福島みずほのどきどき日記

精神保健法改正反対討論 5/16参厚労委

 5月16日(火)の参議院厚生労働委員会において、精神保健法改正法案の採決が行われました。私の反対討論を掲載いたします。

 私は、希望の会(自由・社民)を代表して、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論を行います。
 反対の最大の理由は、本法案が、措置入院者に対する退院後の支援という名の下に、実際には監視を強化し、差別を助長するものであるからです。
 本法案概要の当初版における最初の言葉、相模原市の障害者支援施設の事件では、犯罪予告どおり実施され、多くの被害者を出す惨事となった、二度と同様の事件が発生しないよう、以下のポイントに留意して法整備を行うという文言が削除されました。この事件においては、被告人が措置入院経験者だったことから、あたかも措置入院制度に問題があったかの誤った認識から本法案が作られました。しかし、法案審議の過程でその誤りが厳しく批判される中で、厚労省は法案概要を一部削除せざるを得なくなったのです。本来ならばこの時点で法案は廃案とすべきです。にもかかわらず、再発防止に資するという部分は維持したままです。二枚舌法案と言わざるを得ません。
 反対の第二の理由は、本人不在の状態でも退院後支援計画が作られてしまうという問題です。本人の同意なくして一体何のための支援なのでしょうか。私たち抜きに私たちのことを決めないでというのは障害者の皆さんが一貫して訴えてきたことです。本法案はこうした叫びを踏みにじるものです。
 反対の第三の理由は、自殺のおそれや応急の救護などを理由として、警察が代表者会議のみならず個別ケース検討会議にも参加して、薬物使用などの個別情報を入手する仕組みが実質上でき上がってしまうということです。このような情報の廃棄についてはルールが明記されておらず、措置入院者が退院後も永久的に警察にリスト化されるという人権侵害のおそれが大いにあります。
 本法案に対して修正案が出されており、その努力自体は多とするものであり、評価したいと思いますが、法案原案の根本的問題点を踏まえた場合、修正案についても賛成しかねます。
 最後に、精神病患者に対して今第一になすべきことは、このような法案ではなく、本人の意思を最大限に尊重した医療、福祉、就労、生活をワンストップで行う総合支援のはずです。身体拘束、隔離が共に一万人を超える非人道的状況が放置されています。障害者権利条約第十四条は、障害を理由とした人身の自由の剥奪を禁止しており、精神障害者であることを要件とした非自発的入院制度は同条約違反です。また、国連自由権規約委員会も、日本政府に対して、精神病院における非自発的入院について改善を求めています。このような実態にこそメスを入れ、精神障害者や患者の人権確立、入院患者の地域移行に全力を上げるべきだということを申し上げ、私の討論といたします。
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パスポート返納命令を考える

 2月18日、議員会館で、杉本祐一さんのパスポート返納命令の問題について集会を持ちました。杉本裕一さんから話をしてもらい、ジャーナリストなどから意見を出してもらいました。
 旅券法19条1項4号に基づくパスポート返納命令が出されたのは今回が初めてです。伝家の宝刀を外務省は抜いたと言えるのではないでしょうか。

外務省と警察庁の事前説明によると、
①2月2日(月)警察が杉本さんの問題を認識。
②2月4日(水)同日付け新潟日報報道。
③2月5日(木)外務省(旅券課、海外邦人安全課)が初めて事実認識(2/4付新潟日報報道を受けて)。
④2月6日(金)午前中、杉田官房副長官が外務省に対して、官邸に説明に来るように要請。午前中から午後にかけてのいずれかの時間帯で、外務大臣に諮り省内で協議。夕方、外務省の三好領事局長が官邸に行き、杉田官房副長官に説明。官邸の意向を踏まえ、その場で旅券返納命令を決定。
といった経緯があったそうです。
また、外務省から「諸外国においては、日本のように旅券の返納を明示的に規定している国はあまりないと認識している」という話がありました。

 パスポートがないと海外に出られません。憲法22条が規定する海外渡航の自由や憲法21条が保障している表現の自由、報道の自由が侵害されたのではないでしょうか。
 これから集団的自衛権の行使が法律上認められ、後方支援をするようになった時に、政府が戦場や戦場近くの取材をさせないために、パスポートの返納を命ずることも起きてしまうのではないかと大変危惧を持ちます。
 集会には、衆議院議員の照屋寛徳さんが、日本に来るのに、パスポートが必要であった沖縄の現状を話しました。平和運動をやっている人はパスポートが取れなくなるなど、大変な状況があったと聞きました。
 人々の移動の自由が奪われることになったら、大変です。今回の杉本さんのケースを、みんなで共有し、議論していくことが必要です。
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集団的自衛権、袴田事件について質問

法の支配と集団的自衛権、袴田事件について4月21日(月)の参議院決算委員会で質問しました。議事録の速報版をアップしましたので、皆さん是非ご覧ください!


○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、谷垣大臣にお聞きをいたします。
 先日、法律家のパーティーの中で法の支配の貫徹ということをおっしゃいました。法の支配の貫徹、法の支配とは何でしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 大変難しい御質問ですが、法の支配には幾つか要素があると思います。
 余り細かく申し上げるのは差し控えますが、一つは、やっぱりプロセスの重視ですね。デュープロセスということがあると思います。それからもう一つは、私は、権力も法に服すると。細かに申し上げると切りがありませんが、私は、法の支配というときはその二つを重視したいと思っております。

○福島みずほ君 憲法九十九条がまず国務大臣に憲法尊重擁護義務を課している。これも今大臣のおっしゃる法の支配ということの一環ということでよろしいでしょうか。
   〔委員長退席、理事熊谷大君着席〕

○国務大臣(谷垣禎一君) 法の支配ということでいいのかどうか分かりませんが、どこか結び付く観念だろうと思います。

○福島みずほ君 日本国憲法九条はどのような行為を禁止しているとお考えでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、度々御答弁申し上げておりますが、憲法の解釈や憲法、基本法、私の所管ではないと考えております。
 もちろん、私が法務大臣として仕事をしますときに、その限りにおいて、憲法との適合性を判断しなければなりません。そういう意味で、私は憲法解釈も全く関与しないとは申しませんが、今の憲法九条になりますと、内閣の中で担当の方はほかにいらっしゃると思います。

○福島みずほ君 法務省は、ミニストリー・オブ・ジャスティス、正義の役所ですし、それから法にのっとってどこよりもやるところだと思います。尊敬する大先輩、法律家としても先輩、尊敬しておりますので、九条はどのような行為を禁止しているとお考えか、教えてください。

○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、ここで体系的に申し上げる能力はございません。
 私の立場は、ここでも繰り返し申し上げておりますが、憲法九条に関しては、累次、内閣法制局長官の答弁や場合によりましては質問主意書に対して閣議決定してお答えしている、あるいは、過去を見ますと内閣の統一見解を求められている場合があると。そういった見解も細かに見ますと、時代によって少しずつ推移があると私自身は感じておりますが、私は閣僚として、そういう過去の閣議決定、そういったものに縛られております。

○福島みずほ君 集団的自衛権の行使は憲法九条の下でできない、これは現時点までにおける長年の確立された見解ですが、それでよろしいですね。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今までの閣議決定なり内閣法制局の長官はそういうことで整理されてきたと考えております。

○福島みずほ君 個別的自衛権と集団的自衛権は定義が違いますよね。つまり、法の支配ということは、定義によって決まる。法律はまさに定義の学問ですから、三段論法で、集団的自衛権と個別的自衛権は量的差異ではないということでよろしいですね。

○国務大臣(谷垣禎一君) 量的という今の意味はよく分かりませんが、その辺りは法制局長官なり、何らかが詰めておられるのじゃないかと思います。

○福島みずほ君 これは二〇〇四年一月二十六日の質問に対して秋山法制局長官が量的概念ではないと答えているんですが、それでよろしいですね。

○国務大臣(谷垣禎一君) 法制局長官がお答えなんだから、そうだろうと思います。

○福島みずほ君 日本国憲法下で集団的自衛権の行使はできないという見解であるとおっしゃいましたが、集団的自衛権の行使は日本国憲法下でなぜできないんでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) これは私、最近の解釈を細かに見たことがございませんので、ここで自信を持って御答弁するわけにはまいりません。
 ただ、私、ちょうどサダム・フセインがクウェートに侵攻した頃、防衛政務次官をやっておりまして、当時何を日本ができるかということを検討したときに、もう、ですから、今から考えると二十年ぐらい前でしょうか、検討したことはございます。
 それで、何でしたっけ。つい話が脱線しちゃって。

○福島みずほ君 なぜ集団的自衛権の行使は日本国憲法下でできないか。

○国務大臣(谷垣禎一君) それは論理としては、多分当時の論理は、日本国憲法九条は必要最小限の防衛力は、ラフに申し上げますと、必要最小限の自衛力は認めている。それで、必要最小限イコール個別的自衛権という組立てであったと思いますが、その細部の表現は正確には記憶しておりません。

○福島みずほ君 集団的自衛権の行使は必要最小限度ではないということで、日本国憲法下では行使できないというのが、確立されてきた戦後の自民党の、あるいは政権の見解です。
 私は、違憲のことは合憲にできないと考えています。安保法制懇の第一次の報告書、第二次における、まああれは議事録がありませんで資料と議事要旨ですが、全部読みました。しかし、なぜ違憲が合憲になるのかという説明はありません。必要だからとか、そういうことしかないんですね。法律家としては、必要だからではなく、定義に当てはまるか当てはまらないか、憲法にとってどうか、この議論をすべきだと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申し上げたことの繰り返しになりますが、内閣を代表して私がお答えする立場にあるとは思っておりません、今の集団的自衛権の解釈の問題ですね。一般論として申し上げますと、私は、長い間に解釈の変更を認めざるを得ない場合、あるいは認める余地が出てくる場合、そういうことは一般論としては否定できないと思っております。

○福島みずほ君 でも、これはまた度重なる質問主意書や答弁で、憲法九条の解釈については、解釈改憲では駄目で、明文改憲でやるべきだとたくさんの答弁がありますが、これは維持されるということでよろしいですか。
   〔理事熊谷大君退席、委員長着席〕

○国務大臣(谷垣禎一君) その辺は今いわゆる法制懇で議論しておりますので、私は過去のその閣議決定などに縛られていることは事実でございますが、これからどうしていくのか、どういう結論を出すのか、今の段階では、今までの過去の閣議決定等々に縛られているということだろうと思います。

○福島みずほ君 過去の閣議決定と過去の答弁は未来も拘束します。未来は拘束しない政府の見解などあり得ません。政治は現在と未来を拘束するものだと思います。
 冒頭、法の支配を貫徹するとおっしゃいました。それが大事ですよね。デュープロセスと、それから、いかに権力者であろうが憲法に従わなければならない、法に従わなければならない。でなければ憲法は無意味になります。
 法の支配ということであれば、定義それからそれに基づく日本国憲法下で集団的自衛権の行使はできない、これは法理論として変更できないと考えますが、いかがですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) この法理論の問題も、私は内閣を代表してお答えする立場にはないと思っております。ただ、先ほど申し上げましたように、一般論としては、長い間に憲法の解釈を変える必要が出てくる、また変えなければならない場合もないとは言えないと思っております。

○福島みずほ君 この憲法解釈については、自民党政権、ごく最近も、二〇〇〇年代も解釈改憲では駄目だという答弁書、質問主意書や答弁を出しています。これは生きると考えますが、いかがですか。あるいは、谷垣さんの法の支配とはその程度のものなんですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 最近の答弁なのかどうか、私は十分二〇〇〇年代に入っての答弁は検討しておりません。また、検討してこの参議院の決算委員会でお答えする立場にもないと思っております。
 その程度かという挑発的な御質問をなさいましたけれども、私は、解釈というのは多様にあり得ると思っております。そういう、多様にある、政府内でも、何というんでしょうかね、閣議決定が出るまでは多様な議論があり得るものだと、このように思っております。

○福島みずほ君 多様じゃないんですよ。この集団的自衛権の行使は、政府見解では、日本国憲法下で集団的自衛権の行使はできない、これは一貫して確立されたものです。しかも、これは解釈では変えられないと言ってきたわけです。いろんな解釈がありますよではない。憲法の解釈は一義的です。集団的自衛権と個別的自衛権の定義は、政府の見解で明確です。
 ですから、その点についていえば、私は逆に谷垣さんに頑張ってもらいたい。谷垣さんに頑張ってもらいたい、そう思います。どうですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 頑張ってくれと言われると大変うれしいような気がしないでもございませんが、私は、先ほど来繰り返して申し上げておりますように、憲法の解釈というのは一義的だと福島さんおっしゃったけれども、やっぱり必ずしも一義的ではないと私は考えております。

○福島みずほ君 自民党政権は、一義的にこうだと言ってきたんですよ、集団的自衛権の行使はできない。
 憲法学者の中で、小林節教授のおっしゃることでいえば、二人しか集団的自衛権の行使が日本国憲法下でできると言っている人はいません。ほとんどの、ほとんどの憲法学者、たくさんいますが、ほとんど全部の憲法学者が集団的自衛権の行使は日本国憲法下でできないとしています。法律家の頭でいえば、どんなに逆立ちしても、どんな論理構成をしても、平和主義である日本国憲法下で集団的自衛権の行使、他国防衛のための武力行使はできません。だから、法の支配なんです。だから、定義です。
 法律は、定義に当てはまるかどうか、三段論法でやるじゃないですか。まさに法務大臣所管の刑法だって、構成要件に当たるかどうか、それを厳密にやって裁判をやるわけです。構成要件に該当しなければ無罪じゃないですか。まさにその作業が重要であって、法の支配とは憲法に本当に合致するかどうか、その定義や解釈を法にのっとって、憲法にのっとってやらなければ、憲法が死ぬということです。
 今、実は、安全保障の問題ではなく、法の支配、立憲主義ということが私たちの国で維持できるかどうかが問われている、そのときだと思っています。立憲主義とは何か、もう一度お答えください。

○国務大臣(谷垣禎一君) 繰り返しになりますが、私は、今の刑法もお挙げになりました、刑法の解釈はもちろん厳密でなければなりません。しかし、刑法の解釈も長い間に解釈を変える余地はあるんだと思います。ですから、そこのところは私と福島さんで法律の見方、法律の解釈論が少し違うように思いますね。

○福島みずほ君 解釈がいろいろあるという中で、自民党政権はかつて、というか今までずっと、憲法九条、集団的自衛権の行使と、解釈改憲では認められない、憲法の安定性がこれでは壊れるというふうに言っているわけです。大臣もかつて、憲法の安定性というのは極めて重要だということを記者会見でおっしゃっています。今日質問しているのは、記者会見でいろんなことをおっしゃっているので、そのことについて質問をしたかったからです。
 立憲主義とは何か。法の支配とは何か。今まさに法の支配を貫徹すべきときであり、それは個人として、法律家として、議員として、国務大臣として、私たち一人一人が、そしてまた閣僚たちもそのことが問われるというふうに考えています。
 次に、袴田事件についてお聞きをいたします。
 袴田さんが四十八年ぶりに釈放をされました。二〇〇〇年代、保坂さんは彼に会えたんですが、私は、ほかの議員と東京拘置所に行って、実は会うことができませんでした。
 袴田さんの事件は、ある意味本当に痛ましい。四十八年間、なぜ外に出れなかったのか。長期の勾留、代用監獄の問題と自白偏重、証拠開示されず、証拠が捏造された可能性があると裁判所で言われるような証拠の採用の問題、証拠開示がされてこなかったという問題。これについて、大臣、反省すべき点があるんじゃないでしょうか。いかがですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 三月二十七日に静岡地裁がおっしゃったような決定を出したことは事実です。しかし、これも裁判所の判断ですから、私は個別の裁判所の判断を論評するようなことは差し控えます。

○福島みずほ君 では、東電OL殺人事件や村木さんの事件、それから、パソコンの遠隔操作で何と四人のうち二人がもう自白を、やっていないのに自白をしてしまう。あるいは布川事件、たくさんの事件が例えばある。もっと言えば、四つの死刑確定囚が死刑台から生還したことがある。たくさんの事件があって、たくさん冤罪とされて、この中でなぜ刑事司法、刑事改革はできないんですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 新しい時代の刑事司法の在り方ということで今議論を始めていることは事実でございます。

○福島みずほ君 代用監獄の問題についてお聞きをいたします。
 袴田さんは、彼はずっと無実だと言い続け、当初から無実と言い続け、一日平均十二時間、最も長いときは十六時間を超えるような厳しい取調べを受けたと、場合によっては暴力を受けたのではないかとされています。袴田さんは、勾留期限の三日前、逮捕されて二十日目に、パジャマを着て犯行を行ったなどと自白をさせられています。新聞記事を出していますが、何と、彼が死刑確定囚となったときには、自白調書四十五通のうち四十四通もの、任意性がないとして不採用になっている。こんな事件って、もうほとんどの書面が任意性がないとされたにもかかわらず、確定判決で死刑になった。
 この代用監獄の問題に関して、拷問禁止委員会、それから国際人権規約B規約の勧告で代用監獄について見直せと言われていますが、これについていかがでしょうか。

○政府参考人(林眞琴君) 平成十九年六月一日から施行されました刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律におきまして、この被勾留者等について、刑事施設に収容することに代えて、警察に設置された留置施設に留置がすることができると、このようにされているわけでございます。
 この制度趣旨でございますけれども、これは代替収容と呼ばれておりますが、代替収容制度は、これまでの代用刑事施設制度というものにつきまして、これが我が国の刑事司法制度の下で現に役割を果たし、大半の被勾留者が代用刑事施設に留置されていることを踏まえまして、その存続を前提としてこれに制度的な改善を加えて、被収容者の適正な処遇を図るために整備したものとされております。
 こういったことから、この新しい平成十九年の法律に基づきまして、で認められておりますこの代替収容制度というものを廃止するということについては、現実的でないと考えております。

○福島みずほ君 たくさんの冤罪事件を生んできた反省が全くないですよ。
 人は、二十三日間勾留されたら、自白を本当にしてしまう可能性がある。身柄の拘束の期間が、警察の拘束の時間が長過ぎますよ。だから、例えば、パソコンの遠隔操作でも四人のうち二人が自白する。みんな自白したくてするんじゃないんですよ。もう大変で、ある意味拘禁性ノイローゼになる人もいるし、その中で自白をする。国際機関から、B規約、拷問等禁止委員会から勧告が出ていることを日本政府は重く受け止めるべきだと思います。
 袴田事件について一つ、済みません、ちょっと話が戻って済みませんが、一点だけ質問いたします。
 袴田さんは、二〇〇〇年代、もう一歩も外へ出ないというか、精神的にもすごく良くない状況になっていて、心神喪失で刑の執行をすべきではないかと言われていた事案です。これ、一件も今まで死刑の執行は執行停止になっていないんですが、心神喪失の場合には死刑の執行を停止できる、これについて大臣、いかがですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 刑事訴訟法の四百七十九条に、今委員がおっしゃったように、「死刑の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、法務大臣の命令によつて執行を停止する。」と、こうなっております。

○福島みずほ君 今まで一度もそれはなされていないんですよ。でも、実際、すごく重い病気になったり、袴田さんの場合は一時期、私は神であるとか、東京拘置所はもうなくなったとか言っているときがあり、しかも死刑の執行を非常に恐れて、だまされるんじゃないかと。死刑の場合は日本は事前告知しませんから、朝連れていって処刑を、朝というか、その日に連れていきますから、彼は、面会者、お姉さんの秀子さんが行こうが、私たちが行こうが、あるときからもう一歩も外へ出ないというか、外に出なくなっちゃったんですね。それは、私は、死刑の執行の恐怖から、部屋からやっぱり出てだまされて処刑されたくないという恐怖心があったんだと思うんです。
 死刑の執行の停止、袴田事件こそ本当はやるべきだったんじゃないですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) これは、私は個別の死刑確定者の精神状況がどうであるかというようなことはコメントはしないことにしております。

○福島みずほ君 私は、警察と検察と裁判所と法務省がやっぱりこれを放置してきたと思いますよ。裁判所が、袴田事件で静岡地裁が証拠が捏造された可能性があると言ったのは物すごいことですよ。おかしいということはずっと言われ続けてきた。彼は、もし今回、裁判所が釈放という、こうならなければ、処刑されていたかもしれないんですよ。本当にひどい話だと思います、四十八年間。
 大臣、死刑の問題に関して、冤罪事件が、これ冤罪かどうかはまだ再審開始してから決まることですが、こんな事件がある。やっぱり日本で冤罪が起こり得る、間違った死刑の処刑が起こり得る、これについてどう思われますか。

○国務大臣(谷垣禎一君) これは、今更、福島委員に申し上げることはありませんけれども、きちっと、特に死刑判決が出るようなものは必ず必要的弁護ですね、それから三審制の下で議論をされる、こういうことでございますから、確かに人間のやることでございます、畏れを持ってやらなければいけないことは事実だと思いますが、私は制度的にはいろいろな担保ができていると考えております。

○福島みずほ君 だって、袴田さんのは、これ、地裁が証拠が捏造された可能性があると言った事案で、彼、処刑されていた可能性がある事案なんですよ。実際、冤罪あるじゃないですか。四人の人間が、四つのケースで死刑台から生還したが、本当に四つだけなのか。彼らは物すごい支援者や物すごい弁護団の頑張りで再審が認められたけれども、それがなければ処刑されていたかもしれないわけです。これはきちっとやっぱり考えなければ、それから死刑を本当に日本でやっていいのか、これ考えるべきだと思います。
 私は、諸外国でいろいろ冤罪等が起きると、根本的な、イギリスであれ、根本的に制度の改革が行われるじゃないですか。日本はなぜそれがされないのかというふうに思います。
 次に、証拠開示についてお聞きします。
 東電OL殺人事件も、その証拠が出ていれば早く冤罪が立証されたと言われている。そして、袴田事件もDNA鑑定以前の問題です。Bというのが、これは実は寸法ではなくて、サイズではなくて色だったということが認定される、これがちゃんとその資料が証拠として出ていれば無罪が立証できたんですよ、彼ズボン履けないから、サイズが合わないから。
 こういう問題に関して、たくさんの事件でようやく証拠開示が、再審請求あるいは裁判所の裁量の中で出てきて無罪となるというのがようやくあるわけですが、証拠開示、全面証拠開示すべきではないですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 委員がおっしゃったのは、全面開示をせよとおっしゃっているわけですね。
 それで、これは現行制度を導入した司法制度改革のときにも相当長時間を掛けて議論されたと記憶しております。被告人側の主張が明らかでない段階で全ての証拠を開示することは、争点及び証拠の整理が十分にされなくなるなどの弊害が当時指摘をされまして採用されなかったと。そこで、平成十六年の刑事訴訟法改正によりまして、公判前整理手続における争点及び証拠の整理と関連付けまして、一つは類型証拠ですね、検察官請求証拠の証明力を判断するために必要な一定の類型の証拠、それからもう一つは被告人側の主張に関連する証拠、これを段階的に開示する現行制度が導入されたわけでございますが、この制度下で被告人の防御の準備のために必要かつ十分な証拠は出てくることになったと私は思っております。
 それで、法制審議会の新時代の刑事司法制度特別部会、これが昨年一月に基本構想を作りました。この中でも、現行制度の運用状況に鑑みて、段階的な証拠開示制度の枠組みは改める必要はないとされているところでございます。

○福島みずほ君 全面的証拠開示せよと拷問等禁止委員会や国際人権規約B規約の勧告で言われていますよね。今だって裁判所、なかなか出てきませんよ。これはプライバシーの問題だとかいって、なかなか出てこない。
 じゃ、逆にお聞きしますが、個別的な事案じゃなくても、ゴビンダさんの事件、東京電力OL殺人事件や、袴田さんのように捏造である可能性があると言われる事件や、布川事件や様々な事件、反省はないんですか。反省はないんですか、こういうのに。

○国務大臣(谷垣禎一君) これは、大きな意味では、新しい時代の刑事司法をどうつくっていくかという中でいろんな議論を闘わせていただいているということでございます。
 それからあと、個別の今お挙げになった事件での証拠の評価等については、私は感想を申し上げるのは差し控えたいと存じます。

○福島みずほ君 いや、ちょっと残念ですよ。
 法務省って、ミニストリー・オブ・ジャスティスじゃないですか。別に検察官庁じゃない。法務省で、ジャスティスを実現するところの役所であって、やはりこの冤罪、あるいは証拠が開示されなかったが理由に冤罪を立証できなかったという、証拠が捏造されたり隠されてきたということが明らかなわけじゃないですか。ゴビンダさんのケースも袴田さんの事件も、様々なケース、本当に四十八年間返してくれですよ、袴田さんからすれば。それに関して、どうしてそこで何かやっぱりこれはしなくちゃいけないというふうに法務省は思わないんですか。身を乗り出して改革しなければ駄目でしょうと思うんですが、どうですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほども申し上げておりますように、かなり今の類型証拠や何かを出してくると、これでかなり制度は整ってきたと、証拠開示について、私は考えております。
 それから、反省はないのかということでございますが、今、可視化等々についても議論が進んでいる。それで、法務省というところは、個別のやはり、何というんでしょうか、捜査、個別の公判、それに法務大臣が簡単に指図をすべきものではないと私は思っております。むしろ、それは捜査なり公判の立場から証拠をそれぞれ独自に評価して運営すべきものだと私は考えております。

○福島みずほ君 私が反省すべきだと言ったのは、こういう問題があるからこそ、代用監獄の問題、自白強要の問題、証拠開示の全面開示をするという制度的なことを法務省が率先して身を乗り出すべきだということなんです。審議会でやっておりますって、安保法制懇じゃないんだから、ちょっと違いますが、審議会にということではなく、身を乗り出してほしいということなんです。
 捜査の可視化についてお聞きをいたします。
 今おっしゃるとおり議論しておりますが、「それでもボクはやってない」の周防正行監督、それから村木厚子さん、今厚労省の事務次官ですが、五人の委員、非法律家の皆さん五人が法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会に対して、新時代の刑事司法制度特別部会取りまとめについての意見を、三月七日、出していることは御存じのとおりだと思います。ここで、捜査の可視化に関して、全面的証拠の可視化をやってほしいと。つまり、裁判員制度だけにしたら村木さんの事件やPC遠隔操作事件も痴漢事件なども対象にならないし、それから、部分的な捜査の可視化であれば都合のいいときだけ出てくるから、全面的捜査の可視化をやってほしいと言っています。
 私、村木厚子さんや周防監督の言うこと、そのとおりだと思います。これ、生かしてくださいよ。どうですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今のお二人も入っていただいて議論をしていただいているわけですね。
 私は、今答申をお待ちしている立場ですから、こういう結論を出せと言うような立場ではございません。私は、やはりバランスの取れた結論を出していただきたいと思っております。

○福島みずほ君 バランスの取れた結論ではなく、二度と冤罪を生まない、そんな結論を出すべきではないですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) そのためにいろいろ可視化等々、何ができるか議論していただいているわけですね。

○福島みずほ君 せっかく審議会に入ってもらって、当事者のこれ悲痛な叫びじゃないですか、捜査のための全面可視化をやってくれって。呼んで、そして皆さんの意見をお聞きしますといって、いや、部分的にしかやりません。部分的になんて駄目ですよ。都合のいいとき、自白始めたときからだけ捜査の可視化をしては駄目で、全面的捜査の可視化をしなければ。その方が捜査機関にとってもいいんですよ。別に自白強要していない、拷問もしていないし、明らかになるわけだから、それはやってくださいよ。ここまで冤罪が出て、ここまで議論して、それができないというのだったら、本当にそれは残念です。
 谷垣さん、是非、バランスの取れたなんて言わず、だって、この審議会、この部会そのものが村木さんの事件を踏まえて、二度と冤罪を生まないということでスタートしたわけでしょう。それだったら、それを生かしてくださいよ。入った人たちがこうやって出さなくちゃいけないというのは、物すごく危惧を持っているからです。全面的捜査の可視化、これを全件についてやってくださるように心から要望をいたします。
 次に、ヘイトスピーチについて申し上げます。
 これは、人種差別等禁止委員会から、ヘイトスピーチについて日本政府が対応せよというふうに言っております。これがまだ全然何もやっていないんじゃないか。ビデオで見て、実際現場でのヘイトスピーチに本当にびっくりしました。
 京都の朝鮮学校に対するヘイトスピーチ、みんなが詰めかけてやったケースに関しては、刑事事件として有罪の確定判決、民事としてもこれは慰謝料がちゃんと認められるというふうになっている。にもかかわらず、ヘイトスピーチが続いているということは、これは何とかしなければならない。これはやっぱりある意味政府の責任というふうにも思いますが、いかがですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) ヘイトスピーチの対応の仕方というのはいろいろだと思うんですね。一つ、今、福島さんがおっしゃったように、それが名誉毀損であったり、いろいろな不法行為に当たるものであれば、明らかに損害賠償であると、こういうことだろうと思います。
 それで、今、福島さんがおっしゃったことは、何というんでしょうか、一般的なヘイトスピーチに対する立法を作れと、こういう御意見ですか。これは、どこが刑法に値するかというのは私は十分にまだ分かっていないと思います。もちろん、今私どもは人権擁護行政というものを持っております。それで、ここの仕事は何かというと、一種のADRみたいなもので、まだその権利性とか侵害性がはっきりしていない中でどういうふうに持っていったらいいかという、今、苦労、苦労というか、それを対応している最中ですね。私は、そういう中でしっかりいろいろ議論をして方向性を見付けていく。まだ、じゃ、言論の自由とかそういう問題もありますから、どういう取締りを、立法を作ったらいいのかということもまだ余り明確に問題点は整理されていないと思っております。

○福島みずほ君 先ほどの民事は千二百二十六万円の慰謝料請求を認められたと。
 しかし、裁判やるのって本当に大変じゃないですか。私は、そのヘイトスピーチもさることながら、日本に根深くある人種的な差別の問題も根本的に変えなければならないと思っています。
 人種差別禁止法。例えば障害者差別禁止条約に日本は批准をして、障害者差別解消法がありますよね。女性差別撤廃条約批准して、男女共同参画社会基本法や雇用機会均等法がある。人種差別禁止条約に日本批准しているけれども、それを実現するような人種差別禁止法がない。是非そういうものを、法務省、今から検討してほしい。いかがですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今やっておりますのは、とにかくこういう問題はまず啓発活動は大事だということで、かなり啓発活動は徹底的にやっております。
 私も国会で何度かこのヘイトスピーチに関して危惧を表明いたしまして、そういったものは常にホームページに上げております。それから、学校等々で相当何度も、こういう人権あるいは外国人の人権という問題で人権擁護行政と一緒になってやらせていただきました。また、そのほかいろいろやっております。
 それで、どういう法的な対応が必要かというのはこれからよく見ていかなければなりませんが、私は仮に、今委員がおっしゃる障害者差別禁止法みたいなものをこの分野で考えるとなると、相当総合的な議論が必要だろうと思います。したがいまして、今どういう法的規制が必要なのかということをいろいろ探っている状況と、こういうふうに申し上げます。

○福島みずほ君 是非よろしくお願いします。
 私は、朝鮮学校の授業料の無償化を日本政府がしないことやいろんなことが、そういうふうなことをしなくてもいいんだというふうにメッセージをやっぱり与えているんじゃないかと、逆に日本政府自身がそのヘイトスピーチや差別をつくっているんじゃないかという気もしています。是非その点もよろしくお願いします。
 司法支援センター、矯正、刑務所、入管についての予算、決算を多年度にわたっていただきました。横ばいか若干微増なんですね。是非、法テラス、刑務所、入管への予算、決算、ここ充実させていただきたい。大臣、一言お願いします。

○国務大臣(谷垣禎一君) やはりこの分野は人が必要なんですね。それで、最近は少し、こういう治安とか入管等々、人が必要だということで少しずつ増やしていただいたりしておりますが、なかなか今の政府全体の中で予算を確保するのも大変ですが、人を確保するというのはこれまたなかなか大変なんです。努力いたしたいと思います。

○福島みずほ君 よろしくお願いします。
 終わります。

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女性の人権を尊重する政治を!橋下発言に抗議する緊急院内集会で 

 5月22日(水)
 女性の人権を尊重する政治を!橋下発言に抗議する緊急院内集会で発言。
橋下発言に抗議する院内集会で
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超党派女性国会議員で橋下発言に抗議記者会見

 5月16日(木)
 超党派の女性国会議員で、橋下徹・日本維新の会共同代表の「慰安婦」発言について、抗議と撤回を求める記者会見をしました。
橋下発言に抗議する超党派女性国会議員
(画像をクリックするとYouTube動画をご覧になれます。)
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政府の秘密取扱者適格性確認制度について

 4月11日(水) 
 政府が今国会に提出を断念したとされる「機密保全法案」については、その審議過程の議事録が全くない、ということで問題になりました。それでも関連資料を提出してもらうと、その中に「秘密取扱者適格性確認制度」というものがあり、その内容は不開示ということで真っ黒に墨塗りされて提出されました。
 そこで、その内容に関する質問主意書を提出、その答弁が出てきましたので是非お読みください。

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 <質問主意書> 

 秘密取扱者適格性確認制度に関する質問主意書

 政府は秘密保全法を制定するべく検討を進めており、その法案の検討段階での有識者会議で「秘密取扱者適格性確認制度」について議論が行われている。しかしながら、この制度に関する議論及び検討資料がすべて公開されておらず、これらは国民に広く開示されるべきと考える。そこでこの制度の現状等について、以下質問する。

 一 この「秘密取扱者適格性確認制度」は、いつ創設されたものか。また、この制度の創設に係る背景を含めて、この制度の意義及び必要性について、政府の見解を示されたい。

 二 米国に同様の制度として「セキュリティ・クリアランス」があり、機密のレベルに応じて四段階の対応レベルがあるとのことだが、日本の「秘密取扱者適格性確認制度」には、複数段階の取扱い区分があるのか。

 三 秘密取扱者は、国の機関の場合、どのような役職の者が対象となりうるのか。また、自治体、民間団体、企業などに所属する者は対象となりうるのか。

 四 平成二十三年四月八日に開催された「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議(第三回)」の議事要旨について
 1 「秘密取扱者適格性確認制度」を法制度上明らかに位置づけることが検討されているが、現時点でのこの制度の根拠法令は何か。また、現在、法制度上位置づけるための検討はなされているのか。

 2 制度の透明性を高めるため調査項目を明らかにすることが適当という意見と、明らかにしないことが適当とする意見が議事要旨に記載されているが、その後どのような方針に決定されたのか。

 3 秘密取扱者の適格性確認を行う場合、対象者本人の同意を得てから照会することを法令上規定するかについて議論されているが、現在は対象者本人の同意を得ないで行っているのか。

 4 自治体等に対し、この法制に基づく照会についての情報公開が請求された場合、「存否応答拒否」を行うかどうか議論がなされた旨が議事要旨に記載されているが、その後どのような方針が決定されたのか。

 五 現在、秘密取扱者と認定された者は何人いるのか。また、その内訳について、国家公務員、地方公務員、民間団体職員及び企業社員別にそれぞれの人数を明示されたい。

 六 「秘密取扱者適格性確認制度」の対象となった者で、不適格者となった者はいるのか。不適格者となった者がいる場合、その人数を明らかにされたい。

 七 特別管理秘密取扱者に対する研修制度に関して、その研修受講者の延べ人数を明らかにするとともに、研修科目や研修日程など、研修の内容を具体的に明示されたい。

  右質問する。

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 <答弁書>

 参議院議員福島みずほ君提出秘密取扱者適格性確認制度に関する質問に対する答弁書

 一について
 御指摘の秘密取扱者適格性確認制度は、外国情報機関による我が国に対する情報収集活動が行われる中で、我が国の重要な情報を保護するため更なる対策の強化が必要であることから、特別に秘匿すべき情報(以下「特別管理秘密」という。)について厳格な管理を行うため、「カウンターインテリジェンス機能の強化に関する基本方針」(平成十九年八月九日カウンターインテリジェンス推進会議決定。以下「基本方針」という。)において定め、平成二十一年四月一日から実施しているものである。
 同制度は、特別管理秘密を取り扱う者に関して基本方針が定める政府全体としての統一的な基準に従い、各行政機関において運用しているものであり、あらゆる情報活動の前提となる情報保全の徹底を図るという観点から、必要なものであると認識している。

 二について
 職員に取り扱わせる特別管理秘密の内容に応じ、複数に区分した適格性の確認を行っている行政機関もある。

 三について
 特別管理秘密を取り扱う者は、国の行政機関における事務遂行上の必要性に応じて当該行政機関の職員の中から選定されるものであり、必ずしも役職により決まるものではない。また、地方自治体、民間団体、企業等に所属する者は、特別管理秘密を取り扱うことについての適格性の確認の対象とはしていない。

 四の1について
 秘密取扱者適格性確認制度については、これを定めた法令はなく、基本方針に基づき、各行政機関において職員の任用に関して任命権者の権限の範囲内で運用しているものである。
 秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議が平成二十三年八月八日に取りまとめた「秘密保全のための法制の在り方について(報告書)」(以下「報告書」という。)においては、秘密情報を取り扱う者がその適性を有するかどうかを判断する適性評価制度の法制化について提言されており、政府としては、報告書を十分に尊重の上、秘密保全に関する法制の整備のための法案(以下「法案」という。)について検討を行っている。

 四の2について
 報告書においては、適性評価制度について、調査事項を公開すること及び評価基準を非公開とすることが提言されている。なお、四の1についてでお答えしたとおり、法案について現在検討中であることから、政府の方針を現時点でお答えすることは困難である。

 四の3について
 適格性の確認は、各行政機関において、職員の任用に関して任命権者の権限の範囲内で実施しているものであり、必ずしも本人の同意を得て行っているものではない。

 四の4について 
 四の1についてでお答えしたとおり、法案について現在検討中であることから、政府の方針を現時点でお答えすることは困難である。

 五について
 特別管理秘密を取り扱う適格性を有し、特別管理秘密を取り扱うことができるとされている国の行政機関の職員は、平成二十三年末時点で、五万三千百六十二人となっている。

 六について
 お尋ねの不適格と判断された者の人数については、秘密取扱者適格性確認制度の具体的運用に関わることであり、政府の情報保全に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えたい。

 七について
 特別管理秘密を取り扱う者に対して実施している研修の内容や日程については各行政機関によって異なるが、情報保全の重要性、特別管理秘密の取扱手続、事案対処要領等に関する研修を定期的に実施している。なお、当該研修を受講した者の正確な延べ人数については把握していない。
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取り調べの録画録音による可視化法案提出

4月3日(金)

捜査可視化


民主党と社民党の共同提案のかたちで、取り調べの録画録音による可視化法案(刑事
訴訟法の改正法案)を参議院に提出しました。最近冤罪事件が起きていることは皆さ
んも承知の通りですが、警察などによる密室での取り調べについては国連からも改善
勧告が出ています。今年5月からは裁判員制度もスタートしますので、取り調べの過
程をすべて可視化すること、そして検察官の証拠リストの全面開示を求める内容に
なっています。参議院で早急に可決し、衆議院に送り、全会派一致して成立に持ち込
みたいと思います。
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国連の人権規約委員会勧告書

11月10日(月)
国連の国際人権(自由権)規約人権委員会が、日本の人権状況についての審査を行い
ました(10月15・16日)。これは、自由権規約を批准している国が定期的に受
ける審査です。今回は5回目。国連から、日本の人権問題について、これほどまで多
岐にわたって勧告をつきつけているのですが、今後の日本政府がどう対応していく
か、市民団体の皆さんとチェックしていく予定です。どうぞ、皆さんも注目してくだ
さい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

規約第40条に基づき締約国から提出された報告の検討
  国際人権(自由権)規約委員会の総括所見 - 日本


(仮訳・暫定版です)

1. 委員会は、2008年10月15日及び16日に開かれた第2574回、25
75回及び2576回の委員会で、日本の第5回定期報告書(CCPR/C/JPN/5)を審
査し、2008年10月28日及び29日に開かれた第2592回、2593回及び
2594回の委員会で以下の総括所見を採択した。

A.序論

2. 委員会は、締約国が包括的な第5回定期報告書及び検討すべき課題一覧への書
面による回答を提出し、及び委員会の口頭による質問に対し、代表団が詳細に回答し
たことを歓迎する。しかし、この報告書は、2002年10月が期限であったにもか
かわらず、2006年12月に提出されたことを申し述べておく。委員会は、様々な
省庁の高官からなる大代表団や締約国の多くのNGOが対話に強い関心を示し出席した
ことに感謝する。

B.肯定的要素

3. 委員会は、男女同権を進める立法や制度上の施策が取られたことを歓迎する。
特に、以下について歓迎する。
(a)1999年に男女共同参画社会基本法が採択されたこと
(b)男女共同参画担当大臣が指名されたこと
(c) 2020年までに社会の全ての分野において指導的地位に女性が占める割合
を少なくとも30パーセントとすることを目的とする第2次男女共同参画基本計画が
2005年に内閣により承認されたこと
(d)男女共同参画基本計画を推進し、男女共同参画社会の発展のための基本政策を
調整する男女共同参画局が設置されたこと

4. 委員会は、(a)配偶者暴力相談支援センター、婦人相談所及び婦人保護施設
の設置、(b)改正配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の下での
保護命令件数の増加及び保護命令範囲の拡充、及び(c)人身売買を撲滅するため、
2004年に人身取引対策行動計画を採択し、人身取引対策に関する関係省庁連絡会
議を設置したこと等、家庭内暴力や性暴力及び人身売買等の性別に起因する暴力や搾
取の被害者を保護し、支援するために締約国がとった施策に留意する。

5. 委員会は、締約国が2007年に国際刑事裁判所ローマ規程へ加入したことを
歓迎する。

C.主要な懸念事項と勧告

6. 委員会は第4回政府報告書の審査後に出された勧告の多くが履行されていない
ことに懸念を有する。

 締約国は委員会が今回並びにこれまでの総括所見で採択した勧告を実施すべきであ
る。

7. 委員会は、規約の条項に直接言及した国内裁判所の判決に関する情報が、規約
違反はないとした最高裁判決以外には何もないことに留意する。(規約2条)

   締約国は、裁判官、検察官及び弁護士のための専門的教育の中で、規約の解釈
と適用を取り上げること、規約に関する情報が下級審も含めすべてのレベルの裁判官
に普及されることを確保すべきである。

8. 委員会は、締約国が、規約の第一選択議定書を批准しない理由の一つとして、
その批准が司法の独立を含む司法制度に問題を引き起こす可能性があるとしているこ
とに留意する。

締約国は、委員会の一貫した見解において、これは第四審ではなく、国内裁判所が行
う事実や証拠の評価、国内法の解釈適用に関する再審査は原則的に行わないとしてい
ることを考慮し、第一選択議定書の批准を検討すべきである。

9. 委員会は締約国が未だに独立した国内人権機関を設立していないことに懸念を
もって留意する。(規約2条)

締約国は、パリ原則(国連総会決議48/134・付属書)に則り、締約国が承認し
たすべての国際人権基準をカバーする幅広い権限と、公権力による人権侵害の救済申
立を取り扱いかつ行動する権限とを有する独立した国内人権機関を政府の外に設立
し、同機関に対して十分な経済的・人的資源を提供すべきである。

10. 委員会は、「公共の福祉」が人権に対して恣意的な制限を課す根拠とはなり
得ないとの締約国の説明を考慮に入れても、「公共の福祉」の概念は曖昧かつ無限定
で、規約の下で許される範囲を超える制限を許容しかねないとの懸念を繰り返し表明
する。(規約2条)

 締約国は、「公共の福祉」の概念を定義し、かつ規約が保障する権利に対する「公
共の福祉」によるいかなる制限も、規約が許容する制限を超えてはならないことを明
記する法律を制定すべきである。

11. 委員会は、民法中の女性に対する差別的な条項―6か月の再婚禁止期間や、
男女間の婚姻可能年齢の差異など―について、再度懸念を表明する(規約2条(1)、
3条、23条(4)及び26条)。

政府は、女性の再婚禁止期間の削除や男女の婚姻可能年齢の統一を期して、民法を改
正すべきである。

12. 委員会は、官公庁における女性の参画についての数値目標にもかかわらず、
女性が国会議員の中でわずか18.2%、中央官庁の課長級以上の地位の1.7%しか
占めておらず、女性の社会参加促進のための2008年計画の数値目標の中に、例え
ば2010年までに中央官庁の課長級以上の地位の5%を目標とするというように極
端に控えめであることを、懸念を持って留意する(規約2条(1)、3条、25条及
び26条)。

政府は、例えばクオータ制を導入したり女性の参画の数値目標を見直すことによっ
て、2005年に採択された第二次男女共同参画計画で定められた時間の枠内で、国
会及び官公庁の高い地位及び公共サービスの領域における男女共同参画を実現するた
めの努力を強化すべきである。

13. 委員会は、女性が民間企業の管理職的立場に占める割合がわずか10%であ
り平均して男性の賃金の51%しか受け取っていないこと、女性が非正規雇用労働者
の70%を占め休暇、母性保護、家族手当などの福利厚生から排除され、その不安定
な雇用状況のためにセクシュアルハラスメントに対して弱いこと、そして往々にして
生涯にわたってパートタイム労働者として働くことを余儀なくされるという報告を懸
念する(規約2条(1)、3条及び26条)。

政府は、(a)すべての企業に、女性に対する均等な雇用機会を実現するためのポジ
ティブ・アクションを取るよう求めること、(b)労働時間の長時間化をもたらした労
働基準の規制緩和を見直し、(c)女性が男性と同様にワークライフ・バランスを取れ
るように、との観点から保育施設の数をさらに増加させ、(d)改正パートタイム労働
法のもとでのパートタイム労働者に対する均等待遇の範囲を広げ、(e)職場でのセク
シュアルハラスメントを刑事処罰の対象とし、(f)雇用機会均等法のもとで禁止され
る間接差別の形態を、当該労働者が世帯主であるか否か、パートタイム労働者あるい
は契約社員であることに基づく異なる取り扱いにまで拡大し、間接差別を防止するた
めの実効的な措置を取ることを含む、女性の正規職員としての雇用を促進し、性別に
よる賃金格差を解消するための措置を取るべきである。

14. 委員会は、刑法177条の強かんの定義が男女間の現実の性交渉しかカバー
しておらず被害者による抵抗が要件とされていること、強かん及びその他の性犯罪が
被害者が13歳未満である場合を除き被害者の告訴なしには訴追されないことを、懸
念を持って留意する。性暴力化会社がしばしば公正な処罰を免れたり軽い刑にしか処
されないこと、裁判官がしばしば被害者の過去の性的経歴に不適切に焦点を当て被害
者に攻撃に対して抵抗したことの証拠を提出するよう求めること、改正受刑者処遇法
の監督と施行及び警察庁の被害者保護のための指針が非実効的であり、性暴力につい
て専門的な訓練を受けた医師と看護師が、NGOによるそのような訓練の提供に対する
サポートとともに不足していることも懸念される(規約3条、4条及び26条)。

政府は、刑法177条の強かんの定義を拡大して、現実の性交渉以外にも近親相か
ん、性的虐待が男性に対する強かんとともに確実に重大な刑事犯罪であるとみなされ
るようにし、攻撃に対して抵抗したことを立証しなければならないという被害者の負
担を取り除き、強かん及びその他の性暴力犯罪を職権で訴追すべきである。政府はま
た、裁判官、検察官、警察官及び刑務官に対する、性暴力についてのジェンダーに配
慮した義務的研修を導入すべきである。

15. 委員会は、ドメスティック・バイオレンスの加害者に対する量刑が軽いと報
告されていること、保護命令違反者が度重なる違反のある場合または警告を無視した
場合にのみ逮捕されることを懸念する。委員会はまた、ドメスティック・バイオレン
ス被害者に対する長期的な支援が不足していること、外国人であるドメスティック・
バイオレンス被害者が、安定した雇用に応募し社会保障の恩恵を受けられるような在
留資格を付与することの遅延を懸念する(規約3条、7条、26条及び2条(3))。

政府は、ドメスティック・バイオレンス加害者に対する量刑政策を見直し、保護命令
違反者を勾留して訴追し、ドメスティック・バイオレンス被害者に対する損害賠償額
とシングルマザーに対する児童福祉手当額を増大させ、損害賠償と子どもの扶養に対
する裁判所の命令を実効化し、長期的なリハビリプログラムやリハビリ施設を、在留
無資格者を含む特別な必要のある被害者に対する援助と同様に強化すべきである

16. 実務上、殺人を含む犯罪に対してしか死刑が科されていないことに留意しつ
つも、委員会は、死刑を科すことのできる犯罪の数が依然として減少していないこ
と、及び、死刑執行の数が近年着々と増加していることへの懸念を繰り返す。死刑確
定者が単独室拘禁に付され、それがしばしば長期間にわたり、また死刑執行の日に先
立って告知されることなく処刑され、高齢者や精神障がいがあるという事実にもかか
わらず執行される例があることに対しても懸念を抱く。恩赦、減刑ないし執行延期に
関する権限が行使されていないこと、またこうした救済による利益を求める手続に透
明性が欠けていることも、懸念事項である。(規約6条、7条及び10条)

世論調査の結果にかかわらず、締約国は、死刑の廃止を前向きに検討し、必要に応じ
て、国民に対し死刑廃止が望ましいことを知らせるべきである。当面の間、規約6条
第2項にしたがい、死刑はもっともな深刻な犯罪に厳格に限定されるべきである。締
約国は、死刑確定者の処遇、高齢者ないし精神障がい者の執行に関し、より人道的な
アプローチをとるよう考慮すべきである。また締約国は、死刑執行に備える機会がな
いことにより被る精神的苦痛を軽減するため、死刑確定者及びその家族が、予定され
ている死刑執行の日時を適切な余裕をもって告知されることを確実にすべきである。
恩赦、減刑及び執行の一時延期は、死刑確定者にとって真に利用可能なものとされる
べきである。

17. 委員会は、上訴権を行使しないまま死刑を科され確定する被告人の数が増加
しているということ、裁判所が再審開始を決定するまでは死刑確定者と再審請求を担
当する弁護士との面会に刑事施設職員が立会い監視をすること、再審や恩赦の請求に
死刑執行を停止する効力がないことに懸念をもって留意する。(規約6条及び14
条)

締約国は、死刑事件においては、再審査を義務的とするシステムを導入し、再審請求
や恩赦の出願による執行停止効を確実にすべきである。執行停止の濫用を防ぐために
恩赦の請求については請求回数の制限が設けられてもよい。また締約国は、死刑確定
者と再審に関する弁護士とのすべての面会の厳格な秘密性を確保すべきである。

18. 委員会は刑事施設及び刑事被収容者処遇法のもとで、捜査と拘禁の機能が公
式に分離されたにもかかわらず、以下の懸念を繰り返す。代用監獄制度のもと、被疑
者は、捜査を容易にするために23日間にも及ぶ期間、保釈の可能性なく、とくに逮
捕後の最初の72時間においては弁護士へのアクセスも限定された状態で、警察の拘
禁施設に拘禁されうるものであり、代用監獄制度は、長期に及ぶ取調べと自白を得る
ための濫用的な取調方法の危険を増加させる。(規約7条、9条、10条及び14
条)

 締約国は代用監獄制度を廃止するか、あるいは規約14条に含まれるすべての人権
保障に適合させることを確保すべきである。取調べの最中であってもすべての被疑者
が弁護士に秘密にアクセスできる権利、犯罪嫌疑の性質にかかわりなく逮捕されたそ
の時から法律扶助が受けられる権利、自分の事件と医療措置に関わる警察の記録すべ
てにアクセスできる権利が保障されるべきである。また締約国は起訴前保釈制度をも
導入すべきである。

19. 委員会は、警察内部の規則に含まれる、被疑者の取調時間についての不十分
な制限、取調べに弁護人が立ち会うことが、被疑者を説得し、真実を明らかにさせる
という取調べの機能を傷つけるとの前提のもと、弁護人が取調べから排除されている
こと、取調べ中の電子的監視方法が、しばしば被疑者による自白の記録に限定され、
散発的かつ選択的に用いられていることに懸念をもって注目する。また、主として自
白に基づく非常に高い有罪率についても繰り返し懸念を表明する。このような有罪に
死刑判決が含まれることに関して、この懸念はさらに深刻なものとなる。(規約7
条、9条及び14条)

 締約国は、虚偽自白を防止し、規約14条のもとに保障された被疑者の権利を確実
にするために、被疑者への取調べの時間に対する厳格な時間制限や、これに従わない
場合の制裁措置を規定する法律を採択し、虚偽の自白を防止し、取調べの全過程にお
ける録画機器の組織的な利用を保障し、取調べ中に弁護人が立ち会う権利を全被疑者
に保障しなければならない。
また締約国は、刑事捜査における警察の役割は、真実を打ち立てることではなく、裁
判のために証拠を収集することであることを認識し、被疑者の黙秘はとがめられるも
のではないことを保障し、裁判所に対して、警察における取調べ中になされた自白よ
りも現代的な科学的な証拠に依拠することを奨励するべきである。


20. 委員会は、刑事施設視察委員会、及び2006年の刑事施設及び刑事被収容
者処遇法のもとで設立された留置施設視察委員会、法務大臣によって棄却された不服
申立を再審査する刑事施設の被収容者の不服審査に関する調査検討会、さらに被留置
者によって申請された審査の申請、苦情の申出、事実の申告を再審査する責任を有す
る都道府県公安委員会もまた、効果的な刑事施設及び留置施設の外部査察・不服審査
メカニズムとして必要な独立性と人的資源、権限を欠いていることに懸念を有する。
この点に関して、2005年から2007年までの期間に、暴力又は虐待の罪によっ
て、有罪判決又は懲戒処分を受けた拘禁施設職員がないことが注目される。(規約7
条及び10条)

締約国は、以下のことを保障すべきである。
(a)刑事施設視察委員会及び留置施設視察委員会はその負託を効果的に果たすため
に、十分な人員配置がなされ、またすべての関係する情報に完全にアクセスすること
ができなければならない。さらに、その委員は、刑事施設ないし留置施設の管理者に
よって任命されるべきではない。
(b)刑事施設の被収容者の不服審査に関する調査検討会は、十分なスタッフが保障
され、その意見は法務省を拘束するものでなければならない。
(c)被留置者から提出された不服申立を再審査する権限は、都道府県国家公安委員
会から、外部の専門家からなる独立の機関に移されなければならない。
 締約国は、次の定期審査報告書の中には、受刑者及び被勾留者から受けた不服申立
の件数及びその内容、違法行為をおこなった行為者に科せられた刑又は懲戒措置、被
害者に提供された補償の内容を盛り込むべきである。


21. 委員会は、死刑確定者が、精神的及び情緒的な安定性を確保するという名目
により、昼夜単独室に拘禁されていること、また無期刑受刑者の中にも長期間にわた
り単独室拘禁に付されている者がいることに懸念を有する。委員会はまた、被収容者
が事前に医師の診察なく保護室に拘禁されることができ、その期間は当初72時間で
あり無制限に更新可能であるという報告、また、一定の範疇の受刑者は、分離された
「収容区画」に収容され、その措置に対して不服申立をする機会が与えられていない
という報告に懸念を有する。(規約7条及び10条)

締約国は、死刑確定者を単独室拘禁とする規則を緩和し、単独室拘禁は限定された期
間の例外的措置にとどまることを確実にし、保護室への収容には期間の上限を設け、
事前に身体及び精神面の診察を行い、明確な基準ないし不服申立の機会もないまま一
定の受刑者を「収容区画」に隔離する実務を廃止するべきである。

22. 委員会は、政府が依然として第二次世界大戦中の「慰安婦」制度に対する責
任を受け入れようとしないこと、加害者が訴追されていないこと、被害者に提供され
た賠償が公的基金ではなく民間の募金によって賄われていて額が十分でないこと、
「慰安婦」問題について言及した歴史教科書がほとんどないこと、政治家やマスメ
ディアがこの事実を否定することによって引き続き被害者の尊厳を損なっていること
を、懸念を持って留意する(規約7条及び8条)。

政府は、法的責任を受け入れて被害者の大多数に受け入れられるようなやり方で「慰
安婦」制度について留保なく謝罪し、被害者の尊厳を回復し、まだ生きている加害者
を訴追し、すべての生存被害者に対し権利の問題として十分な賠償を行うための速や
かで実効的な立法的・行政的措置を取り、この問題について学生及び一般大衆を教育
し、被害者の尊厳を損なったりこの事実を否定したりするいかなる企てに対しても反
駁し制裁を与えるべきである。

23. 委員会は、締約国へ及び締約国を通じて人身取引される(推定)人数につい
て政府による統計的なデータがないこと、人身取引関連犯罪の加害者に軽い刑しか科
されていないこと、公的または民間のシェルターで保護される人身取引被害者の数が
減少していること、通訳サービス、医療、カウンセリング、未払賃金や損害賠償を請
求するための法的支援やリハビリのための長期的な支援を含む被害者への包括的な支
援が欠けていること、在留特別許可が加害者を有罪とするために必要な期間しか与え
られずしかもすべての被害者には付与されないことを懸念する(規約8条)。

政府は、人身取引被害者を見つけ出すための努力を強化し、締約国の領域内へのまた
は領域を通じての人身取引のデータを体系的に収集することを実現し、人身取引関連
犯罪の加害者に対する量刑政策を見直し、被害者に保護を提供する民間シェルターを
支援し、通訳、医療、カウンセリング、未払い賃金や損害賠償を請求するための法的
支援、リハビリの長期的支援、すべての人身取引被害者の法的地位の安定化を保証す
ることによって被害者支援を強化すべきである。

24. 委員会は、「研修制度」「教育実習制度」のもと締約国に来る外国人が締約
国の労働立法や社会保障から排除されていること、彼らがしばしば有給休暇もなく単
純労働で搾取され、最低賃金を下回る研修手当の支払を受け、時間外賃金の支払もな
く時間外労働に従事することを強制され、しばしば使用者に旅券を取り上げられるこ
とを懸念する。(規約8条及び26条)

締約国は、外国人研修生・教育実習生に対する最低賃金や社会保障を含めて最低限度
の労働基準について国内法により保護し、外国人研修生・教育実習生を搾取する使用
者に適当な制裁を課し、現行制度を彼らの権利を適切に保護し、低賃金労働力確保よ
りも能力向上に焦点をあてる新しい制度に改めることを検討すべきである。

25. 委員会は、2006年改正出入国管理及び難民認定法が拷問の危険がある国
への難民申請者の送還を明文で禁止していないこと、難民申請の数に比して難民認定
の割合が低いままであること、難民申請者がその間就労を禁じられあるいは限られた
扶助のみを受け取ることになる難民申請手続にしばしばかなりの遅延があること、審
査に関して法務大臣に助言する難民審査参与員は独立して選任されずまた拘束力のあ
る決定をする権限がないので、難民不認定に対する異議の申立てが独立した機関によ
る審査を受けないことに懸念を表明する。最後に委員会は、難民不認定となったもの
が異議を申し立て退去強制命令の執行を延期する前に退去強制された報告に懸念す
る。(規約7条及び13条)

締約国は、拷問その他の虐待の危険がある国への難民申請者の送還を明文で禁止する
という観点から出入国及び難民認定法の改正を検討し、全ての難民申請者が、手続の
全期間にわたる適当な国庫による社会的援助あるいは雇用の確保のみならず、弁護
士、法律扶助及び通訳人を確実に利用できるようにすべきである。締約国は、法務大
臣によって「テロリスト容疑者」とみなされた難民申請者も利用しうる完全に独立し
た不服申立審査機構の創設もすべきであり、行政手続の終了後難民申請者がその難民
不認定の決定に対する裁判を提起しうる前に直ちに退去強制されないようにすべきで
ある。

26. 委員会は表現の自由と公的な問題に関する行動に参加する権利に対して加え
られた、公職選挙法のもとにおける戸別訪問の禁止や選挙運動期間前に配布すること
のできる印刷物の数と形式に対する制限などの不合理な制限に懸念を表明する。
   さらに、住居侵入罪もしくは国家公務員法に基づいて、政府に対する批判の内
容を含むビラを郵便受けに配布する行為に対して、政治活動家や公務員が逮捕され、
起訴されたという報告に懸念を有する。(規約19条及び25条)
 
締約国は、規約19条及び25条のもとで保護されている選挙運動やその他の活動を
警察、検察官及び裁判所が過度に制限することを防止するため、その法制度から表現
の自由及び選挙運動の自由に対するあらゆる不合理な制限措置を撤廃しなければなら
ない。

27. 委員会は、男児及び女児が13歳という低い年齢から性的同意ができること
を懸念する。(規約24条)

締約国は、子どもの正常な発達を保護し児童虐待を防止するため、男児及び女児の性
的同意年齢を現在の13歳から引き上げるべきである。

28. 委員会は、婚外子が国籍取得、相続権及び出生届などの点で差別されている
ことを繰り返し懸念する(規約2条(1)、24条及び26条)。

締約国は、出生届においてその子が「嫡出子」であるか否かを記載しなければならな
いとする戸籍法49条1項1号、国籍法3条、民法900条4項を含む規定から、非
嫡出子を差別する条項を削除すべきである。

29. 委員会は、婚姻したあるいは婚姻していない異性のカップルに対してのみ適
用され、婚姻していない同性のカップルが公営住宅を賃借することを確実に妨げてい
る公営住宅法23条1項や、同性のカップルの一方をDV防止法の保護から排除されて
いることのように、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル及び性同一性障がいの人々
に対する雇用、居住、社会保険、健康保険、教育及びその他の法によって規制された
領域における差別があることを懸念する(規約2条(1)及び26条)。

締約国は、委員会の規約26条についての解釈に沿って、性的嗜好が禁止された差別
の根拠に含まれるとの観点から法律を改正し、婚姻していない同居している異性の
カップルに付与されている恩恵が、婚姻していない同居している同性のカップルに対
しても付与されるよう保証すべきである。

30. 委員会は、20歳から60歳の間に最低25年間保険料を払わなければなら
ないという規定との関連で1982年国民年金法の国籍条項の削除の不遡及の結果、
1952年に日本国籍を喪失した多数の外国人、主要には韓国・朝鮮人であるが、か
れらがこの国民年金制度の下での年金が実際には受領できないことを懸念する。委員
会はまた、国民年金法から国籍条項が撤廃されたとき20歳を超える外国人は障がい
年金給付が受けられないという規定により、1962年前に生まれた障がいを持つ外
国人にも同じことがあてはまることを懸念する(規約2条(1)及び26条)。

締約国は、外国人を国民年金制度から差別的に排除しないため、国民年金法の年齢制
限規定の適用を受けた外国人のため経過措置を講ずべきである。

31. 委員会は、朝鮮学校に対する補助金が通常の学校に対する補助金より極めて
低額であり、私立学校やインターナショナルスクールへの寄付と違い税金の免除や減
額が認められない私人による寄付に朝鮮学校をして過度に依存させていること及び朝
鮮学校の卒業生が自動的に大学受験資格を取得しないことを懸念する。(規約26条
及び27条)

締約国は、公的補助の増額並びに他の私立学校と同様の税務上の優遇措置を朝鮮学校
への寄付に認めることによって朝鮮学校の財政的支援をすべきであり、また朝鮮学校
卒業生に大学受験資格を認めるべきである。

32. 委員会は、アイヌ民族や琉球民族を特別な権利や保護の資格がある先住民と
して締約国が公式に認めないことを懸念する。(規約27条)

締約国は、アイヌ民族と琉球民族を国内法で先住民と明確に認め、彼らの継承文化や
伝統的生活様式を保護、保存及び促進する特別な措置を講じ、彼らの土地についての
権利を認めるべきである。締約国はまた、アイヌ民族や琉球民族の子に彼らの言語に
よってあるいは彼らの言語についてまた彼らの文化について教育を受ける適切な機会
を提供し、正規の教育課程にアイヌ民族と琉球民族の文化と歴史の教育を組み込むべ
きである。

33. 委員会は、日本の第6回定期報告書の提出日を、2011年10月29日と
定める。締約国の第5回定期報告書及び本総括所見が、日本語、そして可能な範囲に
おいて、国内少数言語で、司法、立法、行政機関同様、国内社会に公表され、かつ広
く伝播されるよう、要請する。また、第6回提起報告書が市民社会及び締約国内で活
動するNGOに入手可能とされることを要請する。

34. 委員会手続規則71パラグラフ5に従い、締約国は、委員会による上記パラ
グラフ17、18、19及び21の各勧告について、1年以内にフォローアップ情報
を提供しなくてはならない。委員会は、締約国が次回定期報告書に、残された勧告及
び条約全体の履行状況に関する情報を記載するよう、要請する。
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いじめ自殺死の自衛官の遺族と防衛省交渉

10月23日(木)
 自衛艦さわぎりのなかで、自衛官が自殺をしたのが約8年前。
 さわぎりでは、自殺者や海上で行方不明者になる人などが相次いでいた。
 いじめの問題などを親に電話で話していた。
 
 国会で、採り上げ、調査をしてもらい、しかし、遺族が全く納得できるなかみではなく、裁判へ。7年かけた裁判で、先日、福岡高等裁判所で、国の配慮義務違反の判決が出て、国は、上告をせず、裁判は確定をした。国に対して、損害賠償を払えとの判決が確定をしたのである。

 長い長い道のり。
 しかし、この間い゛じめによる自殺が相次ぎ、今年になってからの自衛官の自殺は、80人を超えている。問題はちっとも解決をしていない。
 
 さわぎりり件のおかあさんが、言っていたが、今度の広島の15対1で、格闘儀をさせられ、亡くなった事件は、さわぎりの裁判確定の日の次の日に起きている。
 ちっとも教訓や問題は、継承なんかされていない。

 今日は、遺族のご両親と一緒に防衛省に。
 人事教育局長の渡部局長らと面談。
 
 遺族と社民党で、要請書を渡す。
 判決を真摯に受け止め、謝罪をして欲しいという要請に対しては、局長は、「申し訳なく思っていると言いたい。」との回答。
 初めて、直接謝罪があった。

 局長は、「組織としての損失」と発言。
 「損失」という言葉ではなく、悲しいという言葉がなぜ出てこないのかとおかあさん。
 確かに、「損失」というのでは、部品やものの損失という感じで、家族にとっての悲しみとは、大きなへだたりがある。家族が亡くなったときに、「損失」という言葉は、使わないもの。
 
 今後、自衛隊オンブズマンを作って欲しいとこちらは要請。

 また、いじめをなくしていくとの内外へのアピール、メッセージを発し、対策をきちんと講じて欲しいと要請。
 広島の件も「はなむけの儀式」なんて言い方を決してしないで欲しいと要請。

 今いる自衛官の人や家族が安心できるようにして欲しい。
 遺族の人たちとは、長い長いおつきあいになった。
 がんばって、何とかしたいという思いでがんばっている。
 とにかく頭が下がる。
 
 亡くなった青年は、宮崎の青年で同郷の人。 
 いじめた上司は、「宮崎の焼酎、百年の孤独を持ってこい。」なんて言っていたと聞いている。
 純朴な青年を死に追いやってという怒りがわたしのなかにある。
 ちなみに弁護士は、わたしの高校の一年後輩。
 わたしも含めて宮崎連合なのである。
 
    
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裁判員制度について

9月7日(日)
 裁判員制度についての社民党の考え方を発表をすると、大きな反響があった。
 今でもいろんな考え方が多く寄せられている。
 ありがとうございます。
 弁護士会や法務省、最高裁判所とも新たに意見交換を行った。
 また、共同通信の竹田記者に部会に話に来てもらったりした。「裁判が日本を変える!」(生田暉雄著、日本評論社刊)を読む。興味深い。

 司法の民主化ということは必要であり、陪審制であれ、裁判員制度であれ、必要なことである。
 しかし、今のままでいいのかということである。
 冤罪を生まないという構造にはなっていない。「それでもぼくはやっていない」の映画ではないけれど、捜査の可視化も代用監獄の廃止もされないなかでは、冤罪を生む構造は、残っており、一般の人が、知らずに誤判をしていくという可能性は十分にある。
 前提条件、必要条件をクリアしていない。
  
 また、裁判員制度についての法律は、法律の性質上、あっさりしていて、法律成立後に明らかになったこともたくさんある。
つまり、具体的な運用の場面で問題があると考える。

 衆議院議員の保坂展人さんに聞いたのだが、衆議院の法務委員会で、裁判員制度の模擬裁判を傍聴をしたそうである。
 そのとき、職業上の裁判官が、「この被告人は、捜査の段階で、ころころ供述を変えていて、信用できないんですよ。」と言ったそうである。それで、傍聴をしていた国会議員が耳を疑ったのである。
 これでは、全く予断を持って裁判に臨むことになる。
 
 このことが、社民党の法務部会で、問題になった。
 最高裁判所の答えは、「起訴状一本主義であるから、裁判官は、書証を読んでいないはずだ。」と言う。
 しかし、読んでいないはずの裁判官がなぜそのように言うのか。
 起訴状一本主義の考え方から、書証はよんでいなくても、公判前手続きをしているから、なかみがわかっているのではないかとも答える。
 ますます問題ではないか。
 
 結局、公判前手続きをしていた職業上の裁判官が、実質的には、その事件のことを一応熟知し、かつ証拠のこともわかっているので、裁判になって選ばれた一般の裁判員は、事実の見方で、裁判官に太刀打ちができないのである。裁判員は、裁判が連日開廷をされるので、証拠をきちんと読むということすらできないだろう。

 予断を排除するために、裁判官は、第一回公判まで、起訴状しか見ることができないという起訴状一本主義を貫くのであれば、公判前手続きをする裁判官と実際公判廷を担当をする裁判官を分けるぺきではないだろうか。

 また、裁判員を選ぶときの、モデル案として、「あなたは警察官を信用をしますか」「あなたは死刑に反対ですか」というのがはいっている。

 最高裁は、各裁判所がそれぞれどういう質問をするかを決めるというが、一応の案としても変ではないか。撤回をすべきである。
 「死刑に反対ですか」と聞かれて、「いいえ」と答えて、判決の評議のときに、「死刑判決には問題あり。」と言えば、虚偽の答えをしたとして、処罰の対象になりかねないのである。
 モデル案は、撤回をすべきではないか。

 また、模擬裁判の結果、3日間で終わるのが、7割と最高裁は言っている。
 逆に言うと、3割は、3日間では終わらないのである。
 20日くらいかかるケースがあったことを最高裁は認めた。
 20日間かかれば、どんどん裁判員が変わり、補充され、全く裁判員が入れ替わっていて、はじめから、証言を聞いていた裁判員はいないということもあるだろう。一般の人で、20日間もつきあえる人はなかなかいないだろう。

 結局、みんなのスケジュールの都合で、裁判が進行することにならないか。
 そもそも3日間で終わる争いがないケースは、問題は比較的ないだろう。
 激しく争われたり、認定が難しいケースは、時間がかかってもきちんと審議すべきであり、みんなのスケジュールで、変に急ぐべきではない。

 また、裁判員にとっては、死体の写真などは、残酷なので、イラストにするという案も出ている。
 こんなのは、全くおかしい。
 確かに、死体の写真は、正視に耐えないと思うことはある。
 しかし、これが、事実なのである。
 裁判は、事実とは何かを争い、認定をするところである。
 イラストは、イラストの書かれ方によって、事実とは全く印象が違うものにもなりうる。事実とき何か判断するときに、イラストにするというのでは、バーチャルなもので、認定をするということで、全くおかしい。
 やらせタウンミーティングみたいな予定調和のもので裁判があってむいいわけがない。刑事裁判は、被告人の命を奪う決定をすることもできるし、また、一件でも冤罪があってはいけないのである。

 ちなみに、隣りの中国では、死刑の執行の後に、真犯人が出てきて、大問題となり、法律により、最高法院が、すべての死刑事件の再審を行うことになった。
 また、韓国は、この10年間、死刑を執行をせず、アムネスティは、事実上の死刑停止国と認定をしている。
  
 また、アメリカの陪審員制度のもとでは、被告人の「無罪の推定」について、繰り返し、繰り返し説明がある。無辜のものを処罰しないためである。
 しかし、今の日本の裁判員制度のもとでは、模擬裁判においては、候補者選定のときしか、説明をしていない。
 きちんと節目、節目に説明をすべきである。

 このように、裁判員制度については、「ここは問題ではないか。」「ここは改善すべきではないか」ということが数多く存在をするのである。
 裁判は重い。
 正すべきところは、正していくべきである。
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自衛隊員の自殺について勝訴判決

8月25日(月)
 今日、福岡高等裁判所は、護衛艦「さわぎり」の海上自衛隊員の自殺について、直属の上官が3曹を侮辱するような言動を自殺前の約2ヶ月にわたって繰り返し事実を認定をした。そして、上官たちの言動は違法で、自殺との因果関係があると述べた。

 自衛官の自殺について争った裁判で、国の責任を初めて認めた判決で、その意味で画期的である。

 わたしはとても嬉しい。この自殺の後、国会で、質問をし、質問趣意書を何度も提出してきた(2000年5月30日、2000年7月5日など)。
 このご両親とは、すっかり仲良くなり、裁判も支援してきた。
 電話で母親と話をしたが、この判決が、今,自衛隊にいる人たちに役立つようにと本当に思う。
 自衛隊のなかのいじめをはじめとした人権侵害をなくし、自殺をする人が亡くなることを心から願う。
 多くの自衛官の人たちを救う判決となるだろう。

 この自殺をした自衛官は、宮崎県出身の人である。
 遺族側は、控訴審で、上司からいじめを受け、希少な焼酎などを催促されていたと主張したが、この希少な焼酎とは、百年の孤独のことである。

 この自衛官が亡くなった後、母親が知り合いであった宮崎の社民党の代表の鳥飼さんに相談をし、わたしのところに相談がきたのである。
 話を聞いて本当に驚いた。
 このさわぎりのなかで、明らかに問題があり、人格を否定するような言動が、上司からなされていて、あまりにひどいと思ったからである。

 早速、2000年3月10日に参議院の予算委員会で質問をした。
 
  「自衛隊佐世保管内にあります自衛隊の『さわぎり』という船、護衛艦があります。そこでこの2年間の間に、行方不明者が一人、自殺者が一人、自殺未遂が一人、そしてまた最近、船から飛びおりてずっと泳いで別の護衛艦に保護されたというそんな事件が起きております。・・・・・・」
 また、2000年5月29日には、参議院の本会議で、このさわぎりのことを聞いている。
 
 かなり長く聞いて、調査自体に問題があったのではないか、調査のやり直しが明らかに必要ではないか、また、自衛隊内の人権意識確立のためにも、人権啓発教育の制度化と部外者による自衛隊オンブドのようなチェックシステムの設置が必要だと考えますが、いかがかということなどを聞いている。

 今回の判決を受けて改めて再発防止などについて取り組んでいく。

 社民党がこんな活動を積極的にやっていることをぜひ知って欲しい。

今日、自殺の問題に取り組むライフリンクの清水さんと社民党の週刊紙社会新報で対談。
 自殺の原因と国、自治体で何をやるべきかという話を聞く。
 今日の福岡高裁の判決とも関係をしている。
 毎年、3万人以上の人が自殺をしていることをとにかく止めるべくネットワークを組み、がんばっていく。   
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裁判員制度の見直しについて

8月10日(日)
 8月7日(木曜日)に、社民党は、「裁判員制度の実施に対する社民党の見解」を発表をした。
 リンクしている社民党のページをぜひ見てください。
 捜査の可視化や証拠開示や代用監獄の廃止などがちっとも進まなくて、3日間で、殺人などの重い事件を終わらせようとするのは、あまりに無理がある。
 十分検討をして、冤罪などが起きないようにすべきである。
 ぜひ全文を見てください。

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死刑の執行について

6月17日(火)
 今日、死刑の執行があり、ショックである。
 鳩山大臣は、既に、13人の死刑を執行をしている。

 わたしは、司法修習生のときは、死刑については、疑問はあるけれど、明確に廃止とまで言い切れるかという立場だったように思う。

 死刑について、はっきり反対の立場になったのは、どうしてだろう。
 免田栄さんをはじめ死刑台から生還した人たちに会い、具体的に何度も話を聞くことがあった。
 狭山事件、袴田事件など、再審開始を求めており、物証も含めて極めて疑問、えん罪と思っている事件もある。
 鹿児島の志布志事件をはじめ無罪になったケースもたくさんあり、当事者からこれまた何度も話を聞いている。

 ヨーロッパ評議会で、アメリカ人の男性で、死刑が確定をしたが、その後の科学的捜査で、DNA鑑定の結果、無罪となり、まさに、死刑台から生還をした人に話を聞いたこともある。
 DNA鑑定がなされなかったら、彼は死刑になっていたはずである。

 このようにえん罪の可能性があり、死刑になったらもう取り返しがつかない。

 しかし、そのことだけではないように思う。

 犯罪を減らしていくことは大きな課題である。
 今、日本の殺人の認知件数は、一番多かった昭和29年の3分の1である。
 どうやって犯罪を減らし、どうやって被害にあう人をなくしていくかが極めて大事なことである。

 戦争と死刑は、どちらも政府の行為によって、法にのっとって行われる。
 いずれも「殺人」だが、ある人がひどく激情にかられて、人を殺してしまうというのではない。
 いちおう理性的に、手続きにのっとって行われる。
 だとしたら、戦争も死刑も、人間が英知を結集し、決心すれば、なくすことの可能なものである。

 国家による殺人は、あるとき、とんでもない方法で行われるかもしれないという恐怖心が、わたしにはある。
 そんなことをこれまた強く思うようになったのは、「白ばらの祈り」という映画を見てからである。
 ナチス・ドイツの政権のもと、「戦争反対」というチラシをこっそり配布をしたために、同じく活動をしたおにいさんなどとともに国家反逆罪で、あっという間に、死刑で殺されたゾフィーの映画である。
 かつて本でも読んだ。
 この話は、実話であり、こんな形で、人が殺されたのは、つい60数年前のことである。

 EUに加盟をするためには、死刑を廃止をしなければならない。だから、トルコも死刑をやめた。ロシアもやめている。死刑がある先進国は、日本とアメリカくらいである。
 死刑が抑止力になっているというデータはないと言われている。
 犯罪を犯した人間は、死ぬまで、とことん罪と向き合うべきである。国家が命を奪うのではなく、とことんむきあわさせるべきではないか。
 
 確か親鸞聖人の教えに、「罪を憎んで、人を憎まず」という言葉がある。
 わたしは、親鸞聖人の領域には達せず、人を憎むことがあるけれど、死刑を考えるときに、この親鸞の言葉の意味は考えられてもいいのではないか。
 ただ、わたしは、仏教の勉強をきちんとしたことがないので、今度ちゃんと勉強をしたい。
 
 ぜひこんな考え方があることも知って欲しい。
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政府が開かぬのなら 「私たちの公聴会」で元慰安婦の女性の証言を伺う

 弁護士として元慰安婦の女性たちの権利回復裁判に関わって以降、幾度となく証言を聞いているが、何度聞いても胸が痛くなる。
「私たちの公聴会」で慰安婦にされた女性たちの証言を伺う


 元慰安婦の女性たちの声を聞く公聴会は、野党議員と市民団体だけが聞くのではなく、政府にも聞いて欲しいと発言。
「私たちの公聴会」で発言
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慰安婦問題を国の責任で解決するよう求める法案を提出しました

戦時性的強制被害者問題解決促進法案の参議院提出

 「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」を参議院に野党共同で提出しました。
 7回目の提出になります。
 
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