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福島みずほのどきどき日記

子供の貧困で質問 4/26 参厚労委児童扶養手当法改正

 4月26日(火)の参議院厚生労働委員会で、児童扶養手当法一部改正法案、子どもの貧困、同一価値労働同一賃金について質問しました。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 現在、基本額が四万二千三百三十円、第二子の加算額が五千円、第三子以降の加算額が一人につき三千円となっていますが、なぜこの額となっているのか、額の根拠は何ですか。

○政府参考人(香取照幸君) 児童扶養手当でございますが、今日午前中の御質問でも御答弁申し上げましたが、元々は昭和三十六年に年金制度ができましたときに、母子福祉年金を補完する制度ということでつくられたものでございます。当時、母子福祉年金千円に対して八百円で始まったものでございます。本体額につきましては、この当時、今申し上げました母子福祉年金の水準との均衡で設定いたしました。
 その後、昭和六十一年に母子福祉年金が拠出制の年金に移行いたしまして、この段階で金額の設定の考え方が別々になりまして、その後は消費者物価、あるいは社会経済情勢の変遷等、あとは、これは税財源ですので、税財源といった要素を含めまして、平成六年に四万一千円という水準がセットされまして、その後はその額の物価スライドで現在に至っております。
 多子加算につきましては、昭和六十一年までは先ほどの母子福祉年金と同様の多子加算額で推移してまいりましたが、その後は本体額とのバランス、あるいは財政状況を勘案してセットされております。具体的には、第二子につきましては昭和五十五年八月に当時の母子福祉年金の水準に準じて五千円に引き上げられて、この額が今回まで続いております。第三子につきましては平成六年、国家公務員の第三子以降の扶養手当の額にそろえて、それを踏まえて三千円に引き上げられて、その額が現在まで続いてきたところでございます。
 今回は様々、答弁申し上げておりますように、一人親政策についての全体的な総合的な対策の一環として、限られた財源の下で最大限の引上げを図るということでそれぞれ最大倍額にするということで御提案を申し上げているところでございます。

○福島みずほ君 政府は、世帯内の子供の数に応じた貧困率の調査を実施していますか。

○政府参考人(香取照幸君) 世帯内の子供の数に応じた貧困率の調査というものは行っていないと承知しております。
 二十六年八月の子供の貧困対策に関する大綱におきましては、貧困に関して二十五の指標が挙げられてございます。この中の一つに、御議論のある相対的貧困率というのが掲げられております。
 ただ、私どもとしましては、相対的貧困率というのは、基本的にはフローの現金で見るものでございまして、資産の保有状況ですとか、特に少子化対策には重要になります現物給付等々のサービスが反映されていないということになりますので、言わば相対的貧困率自身を細かく分析していくということのデータというのは、そういう意味でいえば、必ずしも全体の状況を反映するものではありませんので、こういった様々な指標の、二十五指標をお示ししているわけですが、その中の一つとして子供全体の相対的貧困率というものを用いて全体の施策を考えていくということを考えているところでございます。

○福島みずほ君 でも、児童扶養手当の第一子、第二子、第三子、どうするかを考えるに当たって、やはり貧困率、世帯内の子供の数に応じた貧困率をきちっと調査をすべきだと思います。
 首都大学東京の阿部彩さんの貧困統計ホームページによると、平成二十五年国民生活基礎調査を基に阿部さんが算出した子供の貧困率は、子供が一人の場合一七%、二人の場合は一三・六%、三人の場合は一九・七%、四人以上の場合は三三・五%と、二人の場合に比べて三人、四人以上の方が上昇しております。
 子供が三人以上の一人親家庭を重点的に支援すべきと考えられ、第三子以降の加算額を更に上げるべきではないかと思います。少なくとも、厚生労働省は子供の数に応じた貧困率の調査を実施すべきだと考えております。
 厚生労働省の平成二十五年国民生活基礎調査によれば、平成二十四年の子供の貧困率は一六・三%、六人に一人が貧困状態です。大人が一人と十七歳以下の子供のいる世帯の貧困率は五四・六%。基本額も含めた児童扶養手当額全体の引上げが必要ではないでしょうか。

○政府参考人(香取照幸君) 先ほどの貧困率のお話でございますが、世帯の子供の数ごとに見るかどうかということは別問題として、やはり子供の貧困の実態については把握、分析することは必要だと考えてございます。
 そういうことで、二十七年度、昨年度から一人親家庭、それから児童養護施設におられるお子さんの生活状況の調査等進んでおりまして、今後、大綱で二十五の指標が示されているわけでございますので、関係府省とも相談しながら様々な貧困の把握についての調査は進めていくと、ここはやりたいと思っております。
 一人親世帯の子供の数と家計支出の関係ですけれども、一般的に言って、世帯の数が増えていくことに伴う支出の増は基本的には低減をしていくというのが通常でございます。児童扶養手当に関しましては、第一子目で四万二千三百三十円という金額をお支払いしていますが、実はこの水準は諸外国の児童手当、子ども手当等々と比較してもかなり高い水準でございます。そもそも生別母子に対する児童扶養手当のような特別な手当制度を持っている国は極めてまれでございまして、通常はいわゆる日本で言う子ども手当に対する一人親加算のような形になっております。その金額は通常一万円とか一万五千円とか、そういう水準でございますので、むしろ四万数千円という基本額の大きな額を乗せて、それに家計の支出状況に応じて加算をしていくということになりますので、個々の加算額ということよりは加算と本体額を合わせた全体の額で見ていただくという見方をしていただいた、というか、私ども、そういう考え方でこの考え方は整理してございます。
 ちなみに、国民生活基礎調査ですが、実は三子以降、四子、五子となってまいりますと、標本数が極めて少ないので、このデータから額を算出して議論をするというのはなかなか難しいかと思っております。例えばこのデータによりますと、子供が四人から五人になりますと家計支出の額が下がったりしていますので、これは母数が非常に少ないので、この数字だけでなかなか議論するのはちょっと難しいかなと思っております。

○福島みずほ君 いや、でも、今は子供の教育費は非常に掛かりますので、子供の数が増えれば、その分やはり負担が増えるというふうに思います。
 この委員会の中でも、そして参考人質疑の中でも何度でも出てきた問題、毎月ちゃんと児童扶養手当を払うようにすべきではないか。これは、衆議院の附帯決議において、支給回数の見直しについて所要の改善措置を検討するというふうにも決議があります。関係者からの要望が強く、地方公共団体の事務の電算化が進み、効率も高まっています。
 支給回数の部分を変更してくださるということでよろしいでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) これはさっき繰り返し御答弁申し上げたとおりでありまして、結論的には、衆議院の附帯決議にございますとおり、地方公共団体の支給の業務を担っていらっしゃる現場の方々の負担をどう考えるのか、それから一人親家庭の利便性の向上と家計の安定、この観点をしっかりと見据えながら、支給回数を含めて所要の改善措置を検討しようということで、もちろん家計管理を自らやっていただくためのサポートもやっていくということでございまして、何度も申し上げますけれども、地方自治体の事務の実態を踏まえて今の三回ということになっておるわけでありますし、また税金を使うという限りはしっかりとした調査をやっていくということで、それとの兼ね合いをよく考えた上で、今申し上げたとおり検討課題として考えていかなければならないというふうに考えております。

○福島みずほ君 いや、納得いかないですよ。この三回というのは大昔の話から続いているわけで、もう毎月払ったって別に可能です。
 政府は、五月に年金困窮者に三万円ずつ配ると、事務費が二百七十五億円も掛けて一回こっきり払うんですよ。そんなばかなことをやっていて、児童扶養手当を、四か月置きをなぜ毎月にできないか。それは困窮している、やはり貯蓄が少なければ目の前にちゃんとお金があることが重要だということの必然性が何か分かっていないと思います。
 塩崎さん、厚生労働大臣になって、いいことを一つぐらいやってくださいよ、どうですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) たくさんやってきたとは申し上げませんが、福島先生に褒められたこともあったような記憶がございますので、よく思い出していただきたいと思いますが。
 まず第一に、だらしない離婚の結果として養育費も払わない人たちがいることについても、裁判所にあるいは法務省だけに言ってみても駄目なので、これはやはり仕掛けをつくらないといけないということだと思います。先ほど来、質疑の中で、かなりいろいろな広範な問題を解決した上で子供のために養育費をきっちり確保するということもとても大事なことで、これをやることがまた財政的に余裕ができてくるわけでありますから、そういった点もよく御一緒に考えていただきたいと思います。

○福島みずほ君 確かに、あのビキニの件や様々な点でお世話になったことは思い出しましたが、今回も是非やってください。
 というのは、養育費は養育費ですよ、児童扶養手当は児童扶養手当、両方ちゃんとやらなければならない。年収が、平均年間就労所得百八十一万円のお母さんは、やっぱり毎月払ってもらった方がいいんですよ。どうですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) もうこれは何度もお答えしたとおりでございまして、私一人の一存で決めるわけにいきませんので、衆議院の附帯決議を最大限尊重して、ここにあるとおり検討をしていきたいというふうに思いますし、地方公共団体の皆様方にも、できるという人もいればできないという人もいるので、こういうことはしっかりと幅広く聞いた方がよろしいかというふうに思います。

○福島みずほ君 いや、塩崎大臣は、GPIFで半分株につぎ込むぐらい剛腕をやったじゃないですか。だったら、これぐらいできるでしょう、というか、そのGPIFのには反対ですが。これは、実はこういうところに切実な要求があるということで是非やっていただきたいというふうに思います。
 ところで、子供の貧困率が右肩上がりとなっている原因について、政府はどのように分析していますか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 相対的貧困率については、世帯ごとの可処分所得に基づいて算出をすることはもう先ほどの御説明のとおりでございますけれども、何度も言いますけれども、これ、いわゆる保育とか子供の学習支援とか居場所づくりとか、こういう現物サービスが反映をされない貧困率であるということ、そういうこともやっぱり留意はしないといけないと思っております。
 子供の貧困率そのものは、長期的な傾向というか、最近の何年か、これまだ第二次安倍内閣になってからの数値は出ておりませんが、民主党政権までの数値でありますが、緩やかに上昇しているということはそのとおりでありますから、その傾向はやはりしっかり踏まえておかなければいけないというふうに思っています。
 これについては、児童のいる世帯に占める母子世帯の割合が上昇していることも原因の一つだというふうに思います。平成十八年に七十一万世帯であった母子世帯は、平成二十四年に八十二万世帯になっていると。直近は、離婚は件数は減っておりますが、少し、しかし、これまでずっと一貫して増えていました。
 それから、子供たちの未来が家庭の経済事情によって左右されるということはもちろんあってはならないわけでありますので、特に経済的にも様々な困難を抱えている一人親家庭にはきめ細かな支援が当然必要だということで、先ほど申し上げたとおり、すくすくサポート・プロジェクトの中で様々な手を打たさせていただいているわけでありまして、そういう意味で、一人親家庭の自立を促進をして、子供の貧困対策に全力で取り組まなければならないというふうに思っております。

○福島みずほ君 目標値を設定すべきではないですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) これも何度かお答えしておりますけれども、子供の将来が、確かに生まれ育った環境で左右されてしまうという貧困の連鎖が起きるのは良くないということは間違いないわけでありまして、貧困率の数値目標、これについては、平成二十五年六月に成立した子どもの貧困対策の推進に関する法律の法案審議において活発な議論が行われたというふうに聞いております。その際、相対的貧困率は、資産の保有状況が反映をされず、現物サービスの充実等がその改善には反映されないということから、子供の相対的貧困率を数値目標としない案が全会一致で可決をされたものと承知をしているところでございまして、子供の相対的貧困率について数値目標を定めるということは考えておらないということでございます。
 このすくすくサポート・プロジェクトを広範に定めているわけでありますから、この子供の相対的貧困率を始め、子供の貧困に関する指標の改善は当然、経済的に厳しい状況に置かれた一人親家庭の自立の支援に取り組むためにも、しっかりと全般的にやっぱり改善をさせていかなきゃいけないというふうに思います。

○福島みずほ君 出生率の努力目標値の設定には私は反対です。でも、子供の貧困率の目標値は設定をした上で、これが下がるように努力をすべきだというふうに思います。
 本年一月二十一日の参議院決算委員会において、総理は、現在諸外国における子供の貧困に関する指標等について情報収集、調査研究を進めているところであり、できれば平成二十八年度中に新たな指標の開発に向けて一定の方向性を見出していきたいと考えている旨発言しています。
 検討状況、いかがでしょうか。

○政府参考人(中島誠君) 委員御指摘の諸外国における子供の貧困に関する指標等の調査研究につきましては、児童福祉の研究者の先生方のお力をお借りしながら、現在内閣府において最終的な取りまとめ作業をさせていただいているところでございます。
 今後につきましては、子供の貧困対策に関する大綱に定めております二十五の指標の動向というものをしっかり注視するとともに、子供を取り巻く貧困の実態を把握する指標の在り方につきましては、この調査研究結果も踏まえつつ、更に有識者からの御意見もいただきながらしっかり検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。

○福島みずほ君 子供の貧困、とりわけ母子家庭の子供の貧困は、女性の、お母さんの貧困問題にほかなりません。年間平均就労所得は百八十一万でしかすぎません。当たり前に働いて当たり前に子供を食べさせるだけの賃金をこの日本の社会は得ることが極めて困難であると。その理由に、女性が非正規雇用が多いこと、最低賃金が低いこと、同一価値労働同一賃金でないことなどあると思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 安倍総理も明確に、これから三年の安倍内閣にとっての最大の挑戦は働き方改革だと言っておりまして、その具体的な第一歩は、同一労働同一賃金に踏み込むということで、今、私ども厚生労働省にも同一労働同一賃金の検討会を設けて、ヨーロッパの法制を含めて今議論を鋭意進めていただいているところでございまして、女性が非正規でないと働けないという状況をどう打破するか、同時に、非正規であっても、今のような欧州に比べてはるかに低い賃金のままでいかないでよい制度はどうつくれるのかを含めて考えていかなければいけないというふうに考えております。

○福島みずほ君 政府の同一労働同一賃金に関しては、報道によれば、例えば七割から八割、正社員の賃金を保障するというのが出ておりました。でも、これでは全く駄目ですよね。
 丸子警報器事件は、一審の判決において、正社員とそれから非正規雇用が時間給で比較した場合、七割五分であったらこれは公序良俗に反して無効であるとして判決を出しました。これは、高裁判決において、八割以上の賃金でということで和解が成立をしております。七割か八割で同一労働同一賃金なんて絶対に言わせてはならないというふうに思っておりますし、そもそも児童扶養手当以前の問題として、女性の就労の確保、そして非正規雇用を増やさない、派遣法の改悪なんて論外だったということを申し上げ、質問を終わります。

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