問題対策として、たくさんのメニュー、政策がある。阿部彩さんに、「優先順位として、まず何に取り組むのが、子どもの貧困対策で良いかと聞いたところ、「給食の無償化です」というのが答えだった。
制度として、多数の子どもの救済ができる。そして、食は、最も重要なことの一つである。
経済的に困窮していても、就学援助を受けていなかったり、制度を知らなかったり、恥ずかしくて就学援助を受けないということがある。
1日にせめて1食、ちゃんと食事ができるということは、とても大事である。
給食費を払っていないので肩身が狭い、あるいは、お弁当を持っていくことができないので、学校に行きたくないということを聞いたことがある。
繰り返すが、給食の無償化は、子育て支援であり、子どもの貧困対策でもある。
給食費未払いをめぐるトラブルの解消にもなる。
わたしが視察をした埼玉県滑川町では、かつて給食費の取り立ては、自治体の職員が行っていた。未納の場合の取り立てなど、自治体や職員の負担が大きい。これがなくなることで、人件費の節約になると考える。
5.埼玉県滑川町の視察
埼玉県滑川町を視察し、町立月の輪小学校の給食の視察もさせてもらった。お忙しいなか吉田町長をはじめ職員のみなさんから、説明をしていただいた。本当にありがとうございました。
滑川町は、小学校と中学校の給食の無償化(PDF参照)と18歳までの医療費の無料化を実現している。医療費の無料化は、窓口払いの廃止制度(現物給付)である。
素晴らしい試みであり、成果を上げている。
このような事は、自治体任せにするのではなく、政府として取り組むべきことであると考える。
子どもたちの給食費は無償化すべきである。
給食にまつわる思い出をみんなで語りだすと止まらない。
給食当番もありました。私は、脱脂粉乳とマーガリンの世代。学校を休んだクラスメートに給食のパンを届けたっけ。おどけた男子が鼻からミルクを出してしまったのには心底驚いた。ふざけているうちにそうなったのだ。
娘の神奈川県の公立中学には、給食がなかった。公立小学校には、給食があり、その学校で作っていた。おいしいと評判だった。お弁当を毎日作りながら、国会に満員電車で通勤。お弁当を渡し忘れて、学校まで全速力で走って届け、それから国会へ行くということも何回かあったっけ。お弁当の具材を準備するのは結構大変だった。
給食。みんなで食べるのは、本当に楽しい。給食の献立も見るのが楽しみだった。
2.給食の無償化にかかる費用は4227億円
公立小学校における平均給食費は年額約46,930円である。国公立と私立を合わせた児童数は全国で約660万人である。うち95.6万人は就学援助などにより給食費が免除されているので、
46,930円×564.4万人≒2,648億円
一方、公立中学校における平均給食費は年額約53,702円である。国公立と私立を合わせた生徒数は全国で約352万人である。うち57.9万人は就学援助などにより給食費が免除されているので、
53,702円×294.1万人≒1,579億円
よって、小中学校の合計は4,227億円になる。
ただしこの試算は①私立小中学校における給食費の計算も、公立の給食費を基準に計算している②給食の新たな開始に伴う設備などの費用が入っていない、という点については注意が必要。
4227億円の費用の捻出はできると考える。何とか給食の無償化を実現したい。そのために国会で頑張ります。
3.日本の学校給食について
現在、学校給食にかかる食材費は、保護者負担である。学校給食法11条2項で規定されている。
学校給食費平均月額は、2014年度文部科学省調査で、公立小学校(高学年)で、4277円、公立中学校で、4882円である。
同じく2014年の文部科学省の調査で、完全給食の実施率は、公立小学校で、99.1%、公立中学校で、87.5%である。神奈川県は、24.4%、兵庫県は、55.6%である。
「要保護者」と「準要保護者」に対して市町村が支給している就学援助率は、15.42%、1514515人である。
自治体による支援状況については、まだ文部科学省の調査はない。
2015年11月の全日本教職員組合調査によると、1032の自治体が回答。完全無償化が45自治体。全員対象の一部補助が84自治体。多子世帯への補助40自治体。199自治体が何らかの支援を実施している
4.無償化のメリット
有効な子育て支援であり、子どもの貧困対策、支援でもある。
まず、子育て支援としても有効である。
平均年収が、400万円の家庭で、公立中学校の子どもと私立高校の子どもがいると、税金や授業料などを除くと可処分所得が、200万円を切るというデータがある。やはり子育てには、お金がかかる。
そして、給食の無償化は、自治体にとってもメリットがある。子育て世代や若い人たちが住むようになる。人口流出が止まる、あるいは、弱くなる。無償化によって、人口増加をしている。
兵庫県相生市は人口流出に歯止めがかかり、岐阜県岐南町は人口増加をしていると言われている。埼玉県滑川町は、人口増加し、かつ子どもの数が増えている。
こどもの貧困対策でもある。
8月、社民党で、自治体議員の勉強会を行った。阿部彩さん(首都大学東京教授)に、子どもの貧困について、講演をしていただいた。とりわけ各自治体の取り組みなど有意義で、本当にためになる講演だった。子どもの貧困のなかで、とりわけ重要なテーマが、食、住、医療という話も聞いた。
分科会で、子どもの貧困に対する政策について、たくさんの自治体議員と議論をした。
子どもの貧困問題対策として、たくさんのメニュー、政策がある。阿部彩さんに、「優先順位として、まず何に取り組むのが、子どもの貧困対策で良いかと聞いたところ、「給食の無償化です」というのが答えだった。
制度として、多数の子どもの救済ができる。そして、食は、最も重要なことの一つである。
経済的に困窮していても、就学援助を受けていなかったり、制度を知らなかったり、恥ずかしくて就学援助を受けないということがある。
1日にせめて1食、ちゃんと食事ができるということは、とても大事である。
給食費を払っていないので肩身が狭い、あるいは、お弁当を持っていくことができないので、学校に行きたくないということを聞いたことがある。
繰り返すが、給食の無償化は、子育て支援であり、子どもの貧困対策でもある。
給食費未払いをめぐるトラブルの解消にもなる。
わたしが視察をした埼玉県滑川町では、かつて給食費の取り立ては、自治体の職員が行っていた。未納の場合の取り立てなど、自治体や職員の負担が大きい。これがなくなることで、人件費の節約になると考える。
5.埼玉県滑川町の視察
埼玉県滑川町を視察し、町立月の輪小学校の給食の視察もさせてもらった。お忙しいなか吉田町長をはじめ職員のみなさんから、説明をしていただいた。本当にありがとうございました。
滑川町は、小学校と中学校の給食の無償化(PDF参照)と18歳までの医療費の無料化を実現している。医療費の無料化は、窓口払いの廃止制度(現物給付)である。
素晴らしい試みであり、成果を上げている。
このような事は、自治体任せにするのではなく、政府として取り組むべきことであると考える。
子どもたちの給食費は無償化すべきである。
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