fc2ブログ
 

福島みずほのどきどき日記

子どもの甲状腺がんで質問 5/19参厚労委

5月19日(木)の参議院厚生労働委員会で、福島第1原発事故における子どもの甲状腺がんについて質問しました。
環境省は、原発由来であることを認めようとしませんでしたが、「たくさん発見されている」ことについては認めました。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 子供たちの甲状腺がんの問題についてお聞きをいたします。現在、福島県民健康調査において、甲状腺がん又は疑いの子供たちは百六十六人、手術後確定は百十六名となっています。国立がんセンターによる試算では、二〇〇一年―二〇一〇年のがん罹患者、全国推計値に基づいて計算した場合、福島県において十八歳までに臨床診断される甲状腺がんは二・一人となっております。国立がんセンターがん予防・検診研究センター長の津金昌一郎博士は、約六十倍の多発としています。
 福島県県民健康調査委員会における中間取りまとめでは、これを踏襲して、「わが国の地域がん登録で把握されている甲状腺がんの罹患統計などから推計される有病数に比べて数十倍のオーダーで多い」という中間取りまとめを現にしております。ですから、現在、福島県県民健康調査における、これやはり多発ではないでしょうか、見解をお聞きします。

○政府参考人(北島智子君) 環境省が開催しました住民の健康管理に係る専門家会議の中間取りまとめにおきましては、今回の原発事故後の住民における甲状腺の被曝線量はチェルノブイリ事故後の線量よりも低いことや、チェルノブイリ事故で甲状腺がんの増加が報告されたのは事故から四、五年後のことであることなども踏まえた上で、先行検査で発見された甲状腺がんについて、原発事故由来のものであることを積極的に示唆する根拠は現時点では認められないとされているところです。
 また、福島県が開催した検討委員会の取りまとめでも、これまでに発見された甲状腺がんについては放射線の影響とは考えにくいと評価されております。
 津金先生の福島県の甲状腺がんについて多発していると評価している旨の御発言がございましたが、津金昌一郎先生からは、福島県の甲状腺がんについて自分としては多く診断しているとは考えているが、多発している、多く発生しているとは述べていないにもかかわらず、多発していると述べているかのように言われることは遺憾であると考えている旨をお伺いしておりますので、申し添えさせていただきます。

○福島みずほ君 私は、原発に起因しているかということは聞いておりませんが、先に答えていただきましたが、私がお聞きしたのは、数として多いのではないかということです。福島県県民健康調査委員会における中間取りまとめでも、数十倍の多発、推定される有病数に比べて数十倍のオーダーで多いという中間取りまとめを行っております。これは多いのではないんですか。多いかどうかという質問をしています。

○政府参考人(北島智子君) 環境省といたしましては、多発と表現するのではなく、例えば県民健康調査における中間取りまとめでの記載のように、甲状腺がんの罹患統計などから推定される有病率に比べて数十倍のオーダーとなっていると正確に表現することが適切であると考えております。

○福島みずほ君 数十倍のオーダーで多いんだったら多発しているんじゃないですか。

○政府参考人(北島智子君) 例えば、辞書では多発という言葉につきましては多く発生することと記載しておりまして、今回の検査におきましては、比較するものが非常に少ないということもありまして、通常どのぐらいの方が症状のない甲状腺がんを持っているかどうかということに比べて多いかどうかを判断できる段階にはないと考えております。

○福島みずほ君 いや、冗談はやめてくださいよ。だって、中間報告で推定される有病数に比べて数十倍のオーダーで多いと言っているんですよ。そして、ちゃんと多いと言っているわけだから多いんでしょう。
 じゃ、多いということは認められますか。数十倍のオーダーで多い、いかがですか。

○政府参考人(北島智子君) これまでの統計につきましては、症状があって病院にかかった方の数を集計しているものでございますので、直接比較することは困難であると思いますけれども、その病院にかかった方との数を比べれば、その数十倍のオーダーになっているということでございます。

○福島みずほ君 数十倍のオーダーで多い、多いということですね。今までより多い。なぜならば、今まで国立がんセンターによる試算では、二〇一〇年時点の福島県の十八歳以下の甲状腺がん有病者数は二・〇です。有病者数とは、潜在的なものも含めて実際に病気を持っている数ですから、実際発症していなくても二・〇なんですよ。それが今この数字なわけですから、これはとても多いでしょう。多いということは多く発見されている、これは認められますか。

○政府参考人(北島智子君) 大変精度の高い超音波機器で症状のないお子さんを検査していることによってたくさん発見されているということは認めております。

○福島みずほ君 違いますよ。手術を受けた子供たち九十六人の症例について、福島県立医大の鈴木眞一教授によるペーパーが八月三十一日公開をされました。リンパ節転移が七十二例に上ること、リンパ節転移、甲状腺外浸潤、それから遠隔転移などのいずれに該当する症例が九二%に上っています。だから、軽いとかというのじゃないんじゃないですか。実際、転移している例とか重症の例が、深刻な例が多いんですよ。

○政府参考人(北島智子君) 子供の甲状腺がんに関しましては、リンパ節転移がある例が多いということは学会等でも認められておりますが、そのリンパ節転移や浸潤がある例が必ずしも予後の悪いことに結び付くとは認定されておりません。

○福島みずほ君 ただ、もちろん術後の観察によって変化することは私も論文を読んで分かりました。しかし、何でもないのにというのではないんですよ。
 じゃ、多く発見されている、これは認めますか。

○政府参考人(北島智子君) 調査によってたくさん見付かっているということは認めております。

○福島みずほ君 調査によって多く発見されていることは認める、環境省から答弁ありますが、これ、環境省の管轄と一般的に言われていますが、病気というのはやっぱり厚労省ですよね。
 厚労省、これは質問通告しておりませんが、やっぱりこれ多く発見されている。いかがですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今、県民調査の話をされておられたと思いますが、これはあくまでも環境省の事例は厚労省の技術支援の立場でございまして、私ども通告もいただいておりませんので、この辺は私どもがコメントする問題ではないというふうにまず思います。

○福島みずほ君 今日、環境省が多く発見されていると答弁してくださいました。これはやっぱりゆゆしい事態で、担当は直接、この甲状腺がんは環境省かもしれません。でも、福島の子供たち、実は福島県だけではありません、子供たちの甲状腺がんが発見されています。やはりこれは多く発見されている、大変な事態だと思います。これからさらにチェルノブイリの例によれば増えるかもしれないということを指摘する専門家もいます。
   〔委員長退席、理事羽生田俊君着席〕
 大臣、質問通告しておりませんが、是非子供たちの、とりわけ福島県の子供たちの甲状腺がん、関心を持って厚労省としてもやっていただきたい、いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、この特定の調査、県民調査については環境省がおやりになっているので、私どもは技術的な支援を申し上げているということでございますが、もちろん、健康という意味においては国民全体に私どもは責任を負っていますので、これはどこと言わず、しっかり見ていかなければいけないということはそのとおりでございます。

○福島みずほ君 厚生労働省は是非関心を持って、子供たちの甲状腺がん始めとした健康について是非心を砕いていただきたいということを強く要望しておきます。
 では次に、福島県県民調査以外において、福島県及び近隣県の小児甲状腺がんの状況を把握しておりますか。

○政府参考人(北島智子君) お答えいたします。
 福島県及び近隣県における甲状腺がん等の疾病に関しては、環境省で開催いたしました専門家会議の中間取りまとめを踏まえまして、全国がん登録のデータ等を活用した疾病罹患動向の把握を進めていくこととしております。

○福島みずほ君 近隣県の小児がんについて、それはちゃんと調査をしているんでしょうか、改めて。

○政府参考人(北島智子君) これまで、がん登録等のデータを用いて研究班ベースでそういった情報を収集しているところでございます。

○福島みずほ君 どれぐらいありますか。

○政府参考人(北島智子君) 今まさに研究を実施中でございまして、結果がまとまり次第公表していく予定としております。

○福島みずほ君 いつですか。甲状腺がんの近隣県の子供たちのデータはいつ出てくるんですか。

○政府参考人(北島智子君) 研究班でございますので、研究が取りまとまり次第発表していただくということになってございます。

○福島みずほ君 実は、近隣県でもう甲状腺がんが出ているということが言われています、報告を受けています。
 だとすると、福島県の子供しか健康診断調査の、これは、国、やっていないわけですけれども、県境を越えて放射性物質プルームはばらまかれました。県によって閉じ込められているわけではありません。これはもう強く何度も言ってきましたが、福島県以外の子供たちにおいてもホットスポット地域を始め健康診断をやるべきだということを強く申し上げたいというふうに思います。
 それで、実は、福島県立医大以外でも百三の病院で受診するということができるということは知っているんですが、実は、私の知っている例で、全国歩くと、実は、福島県立医大ではなく別の病院で、信頼できる病院で手術を受けたいという子供たちの例を聞きます。これはやはり安全に、あるいは確実にと親が思っているからだと思います。
 この場合は診療報酬の対象になるのであって、全額免除ではないということでよろしいでしょうか。

○政府参考人(北島智子君) 検査につきましては元々診療報酬の対象外が原則だと認識しておりますが、それに伴う医療につきましては診療報酬の対象となっていると認識しております。
 なお、甲状腺の検査サポート事業につきましては、この県民健康調査の甲状腺検査を受けていただいた方に対して実施しているものでございます。

○福島みずほ君 健康診断調査を受けていない人について、ほかのところで発見された人については、では医療費の控除というのはないわけですよね。

○政府参考人(北島智子君) 福島県内でございますと十八歳以下の医療費を県として無料にしていると伺っておりますが、それ以上のお子さん又は他県にいらしているお子さんにつきましては、この医療費の補助、支援は受けられない仕組みになっております。
 福島県で行われている甲状腺検査サポート事業は、福島県が実施する甲状腺検査において必要なしこり、結節性病変が見付かった方に対して、医療に係る経済的負担を支援しつつ、診療情報を御提供いただくことで甲状腺検査の充実を図る事業となっております。
 こうしたことから、この甲状腺検査事業の対象になっている方にサポートしているというものでございます。

○福島みずほ君 結局、情報提供ということとある意味バーターで医療費の援助をしているので、ですから、この県民健康調査以外の検査で甲状腺がんが見付かった人は対象になっていないという点は極めて問題だと思います。
 甲状腺がんになった子供たちは、その七五%がリンパ節転移をしており、また甲状腺外浸潤や遠隔転移の症例も多いです。一度手術をした後、再発している症例もあります。
 しかし、こうした症例については、福島県立医大内の甲状腺検査専門委員会診断基準等検討部会で検討されるものの、同委員会は非公開です。ちなみに、同委員会は国の福島県民健康管理基金が充てられています。患者のプライバシーに配慮しつつも、きちんと公開し、対策を検討すべきだと考えますが、いかがですか。

○政府参考人(北島智子君) 御指摘の検討部会は、甲状腺検査専門委員会診断基準等検討部会かと思いますけれども、この検討部会につきましては個人情報を取り扱うため非公開で行われておりますが、その概要につきましては福島県立医科大学のウエブサイトにおきまして個人情報にも配慮した上で既に公開されていると伺っております。

○福島みずほ君 この福島県外の子供たちについても検査及び医療費の減免措置を打ち出すべきではないですか、改めて。
   〔理事羽生田俊君退席、委員長着席〕

○政府参考人(北島智子君) 県民健康調査の甲状腺検査につきましては、県外に避難された方等県外のお子さんたちにも受診の機会があります。そういったことで、この福島県の県民健康調査の一環として受けていただいた方につきましては県外のお子さんでもサポート事業の対象にしているところでございます。

○福島みずほ君 一巡目と二巡目とありますが、一巡目、二巡目合わせると百六十六人、二〇一四年から始まった二巡目検査で甲状腺がん又は疑いとされた子供たちは五十一人、この中には一巡目の検査で問題なしとされた子供が四十七名含まれています。
 問題なのは受診率の低下です。一巡目検査の受診率は八一・七%であったのに対し、二巡目の検査の受診率は激減し六二・一%です。でも、二巡目の検査で初めて、一巡目では問題ないとされた子供に甲状腺がんが発見されている。これらの健康診断調査、甲状腺についてずっと続けていかれるということでよろしいですね。

○政府参考人(北島智子君) 甲状腺がんの検査を含めた県民健康調査につきましては、当初より三十年を予定しております。

○福島みずほ君 きちっと二巡目についても、あるいはしっかり健康診断調査を受けるように、アピールや啓発もお願いします。
 女性が自分は甲状腺がんが見付かって手術をして、だから、皆さんどうか検査を受けてくださいというのを訴えているというのを聞きましたし、また、福島県では甲状腺がん患者の会がつくられて、情報交換と支え合いというのも始まっています。
 北島部長、改めて、多く発見されているということをお認めになって、対策を講ずるべきではないですか。

○政府参考人(北島智子君) 冒頭に申し上げましたとおり、この専門家会議の中間取りまとめ、また福島県が開催した県民健康調査の検討委員会の取りまとめでも、この甲状腺がんにつきましては放射線の影響とは考えにくい等と評価されているところでございます。
 ただ、チェルノブイリ事故でも甲状腺がんが発見されたのが事故後四、五年後からと伺っておりますので、この調査の結果をこれからもしっかりと注視してまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 今日、環境省が多く発見されているということを認められましたので、やっぱりこの多発の現状を踏まえてしっかり対策を取るべきである、厚労省も是非関心を持って心を砕いていただきたいということを申し上げ、質問を終わります。

スポンサーサイト



PageTop

環境省試算 再生エネ25兆円効果

 太陽光や風力などの再生可能エネルギーの発電推進によって、2010年から2030年までの累計で、火力発電用化石燃料費に換算して最大25.47兆円分の軽減効果があるという試算を、環境省が初めて公表しました(以下のPDFファイルの29ページを参照)。

 この試算は環境省が三菱総合研究所に委託し、昨年12月に作成されたもので、南日本新聞が3月3日付けで「環境省は『まだ検討中」として公表していない」などと報じていました。福島事務所が要求して提出させました。

再生可能エネルギーの導入見込量・効果影響の推計(PDFファイル)
PageTop

放射線防護の要援護者施設一覧

 2月4日の行政交渉において内閣府政策統括官(原子力防災担当)に要求していた、「原子力災害対策施設等整備費補助金」(※2012年度補正予算で111億円、2013年度補正予算で200億円を計上)に関する資料「放射線防護を実施した要援護者施設等一覧」が届きましたので、アップいたします。

放射線防護を実施した要援護者等施設一覧(PDFファイル)

 2012年度補正予算分と2013年度補正予算分がいっしょになった一覧表で、全国17道府県の144施設が載っています。確定額が載っているのは、144施設中たった9施設ですが、残りの施設に関しても金額をすぐに出すように内閣府の対して働きかけているところです。こちらについても届き次第アップいたします。

 内閣府によれば「原子力災害対策施設等整備費補助金」は、原発から30キロ圏内の原子力災害対策重点区域(UPZ)に位置する病院・要援護者施設のうち、申請のあった施設に対して、フィルター設置などの放射線防護対策の工事を補助するものです。
PageTop

決算委で子ども被災者支援法質問

2月9日の参議院決算委員会で子ども被災者支援法について質問しました。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、住宅支援についてお聞きをいたします。
 避難者が避難先、移住先において生活再建が可能となる住宅支援の実現に向けて、立法措置を含む必要な措置を講ずるべきではないでしょうか。

○国務大臣(竹下亘君) 子ども・被災者支援法に基づく基本方針では、福島県等において避難せずに居住を続ける場合、他の地域へ移動して生活する場合、移動前の地域へ再び居住する場合のいずれを選択した場合であっても適切に支援することといたしております。他の地域に移動して生活する場合の住宅の確保についても、応急仮設住宅の供与期間の延長、公営住宅への入居の円滑化などの必要な措置を講じているところでございます。
 引き続き、実際に施策を担当する各省庁と連携しながら、被災者の生活再建に、若しくは自立に向けた各種の被災者への支援施策の推進に努めていくつもりでございます。

○福島みずほ君 でも、実際避難している人に聞くと、公営住宅や民間賃貸住宅を使ったみなし仮設で暮らす人の入居期間が来年三月末まで延長されましたが、一年ずつ延長していくのでは被災者の不安が続いております。実際いつまでそこに住めるのか、また借換えが認められない現行制度についても改めるべきではないでしょうか。

○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 災害救助法に基づきます応急仮設住宅の提供期間は原則として二年とされておりますけれども、東日本大震災で設置したものにつきましては、特定非常災害特別措置法に基づきまして、一年を超えない期間ごとに延長を行うことが可能となっております。延長に際しましては、各県におきまして、災害公営住宅等の恒久的な住宅の整備状況あるいは被災自治体における復興状況を総合的に勘案しながら判断されていくというふうに承知しておりますので、国といたしましては、延長供与を受けた際には、被災自治体の状況等をしっかり確認し、適切に対応してまいりたいと考えてございます。
 また、応急仮設住宅は、被災者への応急的、一時的な救助として仮住まいを現物で提供するものでございますので、応急仮設住宅からの移転につきましては、いわゆる恒久住宅への移転というものを想定してございます。このため、基本的には住み替えを認めるということは困難でございますけれども、東日本大震災につきましては、他県など遠方に避難された被災世帯が県内に帰還される場合には、帰還促進の観点から特例的に住み替えを可能とするなど、できる限りの対応、配慮を行っているところでございます。(発言する者あり)

○福島みずほ君 今意見がありましたが、私も被害が長期にわたるという原子力災害の特殊性をしっかり踏まえる必要があると思います。災害救助法で一年ごとにといっても、来年のことが分からない。皆さん本当に不安が広がっています。これは、避難者の住宅支援のための法整備をきっちり行うべきだということを申し上げます。
 子供たちの保養についてお聞きをいたします。
 子供たちの心身の回復を目的とする活動への支援強化拡大と保養制度の実現のために、立法措置を含む必要な措置を講ずるべきではないでしょうか。

○政府参考人(久保公人君) 文部科学省では、子ども・被災者支援法第八条の規定に基づきまして、平成二十六年度から福島県の子供を対象に、自然体験活動あるいは県外の子供たちとの交流活動を支援する事業として、福島県の子供たちを対象とする自然体験・交流活動支援事業を実施してきております。平成二十七年度予算では、この事業は、新たに創設されました被災者の健康・生活支援に関する基幹的事業を一括した復興庁の被災者健康・生活支援総合交付金の取組の一つとされているところでございます。
 この在り方につきましてはいろんな御意見があるところではございましょうけれども、文部科学省といたしましては、まずはこの新たな交付金制度の下で、より効果的、効率的な支援活動ができるように努めてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 五十九億円中、福島の子供たちを対象とする自然体験・交流活動支援事業は約四億円ということでよろしいですね。

○政府参考人(久保公人君) 御指摘のとおりでございます。

○福島みずほ君 これは福島県外への保養は入っているんでしょうか。

○政府参考人(久保公人君) 福島県外への派遣も入っております。

○福島みずほ君 福島県が行っているふくしまっ子は、二十六年度十億円、二十七年度七億四千万で二五%減っております。子供たちの保養は極めて重要です。是非、沖縄や北海道やいろんな、他県に行く人もいますし、それから、NGOはこの四年間本当に頑張ってきました。しかし、疲れ始めて、もうお金がなくて、受け入れてきたけれども続かないという悲鳴のような声を全国各地で聞きます。
 四億円ですが、もっとこれ、予備費で出すとか、もっとこの保養、福島県内、県外も含めて、NGOへの支援も含めて、子供たちへの保養をしっかりやっていただきたい。いかがでしょうか。

○政府参考人(久保公人君) 福島県のニーズもこれからも一層聞いていく必要があると思います。その中で、新しい交付金ですので、そのニーズを踏まえた円滑な実施につきましてよく復興庁と相談しながらその充実に努めさせていただきたいと思います。

○福島みずほ君 オスプレイ一機百億円買うんだったら、子供たちのためにお金使ってくださいよ。四億円、やっぱり少な過ぎるというふうに思います。
 次に、環境省における東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議についてお聞きをします。
 中間取りまとめを発表しましたが、内容が極めて問題です。また、委員の中には、電力事業連合会から旅費等の補助を受けていた委員、丹羽委員、佐々木委員がおります。利益相反ではないでしょうか。また、放射線審議会長、歴代会長は長瀧委員、佐々木委員、中村委員、丹羽委員ですが、いわゆる原子力村の一員として原発の安全神話の一翼を担ってきたのではないでしょうか。加害者の側であるにもかかわらず、事故の被害者である住民の健康影響を評価したり健康管理の在り方を審議したりすることは不適切ではないかと考えますが、いかがですか。

○政府参考人(北島智子君) 専門家会議の委員は、それぞれの分野において、研究機関、大学、学会、国の審議会等におきまして主導的な立場を経験されており、被災住民の健康影響や健康管理の在り方について議論を行うために必要な人材であると認識しております。
 なお、専門家会議は任意に設置した会議でございまして、利益相反規定はございませんが、他の審議会等の取扱いを参考に委員の選定を行ったものでございます。

○福島みずほ君 利益相反に関する明文規定がない、あるいは利益相反の委員を選定していることは問題だと思います。
 この会議の中で、住民からの意見聴取もなく、関東のホットスポット地域の自治体首長から提出された意見書についても検討の機会はありませんでした。また、それらの意見が資料として配付されることもありませんでした。今からでも住民等からの意見聴取を行うべきではありませんか。

○政府参考人(北島智子君) 専門家会議においては、医学的、科学的見地から御議論いただくに当たり、自ら被災するとともに、被災された方への対応に当たった医師、保健師の方々からヒアリングも行い、御議論の参考としていただきました。また、御指摘の関係する九市長から提出された意見書につきましては、第十三回専門家会議の前にあらかじめ御確認いただくため、事務局から専門家会議の各委員に送付しております。
 このように、昨年十二月二十二日に公表されました中間取りまとめは、被災された方々の意見も念頭に置いて検討、作成されたものと認識しております。

○福島みずほ君 しっかり議論をしていないですよ。福島県県民健康調査において、小児甲状腺がん及び疑いが百十二例見付かっております。これは、多発という点でも、転移を含む症状の深刻さという点でも、二巡目の検査で一巡目では見付からなかったがんが四例見付かるという点でも深刻な結果が出ております。これについて分析、検討することなく、二巡目の四例が公表される前に中間取りまとめの発表を行い、事実上会議を終わらせてしまった。
 実態に即した真の科学的検討を行うため、委員構成を変更した新たな会議を設置し、議論をすべきではないですか。

○政府参考人(北島智子君) 県民健康調査甲状腺検査の平成二十三年度から二十五年度に行われた一巡目で発見された甲状腺がんにつきましては、専門家会議の中間取りまとめにおきまして、甲状腺の被曝線量がチェルノブイリ事故後の線量よりも低いと評価されていること、チェルノブイリ事故後で甲状腺がんの増加が報告されたのは事故後四、五年後のことであり、これまでの福島での調査で甲状腺がんが認められた時期とは異なること、福島の調査に比べて規模は小さいものの福島県以外の三地域において甲状腺検査を行っており、その結果と福島での一次検査の結果とを比較しても大きく異なるものではなかったことなどを考慮すると、原発事故由来のものであることを積極的に示唆する根拠は現時点では認められていないとされております。また、平成二十六年度と二十七年度の二か年で実施する二巡目の甲状腺検査は調査の途中段階にあることから、甲状腺がんの疑いと診断された四名の方について現時点で何らかの見解を述べられる段階にはございません。
 これらの調査の結果につきましては、各分野の専門家から構成される福島県県民健康調査検討委員会において科学的に評価されるものと認識しておりますが、国といたしましても、調査の実施状況と結果について引き続き注視していく必要があると考えております。

○福島みずほ君 ひどい答弁ですよ、環境省の考え方は。だって、まだ分からないと言いながら、なぜ原発由来のものではないなんて言えるんですか。百十二の例が出ていて、深刻ですよ、本当に。子供たちの小児がんが増えているじゃないですか。チェルノブイリより早く出ているのかもしれない。今まさにそのことが起きていますよ。たくさんのメールをもらいます。栃木県で知り合いの女性の子供の、例えば二十歳代半ばの子供が甲状腺がんの今から手術を受けるとか、悲鳴が本当に広がっています。
 ところで、パブリックコメントは何件寄せられましたか。

○政府参考人(北島智子君) パブリックコメントにつきましては、現在集計中であり、暫定の数字ですが、合計九百六十八件の御意見が寄せられております。この中には同一の方からの同一の御意見が複数件送られているものも含まれております。

○福島みずほ君 一月二十一日にパブリックコメント締め切って、二十日たって、何で中身が今出てこないんですか。

○政府参考人(北島智子君) 九百六十八件の御意見でございまして、一件につきましても多数の意見が寄せられておりますので、件数につきましては大体集計できておりますけれども、それぞれどういった意見が何件あったかというところを今精査中でございます。

○福島みずほ君 パブリックコメントを公開の場で十分審議することが必要だと考えますが、いかがでしょうか。例えば、これは千葉県、二十一日パブリックコメントが締め切られましたが、県内で汚染状況重点調査地域に指定されている九市は、福島県外でも国が健康調査などに取り組むよう求める意見書を出しております。これはパブリックコメントには間に合わなかったのかもしれませんが、茨城県の常総市ではこれをはっきり、例えば、ここもやはりこの健康調査をやってほしいということを市から言っております。この声というのは、福島県の子供たちの健康ももちろん重要です。でも、千葉や栃木や宮城や埼玉、そういう子供たちの健康診断、これについてはどうするんですか。

○政府参考人(北島智子君) 昨年十二月に取りまとめられました専門家会議の中間取りまとめでは、放射性ヨウ素による被曝について、福島県内よりも福島近隣県の方が多かったということを積極的に示唆するデータは認められていないということ、また、原発事故による住民の被曝線量に鑑みると福島近隣県においてがんの罹患率に統計的有意差をもって変化が検出される可能性は低いということ、また、症状のないお子さんに甲状腺検査を実施することで様々な問題を生じることから、施策として一律に実施することについては慎重になるべきとの意見が多かったとされているところでございます。

○福島みずほ君 一律ではなくって、このまさに福島県外のところの、例えば千葉県の中の汚染状況重点調査地域に指定されているところの子供たちに関してきちっと検査をするというのはあり得るのではないですか。つまり、放射性物質は県で閉じ込められているわけでは当たり前ですがありません。福島県の外で福島県よりも高いホットスポット地域や初期被曝が心配になっているところがあります。だから、親も心配している、首長もこんな意見書を出しているんです。市が実際やっていたりするんですが、間に合いません。
 環境省はどうしてほかのところの、とりわけ高いところですね、全県やれなんて言いません。千葉県全県やれとか、そんなことは言いません。でも、実際意見書が出ているじゃないですか。この声をどうして無視するんですか。

○政府参考人(北島智子君) そういったことも含めまして、県外の被曝線量がやや高かった地域を含めて、この専門家会議の中間取りまとめで議論がされておりますけれども、その中でも施策として一律に実施することについては慎重になるべきとの意見ということで、私どもとしては今後の施策の中に盛り込んでいないところでございます。

○福島みずほ君 一律ってどういうことですか。

○政府参考人(北島智子君) 福島県におきましては、福島県が主体となりまして全県民、十八歳未満の全ての子供たちに一律に甲状腺検査をお勧めしております。そういったことについては行政が主導してやっておりますけれども、こういった行政が主導する形での検診は、現時点においては福島県外で実施することは慎重になるべきとの御意見だったと認識しております。

○福島みずほ君 全く駄目ですよ。千葉県だって栃木県だって、どこも高いところの首長が是非やってほしいと言っているんですよ。子供たちは毎日成長する。十年後にどうかなんて分からないんですよ。早期発見することも必要じゃないですか。県境を越えて高いところがある、一律に千葉やれ、茨城やれなんて言っているわけじゃないんですよ。高いところについて、とりわけ首長がやってほしいとやっているところに関して、放射線の線量は全部はっきりしています、そこについて、というか、疑わしい場合には子供たちの健康のためにやるべきじゃないですか。どうしてそれを惜しむんですか。子供たちの健康は代えられません。これに関しては、福島県だけやる、福島県外については慎重な意見なんて納得ができません。こんな中間報告は認められないですよ。
 実際、みんなの不安を除去する最大の理由はきちっと健康診断をやることですよ。もう十年たったら取り返しが付かないんですから。そのことについて環境省、頭入れ替えて、心入れ替えてやってくれということを強く申し上げます。
 二〇一四年八月十七日の政府広報についてお聞きをいたします。これについて、掛かった費用と出したところを言ってください。

○政府参考人(別府充彦君) 今御指摘の新聞記事の広告の経費につきましては、約一億三千万円でございます。
 出したところというのは、どの省庁がこれを出したかという……(発言する者あり)あっ、新聞ですね。新聞は、中央紙、朝日、読売、産経、日経、それと産経の全国五紙、あと福島の地元二紙、福島民報、福島民友及び夕刊フジでございます。

○福島みずほ君 これは極めて問題です。
 というのは、百ミリシーベルト以下の被曝量ではがんの増加は確認されていないことから、甲状腺がんは増えないと考えられますというふうになっています。また、福島県で小児甲状腺がん患者が出ているというのは、検査をしたから発見が増えたと言っています。子供たちの健康のことを考えているんでしょうか。
 つまり、百ミリシーベルト以下で黒か白かというのが分からないとしても、白だと断言するのは間違っているじゃないですか。正しいのは立証されていないということですよ。しかも、これが問題なのは、甲状腺がんは増えないと考えられますと断言していることなんです。大丈夫、大丈夫ともう一回安全神話言って、こんなの税金使って広報しておかしいですよ。何で慎重な意見や正確な意見が出ないんですか。
 こんな広報を出し続けることについて極めて問題だと思いますが、大臣、いかがですか。

○国務大臣(竹下亘君) この政府広報でございますが、国際的な機関の、例えば国際放射線防護委員会あるいは国連科学委員会の見解に沿った科学的に確立されている内容となっておりまして、御指摘のように一方的に偏った意見であるとは思っておりません。
 それから……(発言する者あり)いや、もうちょっと待ってください。発がん性のリスクでございますけれども、百ミリシーベルト以下の被曝線量においては発がん性のリスクは他の要因による発がんの影響によって隠れてしまうほど小さいため、放射線による発がんリスクの明らかな増加を証明することは困難とされておりますという状況です。

○福島みずほ君 全く納得いきませんし、これは問題です。
 時間ですので、これで終わります。
PageTop

原発輸出、集団的自衛権で3月20日参議院予算委質問

ベトナムなどへの原発輸出や集団的自衛権について、3月20日の参議院予算委員会で質問しました。議事録をアップしましたので、皆さん、是非ご覧ください!

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 ベトナムへの原発輸出についてお聞きします。
 この原発建設のため、国税約二十五億円掛け、日本原電が敷地の地質調査、津波評価、環境と住民への影響などを調査しております。その調査報告書、事業報告書は公開されていますか。

○国務大臣(茂木敏充君) ちょっと、早口でおっしゃられたので。
 平成二十一年度のFSについてでしょうか。具体的にもう一度お願いします。

○委員長(山崎力君) じゃ、ちょっと速記止めてください。
   〔速記中止〕

○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。

○国務大臣(茂木敏充君) 二十一年度のFS調査につきましては、日本原電から実績報告書、受け取っております。
 この実績報告書、補助事業でありまして、これに関しまして、補助金交付決定によって、内容であるとか、また交付すべき金額について適正にチェックを行っているところであります。その結果につきましては委員の方にもお渡しをしてございます。

○福島みずほ君 二十億円分の報告書本体は開示されず、追加五億円分の報告書も内容がほとんど黒塗りで判別できませんでした。経産省はこの報告書を持っていますか。

○国務大臣(茂木敏充君) 二十一年度のもの、これは補助事業であります。補助事業が完了した際に交付すべき補助金の額を確定する手続として、当該事業の実施内容及び経理処理等を記載した実績報告書を補助事業者から受け取ってございます。
 二十三年度の調査、これ委託事業でありまして、国が求める成果を得ることが前提となるため、百四十五ページにわたります委託報告書、受け取っているところであります。

○福島みずほ君 それ、全部公開してください。どうですか。

○国務大臣(茂木敏充君) 当該資料の公開に当たりましては、委員も御案内のとおり、情報公開法の考え方にのっとりまして、個人情報のほか、公にすることによりまして当該法人の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの、また他国との信頼関係が損なわれるおそれがあるもの、そういったものについては不開示情報といった形にさせていただいております。

○福島みずほ君 補助金であっても国税が使われている以上、報告書を開示すべきではないですか。

○国務大臣(茂木敏充君) 二十一年度の事業と二十三年度の事業、きちんと分けて報告いたしました。ですから、最初にどちらの事業についてですかということを申し上げました。
 二十一年度の事業は補助事業です。二十三年度の事業は委託事業です。

○福島みずほ君 補助事業について全面開示してください。両方。

○国務大臣(茂木敏充君) 先ほど答弁したとおりでありますが、実績報告書と、こういうのを法律にのっとりましてきちんと受け取ってございます。

○福島みずほ君 私がいただいたのは、真っ黒い部分ばかりで全然中身が分からないんですよ。
 確認ですが、二十一年度のは全面開示ですか、では。

○政府参考人(上田隆之君) 二十一年度につきましては、これは補助事業でございまして、実績報告書というものをいただいております。この実績報告書につきましては、情報公開法の考え方に沿いまして、不開示情報を一部黒塗りにした形で必要に応じて開示をさせていただいているところでございます。

○福島みずほ君 それ、いただいたんですが、真っ黒いのが多くてよく分からなかったんですね。
 二十五億円分の報告書本体は開示されていますか。

○政府参考人(上田隆之君) 二十一年度の事業は、先ほどから申し上げているとおり補助事業でございますので、この補助事業に関する報告書というものは、その実績をいただいた報告書でございます。二十三年度の方は委託事業でございますので調査の報告書がございますが、二十一年度の方は実績報告書、これにつきましては、先ほど申し上げましたような形で情報公開法の考え方に沿いまして開示をさせていただいているところでございます。全てが黒塗りというわけではございません。

○福島みずほ君 二十一年度と二十三年度は、じゃ、全面開示しているということですか。

○国務大臣(茂木敏充君) 何度も答弁申し上げておりますが、適切に法にのっとって開示すべき部分については開示をさせていただいております。

○福島みずほ君 いただいているものがほとんど黒くて中身がよく分からないんですよ。
 つまり、日本原電がベトナムにおいてどういうことをやったのかということが実際分からないんですよ。これは税金を使っていますから、きちっと明らかにしてください。でなければ、本当に安全な原発を輸出しているかどうか、私は書面、もらう限りもらっていますが、全然分からないんですよ。これでは日本の原発輸出が本当に妥当か、日本原電が地質調査をしていたり地震評価していることが妥当かどうか全く判断できません。よろしいですか。

○国務大臣(茂木敏充君) 日本がベトナムに輸出した原発について何らかの調査をするものではなくて、FSにつきまして補助事業、委託事業として調査を行ったものでありまして、その結果につきましては、るる答弁申し上げておりますように、適正に開示をさせていただいております。

○福島みずほ君 何の委託をし、何の調査をしているかは分かっていますよ。それが中身がよく分からないから質問しているんです。
 開示しているとおっしゃるんでしたら、全面開示、ほとんど開示ということでよろしいですね。大臣。

○国務大臣(茂木敏充君) 個人情報であったりとか、委員も法律はお詳しいと思います、さらにはその事業者が競合上不利になること、また外国との関係等々で開示できない情報はございます。そのことは法律の専門家としてよく御存じだと思います。

○福島みずほ君 補助金の使われ方、果たして津波調査や地質調査が妥当かどうか国民としても知る必要がある。これ、もらった資料、真っ黒ですよ。こんなの冗談じゃないと思います。ちゃんとやっているのか、地質調査をというふうに思います。
 トルコの原発建設には十一億二千万円掛けて建設予定地の地質調査が進められています。受注しているのは日本原電ということでよろしいですね。

○国務大臣(茂木敏充君) 結構です。

○福島みずほ君 日本原電は、原子力規制委員会が敦賀原発下の破砕帯は活断層であると断定しても、活断層ではないと言い張る電力会社です。輸出先の調査をする資格があるんでしょうか。

○国務大臣(茂木敏充君) 御指摘いただきました案件、外部有識者によりまして行われる審査によって選定をされたものであります。また、日本原電、トルコのFS調査を実施する以前にも、ベトナム、カザフスタン、インドネシア、タイ等におきましてこれまで調査をしてきた経験、実績を持ってございます。
 原子力規制委員会におけます御指摘につきましては、私の立場からは、独立した機関でありますから、コメントは差し控えさせていただきます。

○福島みずほ君 外部有識者の名前を明らかにしてくれと言っても個人情報を盾に明らかにしないんですよ。日本原電が何で選ばれたんですか。

○国務大臣(茂木敏充君) 客観的な立場で様々な選定を行っていただく、このための外部有識者であります。そういった意味におきまして個人情報は開示できないということであります。
 個人情報として開示できないところが黒くなっていると、これは黒くなっていてしようがないんです。消すために黒くしてあるわけであります。

○福島みずほ君 誰に地質調査を頼むかの外部有識者の名前が何で黒塗りなんですか。明らかにしてくださいよ。

○国務大臣(茂木敏充君) 法律に基づいて行っております。
 御案内のとおり、客観的に外部からの影響を受けずに選定をすると、こういう意味において必要なプロセスであると思っております。

○福島みずほ君 原発はかつてすさまじい秘密主義でした。外部有識者の名前すら明らかにできないなんて全くおかしいですよ。
 トルコの原発輸出については、トルコの地元市長も原発反対です。世界で一番、というか福島原発の事故を踏まえた教訓というのであれば、原発は万一の事故で大変なことになるという教訓も伝えるべきではないでしょうか。総理、どうですか。

○国務大臣(岸田文雄君) まず、トルコの原発につきましては、トルコ側から、是非、日本の技術に高い関心が示され、日本と共同して安全性の高い原発プロジェクトを進めていきたい、こういった意向が示されています。福島第一原発事故を経験した我が国としましては、こうした経験、教訓を世界に共有する形で世界の原子力安全の向上に貢献していく、これは責務だと考えております。
 そして、トルコにつきましては、まず、原子力協定において、こうした地震の発生する可能性を考慮しつつ他の協定にはない原子力安全に関する協議を定期的に実施する、こういった規定を設けています。そして、今後事業を進めるに当たっても、例えばトルコの首相府災害緊急事態管理庁は、地震の発生確率、五つのカテゴリーに分けておりますが、原発建設計画があります黒海沿岸につきまして、危険度の低い方から数えて二番目に属するという報告を行っていること、あるいはこのボアジチ大学カンデリ地震観測研究所国立地震モニタリングセンター、この組織におきましても、津波の発生記録、過去にはこの地域に存在しないということ、こういった調査結果等もしっかり参考にしながら丁寧に事業を進めていくことになると考えています。
 是非、我が国としましては、世界の原子力安全の向上にしっかり貢献していきたいと考えております。

○福島みずほ君 汚染水の対策もできていない日本が原発輸出する、その地層評価を日本原電にやらせる、それも情報公開が極めて不十分、倫理的に極めて問題だと思います。
 小松長官、この予算委員会で三月十一日の答弁該当箇所、私が頼んでいる部分を読んでください。

○政府特別補佐人(小松一郎君) 黄色のマーカーで付けたところをいただきまして、そこの部分だけ読めと御指示でございますので、正確にそこを答弁いたします。
 私も総理の御答弁、一連の御答弁をフォローしてきているつもりでございますけれども、安倍総理は、自民党が野党時代に決定をいたしました国家安全保障基本法を国会に提出するというお考えではなくて、報告書、安保法制懇の報告書を受けた上で、その後で、安全保障の法的基盤について再検討して、その結果を閣議決定すると。その上で、自衛隊の行動に反映させる必要があるものがあれば当然これは立法が必要でございますので、これは複数の法律案を国会に提出するというお考えであるというふうに述べておられると私は理解しております。
 そのあと飛ばしまして、私の理解しているところでは、総理は、安全保障基本法を国会に提出するお考えではないと思います。
 以上でございます。

○福島みずほ君 外交防衛委員会における三月十三日の福山さんの質問に対して、何でこういうことを言ったのかというところで答弁している中身を読んでください。

○政府特別補佐人(小松一郎君) これは御指示がございませんのでこの議事録自体は持ってきておりませんけれども、本日同様の質問が福山委員からございまして、次のとおり答えております。
 御指摘の答弁でございますが、安倍総理の答弁は、憲法解釈の変更を行うという結論を出したものではなく、ましてや、国家安全保障基本法を国会に提出するとかしないとかについての考えをお述べになったものではなく、憲法解釈の変更を行う場合には閣議決定の手続を行って、その後必要な立法措置を行うことになるとの趣旨であると理解していることを述べたつもりでございました。この点につきまして、私の言葉が足りず誤解を招いたとしたら大変申し訳なく、おわび申し上げます。
 以上でございます。

○福島みずほ君 あなたは三月十三日の外交防衛委員会で、たまたま病床でNHKの放送を見ておりましたので、これが念頭にありまして御答弁申し上げた次第でございますと答弁していますね。

○政府特別補佐人(小松一郎君) ちょっと御指摘の答弁、御指摘がございませんでしたので、今正確に答弁を読んでおりませんので、そこは申し上げられません。

○福島みずほ君 議事録の中で、福山さんに聞かれてそう答えているんです。今日の答弁とも違うじゃないですか。今日の答弁とも違う。
 結局、総理は私の質問に対して、国家安全保障基本法案を提出するかどうか決めていないと言っている。あなたは提出しないとはっきり言っているじゃないですか。

○委員長(山崎力君) 時間が来ております。おまとめください。

○福島みずほ君 複数の法律案を国会に提出する考えだ、国家安全保障基本法を国会に提出するつもりはないと。これは出過ぎていますよ。与党も怒るべきですよ。これは役人として言うべきことではないことを言っていて、内閣法制局長官として不適任だということを申し上げ、質問を終わります。
PageTop

東日本大震災から3年-指定廃棄物について参院予算委員会で質問

東日本大震災から3年の3月11日(火)、参議院予算委員会で指定廃棄物と集団的自衛権について質問しました。
議事録の速報版を掲載しますので、皆さん是非お読みください!

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は三月十一日、亡くなられた皆さんに心から追悼の思いを表し、そして遺族の皆さん、被害に遭った皆さんに心からお見舞いを申し上げます。また、震災復興、そして支援、救援、脱原発に向けて全力を挙げるということを国民の皆さんにお誓いを申し上げます。
 今日は、放射能に汚染された指定廃棄物の処分についてまずお聞きをいたします。
 指定廃棄物の定義について教えてください。

○政府参考人(梶原成元君) お答え申し上げます。
 放射性物質の特措法に基づきまして、八千ベクレル、一キログラム当たり八千ベクレル以上の放射能を持つ廃棄物を指定廃棄物ということになってございます。具体的には、ごみ焼却施設等の場合はこの法律に基づきまして測定を義務付けておりまして、その結果に基づき、また農業系廃棄物等々一般の方々が排出をする場合については、申請を受けて、その申請に基づいて国が指定をし、国が処理をするものということでございます。

○福島みずほ君 現在、十二都道府県で総量何トンありますか。

○政府参考人(梶原成元君) 平成二十五年十二月三十一日現在の数字でございますけれども、全体の八割は福島県で出ておりまして、これが十一万六千トンでございまして、これを含めまして、現在、十二都県で合計十四万八百四十三トンについて指定をしておるところでございます。

○福島みずほ君 指定廃棄物の処理について、五県の処分場の今の現在の状況を教えてください。

○国務大臣(石原伸晃君) ただいま御質問のございました五県、宮城県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県において、国が処分場を確保し各県内での指定廃棄物の処理を進めるべく取り組んでおりますけれども、私どもは、前政権時に候補地を提示した際に地元の反発が大きかったことを踏まえまして、候補地の選定プロセスを大幅に見直させていただきました。
 具体的には、有識者会議や市町村長会議の開催を重ね、県知事や市町村長から直接御意見を伺い、県ごとの事情に応じて処分場の候補地を選定する手法などについて丁寧に議論をしてきているところでございます。この選定手法に基づきまして各県ごとの選定作業を進め、詳細調査の結果を踏まえて環境省が最終的な候補地を提示するというふうな段取りになっております。
 宮城県につきましては、選定作業の結果、本年一月に詳細調査の候補地として三か所、深山嶽地区、これは栗原市でございます、下原地区、これは大和町でございます、田代岳地区、加美町でございます、提示させていただきました。今後は詳細調査の実施に御理解をいただけるよう説明を行ってまいりたいと思います。
 その他の四県についてでございますが、引き続き関係県や市町村の意見を十分に伺い、地域の実情に配慮しながら、指定廃棄物の処分場の確保に向けた作業に取り組んでいるところでございます。

○福島みずほ君 茨城県の高萩、そして栃木県の矢板の現場に行きました。いずれも水が豊かで、矢板はダムの近くです。これは一応白紙撤回されたと言われておりますが、もし分かるのであれば、茨城、栃木、千葉の状況について教えてください。

○政府参考人(梶原成元君) お答え申し上げます。
 まず、栃木につきましては、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、地元の市町村長会議等で実際に選定をする、最終処分場の候補を選定する基準について合意をいただいております。その合意をいただきました手順に従いまして、現在、政府部内で候補地の選定作業を進めさせていただいているところでございます。
 また、茨城県につきましては、これまでに複数回の市町村長会議を開催させていただいておりまして、現在その選定手法について提示をし、御意見を賜っているところでございます。
 また、千葉県におきましても、最終処分場の候補地の選定の方法について、これまで有識者会議で合意をされた基準案、選定の方法案を説明をし、御意見を賜っているところでございます。
 いずれにしましても、この茨城県、千葉県につきましてはまだ最終的な選定方法の合意が取れておりませんので、できるだけ丁寧に御意見を賜りながら、まずは選定方法に合意をしていただくというところから始めている次第でございます。

○福島みずほ君 これは最終処分場ということで、地元がすごく憂慮するのは理解ができます。どのような方法で最終処分場とするんでしょうか。

○政府参考人(梶原成元君) 最終処分場につきましては、現在五県で提示をさせていただいているもの、これにつきましては有識者会議で御検討いただいているところでございますけれども、二重のコンクリートの層から成るものであります。
 この最終処分場につきましては、まず立地の場所につきましては、崖崩れでありますとか雪崩といったようなおそれがある地域を除外した上で、さらには、水道水源とかあるいは居住空間からの距離というものに従って絞り込んでいくというプロセスを取り、さらに、その構造は先ほど言いましたようにコンクリート構造物にし、またモニタリング施設等々もしっかりとしたものにして、そういう処分場を提案させていただいている次第でございます。

○福島みずほ君 矢板はダムの近くであり、高萩も大変水の豊かなところと近いんです。適切なんでしょうか。

○政府参考人(梶原成元君) 水道水源並びに農業用水にとって、これに影響を及ぼさないということは極めて重要なことだと考えてございます。そのため、先ほど申しましたように、コンクリートの二重の層の中に入れるわけでございますけれども、その入れる場合はフレコンバッグの中に入れた状態で、なおかつその埋立地内には、セシウムが土壌層に吸着されやすいという特徴がありますから、土壌層の中、土壌層を詰めながらやるという、そしてまたコンクリート層の内側には樹脂等のコーティングをしといったような多重の防御措置をとっております。
 また、御心配の地下水等への汚染がないように、人が入れるような大きさの点検廊をこの二重のコンクリートの壁の間に造り、そこを目視で点検できるような形にし、さらには、長期的にはその中にも、先ほどセシウムが吸着しやすいといったようなベントナイトの混合土を入れて長期的には管理をしていくということを考えてございます。
 そういう行為をすることにより、地下水並びに表流水に対する安全性を確保してまいりたいと、こういうふうに考えております。

○福島みずほ君 これ最終処分場なんですよね。コンクリート二重にして土のうで入れる、コンクリートってどれぐらいもつんですか。

○政府参考人(梶原成元君) これも有識者会議の先生方の御指導を賜りまして、超長期に機能を有するコンクリート、これ百年以上もつコンクリートでございますが、そのコンクリートを用いるということでございます。
 また、半地下方式にすることによりまして、通常の空気中に、大気中にあるコンクリートと違って、半地下方式にすることにより更に安定感が増すといった御指摘も賜っているところでございます。

○福島みずほ君 八千ベクレル以上ですから、一キロ、全部で今一兆一千二百億ベクレル以上のものがあるわけです。そして、セシウム137は半減期が三十年ですから、九十年で八分の一にしかなりません。コンクリートの耐久年数を百年として、放射性物質のその核種の害は残ってるじゃないですか。百年しかもたないんですよ。
 最終処分場にそこがなるわけだから、最終なんですよ、掘り起こさないわけでしょう。どれだけ地元の人にとって負担か。いかがですか。残らないんですか、放射性物質。百年に負けますよ。

○政府参考人(梶原成元君) セシウムの半減期につきましては、134で二年、137で三十年、今おっしゃられたとおりでございます。私どもの試算でまいりますと、今後百年でその濃度は十六分の一程度まで低減をするというふうに考えてございます。
 いずれにいたしましても、コンクリートの構造物だけではなく、さらには、先ほど申し上げましたように、そのコンクリート構造物の中につきましても、セシウムを吸着しやすい土壌で詰めてその中に入れるといったようなこと、あるいは、その敷地の周りにはモニタリング井戸を造りまして、セシウムの漏えいがないことを確認しながら超長期に管理をすることとしております。そういうことを通じて、そういう対策を通じて長期の管理を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

○福島みずほ君 一兆一千二百億ベクレル以上あるので、今、百年で十六分の一ですが、コンクリートが駄目になったら漏れるわけですよ、必ず漏れる。コンクリートはそんなもたない。百年たって十六分の一だったら、コンクリートにひび割れがあったら漏れるじゃないですか。
 結局、原発事故があって、こういうことをみんな負担しなくちゃいけない。どこか決めなくちゃいけないけれども、どこか処分を決めなくちゃいけないけれども、これだけの負担がある。だからこそ社民党は、脱原発、核のごみを出さないということに全力を挙げるべきだと思っています。これはまた引き続き質問します。
 汚染水処理についての経済産業省そして規制庁の体制、取組を聞かせてください。

○政府参考人(山本哲也君) お答えいたします。
 規制庁の対応でございますけれども、福島第一原子力発電所の監視体制といたしまして、東京の本庁と、それから現地にあります福島第一原子力発電所の規制事務所、それから福島第二、これは応援に入ることもございますけれども、第二の規制事務所、合計で五十八名ございます。そのうち福島第一原子力規制事務所につきましては、十名の検査官と、それから全体業務を統括いたします統括官一名、合計十一名が現在対応しているという状況でございます。

○政府参考人(糟谷敏秀君) 規制庁の事務所に加えまして、政府原災本部の下に廃炉・汚染水対策チームというのをつくりました。ここに全部で四十名余りの職員を配置をしております。そのうち、福島の事務所を設けまして、こちらに十五名程度の職員を配置をしております。

○福島みずほ君 福島原発には詰めていないんですね。

○委員長(山崎力君) どちらから。

○福島みずほ君 経済産業省。

○政府参考人(糟谷敏秀君) 福島原発の重要免震棟の中に席を確保しております。ただ、そこに常時おるわけではございません。必要に応じてそこに行ったり事務所に戻ったりということを、どちらかで仕事をするという体制をしております。

○福島みずほ君 規制庁は自ら汚染水漏れの、汚染水収束作業の指揮監督をしているわけではないと聞いています。また、規制庁自ら汚染水漏れの原因究明に乗り出す予定はないと聞いておりますが、そのとおりでしょうか。

○政府特別補佐人(田中俊一君) 東京電力福島第一原子力発電所の汚染水対策については、これは大変重要な課題ということで、政府が総力を挙げて対策に取り組んでいます。
 私自身も、廃炉・汚染水対策関係閣僚会議の規制側の担当者として参加して、その対策に当たっています。また、その下には、先ほどお答え申し上げました山本審議官を中心とした作業グループ、それから、私どもとしては、汚染水対策のワーキンググループをつくりまして、随時その汚染水対策についての検討を進めています。
 汚染水の漏れの原因については、これは第一義的に、この事故原因は様々な原因で、若干昨日も廣瀬社長が言いましたけれども、ちょっとケアレスミスみたいな不注意があったりして漏れたりしますけれども、こういったことについては事業者の責任であると。ただし、こういったことが起こらないように私どもとしては日々監督指導を強めていきたいというふうに思って、そのことで取組させていただいております。

○福島みずほ君 規制庁自ら汚染水の収束作業の指揮監督をしているわけではないということはありますか。また、汚染水漏れの原因究明に直接乗り出して、あるいは報告書を出す、あるいは担当するということはあるんでしょうか。

○政府参考人(山本哲也君) 先ほど田中委員長からお答え申し上げましたように、まず事故原因そのものにつきましては事業者自らがしっかりやるというのは当然でありますけれども、その原因究明とか再発防止対策の妥当性については、これは私ども規制庁、規制委員会の方でそれをしっかり確認をすると、こういう立場でございます。
 先ほど申し上げましたように、現場の検査官が、例えばトラブルが起きますとその現場の状況を直接確認し、私ども東京の方にも、本庁の方にも連絡してまいりますし、それから、原因究明につきましても、有識者から構成されます専門家のワーキンググループを設置をいたしまして、技術的な面からの妥当性を検証し、さらに必要な場合には対策の追加的な指示あるいは指導助言、こういったところを取り組んでいるところでございます。
 したがって、いずれにしましても、汚染水問題をきちっと早期に収束させるために規制委員会規制庁としての役割を果たしてまいりたいと考えてございます。

○福島みずほ君 新規制基準の中に汚染水処理は入っていますか。

○政府特別補佐人(田中俊一君) 新規制基準、通常の原子炉の場合ですけれども、それについては排水の基準というのが定められておりまして、核種ごとにその基準以下になるようにという措置をするということを求めております。

○福島みずほ君 汚染水対策という項目にはなっているんですか、どうなっているんですか。

○政府特別補佐人(田中俊一君) いわゆる福島第一原子力発電所のような汚染水についての規制基準ということはありませんけれども、そういったことが万が一に起こった場合でもできるだけ環境に出ないような方策は求めております。

○福島みずほ君 福島原発にしろ、柏崎刈羽にしろ、水との闘いだったわけですよね、建設するときも。新規制基準は、では何か変わったんですか、今までの古いものと。それを教えてください。

○政府参考人(山本哲也君) お答えいたします。
 今回の新規制基準、これは福島の事故の経験を踏まえまして、こういった事故を二度と起こさないと、これがまず第一の基本でございます。特に、炉心損傷などの過酷事故、こういったものに対しても、設備面あるいは体制面でもきちっと対応できるような体制なり設備を要求するというのが大きな点でございます。
 さらには、諸外国の例などを踏まえまして、海外で様々に取り組まれている最新知見を取り入れて現在の新規制基準を策定したと、こういう経緯のものでございます。

○福島みずほ君 汚染水対策は、大飯原発ではシルトフェンス、伊方原発では土のうとなっていますが、これで拡散を防ぐことができるんでしょうか。

○政府特別補佐人(田中俊一君) 御指摘の対策については、福島第一原子力発電所の事故後の汚染水の処理を想定したものではありません。新規制基準では事故時に放射性物質の拡散を抑制するために原子炉建屋に放水する設備を求めており、御指摘の対策は放水した水がその後海洋に拡散することを防止するためのものであります。
 いわゆる汚染水対策という点については、そもそも汚染水を発生させないことが最も重要です。新規制基準では、そのために炉心損傷の防止あるいは格納容器破損防止対策を厳しく求めております。こうした点を含めて、現在、新規制基準に係る適合性審査を進めているところであります。
 個別の進捗状況についてはまだ審査中でございますので回答を差し控えさせていただきますが、いずれにしろ、新規制基準の趣旨を踏まえて厳格に審査を行ってまいりたいと思います。

○福島みずほ君 汚染水対策もそのとおりですが、福島のような汚染水対策は新規制基準の中に入っていないんです。これも重要なことだと思います。
 次に、集団的自衛権についてお聞きします。二〇一三年五月十四日のこの参議院予算委員会における私の質問に対する山本前内閣法制局長官の答弁について答えてください。

○政府特別補佐人(小松一郎君) 関連部分をそのまま読み上げさせていただきます。
 集団的自衛権についての現在の従来から考えられてきた政府の見解を申し上げますと、憲法第九条の下におきましては、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に、これを排除するための必要最小限度の実力の行使を除いて、武力の行使は一般に禁じられております。そこで、集団的自衛権ですけれども、我が国に対する武力攻撃に対処するものではなくて、他国に加えられた武力攻撃を我が国が実力をもって阻止することを内容とするものでありますから、その行使は憲法第九条の観点で許されないということでございます。
 以上でございます。

○福島みずほ君 あなたの前任者の答弁ですが、これでよろしいですね。

○政府特別補佐人(小松一郎君) 繰り返し御答弁しているとおり、御質問に対する内閣の立場は次のとおりでございます。
 現時点で、集団的自衛権に関する政府の憲法解釈は従来どおりである、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の報告書を踏まえて対応を改めて検討していく。
 以上でございます。

○福島みずほ君 後半、余計なんじゃないですか。

○政府特別補佐人(小松一郎君) これは金曜日にも御答弁申し上げましたけれども、今申し上げた二点は、昨年、平成二十五年八月十三日、辻元清美衆議院議員からの質問主意書に対する答弁書という形で閣議で決定されているものでございまして、私はその閣議決定の内容を当然尊重する立場にあるわけでございます。

○福島みずほ君 出る前にあなたは解釈する、あるいは様々なところで解釈改憲について前向きという答弁しているのは、これは何なんですか。

○政府特別補佐人(小松一郎君) まず解釈改憲という言葉でございますけれども、これは形容矛盾でございまして、解釈を変更して改憲するということはできないわけでございます。私が解釈改憲について前向きという御答弁をしたことがあるとすれば、その部分を御指摘いただければと思います。

○福島みずほ君 内閣法制局の使命について答えてください。

○政府特別補佐人(小松一郎君) 内閣法制局、当然、内閣法制局設置法に基づいて仕事をするわけでございます。
 いろいろございますけれども、今御質問の点に関係する点としては、行政府としての憲法解釈は最終的に内閣の責任において行うものでございますが、内閣法制局は、内閣法制局設置法に基づき、憲法を始めとする法令の解釈の一貫性や論理的整合性を十分踏まえて適切な意見を申し上げるということを使命としております。

○福島みずほ君 内閣法制局は憲法の番人であり、法の番人ということでよろしいですか。

○政府特別補佐人(小松一郎君) 憲法の番人という言葉が、どういう意味合いでお使いになっているのかというのは、論者によっていろいろお使いになっている意味があると思うんでございますけれども、法律自体に、内閣、設置法自体にそういうことが書いてあるわけではございませんで、憲法との解釈との関係につきましては、この第三条、設置法三条の三でございますけれども、「法律問題に関し内閣並びに内閣総理大臣及び各省大臣に対し意見を述べること。」、こういう役割を負っております。

○福島みずほ君 内閣法制局は、今まで、それは憲法違反だとか法律はこうだと、閣議決定する閣法について憲法に合致するかどうか判断してきたことの使命についてはどう考えますか。

○政府特別補佐人(小松一郎君) それはまさに、意見を申し上げた結果が内閣に、歴代内閣にこれまで採用をされてきたということだと考えております。

○福島みずほ君 憲法の番人、違憲であることについては、はっきり意見を述べるという使命があるということでよろしいですか。

○政府特別補佐人(小松一郎君) 僣越でございますけれども、法律のプロフェッショナルという立場から、これは私がというよりは、私を含めて七十七人の小さな組織でございますけれども、一騎当千の非常に優秀な職員がそろっているわけでございまして、法律のプロフェッショナルの立場から、憲法上問題があるということであれば、それは当然にその意見を申し上げるのが使命であると考えております。

○福島みずほ君 二〇一四年二月二十日の衆議院予算委員会における集団的自衛権の解釈変更に関する柿沢未途委員の質問に対する安倍総理の答弁を読んでください。

○政府特別補佐人(小松一郎君) 関連部分をそのまま読み上げさせていただきます。
 安全保障基本法の中において、安全保障基本法は、まさに我が党が野党時代にこの法案を出して、そしてしっかりと御審議を願おう、こう考えたわけであります。その中における問題意識として、集団的自衛権の行使については、基本的にこれは行使について解釈の変更を迫るものであります。しかし、政府として提出する場合は、これは解釈として変更しなければそもそも憲法違反の法律を出すことになってしまうわけでありますから、順番としては、まず憲法解釈についての議論を深め、変更する場合は変更して、そしてそれを閣議決定した上でなければ法律を新たに出すことはできないのは当たり前のことでありまして、そうでなければ、当然これは違憲立法をしようとしていることになっているわけであります。ですから、その当たり前のことをデュープロセスにのっとって我々はやろうとしていることであります。
 以上でございます。

○福島みずほ君 この総理の見解についてどう思われますか。

○政府特別補佐人(小松一郎君) 御指摘の答弁で、総理は、憲法解釈についての議論を深め、変更する場合は変更しと述べておられるとおり、憲法解釈の変更を行うという結論を出しておられるわけではないと理解しております。

○福島みずほ君 この総理の答弁、すごいものなんですよ。国家安全保障基本法を違憲としないために憲法解釈変えて合憲にして出すと言っているんですよ。邪道じゃないですか。逆さまじゃないですか。違憲の法律を出さない、それが当たり前のことです。でも、これを違憲としてはならないから、解釈を変えて合憲にして出すと言っているんですよ、国家安全保障基本法を出すために。こんな答弁ありますか。違憲のものは違憲なんですよ。状況が変わろうが、必要性があろうが、何があろうが違憲なものは違憲です。
 だから順番、総理のこの答弁は、違憲、合憲にするために解釈を変える、国家安全保障基本法を合憲にするために出すと言っていて、憲法の番人、法の番人として、違憲なものは違憲だということであり、この総理の論理展開、間違っていると思いませんか。

○政府特別補佐人(小松一郎君) 私も総理の御答弁、一連の御答弁をフォローしてきているつもりでございますけれども、安倍総理は、自民党が野党時代に決定をいたしました国家安全保障基本法を国会に提出するというお考えではなくて、報告書、安保法制懇の報告書を受けた上で、その後で、安全保障の法的基盤について再検討して、その結果を閣議決定すると。その上で、自衛隊の行動に反映させる必要があるものがあれば当然これは立法が必要でございますので、これは複数の法律案を国会に提出するというお考えであるというふうに述べておられると私は理解しております。

○福島みずほ君 答弁は、総理の答弁は違うじゃないですか。国家安全保障基本法を違憲にしてはいけない、合憲にしなくちゃいけないから解釈で変えるんだと。解釈改憲してから合憲の法律出すと言っているじゃないですか。

○委員長(山崎力君) 質問の形にしてください。

○福島みずほ君 はい。安保法制懇の後やるってないですよ。この答弁は、国家安全保障基本法を合憲にするためにと言っているじゃないですか。

○政府特別補佐人(小松一郎君) なるべく長く御答弁しないように御注意を受けておりますので。
 私の理解しているところでは、総理は、安全保障基本法を国会に提出するお考えではないと思います。

○委員長(山崎力君) 時間ですので簡潔に願います。

○福島みずほ君 内閣として、あなたは新聞のインタビュー、内閣として見解を示すときの最高責任者は誰なんですか、法制局長官ではなく首相だというのは当たり前じゃないですかと言っている。総理と一体なんですよ。総理のことをそんたくしちゃ駄目なんですよ。それをやったら内閣法制局の立場がないじゃないですか。内閣法制局は違憲は違憲と言わなくちゃいけないんですよ。これについてはこれからも質問していきます。
 今日は谷垣さんに聞きたかったんですが、ちょっと聞く時間がなくて申し訳ありません。

○委員長(山崎力君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
PageTop

3月10日(月)参議院予算委員会で原発再稼働と防災計画について質問

参議院予算委員会(2014年03月10日)の議事録を掲載いたします。
皆さん、是非読んでください!

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 二〇一一年三月十一日あるいはそれ以降亡くなられた皆さんに心から追悼の思いを表し、また、被害に遭われた全ての皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
 二〇一一年三月十一日に時計が止まってしまった、ふるさとには帰れない、全てを失ってしまった、あるいは避難を全国でされている皆さんもたくさんいらっしゃいます。どれだけあの災害が人々に与えたのか、政治は全力で救援をしなければならない、やらなければならないというふうに思っております。また、あの福島原発事故を経験した私たちは、原発ゼロを目指して、原発再稼働させない、そんな政治を実現しなければならないというふうに考えております。
 まず、原発再稼働について、防災計画、避難計画についてお聞きをいたします。
 田中委員長、新規制基準と防災は車の両輪と発言をされています。住民が安心できる防災計画、避難計画がなければ原発の安全はないということでよろしいですね。

○政府特別補佐人(田中俊一君) おっしゃるとおり、私自身は車の両輪だと認識しております。
 まず、新しい規制基準に適合するということについては、私どもの所掌事務としてきちっとやっていきます。それから、防災指針は、私ども責任持って出させていただきました。それに基づく防災・避難計画を策定するのは、これは国でいえば内閣防災の方が所掌ですし、具体的にそれを実行するのは地方自治体であるというふうなことで、そのことによって住民の方が安心できなければなかなかその稼働には結び付かないだろうという意味で車の両輪であるというふうに申し上げております。

○福島みずほ君 納得できなければ再稼働できないということであれば、避難計画の実効性や問題は指摘されるんですか。

○政府特別補佐人(田中俊一君) 私から実効性があるかどうかということを申し上げる立場ではありませんけれども、一つだけ申し上げておきたいのは、新しい規制基準は、福島の事故を踏まえ、また我が国の自然災害の特徴等を踏まえまして、ああいった事故を起こさないという、起こさないというか、絶対安全だということを申し上げたんじゃなくて、安全目標を非常に厳しく設定しまして、そういうふうな状況です。
 現在、適合性審査をやっていますが、そこでのシビアアクシデントというものもその安全目標よりもはるかに小さいような状況ということも確認させていただいていますので、そういったことを踏まえて是非実効性のある避難計画を作っていただくよう、私どもとしても最大限の御協力をさせていただこうということでございます。

○福島みずほ君 福島原発事故の事故原因は究明をされておりません。にもかかわらず規制庁は、これは安全基準ではないと、規制の一つの基準にしかすぎないとおっしゃっていますが、その基準そのものも問題ですが、今日は防災計画についてとりわけお聞きします。
 自治体がやるんだと、自治体が防災計画、避難計画を作るんだって自治体任せなんですね。でも、自治体ができるんでしょうか。あるいは、それが実効性あるという判断は誰がやるんですか。総理。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地域の防災計画や避難計画は、例えばどの地域ごとに避難を行うかといった避難の実施単位や避難先、避難経路などを定めるものでありまして、地域の様々な事情を踏まえて作成されることが適当であると考えています。このため、地域の防災計画や避難計画は、災害対策基本法において、住民の生命、身体及び財産を災害から保護することを目的といたしまして県や市町村が作成等をすることとなっております。各自治体の防災会議において内容の検討を行っています。
 政府としては、地域ごとに国のワーキングチームを設けまして、各省庁を挙げて自治体の取組への支援を行っておりまして、原子力防災会議において各地域の進捗状況を確認してまいります。避難計画ができていない地域に対しては、策定支援とそのフォローアップをしっかりと進めてまいります。

○福島みずほ君 結局、自治体任せなんですよ。自治体任せ。でも、福島東電原発事故は、自治体任せに避難やったらもうめちゃくちゃになってしまった。全然手が届かない。バスは来ない、待っていても来ない。これがまさに起きたわけです。にもかかわらず、防災計画は自治体がやると、国はそれを支援するだけだというのは全く無責任ですよ。原発再稼働して、事故が起きて、防災計画、避難がきちっとできないということであれば、住民は安心できないですよ。
 防災計画、避難計画は、地震と津波を必ず念頭に置いたものになっているでしょうか。

○国務大臣(石原伸晃君) 複合災害を念頭に置いているものでございます。

○福島みずほ君 平成二十四年の防災計画の修正案では、複合災害も念頭に置けと書いてあります。
 しかし、実際、避難計画、これはほんの一部です、各自治体の避難計画を読みました。入っている、複合災害を念頭に置くと一行書いてあるところもあるけれども、入っていない自治体が圧倒的に多いですよ。地震と津波で原発事故が起きて、道路が遮断され、そして近寄れない、すさまじい事態で福島の人たちは、福島以外もそうですが、苦労したわけです。
 複合災害は、地震、津波、これは避難計画の要件になっていないですよ。どこにそんなものがあるのか。ないですよ。地震と津波が起きたら、日本は本当に逃げられないんですよ。入っていません。それは要件になっていないんですよ。環境大臣、どうですか。

○国務大臣(石原伸晃君) 複合災害の発生も含めまして、実際に災害時にはそれ以外にも様々なことが起こり得ると思います。例えば先般の大雪等々が一つの例だと思います。
 入っていないと委員は御指摘でございますけれども、自治体の避難計画は原発事故時に臨機応変に対応するための基本として実は活用できるように作られております。これは見ていただければ確かだと思います。
 今、雪の例を一つ出させていただきましたけれども、地域固有の気象条件、あるいは委員が今御指摘をされております地震、津波、自然災害下での対応については、これ各自治体ごとに訓練等々も行っておりますし、訓練等々でどんな問題があるかを検証し、必要に応じて改善策を講じると。そして、地域防災計画や避難計画を、私はこれ何度も申しているんですけれども、終わりというものはないわけで、先ほどはブラッシュアップという言葉を使いましたが、絶えず改善、充実していくことが重要であると、こんなふうに認識しております。

○福島みずほ君 避難計画の中にどれだけ地震があり、どれだけ津波があり、どれだけになるのかというシミュレーションはされてないですよ。見てくださいよ。
 茨城県では、というか、避難計画は今四割ぐらいしか作られていません。作れないんですよ。さっきもありましたが、共同通信社、自治体のアンケート百五十六自治体、事故時の住民避難を尋ねたところ、どちらかといえば難しいも含め、半数近くの自治体が避難準備が整わない実態が明らかになっています。
 そうですよ。何々町に避難せよと言われて、どれだけ、何ができるんですか。できないですよ。浜岡で地震が起きてどうするんですか。茨城県では九十三万人、静岡、浜岡の三十キロ圏内は七十四万人です。これは茨城県のシミュレーションで、三十キロ圏内の人九十三万人が全部出るのに、一斉に出るのに三十二・五時間というシミュレーションです。三十二・五時間で九十三万人が出ることができるかというふうにも思いますが、静岡県七十四万人のシミュレーションはどうなっていますか。

○政府参考人(黒木慶英君) 静岡県のシミュレーションの結果についてはまだ出ておりません。今まさに作業中と聞いております。

○福島みずほ君 まだ出ていないんですよね。いろんなところが出ていないんですよ。出せないんですよ。
 それで、防災訓練という話がありました。お手元の資料にそれぞれ防災訓練をした例が載っています。でも、参加者、やっていないところもありますし、少ないんですね。宮城県三十人、静岡県百七十三人、青森県二百人、鹿児島県三百七十人。少ない。少ないから駄目ということではありませんが、少ないんですね。
 愛媛県、伊方原発があるところ、十月二十二日、防災訓練をやりました。天候は良好だったけれども、しけで海が荒れていて医療船が出せなかったというふうに聞いております。それは事実でしょうか。実際、各地の防災訓練の報告書をきっちり把握していらっしゃいますか、どうですか。

○政府参考人(黒木慶英君) 愛媛県の例につきましては、御指摘のとおり、天候は良かったんですけれども、大変波が高いということで、訓練としては中止いたしております。
 もし現実にそういう場合が生じた場合には、当然のことながら自衛隊の出動もございますし、もっと言えば、それでも難しい場合については、当然その地域については屋内退避をお願いができるような形の体制を整えていくといった形で対応いたします。

○福島みずほ君 天候は良好だったけれども、しけで船が出なかったんですよ。防災訓練になるんですか。どこも厳しい環境のところに原発は建っています。どうやって逃げるのか。そういうことが、いや、中止になりましたって、そういう状況で。
 その報告書、私は各自治体が行った防災の訓練の報告書は半年後ぐらいに出てくると聞きましたが、そうですか。

○政府参考人(黒木慶英君) 報告書自体は、当然のことながら各自治体におけるいろいろな反省、教訓もありますので、訓練をすれば直ちに出てくるというものではございません。ただし、我々の担当官の方が必ず現地に赴いてその訓練の状況についてはしっかりと把握しているところでございます。

○福島みずほ君 いや、どういう訓練でしたかといったら分かりませんと、半年後に報告書が出る予定ですということで、防災計画も、避難計画も、防災訓練も自治体任せじゃないですか。聞いたって分からないんですよ。報告書が出るのが半年後で、そんな状況で原発再稼働なんてできないですよ。
 ちょっと天候が良くても、しけったら、船が出れないんだったら佐田岬の人はどうするんですか。どこに逃げればいいんですか。どこだって原発は一本道のところ多いですよ。遮断されたらどこに逃げたらいいんですか。大飯だって一本道の端ですよ。どこも本当に厳しい環境のところで、事故が起きたら逃げられないですよ。住民が不安になるのは当たり前じゃないですか。しかも、問題は、国がそのことをきっちり把握していないということです。
 避難についてお聞きします。要養護者、例えば寝たきりの人やハンディキャップがある人、そういう人たちはどうするんですか。

○政府参考人(黒木慶英君) いろいろな状況はあろうかと思います。五キロメーター圏内の場合もありましょうし、あるいは三十キロぎりぎりの場合があるかもしれません。具体的な放射性物質の飛散の状況もあります。
 様々な状況を踏まえまして、今進めている対策としては、第一に、そういった動かせない方々が、要するに、いわゆるシェルターとして使えるように、例えば病院であるとか施設についてフィルターを付ける、そういった形でしばらくの間そこでしのいでいただいて、しかるべく準備ができた段階で搬送を行うといったようなことが一つ。
 二つ目は、当然のことながら、そういった病院の手配という問題が、これが非常に大きな問題が出ます。当然のことながら、ベッドを確保しなきゃいけない、そういった場合の搬送手段、あるいはベッドの確保、こういったものというのは非常に調整を要する事項ではありますが、なかなか事前の契約では書きにくい面があります。それについて、緊急にそういった調整ができるような仕組みを設定するような形で今取組をしているところでございます。

○福島みずほ君 九州の原発三十キロ圏内には、病院や福祉施設四百五十か所、一万七千人います。島根原発は松江市の県庁所在地にありますから、すぐ近くに、本当に目と鼻の先に老人施設があります。どうやるんですか。さっきも言ったように、いや、しばらくそこにとどまってもらって屋内退避という話を事前にもレクで聞きました。冗談じゃないですよ。だって、いわゆる寝たきりの人たちを介護する人たちもいるわけじゃないですか。病院や老人施設の人たちは、あと二日、三日たったらというか、しばらくたったら迎えに来るから待っておれというんでしょうか。その点もできていないんです。でも、私は、避難計画をつくづくそれぞれ読みながら、これはやっぱり机上の空論だと思いました。地震や津波のことに対応なんかできないですよ。
 現に、例えば、福島第一原発から五キロ離れた福島県富岡町、事故で避難を始めたとき、登録されたバス約百台の大半がほかの町に出払い、確保できたのは数台だった。浪江町だってバスは本当に確保ができなかったわけです。これが実態です。避難計画は作るにこしたことはないが、机上の空論です。この狭い日本で多くの人口を大量に動かすことなどできないんです。
 ですから、原発再稼働などできる状況ではないと。本当に人を被曝させないでやろうとしたら、それはできないですよ。総理、どうですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この再稼働のプロセスにつきましては、先ほど来、田中委員長、また石原大臣からも御説明をさせていただいておりますが、まずは原子力規制委員会におきまして、大変厳しい、世界で最も厳しい基準において審査を行い、そしてそこの基準をクリアしたところについて再稼働を検討していくわけでございますが、同時に、地元の住民の皆様の同意が必要であります。そして、この同意を得る上において、地域の防災・避難計画は地域の状況に精通した自治体が策定するものでありまして、住民の安全、安心を高めるためにも継続的に改善充実を図っていくべきものであります。
 できないという考え方ではなくて、後ろ向きの発想ではなくて、どうすれば地元の理解を得ることができるかと、より良いものにできるかということが重要ではないかというふうな考えを持っております。その中におきまして、国としてもこれを全面的に支援をしているところでありまして、その進捗状況などについて原子力防災会議において確認する方針であります。
 また、万が一の事故の場合には、先ほど来、交通が遮断した場合という状況を予測しているわけでございますが、そういう場合においては、自衛隊の車両、船舶の活用を始め住民の避難への対応に総力を挙げて取り組んでいくところであります。政府を挙げて自治体を力強く支え、そして地域の防災・避難計画の充実に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと、このように思います。
 政府の支援策としては、地域ごとに設置をいたしました国のワーキングチームが地域のニーズに応えまして、避難計画の骨格となる避難の実施単位や避難先、避難経路など基本的事項を指示をいたしまして、また県を超えて避難を行う場合の自治体間の広域調整、あるいはバス会社など民間輸送機関への協力要請、そして住民避難における輸送手段確保のための自衛隊など、多様な国の機関と自治体の具体的連携体制などの支援を行っております。
 そしてまた、入院患者やお年寄りなど要援護者の方等々の避難でございますが、それは三年前のあの大震災の際の福島第一原発事故の際の住民避難における様々な出来事を十分に参考、反省しながら、無理な避難をせず屋内退避できるよう、病院や福祉施設の建物に換気用エアフィルターなどを設置する放射線防護対策を平成二十五年度補正予算、二百億円支援をしているところでございます。

○福島みずほ君 だから、病院やいろんなところはコンクリートでフィルター付けるからいなさいよということなんですが、福島原発事故のように建屋がぶっ壊れるようなすさまじい核事故の場合に残っておれなんて言えないですよ。それは、その病気の人だけではなくて介護している人もいるわけじゃないですか。若い介護者の人だって被曝するということですよ。それはもう見直してくださいというふうに思います。
 それから、地元の同意が必要だと総理はおっしゃいました。今回、原子力防災対策特別措置法を改正をして、原発から三十キロ圏内まで原子力防災計画が義務付けられています。三十キロ圏内、少なくとも三十キロ圏内、大間原発が動くときは、二十四キロ圏内の例えば函館、同意が必要ということでよろしいですね。

○国務大臣(茂木敏充君) 大体年齢とともに滑舌悪くなるんですけれど、福島先生は学生時代よりどんどん滑舌が良くなる、驚異だと思っておりますけれど。
 原発の再稼働、これは立地自治体等の御理解を得るところが極めて重要だと考えております。ただ、地域の事情、それぞれに異なっておりますので、一律に何キロという形で規定するのは適切ではないと、そのように考えております。

○福島みずほ君 いや、自治体の同意が必要だったら、だって、防災計画と避難計画義務付けられて、多大なる精神的、財政的、経済的、社会的負担をその自治体は持つんですよ。にもかかわらず、その同意は取らないというのはおかしいですよ。大間原発見て、フェリーで函館に渡ったら、函館から大間原発見えますよ。海以外に遮るものはなく、二十三キロですよ。同意なくして動かしたら駄目ですよ。自治体の同意は、最低三十キロ圏内の自治体の同意を得るべきだ。避難計画作らされている自治体の本当に負担考えてください。
 トルコの原発輸出について、これは地震大国トルコに、地元の市長は反対、デモも起きています。武器と原発を輸出して金もうけなんて倫理観がないですよ。日本はこんな倫理観のない国であってはならない。福島原発事故を本当に教訓として日本は脱原発に向かい、避難計画ができない、こんな状況の下で原発再稼働はあり得ない、そのことを強く申し上げ、私の質問を終わります。
PageTop

参議院予算委員会で原発再稼働と防災避難計画について質問

 今日は、参議院予算委員会で、原発再稼働と防災計画避難計画などについて質問しました。
 田中規制委員長は、「新規制基準と防災は車の両輪」と発言をしてきました。しかし、現在は、田中規制委員長は、規制委員会は、新規制基準だけ判断をし、防災について判断をしないと言っています。でもこれは全くおかしな話です。住民は原発再稼働して、事故が起きたときに、避難ができないというのでは全く安心することができません。
 新規制基準と防災は、車の両輪であり、防災計画や避難計画が実効性のないところでは、原発再稼働などありません。
 防災計画と避難計画は、自治体の責任であるとの答弁がありました。国は、支援をするけれども、責任者ではないということです。しかし、自治体任せで済む話ではありません。福島東電原発事故のときには、住民も自治体も大変な経験をしました。そのことから全く学んでいません。
 また、避難計画は、地震と津波を必ず念頭に置いたものになっていません。各自治体が作っている避難計画を読みました。複合災害という言葉を使っている避難計画もありましたが、多くの自治体の避難計画は、地震も津波も考慮していません。これでは十分な避難計画とは言えません。地震と津波により原発の苛酷事故が起こり、大変な事態になったのが福島東電原発事故です。
 現在、避難計画を作らなければならない自治体で、避難計画を作っている自治体は4割強でしかありません。共同通信社が、156の自治体に対してアンケートを行い、事故時の住民避難を尋ねたところ「どちらかと言えば難しい」も含め、半数近く近い72の自治体が困難とし、避難準備が進んでいない事態が明らかになりました。十分な実効性のある避難計画を作ることが極めて困難なのです。
 浜岡原発で、地震と津波による苛酷事故が起きたときに、30キロ圏内の74万人以上の人たちを極めて短い時間に避難させることは、ほとんど不可能です。
 防災計画や避難計画を考えれば考えるほど、実に多くの人を被曝させないように避難させること不可能です。
 原発再稼働はこの点からもありえません。
 防災計画についても、宮城県の防災計画に参加した人は30人 、静岡県が、173人、次は青森県の200人、鹿児島県は370人です。参加した人数が多ければ良いというものでは無いが、実際避難しなければならない人の数に比べれば、参加人数があまりに少ないと思います。
 また、実際の防災訓練でも、愛媛県が10月22日に行った防災計画でも、天気は良好だったけれども海が荒れていて、船を出すことができませんでした。事故が起きたときに、天候が悪いことも海がシケになっていることも、船が出せないことも、ヘリが飛べないことも何でもあります。もっと言えば、大量の放射性物質が放出されているために、様々な交通機関も、人も接近できず、避難させることができないという事態さえ考えられます。
 避難訓練がどのように行われたかについては、環境省に対し、半年ほどかけて、自治体から報告があると聞きました。結局、防災訓練の実際さえも、何が不都合であるかも、自治体任せになっているわけです。その点も極めて問題です。
 総理は、原発再稼働に関して、地元の同意が必要だと答えました。その地元の範囲は極めて広範囲であるべきです。
 福島原発事故を受けて、原子力災害対策特別措置法が改正され原発からおおむね30キロ圏までは原子力防災計画が義務付けられています。福島東電原発事故でも隣接自治体に大きな被害が発生したことからこのように拡大をされたのです。同意をとるべき自治体はどこか、少なくとも30キロ圏までは含まれるのですねという私の質問に対して、経済産業大臣は、明言を避けました。
 とんでもありません。30キロ圏内の自治体に防災計画が義務付けられているのは、原発事故の被害を受ける可能性が充分あるからです。
 まさに福島、原発事故ではそのことがおきました。
 30キロ圏内の自治体は、防災計画や避難計画を作らなければならず、重い責任を持っているにもかかわらず、原発再稼働について、問題だと訴え、阻止することができないのでしょうか。
 実効性のある防災計画や避難計画を作ることができず、原発再稼働の際に住民の命を十分に守ることができないということで原発再稼働には賛成できないということも充分あり得ます。
 一昨年、青森県の大間原発の建設現場に行きました。フェリーで函館市に渡り、函館市役所から、大間原発を見ました。大間原発から函館まで23キロしか離れておらず、海しか隔てるものはありません。万が一、大間原発で事故が起きた場合、函館市に大量の放射性物質が降り注ぐこともあり得ます。
 函館市が、原発の稼働に対して、同意するかどうかの判断権を持つと主張しつつすることは、当然のことです。
複合災害について、石原大臣は、複合災害(地震や津波+原発事故など)は雪害も含めて、地域の実情を考慮することになっている-と意外な答弁。実際の計画は原発事故は単独でしか起こらない想定しかありません。
 入院患者や寝たきりのお年寄りなど「要援護者の避難をどうするのか?」について、答弁は『屋内退避』。看護師や介護士など援護者を含めて被ばくが強要されます。
PageTop

原発再稼働を考える超党派の議員と市民の勉強会(第1回)

明日5日(水)11:30から参議院銀会館B103会議室で「原発再稼働を考える超党派の議員と市民の勉強会(第1回)」を開きます。
みなさん、是非来てください!

             記

原発再稼働を考える超党派の議員と市民の勉強会(第1回)
日時: 3月5日(水) 11:30~12:30
場所: 参議院議員会館 B103会議室   [資料代500円]
基調講演:「原発事故と防災計画」
上岡直見さん(環境経済研究所)
発言:国会議員、市民団体ほか
                                               
現在、電力会社8社が合計10原子力発電所17基の安全審査を申請しており、今夏に向けて原発再稼働問題が国論を二分する大きな政治課題となることが予想されています。
 そこで、この問題について、安全性はもちろんのこと、防災計画の中身や日本の総合的エネルギー政策における位置づけも含め、様々な観点から幅広く共に学び合う場を設けたいと考えました。
第1回目は、環境経済研究所の上岡直見さんに「原発事故と防災計画」というテーマで講演していただきます。
たくさんの議員、秘書、市民、メディアのみなさんの参加をお待ちしています。ぜひお集まりください。

【上岡直見さん略歴】
1953年生
1977年 早稲田大学大学院理工学研究科終了
1977~2000年 民間企業に勤務, 化学プラントの設計・安全性評価等に従事。
技術士(化学部門)
2000年~2013年 環境自治体会議環境政策研究所 主任研究員
2013年~ 環境経済研究所代表
2002年~ 法政大学非常勤講師(環境政策)
【著書】
『高速無料化が日本を壊す』コモンズ, 2010
『脱原発の市民戦略』緑風出版, 2012
『原発も温暖化もない未来を創る(共著)』コモンズ, 2012
『国土強靭化が日本を壊す』緑風出版, 2013
『原発事故 避難計画の検証』合同出版, 2014

呼びかけ人[3/4現在、順不同]:
勝俣孝明(衆)、近藤昭一(衆)、水野賢一(参)、笠井亮(衆)、小野次郎(参)、真山勇一(参)、
玉城デニー(衆)、福島みずほ(参)、糸数慶子(参)、山本太郎(参)など
                                                 
連絡・問い合わせ:福島みずほ事務所(03-6550-1111)
PageTop

子ども・被災者支援議連で環境省からヒアリング

2月4日(火)

子ども・被災者支援法議員連盟で、現在、環境省で行われている健康調査に
ついての有識者会議について、環境省に対して、行政交渉を行いました。

環境省から、議員連盟が推薦する人をヒアリングするという話がありました。
そのこと自体、決して悪くないことです。しかし、そもそも、有識者会議の
人選が問題ではないかということが議論になりました。

また、私は、有識者会議をインターネット中継すべきであること、また、
配布資料について千葉県下の地方自治体が、子供たちの健康調査をしてほし
いと要望したものが配布されていないなど配布される資料が偏っているの
ではないか、きちんと配布してほしいということなどを要請しました。


DSCN2182.jpg

PageTop

上関原発反対院内集会

「上関原子力発電所計画を即刻中止に!―豊かな自然 いのちの海を守るために―」と題した院内集会が10月16日午後、参議院議員会館内で開かれ、参加しました。ちょうど1カ月前に、女性の仲間たちといっしょに祝島に行ったばかりですので、その時の感想や、30頭以上のスナメリが、まるで私たちを歓迎するかのように海に姿を見せてくれてとてもうれしかったことなど、お話しました。
DSCN1404.jpg
PageTop

子ども被災者支援法推進自治体議員連盟結成集会で挨拶

 8月2日(金)
 原発事故子ども・被災者支援法推進自治体議員連盟結成集会で挨拶。
子ども被災者支援法の実効性向上を自治体議員も後押し
 
PageTop

「脱原発基本法案」を参議院に提出しました

 3月11日(月)
 生活・みどりの風・社民3党で「脱原発基本法案」を参議院に提出しました。
2年前のような原発事故を起こさないためにも、国会で「脱原発」を決定することの重要性をもっと多くの人に知ってもらい、応援してもらえるようにがんばります。
脱原発基本法案を参議院に提出
PageTop

8月27日決算委員会議事録(住民生活に光を当てる交付金・原発比率パブコメ・原子力規制委員会同意人事)

 福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。
 まず、平成二十二年度の補正予算で組まれた住民生活に光をそそぐ交付金についてお聞きをいたします。
 執行状況が九七%などとても高く、また私はこれはとても評価をしております。DVや弱者対策、自殺や児童虐待や図書館など、今まで現場でなかなか予算が付かずに細々と善意に支えられて実施されてきた支援事業に公的な予算が付いたと、これは本当に大事なことだったというふうに思っております。しかし、これがその後、このような交付金がなくなっております。こういったところにきちんと予算措置をすべきだと考えますが、いかがでしょうか

 国務大臣(川端達夫君)
 今御指摘のように、この住民に光をそそぐ交付金というのは、平成二十二年の補正予算で臨時的に一千億円、措置をされました。 
 これもお触れいただきましたけれども、地方消費者行政、DV対策、自殺予防等の弱者対策、自立支援、住民生活にとって大事であるけれども、今まで光が十分に当てられなかったということに対して行う取組を支援するものでありまして、平成二十二年度当時の実施計画、要望ベースで、二十二年度に約八百十五億円を活用して、加えて、二十四年度まで約二百四十六億円を基金として活用するものとされていまして、基金分については、その後、自治体に対する調査によると、平成二十四年度末までの執行見込額は二百三十三億円と回答をいただいているところであり、順調に執行は進んでいるものと考えております

 福島みずほ君
 今後、この光を当てる、光が当たらないところに光を当てる政策を是非しっかりやっていただきたいと思います。
 次に、地方における消費者行政の支援強化についてお聞きをいたします。
 地方消費者行政活性化基金によって相談員が三年間で五百五十五名増員されるなど、大きな前進がありました。しかし、この基金は平成二十四年までであることもあり、消費者問題の複雑化する中で、地方からも地方における消費者行政の更なる支援を求める声が大変強いです。
 今後も予算化して地方における消費者行政の強化を図るべきと考えますが、大臣の決意をお願いいたします。

 国務大臣(松原仁君)
 地方消費者行政については、消費者にとって身近な相談窓口の充実を図っていくことが重要な取組であることから、これまで地方消費者行政活性化基金を活用して充実強化を推進してまいりました。
 一方、小規模な自治体は基金への依存度が高く、自主財源の確保が困難な状況にあり、今後も持続的な消費者行政の充実を図っていくためには、基金終了後の地方消費者行政の財源の確保が大きな課題であります。
 平成二十五年度以降においても、地方消費者行政に積極的に取り組む地方自治体を引き続き支援し、自治体における基礎的な取組の下支えができるよう財源の確保を最大限努力してまいります。

 福島みずほ君
 次に、国庫補助金等により都道府県に設置された基金の執行状況についてお聞きします。特に、地域自殺対策緊急強化基金です。
 国庫補助等により都道府県に設置された基金の執行状況を見ると、平成二十一年度までの執行率が三五・八%、平成二十三年度までで五四・六%です。しかし、自殺に対する取組は本当に必要です。本基金は二〇一二年、二十四年度までとありますが、自殺対策はまさに始まったばかりです。
 今後もしっかりと予算を付けていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 国務大臣(中川正春君)
 この自殺対策については、平成二十一年度の補正予算も含めまして、当面の三年間で百億円を交付をしてあります。
 自殺者数を見ると、依然三万人を超えている厳しい状況がありまして、平成二十五年度以降の基本金の取扱いについては、平成二十六年度までの各年度の予算編成過程で判断をするということにしておりまして、都道府県においては本基金の期限の延長を踏まえつつ、基金に基づく事業を実施しているというふうに理解をしております。中身の使い方も含めて、更に充実した形でこれを積み上げていきたいというふうに思っております。

 福島みずほ君
 地方消費者行政や自殺についての基金、今後の取組について、予算の面も含めて是非よろしくお願いします。

 八月十二日まで、エネルギー選択に関するパブリックコメントが実施をされました。総数八万九千百二十四件、その八一%が即時原発ゼロを求める内容でした。各地域で行われた意見聴取会、とりわけ福島の中ではとても切実な意見もたくさん出ております。これらの意見はどう反映されるのでしょうか

 国務大臣(古川元久君)
 お答えいたします。
 今般、新しいエネルギー社会をつくっていくと、これまでの一部の電力会社、大手の電力会社がほとんどの電気をつくって供給する仕組みから、一人一人の国民の皆さん方が、時には自分で電気をつくり、あるいは節約したりためたり、そういう形の小規模分散ネットワーク型の新しいエネルギー社会をつくっていくと。そのためには、やはりこれは国民の皆さん方の参加が不可欠になりますので、これまでのようなエネルギー政策、専門家の皆さん方に集まって決めていただいたエネルギー政策について、御参加をいただくやっぱり国民の皆さん方の御意見も踏まえて決めていただきたいということで、国民的な議論を行って、今お話がありましたパブリックコメントや意見聴取会、あるいは討論型世論調査というものも行わせていただきました。それ以外にマスコミ等でも各種の世論調査等も行われておりますので、そういうものを集約いたしまして、それを検証する検証会合というものを先週、そして今日も開催をさせていただきました。ここには、パブリックコメントであるとか世論調査、こういうものの専門家の先生方にお集まりをいただきまして、各種調査の特性を踏まえた分析を行っております。

 こうした分析を踏まえまして、今後、国民的な議論を踏まえた総括を行った上で、政府として責任を持って革新的エネルギー・環境戦略を作成してまいる予定でございます。

 福島みずほ君
 八万九千百二十四件も来て、八一%が即時原発ゼロであると。とりわけ私は、福島での意見聴取会のそれぞれのコメントに本当に心を打たれました。これほどやはりみんながもう原発やめてほしいと思っているということを思いました。是非、この国民の声を生かしてくださるよう、心からお願いいたします。

 次に、原子力規制委員会委員長及び委員に関する人事案についてお聞きをいたします。

 細野大臣、私は、六月十八日、環境委員会で質問をしております。大臣は、「原子力村から選ばないということであれば、それはもちろん大前提として心掛けていかなければならないところだというふうに思います。」と答弁をされています。

 ところが、委員長として提示されている田中俊一さん、彼は、日本原子力研究開発機構副理事長時代には「もんじゅ」の推進を行い、原子力委員長代理時代には原子力事業者との秘密会合に出席をしております。また、現在、高度情報科学技術研究機構にいらっしゃいますが、ここは、日本原子力研究開発機構からの事業収入が七三%、高度機構は原子力機構の関係法人であり、実質的に一体であります。まさに原子力村の住人であり、この方を、田中俊一さんを原子力規制委員会の委員長にすることはまさに不適格だと思います。
 
 この人事は、細野大臣が環境委員会で答弁を私に対してされた、まさにこのことに反する、「原子力村から選ばないということであれば、それはもちろん大前提として心掛けていかなければならないところだというふうに思います。」、これにまさに反していると思いますが、いかがですか。

 国務大臣(細野豪志君)
 まず事実関係として申し上げますと、田中氏は「もんじゅ」の推進には直接かかわっておりません。また、原子力委員会の委員長代理は確かにされていましたが、当時は原子力政策大綱について更新という議論にはなっておりましたので、秘密会にもこれは出席をしておりませんし、そういったものは当時はなかったということでございます。そのことは私の方から事実関係として申し上げたいと思います。
 その上で、この原子力規制委員の人事なんですけれども、法律的な欠格要件に当たらないということだけではなくて、三年間は原子力事業者等の従業員であった者を外すということで、そこの、事業者との距離をしっかり保つという形での判断にいたしました。
 仮に、原子力研究開発機構の旧原子力研究所というところも完全に排除するということになってまいりますと、これはまさに原子力についての研究の機関ですから、例えば同じく炉規制法の対象になってくる東京大学や京都大学も外すという議論まで行き着いてしまうわけですね。そうしますと、そもそも原子力というものに直接かかわっていない人が委員長になるという、このこともやはり技術的、専門的に判断をしなければならないというこの原子力規制委員会の言うならば宿命から考えれば、現実的にはなかなかそういう形にはならないということでございます。
 既に政府として閣議決定もさせていただきましたので、是非こうした経緯を皆さんに分かっていただいて御賛同いただければ大変幸いでございます

 福島みずほ君
 私は、田中俊一さんが、三・一一前、原子力推進をすることの論文も随分読まさせていただきました。大臣が言っていた原子力村からの起用であり、これは認めるわけにはいきません。大臣の答弁と違反していますよ。
 それから、日本弁護士連合会は、とりわけ更田豊志さんと中村佳代子さんが、原子力規制委員会設置法七条七項三号に該当する、違法であるという声明を出しております。

 これは、七条七項三号、原子炉、再処理を行うということにまさに更田さんが属している機構が該当するわけですから、まさにこれに該当します。
 これに関しては、辞めるからいいんだというのが答弁です。回答は、委員を引き受けるときに更田さんは辞職するからいいんだと。しかし、御存じのとおり、この規制委員会設置法は兼職禁止を決めていますし常勤です。全ての人は委員長か委員になるときは辞めざるを得ないですよ。それだったら誰だって、誰だって、どんな人でもこの七条七項三号に当たらないということになります。
 そして、細野大臣は、七月三日、記者会見で、これは国会でずっと環境委員会で議論があったので、ガイドライン、原子力事業者に関して三年間遡ってそれはさせないというふうにおっしゃっています。これには何の留保も付いておりません。
 三年間遡るというガイドラインをあなた自身が記者会見で、七月三日、言っているじゃないですか。
だから、その点でいえば、更田さん、そして中村さん、問題です。

 とりわけ更田さんはまさに原子炉を扱う機構ですよ、「もんじゅ」ですから、再処理を扱う機構ですよ。どうしてその人が引き受ける前日に辞めるからいいんだとなるんですか。まさに原子力村からの、機構じゃないですか。「もんじゅ」を扱っていた機構の人が「もんじゅ」の廃炉を選べるわけないじゃないですか。

 少なくとも、国民に対する、分離をやるんだという原点で、こういう人を委員にしたら駄目ですよ。少なくとも、日弁連が違法であると言っている人間を国会同意人事で認めることはできないです。裁判をやれば必ず、設立許可、そして再稼働、違法な委員が関与したと裁判では争われますよ。
 七条七項三号に明確に該当するじゃないですか。

 国務大臣(細野豪志君)
 七条七項の三号というのは、まさに今、福島委員がおっしゃったとおり、兼職はできないということについて定めた規定であります。したがいまして、更田氏もここには該当しません。
 ただし、それだけでは十分でないと考えましたので、原子力事業者からはしっかりと独立をさせるという意味で三年間というガイドラインを作ったわけです。そこに該当するかどうかというのが、多分、福島委員の問題意識だと思います。ただ、福島委員の問題意識をそのまま徹底をするならば、例えば東京大学も京都大学も原子炉の施設を持っていますから、そこも該当するんですね。

 それで、原子力研究開発機構でいうならば、旧原研と動燃というのがあって、動燃は「もんじゅ」の側が推進をしていることはよく御存じだと思いますが、そこは、研究機関としての旧原研の部分まで排除してしまうとあらゆる専門家を排除することになってしまいますから、そこは分けて考えていただきたいということでございます。

 最後に一言だけ、いろいろおっしゃいましたので申し上げますと、恐らく福島委員も田中氏と何度かお会いになったことがあると思います。除染について話をしたことがあると思います。あらゆる専門家が今回に関しては事故について一定の責任を感じて、それで過去についていろいろ反省をしているところがあるわけですね。その中で、田中氏は一番現場に行って福島を除染をして、それで福島委員にも除染はこういうふうにするんだということを説明したということもおっしゃっていました。

 そういったことも含めて、この反省に立って、厳しい規制をするということに関して明確に自覚を持った人にやっていただかなければ、この安全規制がこれはもう動かないということになってしまいますので、そこは是非ともこうした経緯を御理解をいただきたいというふうに思います。

 福島みずほ君
 いや、余りにでたらめですよ。
 七条七項三号に該当するわけでしょう、「もんじゅ」のこの機構は。辞めるからいいんだったら、誰だってなれるじゃないですか。常勤なんですよ。
 前の日に辞めるんだったら誰だってなれますよ。
 この欠格要件は全く意味がない規定になるじゃないですか。
 だから、あなたは、七月三日、記者会見で三年遡ると言ったんですよ。三年遡って認めない、兼職禁止の規定ではないんだと、三年遡ると言ったんですよ。だから、原子力事業者に当たるじゃないですか。だって、現在今やっているんですよ。
 三年遡ったら、まさに当てはまるじゃないですか、
 中村さんも、とりわけ更田さんも。どうですか。

 ところが、その後は、今度は八月に新たな政府の見解を言って、七条七項三号が言う原子力事業者とそれからガイドラインが言う原子力事業者は範囲が違うと、ガイドラインが言う原子力事業者はメーカーなどに限定すると言っているんですよ。
 そんなの全く二枚舌の詭弁ですよ。七条七項三号に「もんじゅ」やっている機構は当たるんですよ。
 そこに今やっている人間が何で委員がやれるんですか。全くそれはでたらめですよ。後から後出しじゃんけんで要件変えないでくださいよ。原子力事業者の要件がガイドラインと法律で違うなんていうのは通用しませんよ。

 国務大臣(細野豪志君)
 原子力規制委員会設置法の七条七号三項には原子力事業者という言葉はありません。個別にそれぞれの業務の中身が書いてあって、それに該当するかどうかということであります。ですから、法律で言っている欠格要件と我々がお示しをしたガイドラインというのはこれは元々別のものなんです。仮に全て、それこそ炉規制法に言うような全ての規制対象を対象にしてしまうと、原子力研究開発機構の旧原研ももちろんですが、何度も申し上げますが、東京大学も京都大学も、かかわった人は全員規制できないということになってしまうんです。

 福島みずほ君
 いいじゃないですか。

 国務大臣(細野豪志君)
 いや、それは、そういう御意見もあるかもしれません。ただ、そこは、実際に原子炉の中のことが分かって、私は今回原発の事故を経験しましたから、中の原子力の例えば燃料がどこの場所にあるかとか、そのときにどういう対応できるのかということについて本当の専門家で分かった人が極めて少ないということも私経験したんですね。更田氏というのは、いろいろ御批判があるかもしれないけれども、シビアアクシデントの専門家で、燃料がどの場所にあるかという専門家なんです。「もんじゅ」とは全く関係ないんです。
 ですから、実際に危機に対応するにはどういうメンバーが必要なのかということについて、国会というのは責任ある場所でございますので、是非そういった、実際の危機にどう対応できるのかということについて御判断をいただければ大変幸いだというふうに思います。

 福島みずほ君
 いや、インチキですよ。七条七項三号には原子炉、再処理、書いてありますよ。
そして、あなたが、細野大臣が七月三日にやった記者会見、そのときのペーパーには原子力事業者の見解について違う見解を取ることなど一切書いてないんですよ。同じに解釈するのが当たり前じゃないですか。

 そして、なぜ七条七項三号があるのか。それは、原子炉等やいろんなことをやってきた人間は規制をするときにやっぱり影響を受けるからでしょう。
 私たちは福島原発事故を経て、利用とそれから規制を分けるんだって、そのことを決めたんですよ。

 にもかかわらず、なぜ今まで原子力で飯食ってきた人たちが、機構のまさにど真ん中が、七条七項三号に該当するって政府が答えているじゃないですか。その人間が、あした私が委員になる、今日までやっていても委員になるとき辞めていればいいんだなんていう理屈は通らないですよ。誰も、誰も、誰もこの要件に当たる人がいなくなっちゃうじゃないですか。誰だってなれるんですよ。そんなふざけたことはやめてください。七条七項三号に明確に当たるんです。ガイドラインを作るときに何の留保も付けなかったじゃないですか。それを今ごまかさないでください。

 原子力に携わった人で、石橋克彦さんや田中三彦さんや国会事故調に入った多くの人たち、この人たちは三・一一前から原発の危険性を言ってきた。すばらしい学者はたくさんいます。原子力が安全だと言い、核はコントロールできると田中さん言っているんですよ。できないというのが福島じゃないですか。福島がそれを明らかにしたのに、ヒアリングで原子力をコントロールしなければならないと言っているんですよ。原賠審で最後まで自主的避難者に対する賠償に反対したのが田中俊一さんなんですよ。だからみんなが反対しているんです。

 でも、私が今日一番言いたいのは、七条七項三号に明確に反するということなんです。今日辞めればあした委員になれるというそのふざけた政府の見解はどこにも通らないですよ。違法な人間を国会に提示して、国会が違法な人間を選ぶことはできないんですよ。五年間居座ることができるんですよ。五年間たたりますよ。五年間、違法な人間を選んだといって、あらゆる政府の原発政策が違法性を帯びると裁判で争われることになるんです。こんな人事を許してはならない。そのことを申し上げ、私の質問を終わります。
PageTop

2日間、原子力規制庁設置法案について質疑

 参議院環境委員会での原子力規制庁設置法案の審議に委員外発言の立場で質問しました。

 6月18日(月)
 次のような質問をしました。
 ①原子力規制委員会の人選について
 ②原子力規制庁の職員のノーリターン・ルールの厳格化について
 ③大飯原発を含めたバックフィットの実施について
 細野大臣は、原子力規制委員会の人選については、原子力ムラから選ばないのは大前提と答弁。大飯原発へのバックフィットについては、「大飯原発を運転させ続けるのか止めるのか、もしくは止まっている状態ならもう一度動かすのかという、そこの判断は専門家である規制委員会そのものが判断するということになる」との答弁を引き出しました。

 参議院環境委員会議事録は追記に掲載します。

 6月19日(火)
 ①目的に入った「我が国の安全保障に資する」について。細野大臣からは「核不拡散の観点から、もしくはテロ対策という観点から安全保障というものに深くかかわるので・・・加えられた文言」との答弁。発議者からは「セーフガードというのは核爆弾を作らないということです」との答弁。
 ②大飯原発へのバックフィットについて、枝野大臣より「法律が成立して施行されれば、・・・以降は安全性については一元的に規制委員会が行いますので、今の保安院と安全委員会を前提とした昨年七月の三大臣合意というのはそこで効力を当然失うことになります」との答弁。
 ③脱原発に向けての動きの明確化について。枝野大臣は「大飯の再稼働プロセスについて、これが一つ決定されたからといって、他の原発についてもずるずるというか、なし崩し的に再稼働するつもりは全くありませんし、またそれができるプロセスにもなっておりません。」との答弁。
 ④大飯原発へのバックフィット適用について。福島の質問「原子力規制委員会が厳正な安全基準を作成した際には、大飯原発を含めてバックフィットを実施すると、基準に達していなかったら大飯原発を含めて停止等の措置をとるということでよろしいですね。」に対して、細野大臣「はい、そういうことになります」との答弁。
 ⑤秘密会議は行わない、職員が電気事業者等と面会する際は申告するなどのルールが必要ではないかについて、細野大臣は「ルールの中身はいろいろな議論があり得ると思うんですが、何らかの内部でルールを決めておくべきだろうというふうに思います。」と答弁。
 ⑥原子力規制委員の人選については、細野大臣は「もう原発は安全で問題ないと思っている人は、これはそんなにはいないと思うんですね。いるとすれば、そういう人は就くべきではないと思います。」と答弁。

 6月19日の参議院環境委員会議事録は追記に掲載します。
PageTop