福島みずほのどきどき日記

TOC条約質問主意書と答弁書

 TOC条約(国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約)に関する質問主意書を出したところ、政府の答弁書が本日届きました。条約の政府間特別委員会において日本政府が「本条約の案文において犯罪とすることが義務付けられている行為を犯罪とすることは我が国の法的原則と相容れない」と述べていたことが明らかになりました。
質問主意書と答弁書は以下の通りです。


国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約に関する質問主意書

一 国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(以下「本条約」という。)第五条は、重大な犯罪を行うことを目的とする組織的な犯罪集団への参加か、すべての重大な犯罪の共謀の少なくとも一方を犯罪化することを加盟国に義務づけている。日本は、本条約の交渉過程では、共謀罪の制定に反対し、すべての重大な犯罪の共謀を犯罪とすることは国内法の原則と相容れない旨の意見を述べていたのではないか。

二 本条約第五条(草案段階では第三条。以下同じ。)に関して、第二回アドホック委員会(国際組織犯罪防止条約起草のための政府間特別委員会)において、英国が草案第二案を説明したところ、日本は理由を付した正式文書の体裁で、この英国案に対する修正案を次のように提案した。
「第3条 犯罪的組織への参加
締約国は、次の行為を犯罪としなければならない。
(a) 組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の実行を組織し、指示し、幇助し、教唆し、もしくは援助しまたはこれについて相談すること。そして、国内法の基本原則に従うこと。
(b) 次の犯罪行為の未遂または既遂に含まれるものとは別個に成立する少なくとも一つの犯罪。
(ⅰ) 金銭的利益その他の物質的利益を得ることに直接又は間接に関連する目的のため組織犯罪集団の関与する重大な犯罪を行うことを一又は二以上の者と合意すること。ただし、国内法上求められるときは、その合意の参加者の一人による当該合意の内容を推進するための行為を伴うもの。
(ⅱ) 組織的な犯罪集団の目的及び一般的な犯罪活動又は特定の犯罪を行う意図を認識しながら、故意に次の活動に積極的に参加する個人の行為
a 本条約第2条bisにおいて言及された組織的な犯罪集団の活動
b 組織的な犯罪集団のその他の活動であって、当該個人が、自己の参加が犯罪の目的の達成に寄与することを知っているもの
(ⅲ) 重大犯罪を実行することを目的とする組織犯罪集団の行為に参加することであって、当該行為に自ら参加することがその犯罪の成就に貢献することを認識しているもの」
また、この修正案には、以下のような理由も付されている。
「日本の国内法の原則では、犯罪は既遂か未遂段階に至って初めて処罰されるのであり、共謀や参加については、特に重大な犯罪に限定して処罰される。したがって、すべての重大な犯罪について、共謀罪や参加罪を導入することは日本の法原則になじまない」「それゆえ、参加行為の犯罪化を実現するためには、国内法制度の基本原則の範囲内で実現するほかない」。
この修正案及び修正案に付された理由(以下「修正案等」という。)を踏まえると、日本は本条約の交渉過程において、参加する行為がその犯罪行為の成就に貢献することを認識しつつなされたものであることを要件とする、新しい類型の参加罪の規定を設けるよう提案したということでよろしいか。

三 本条約第五条に関して、二〇〇〇年一月十七日から二十八日まで第七回アドホック委員会が行われた。
この期間中、日本、米国、カナダの間で非公式協議が行われ、詳しい報告書が作成されている。その報告書を開示し、非公式協議の内容を明らかにされたい。
四 前記二のように、本条約の交渉過程で日本が提出した第五条に係る修正案等からは、日本が、共謀罪は日本の法制度の基本原則にはなじまず、国内法に共謀罪を創設することは不可能と考えていたことが明確である。このように、共謀罪の創設に対して慎重な姿勢をとっていた日本が、なぜ、国内での立法事実もないのに、対象犯罪が広範な共謀罪(テロ等準備罪)を創設する法案を提出するに至ったのか。
五 最終的には本条約に規定されなかったが、本条約に重大な犯罪のリストを記載すべきであるとの意見が、本条約とりまとめの最終局面を迎えた第十回アドホック委員会でも繰り返されていた。しかし、このリストにはテロ行為が含まれていたため、カナダ、フランスは、本条約はテロ対策のための条約ではないとしてこのリストの記載に反対した。さらに英、米、独、中、南アなど十五か国がこのリストの記載に反対した。日本も、「リスト化には反対する。テロリズムは本条約の対象とすべきではない。」旨の意見を同委員会で述べていたのではないか。
  右質問する。



参議院議員福島みずほ君提出国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約に関する質問に対する答弁書

一、二及び四について
お尋ねの「本条約の交渉過程」における「提案」については、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連
合条約(以下「本条約」という。)第五条1(a)の規定の成案が得られるに至るまでの交渉過程において我
が国がしたものであるところ、当該提案をした時点における本条約の案文においては、同条1(a)(i)に規定
する行為については、対象となる「重大な犯罪」の範囲がいまだ定まっていなかったほか、「組織的な犯罪集団が関与するもの」という要件を付することも認められておらず、また、同条1(a)(ii)に規定する行為
については、特定の犯罪との結び付きのない犯罪集団の活動への参加が一般的に処罰の対象とされていた。
他方、我が国の刑事法においては、一定の犯罪については実行の着手前の共謀や予備行為等を処罰するこ
ととされているものの、全ての犯罪の共謀を一般的に処罰することとはされておらず、また、必ずしも特
定の犯罪との結び付きのない活動に参加する行為自体を直接処罰する規定は存在しない。そこで、我が国
は、その時点における本条約の案文において犯罪とすることが義務付けられている行為を犯罪とすること
は我が国の法的原則と相容れないことを説明した上で、同条1(a)(i)に相当する規定について「組織的な犯
罪集団が関与するもの」との要件を加えるべきこと及び同条1(a)に相当する規定に新たな選択肢として
「重大な犯罪を行う目的を有する組織的な犯罪集団の活動に、自己の参加が当該犯罪の達成に寄与するこ
とを知りつつ、参加すること。」を加えるべきことを提案したものである。
これらの提案のうち、後者については、犯罪となる範囲が不当に狭くなるなどの指摘があり、各国の賛
同が得られなかったが、前者については、各国の賛同が得られ、同条1(a)(i)に規定する行為の犯罪化につ
いて本条約上認められたオプションとして「国内法上求められるときは・・・組織的な犯罪集団が関与す
るもの」との要件が規定されるに至った。
本条約を締結し、国際社会と協調して一層効果的にテロを含む組織犯罪を防止し及びこれと戦うことは
重要な課題であり、そのためには、同条1(a)(i)に規定する行為を犯罪とする法整備として、現在国会で審
議中の組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案による改正後の
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)第六条の二第一
項及び第二項の罪を設けることが必要であると考えているところ、同条第一項及び第二項の規定において
は、右に述べたとおり我が国の提案に基づいてオプションとして取り入れられた「国内法上求められると
きは・・・組織的な犯罪集団が関与するもの」との要件の下で、「団体のうち、その結合関係の基礎とし
ての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるもの」を「組織的犯罪集団」と定義した上で、
「組織的犯罪集団・・・の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるもの」及び
「組織的犯罪集団に不正権益を得させ、又は・・・組織的犯罪集団の不正権益を維持し、若しくは拡大す
る目的で行われるもの」との要件を定めること等により、その処罰の範囲を厳格に限定しており、同条第
一項及び第二項の罪を設けることは、我が国の国内法の基本原則との関係で問題を生ずることはないと考
えている。

三について
御指摘の「第七回アドホック委員会」の際に開催された非公式協議の内容については、公にすることに
より、関係国との信頼関係が損なわれるおそれがあることから、その開示を差し控えたい。
五について
本条約の交渉の過程においては、本条約の対象となる「重大な犯罪」について、各国の国内法において
定められている刑期を基準とするべきであるとの意見が多数を占めていたが、テロを含む具体的な犯罪類
型のリストを定めるべきであるとの意見もあったところ、我が国は、後者の意見に従った場合には、当該
リストの内容をどのようなものにするかについての議論が収れんせず、本条約の採択が困難になると考え、
後者の意見には反対する旨の意見を述べたものである。
なお、本条約を採択した平成十二年の国際連合総会決議第二十五号には、「国際的な組織犯罪の防止に
関する国際連合条約が、とりわけ、マネー・ローンダリング、腐敗、絶滅危惧種の野生動植物の不正な取
引、文化財に対する犯罪等の犯罪活動及び拡大している国際的な組織犯罪とテロリストによる犯罪とのつ
ながりとの戦いのための有効な手段であるとともに国際協力のために必要な法的枠組みとなることを強く
確信し」との趣旨の記載があり、我が国もコンセンサスによる採択に加わった。
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安倍昭恵さん並びに随行する夫人付き職員の交通費・宿泊費に関する質問主意書への答弁書が戻りました

 安倍昭恵さん並びに随行する夫人付職員の交通費・宿泊費に関する質問主意書

 一 内閣総理大臣夫人安倍昭恵さんが安倍総理とは別行動で、安倍総理の公務の遂行の補助(以下「総理公務補助」という。)並びに私的な活動を行うため用務先に移動する際、公用車を使用しているか。また、公用車を使用する場合と使用しない場合の判断基準は何か。総理公務補助と私的な活動に分けて示されたい。

 二 安倍昭恵さんに随行する夫人付職員の交通費・宿泊費を安倍昭恵さんが負担したのはどういう場合か、総理公務補助と私的な活動に分けて例示されたい。

 三 安倍昭恵さんが総理公務補助並びに私的な活動を行うため用務先に移動する際の、安倍昭恵さん本人の交通費・宿泊費は誰が負担しているのか。また、安倍昭恵さん本人が負担する場合の基準は何か。総理公務補助と私的な活動に分けて示されたい。
 
 四 安倍昭恵さんの総理公務補助並びに私的な活動に夫人付職員が随行する際、当該夫人付職員の用務先への移動手段や宿泊施設の予約、当該移動に必要な切符等の購入並びに支払いや精算などの管理は誰がどのように行っているのか。

 五 安倍昭恵さんと、安倍昭恵さんが総理公務補助並びに私的な活動を行うために用務先に移動する際に随行する夫人付職員の交通費・宿泊費は、税務上どのような取り扱いになっているか。国、安倍昭恵さん(随行する夫人付職員の場合)、本人それぞれが負担した場合について示されたい。また、本人が負担した場合、税務上、必要経費等として本人の収入から控除される扱いとなっているか。

 六 二〇一六年に安倍昭恵さんが総理公務補助並びに私的な活動を行うために用務先に移動した際の安倍昭恵さん並びに随行した夫人付職員の交通費・宿泊費のうち、国が負担した額は、それぞれいくらか。

 七 二〇一六年に安倍昭恵さんが総理公務補助並びに私的な活動を行うために用務先に移動した際の安倍昭恵さん並びに随行した夫人付職員の交通費・宿泊費が、税務上、必要経費等として安倍昭恵さん並びに当該夫人付職員の収入から控除されている場合、その控除額の総計はそれぞれいくらか。

 八 二〇一六年に安倍昭恵さんが総理公務補助並びに私的な活動を行うために用務先に移動した際の安倍昭恵さん並びに随行した夫人付職員の交通費・宿泊費について、官房機密費からの支出は一切行われていないと断言できるか。

 九 安倍昭恵さんの総理公務補助に随行する夫人付職員の交通費・宿泊費について、安倍昭恵さんが負担することは適当であると政府は考えているのか。また、内閣総理大臣夫人が内閣総理大臣の公務の遂行を補助する際に随行する夫人付職員の交通費・宿泊費の負担の在り方について、今後、見直す方針はあるのか。
右質問する。

 参議院議員福島みずほ君提出安倍昭恵さん並びに随行する夫人付職員の交通費・宿泊費に関する質問に対する答弁書

 一について
 お尋ねの「別行動」、「公用車」及び「判断基準」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。

 二について
 安倍内閣総理大臣の夫人(以下「安倍総理夫人」という。)による内閣総理大臣の公務の遂行を補助すること(以下「総理公務補助」という。)に関しては、例えば、平成二十九年三月十一日及び同月十二日に安倍総理夫人による総理公務補助を支援する職員が安倍総理夫人に同行した場合において、安倍総理夫人からの申出により、安倍総理夫人の私的経費により御指摘の「交通費・宿泊費」が負担されているものと承知している。
 また、安倍総理夫人による私的な行為に関しては、例えば、平成二十七年二月二十七日から同年三月一日までに当該職員が安倍総理夫人に同行した場合において、安倍総理夫人からの申出により、安倍総理夫人の私的経費により御指摘の「交通費・宿泊費」が負担されているものと承知している。

 三について
 お尋ねの「基準」の意味するところが必ずしも明らかではないが、安倍総理夫人による総理公務補助に関しては、それが国家公務員等の旅費に関する法律(昭和二十五年法律第百十四号。以下「旅費法」という。)第四条第一項に規定する旅行依頼に基づくものである場合、安倍総理夫人に対して旅費(以下「標準の旅費」という。)を支給することが可能である。一方で、旅費法第四十六条第一項及び「国家公務員等の旅費に関する法律の運用方針」(昭和二十七年四月十五日付け蔵計第九百二十二号大蔵省主計局長通牒別紙。以下「旅費法の運用方針」という。)において、標準の旅費のうち国の経費以外の経費から支給ちようされる旅費に相当する旅費は、これを支給しないものとすることとされており、安倍総理夫人等から総理公務補助の旅費を負担する旨の申出がある場合においては、安倍総理夫人等により御指摘の「交通費・宿泊費」が負担されるものと承知している。

 なお、国は、安倍総理夫人による私的な行為について、安倍総理夫人の御指摘の「交通費・宿泊費」を負担しておらず、当該行為に関する「安倍昭恵さん本人の交通費・宿泊費は誰が負担しているのか」とのお尋ねについては、政府としてお答えする立場にない。

 四について
 お尋ねの「管理」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。

 五及び七について
 お尋ねの課税関係については、個別・具体的な事柄であるのでお答えを差し控えたい。

 六について
 お尋ねの「交通費・宿泊費」が、旅費法第六条第一項に規定する鉄道賃、船賃、航空賃、車賃及び宿泊料(以下「鉄道賃等」という。)を意味するものであれば、内閣官房及び外務省において確認した限りでは、国は、平成二十八年において、安倍総理夫人の鉄道賃等九十万千六百三十円を、安倍総理夫人に同行した安倍総理夫人による総理公務補助を支援する職員の鉄道賃等百六十九万五千三百五十三円を負担している。

 八について
 お尋ねについては、内閣官房報償費の性格上、お答えを差し控えたい。

 九について
 お尋ねの安倍総理夫人による総理公務補助を支援する職員に対しては、公務のため旅行する場合において、旅費法に基づき、標準の旅費を支給することが可能である。一方で、旅費法第四十六条第一項及び旅費法の運用方針において、標準の旅費のうち国の経費以外の経費から支給される旅費に相当する旅費は、これを支給しないものとすることとされており、安倍総理夫人からの申出により当該職員の旅費が安倍総理夫人の負担により支払われた場合はこれに該当するため、国は当該旅費法の規定等に従って当該職員に対し標準の旅費の支給をしないものとしている。
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加計学園の獣医学部新設に関する質問主意書への答弁書が届きました

 加計学園の獣医学部新設に関する質問主意書

 一 安倍首相は、学校法人加計学園の加計孝太郎理事長が今治市に獣医学部を作りたいと考えていることを二〇一六年十一月九日以前に知っていたか。知っていたのであれば、いつから知っていたのか。

 二 安倍首相は、二〇一六年十一月九日に、国家戦略特別区域諮問会議議長として、「現在、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とする」という地理的条件を導入した規制改革事項を決定したが、この決定は、今治市に獣医学部を作りたいと考えている加計理事長に対して便宜を図る意図に基づくものであるか。

 三 前記二の地理的条件を導入する案については、いつ誰が具体的に構想し、国家戦略特別区域諮問会議に提案することを決定したのか。

 四 国家戦略特別区域における規制改革として、京都府及び京都産業大学と今治市が獣医師養成系大学・学部の新設を希望し、国家戦略特別区域会議や国家戦略特区ワーキンググループにおいて、それぞれからプレゼンテーションが行われたが、政府はどちらの内容が優れていると判断したのか。

 五 平成二十七年十一月二十七日に国家戦略特別区域諮問会議が認定した東京圏の区域計画に千葉県成田市における学校法人国際医療福祉大学の医学部新設が盛り込まれたが、当該区域計画の認定にあたっては、現在、広域的に医学部を設置している大学が存在しない地域に限り医学部の新設を可能とするという地理的条件を導入し、これを考慮した上で認定したのか。

 六 仮に前記五の地理的条件を考慮しなかったということであれば、なぜ前記二のように獣医学部に関してのみ、「現在、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とする」という地理的条件が必要だと考えたのか。
右質問する。

 参議院議員福島みずほ君提出加計学園の獣医学部新設に関する質問に対する答弁書

 一について
 獣医学部の新設については、平成十九年十一月の愛媛県今治市等からの構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第三条第三項に規定されている提案に係る説明資料において、学校法人加計学園がその候補となる者である旨記載されており、こうした提案を受けて、安倍内閣総理大臣を本部長とする構造改革特別区域推進本部において、平成二十五年十月十一日、平成二十六年五月十九日及び平成二十七年八月二十五日に構造改革特別区域の提案等に対する政府の対応方針を決定するとともに、平成二十七年六月三十日に「「日本再興戦略」改訂二○一五」を閣議決定したところである。

 二について
 お尋ねの「規制改革事項」の決定は、御指摘のような「便宜を図る意図に基づくもの」というものでは一切ない。

 三及び六について
 獣医学部の新設については、「「日本再興戦略」改訂二〇一五」において「獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討」として、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における需要が明らかになる等の場合には、近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ検討を行う旨の方針が示されたことを前提として、多くの慎重な意見があったことも踏まえ、産業動物獣医師の確保が困難となっている地域に限ることが適切であると考えられたことから、その旨の平成二十八年十月下旬の山本内閣府特命担当大臣(地方創生)の指示に基づき、同年十一月初旬にかけて内閣府地方創生推進事務局において、国家戦略特区ワーキンググループの委員(以下「委員」という。)の意見も踏まえつつ、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とするための制度改正を行うとする旨の案を作成し、同月初旬に委員を含め関係府省間での調整等を行った上で同月九日の国家戦略特別区域諮問会議に提出し、同会議において決定したところである。

 四について
 獣医学部の新設については、愛媛県今治市による提案が事業の熟度が高く、京都府及び京都産業大学による提案よりも優れていると判断したところである。なお、同府及び同大学による提案についても、引き続き検討することとしている。

 五について
 千葉県成田市における「医師の養成に係る大学設置事業」に係る国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号)第九条第二項において準用する同法第八条第七項の規定及び同法附則第三条の規定に基づく区域計画の認定に当たっては、御指摘の「現在、広域的に医学部を設置している大学が存在しない地域に限り医学部の新設を可能とするという地理的条件」については考慮していない。
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奄美大島における自衛隊配備に係る土地購入に関する質問主意書への答弁書が届きました

 奄美大島における自衛隊配備に係る土地購入に関する質問主意書

 一 防衛省は、奄美大島における警備部隊並びに中距離地対空ミサイル部隊配備のため、奄美カントリークラブの元ゴルフ場用地を、南九州開発株式会社から、二〇一六年三月三十日に購入したとしている。その際の購入金額を明らかにされたい。
 二 国有地の取得並びに売買については、学校法人森友学園の小学校建設をめぐる問題においても、透明性と公平性が国民の大きな関心事となっており、政府は国有地の取得並びに売買に係る情報公開と説明責任をしっかりと果たすべきと考えるが、見解如何。 右質問する。

 参議院議員福島みずほ君提出奄美大島における自衛隊配備に係る土地購入に関する質問に対する答弁書

 一について
 お尋ねの奄美カントリークラブの元ゴルフ場用地の購入に係る不動産売買契約の契約額は、七億九千二百万円である。
 
 二について
 お尋ねについては、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定等を踏まえ、適切な情報公開等を通じて説明責任を果たしているところであり、引き続き、適切に対応してまいりたい。
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安保法制懇について質問主意書

「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会に関する質問主意書」を提出しましたので、皆さん是非ご覧ください!
政府からの答弁書が5月13日(火)に届く予定です。届き次第そちらもアップします。

一  安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(以下「安保法制懇」という。)は、内閣総理大臣(以下「総理」という。)の私的諮問機関という位置付けでよいか。

二 平成十九年に開催された第一次安保法制懇のメンバーは、誰がどのような基準に基づいて選んだのか。

三 平成二十五年から開催されている第二次安保法制懇は、第一次安保法制懇にメンバーを一人追加して構成されたが、この人選は誰がどのような基準に基づいて行ったのか。

四 第一次安保法制懇が既に報告書を提出しているにもかかわらず、ほぼ同じメンバーで、第二次安保法制懇における議論を開始したのはなぜか。

五  現在、内閣法制局長官である小松一郎氏は、第一次安保法制懇でどのような役割を果たしたのか。

六 小松一郎氏は、外務省国際法局長として、第一次安保法制懇において立案・実務に携わった。そのような経緯を考えれば、客観的かつ中立的判断を求められる内閣法制局長官としては不適任ではないか、政府の見解を明らかにされたい。

七  第一次安保法制懇の報告書を作成するに当たり、小松一郎氏は、異論を唱えたか、それとも容認したのか。

八  安保法制懇においては、参議院議員藤末健三君提出「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の位置付け等に関する質問に対する答弁書(内閣参質一八六第三五号)にあるとおり、「懇談会においては、我が国が集団的自衛権を行使できるようにすべきではないといった意見は表明されていない」とされている。集団的自衛権の解釈改憲について誰一人異論を唱えない中、一方の立場のみのメンバー構成で議論をするこのようなやり方は、著しく公平性を欠くと考えられるが、いかがか。

九 安保法制懇のメンバーも小松一郎長官も第九条に係る解釈改憲、明文改憲の必要性に同意している者ばかりであり、人選の基準が極めて不適切と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

十 安保法制懇が最後に開かれたのは、二○一四年二月四日であるが、議事要旨を見る限り、まとめる段階に入ったとは、思えない。同日以降、報告書をまとめるに当たって、具体的にどのような作業をしているのか。

十一 北岡伸一座長代理は、二○一四年四月二十一日付けの東京新聞のインタビューに答えて、「憲法は最高規範ではなく、上に道徳律や自然法がある。憲法だけでは何もできず、重要なのは具体的な行政法。その意味で憲法学は不要だとの議論もある。(憲法などを)重視しすぎてやるべきことが達成できなくては困る」などと述べている。しかし、そもそも総理の諮問機関において集団的自衛権を議論するに当たり、憲法の枠外で議論したり、憲法を無視して議論したりすることが許されるのか。座長代理として極めて不見識と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

十二 第一次安保法制懇報告書に「我が国の安全を著しく脅かす可能性があるもの」とあるが、具体的にどのような事柄を指すのか。また、「可能性」の有無や程度についてはどのような基準を基に判断するのか。

十三 米国のこれまでの戦争に対して、日本が反対を表明したことはあるか。日本と米国が日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約を締結し、日本国内に米軍の基地があるという状況から考えた場合、米国が戦争をすることは、常に日本にとって「我が国の安全を著しく脅かす可能性がある」事態になるのではないか。そうだとすると、仮に我が国が集団的自衛権の行使を容認した場合、米国が世界のどこかで戦争をする時に、日本は常に参戦をすることになるのではないか。参戦することにならない場合には、その根拠を示されたい。

十四  安保法制懇のメンバーに対する日当はいくらか。また、日当とは異なる形式で報酬を支払っている場合には、その支払方法及び金額を示されたい。さらに、安保法制懇の開催にかかった費用、その他必要経費についても示されたい。

十五 安保法制懇のメンバーに対する日当や報酬、交通費等の費用を負担しているのは誰なのか、またはどの組織なのか、その出所を明示されたい。もし、国の予算である場合には、平成二十四年度、平成二十五年度の決算及び平成二十六年度の予算を明示されたい。
右質問する。

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生活保護法案及び生活困窮者自立支援法案に関する質問主意書

 8月6日(火)
 先の国会で廃案になった、生活保護法案及び生活困窮者自立支援法案に関する質問主意書を提出しました。

 一 第百八十三回国会(常会)に提出された生活保護法の一部を改正する法律案について、今秋召集予定とされる臨時会において再提出する予定又は可能性はあるか。予定又は可能性がある場合、提出される法律案は、閣議決定された原案か、その後与野党において合意された修正案を反映したものか、若しくはそれら以外の案か。
 二 第百八十三回国会(常会)に提出された生活困窮者自立支援法案(以下「自立支援法案」という。)について、今秋召集予定とされる臨時会において再提出する予定又は可能性はあるか。
 三 自立支援法案第一条にいう「自立」とは、就労による経済的自立のみを意味するのか、日常生活自立、社会生活自立をも含めた幅広い意義を有するのか。
 四 自立支援法案第二条第一項が定義する「生活困窮者」には、現に生活保護を利用している者や、現に生活保護を利用していないが生活保護の利用要件を満たす者は含まれるのか。含まれるとする場合、「最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者」との定義をどのように理解することによって、かかる解釈を導くことができるのか。
 五 自立支援法案に基づく施策は、生活保護法第四条第二項のいわゆる他法他施策(生活保護法に基づく保護に優先すべき「他の法律に定める扶助」)に該当するものであるのか否か。他法他施策に該当するとする場合、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法については他法他施策に該当しないとする過去の政府答弁とどのように整合するのか。
 六 自立支援法案の生活困窮者自立相談支援事業における事業には、要保護者に対して生活保護申請の助言や援助を行う事業が含まれるのか。含まれるとする場合、自立支援法案第二条第二項各号が規定する各事業のどの文言に該当すると解釈されるのか。また、その点について省令等で明確にすべきと考えるが、その予定はあるか。
 七 自立支援法案の生活困窮者就労訓練事業における訓練等に従事する者については、最低賃金その他の労働関係法規の適用があるか。適用がないとする場合、訓練の名の下の労働関係法規の潜脱をいかにして回避するのか。また、対象となる訓練等を適切に限定すること、訓練等に従事する生活困窮者を適切に限定すること、不適切な事業者を監視監督する体制を構築することが必要と考えられるが、それぞれについて、具体的にどのような施策が予定されているか。
 八 いわゆる貧困ビジネス業者が、自立支援法案における生活困窮者一時生活支援事業や生活困窮者就労訓練事業などに参加し、生活困窮者を囲い込み、搾取の対象とする事態を回避するために、どのような施策が予定されているか。事業者との間の委託契約の内容において、かかる事態を規制し、違反に対して制裁を加える必要があると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
  右質問する。

(2013-8-15追記:上記質問主意書に対する答弁書のPDFファイルは以下のリンクから見ることができます。)

 生活保護法案及び生活困窮者自立支援法案に関する質問に対する答弁書
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集団的自衛権に関する質問主意書を提出しました

集団的自衛権の行使について、安倍政権は内閣法制局長官を交代させ、これまで歴代の内閣が積み上げてきた方針、つまり憲法9条のしばりのもと、集団的自衛権は行使ができないとの方針を変えようととしています。
このことについて、下記のとおり質問主意書を提出しました。答弁は、13日に提出される予定ですので、また、このブログで報告します。 (以下の質問主意書タイトルをクリックすると、PDFファイルを見ることができます。)

集団的自衛権の行使に関する内閣法制局の見解についての質問主意書

 安倍総理が七月に東南アジア三か国を歴訪した際に、集団的自衛権の行使容認について言及し、理解を求めたとの報道がなされた。また、七月二十七日に行われた総理記者会見では、「国際社会全体の安全保障環境の変化を踏まえ、日本の安全を確保し、日米同盟そして地域の平和と安定に貢献していくとの観点から、防衛大綱の見直しを行い、「国家安全保障会議」の設置、集団的自衛権の行使に関する検討等を進めていく考えである。」とも発言している。
これまで、集団的自衛権の行使に関しては、内閣法制局は憲法第九条の観点から許されないとの立場を堅持してきた。そこで、集団的自衛権の行使について、内閣法制局の見解と安倍総理が推し進める検討について、以下質問する。

一 二〇〇七年、当時の安倍総理の諮問を受けた政府の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」は、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更に関する報告書をまとめ、二〇〇八年に提出した。同報告書の二十二ページでは、自衛隊による「公海における米艦の防護」と「米国に向かうかもしれない弾道ミサイルの迎撃」に関して、集団的自衛権の行使を提言している。政府の一つの懇談会にすぎない「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」による集団的自衛権に関する報告書の見解と、従来の内閣法制局によって積み重ねられてきた集団的自衛権に関する国会及び質問主意書での答弁に差異がある。集団的自衛権と憲法第九条との関係について、内閣法制局の見解を改めて明らかにされたい。また、内閣法制局の見解が政府の唯一の公式見解との理解でよいか。

二 前記一の報告書二十二ページでは、自衛隊による「公海における米艦の防護」と「米国に向かうかもしれない弾道ミサイルの迎撃」に関して、いずれも集団的自衛権の行使を提言しているが、内閣法制局としては、右記二類型は集団的自衛権の行使に該当するとの見解か。該当するとの見解であれば、この二類型に関して、集団的自衛権の行使に当たり憲法違反となるため、容認できないとの見解で間違いないか。

三 前記二の「米国に向かうかもしれない弾道ミサイルの迎撃」に関して、そもそも現在の日米の防衛能力において、弾道ミサイルを撃ち落とす技術は確立されているのか。その技術の精度、あるいは裏付けとなる実験結果などについて明示されたい。

四 前記一の報告書十八ページでは、憲法第九条に関して、「個別的自衛権しか認めていないというこれまでの政府の解釈は、(中略)激変した国際情勢及び我が国の国際的地位に照らせばもはや妥当しなくなってきている。」と指摘しているが、同指摘に関する内閣法制局の見解を明らかにされたい。

五 内閣法制局の集団的自衛権に関する見解は、二〇一三年五月十四日の参議院予算委員会で、私の質問に対して、山本庸幸内閣法制局長官がこれまでの答弁を踏襲した内容で答弁したが、改めて安倍政権の方針により検討を加え、集団的自衛権の定義変更や、憲法第九条の下に集団的自衛権の行使ができるように解釈を変更することが可能であるのか。可能であるならば、その手続や法的裏付けについて明示されたい。

六 内閣法制局の集団的自衛権に関するこれまでの見解は、将来とも不変のものなのか。変更をする場合、どのような理由、背景があれば見解が変更されることがあるのか。加えて、内閣法制局の見解を変更する場合、閣議決定が必要なのかなど、手続はどのようなものになるのか明示されたい。

七 過去において、内閣法制局の見解が変更された事案があれば、その代表的な事案を明らかにされたい。

八 戦後、長きにわたり自民党が政権を担ってきた間、歴代内閣は集団的自衛権の行使は認めてこなかった。これまで積み上げられてきた国会における政府との議論の前提を、解釈変更で容易に変更できるのであれば、議論の前提が崩れることになり、議会制民主主義と法治国家の根幹を揺るがすことになると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。

(上記質問主意書に対する内閣法制局の答弁書を入手しました。以下からそのPDFファイルを見ることができます。)

 集団的自衛権に関する内閣法制局の答弁書
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「ナチス政権の手口」についての麻生発言に関する質問主意書

「ナチス政権の手口」についての麻生発言に関する質問主意書
 麻生太郎副総理兼財務大臣は本年七月二十九日、都内での講演において、「「静かにやろうや」ということで、ワイマール憲法はいつの間にか変わっていた。誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうか。」と発言したと報道されている。
麻生副総理兼財務大臣は同八月一日、右記発言を撤回したが、この発言の問題性は何ら変わるものではない。
ところで、ドイツの高校教科書「ドイツの歴史「現代史」」(明石書店刊 世界の教科書シリーズ十四)では、「帝国議会放火事件と「権力掌握」 ナチス党にとっての絶対多数、あるいは憲法改正の成立に必要な得票獲得を目標に据え、ヒトラーは首相としての宣誓を前に既に新選挙の実施を企て、ドイツ国家国民党の抵抗を押し切ってこれを強行した。二月一日帝国議会は解散に追いやられ、三月五日に選挙が行われることになった。二月四日、帝国大統領の緊急布告の下に、新聞や政治集会の統制令、及びプロイセン地方議会の解散命令が発せられた。ゲーリングが内務大臣代行となり、同時にプロイセンでは、警察庁長官に突撃隊(SA)が、鉄兜団員が予備警察隊に就任した。
選挙戦はナチス党によって先導され、突撃隊と親衛隊の両機関が動員されて、プロパガンダや街頭テロなどのあらゆる手段が駆使された(「国家の敵」に対する発砲命令)。二月二十七日にベルリーンの帝国国会議事堂が炎上し、このときヒトラーは、彼の提唱によりそのときまで議論が重ねられてきた非常事態宣言(焼き討ち襲撃)を利用し、実際にそれを発動した。ヒトラーは、ワイマール憲法第四十八条による緊急命令をヒンデンブルグ帝国大統領に発布せしめるべく、このような襲撃を行ったのである。「国民と国家の保護のための保安命令」に関して、すなわちいわゆる「緊急令」に関して、二月二十八日、憲法に規定された古典的な控訴権をも含む基本権が無力化された。さらに、国家反逆罪ならびに国家機密漏洩罪に対する死刑案も導入された。その結果、実質的な法国家原理は、形式的な法規定に基づき一九四五年まで廃止されることとなった。つまり法治国家の核心が法に基づいて廃絶されたのである。とはすなわち、国家の恣意的な召喚から市民の私的領域を保護する法国家の核心が廃棄されたということである。つまるところ、国家の名における専制政治が第三帝国の体制の本質となった。「緊急令」はナチス党に対し、ドイツ共産党を放火犯に仕立て上げ、党の幹部を大量に逮捕し、党そのものを粉砕する可能性を与えた。確かに、帝国国会議会の放火裁判においては、すべての共産主義者の被疑者は無罪を宣告され、結局オランダ人のファン・デル・ルッベのみが有罪と認められることにはなったが、しかし、ドイツ共産党の幹部の過半数はまったく恣意的に逮捕され、ドイツ共産党の各組織は非合法でのみ、また亡命地でのみ抵抗活動を続けることが許された。社会民主主義党もまた、選挙期間中、逮捕や活動禁止に脅かされ続けた。」と記載されている。このように、ナチスドイツは国会襲撃事件をでっち上げ、各政党を弾圧し、ナチスに反対する人々は襲撃を受けた。暴力が横行し、基本的人権が保障されない社会がつくり上げられてしまった。
また、法治国家崩壊の総仕上げとして授権法が制定され、ワイマール憲法が保障する基本的人権は無に帰した。右の点を踏まえ、以下質問する。
一 麻生副総理兼財務大臣は「ナチスドイツの手口を学ぶ」としているが、前文に述べたナチスドイツの、どの手口を踏襲するつもりか、手口の具体的内容について、明らかにされたい。
二 安倍内閣は、前文のようなナチスドイツと同じ行為や施策を行うつもりか、政府の見解を明らかにされたい。
右質問する。

(2013-8-15追記:上記質問主意書に対する答弁書のPDFファイルは、以下のリンクから見ることができます。)

 「ナチス政権の手口」についての麻生発言に関する質問に対する答弁書
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子ども被災者支援法に関する質問主意書

子ども被災者支援法に関する質問主意書
 東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律(以下「子ども被災者支援法」という。)は二○一二年六月全会一致をもって可決成立した。子ども被災者支援法の趣旨に忠実な基本方針を速やかに策定し、被災者支援のための具体的施策を早急に実現することは、政府の最重要の政策課題である。
 本年六月十三日に復興庁水野参事官(当時)によるツイッターへの不適切な投稿が発覚した。同参事官による同年三月八日のツイッター投稿に「今日は懸案が一つ解決。正確に言うと、白黒つけずに曖昧なままにしておくことに関係者が同意しただけなんだけど、こんな解決策もあるということ」とある。このツイッターについて、報道機関や市民団体からは、その直後の三月十五日に復興庁が「原子力災害による被災者支援施策パッケージ」を公表したことから、支援策の前提となる線量基準及び基本方針の策定を先送りしたことを指しているのではないかと指摘された。
 日本弁護士連合会などが参加する「子ども・被災者支援法ネットワーク」が同年六月二十日付けで行った「原発事故子ども・被災者支援法に関する申入れ(質問)」に対して、復興庁は七月二日に書面で回答(以下「復興庁回答」という。)を行い、その中で、同参事官は、「その意味は、複数の省庁にまたがるある施策の調整が完了した際の記述であったと述べている」と説明し、「本人は、事情聴取に対し、「白黒をつけない」の意味は、それに関する国会答弁の作成の分担について、事前に決めるのではなく、実際に質問が通告された時点で、復興庁と関係省庁が協力して作成することになったことを婉曲的に表したものであり、報道されているような、子ども被災者支援法の基本方針の策定を先延ばしにしたという意味ではないと述べている」と説明した。
 ところが、同年八月一日付けで毎日新聞は、「同法を所管する復興庁が三月、具体的な支援策作りの大前提となる「線量基準」の検討をどこが主導するか曖昧にしたまま、七月の参院選後に先送りすることで関係省庁と合意していたことが国の関係者の証言で分かった。」、「担当課長・参事官の会議は二月以降、復興庁主導で開かれ、元参事官が所属する「福島班」の担当参事官が毎回出席していた。この会議で線量基準の検討を参院選後に先送りすることが合意されたという。元参事官が「懸案が一つ解決」と書いた三月八日にも会議は開かれていた。」と報道している。
 この報道が事実であるとすれば、復興庁は市民に対し、外面的には反省の意を表明した上で、実際は十分な調査も行わず、事実に反する回答を行って事実関係をごまかしていたこととなる。
 これに対し、復興庁は同年八月一日付けで公式ホームページ上でこの毎日新聞の「記事においては、復興庁元参事官のツイッター発言は、線量基準の検討スケジュールのことを指すとされていますが、そのような事実はありません。」と釈明した。しかし、このホームページの記載は、復興庁回答の繰り返しであり、具体的な事実関係を明らかにしていない。
 復興庁回答や前述のホームページ上における釈明は、事実であるかどうか、極めて疑わしい。復興庁は参事官ツイッター問題が生じた後においても、背後となる事実関係を明確に調査することもせず、事実に基づかない責任逃れの回答をしていたものと考えざるを得ない。
 よって、以下質問する。
一 復興庁は前文の毎日新聞の報道は事実でないとするが、どこまでが事実で、どの部分が事実と異なるのか明らかにされたい。
二 具体的な支援策作りの大前提となる線量基準の検討をどこが主導するか曖昧にしたまま、七月の参院選後に先送りすることで関係省庁と合意していたというのは事実か。事実でないならば、線量基準の検討は、いつ、どこが主導するか決まったのか、明らかにされたい。
三 復興庁回答作成のため、水野元参事官以外の誰から事情を聴取したか。また、それらの者の聴取内容も明らかにされたい。
四 前文の毎日新聞報道に関して、三月八日に復興庁と関係省庁の担当課長・参事官による会議は開催されているか。
五 前記四の会議の参加者を明らかにされたい。
六 前記四の会議の議題と議事内容を明らかにされたい。同会議で線量基準の検討を参院選後に先送りすることが合意されたというのは事実か。
七 復興庁回答にある「複数の省庁にまたがるある施策」とは何か。線量基準の検討ではないのか。施策内容を明確に示されたい。
八 復興庁回答に関して、十分な調査も行わず、事実に反する回答を行っていたとすれば、復興大臣と復興庁幹部はどのような責任の取り方をするつもりか。
九 一ミリシーベルトは、原子力開発を行うに当たって、一般市民の被ばく限度として定められていた政府の約束である。事故が起きた今こそ、この数値を守ることは、政府として当然の責務である。早期に支援対象地域を画す線量基準を一ミリシーベルトと定めるべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。
  右質問する。

(2013-8-15追記:上記質問主意書に対する答弁書のPDFファイルは以下のリンクから見ることができます。)

子ども被災者支援法に関する質問に対する答弁書
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TPPに関する質問主意書

TPPに関する質問主意書
一 本年七月二十三日、マレーシアで開かれたTPP交渉会合に参加するに当たり、鶴岡公二首席交渉官が秘密保持契約に署名した。この秘密保持契約の具体的な内容を明らかにされたい。この秘密保持契約においては、交渉過程の議論のみが秘密なのか、決定事項までも秘密なのか、誰がどこまで情報を把握できて、どの程度まで情報公開できるのか。
  政府は、交渉参加前は「まだ交渉に参加していないから内容が分からない」としてきたが、交渉参加後は「秘密保持義務があるので話せない」では、国民は判断の材料すら持てないのではないかと考えるがいかがか。
二 二○一一年十一月、メキシコ及びカナダがTPP交渉参加に向けた協議開始の意向を表明した際、両国は「これまでに決まった交渉内容について、遅れて入った国は一切修正提案もできない。確定したテキストについては文言の修正もできない」との趣旨の文書を渡されたと報道されている。この度、さらに遅れて参加した日本政府にも、同様の文書が渡されているのか。渡されている場合には、その文書の内容も明らかにされたい。
三 日本政府は、この度、TPP交渉に参加するに当たり、これまでの交渉内容の経緯や、確定したテキストの全容を知るに至った。既にマレーシア政府は、「TPP交渉テキスト全二十九章のうち十四章が作業を完了している」とし、作業を完了した分野の詳細も含めた声明を、独自の判断で出している。交渉に参加後、日本政府は「交渉の余地がある」と述べているが、国民にとってはどの分野でどのような内容が提案可能かは大きな関心事項である。少なくとも、マレーシア政府の発表と同レベルの情報開示をするべきと考えるが、いかがか。
四 日本政府は、本年六月十七日に開催された国内の業界団体百二十八団体に向けたTPPに関する説明会において、「国内向けに交渉に関する説明を広く平等な参加資格をもって、公開で行っていただきたい」との会場質問に対し、「検討する」と回答している。他のTPP参加国のほとんどは、国内のステークホルダー(利害関係者)に対し、交渉会合の後などにブリーフィングの場を設けている。このような場は国民への説明責任と情報開示の観点から、必須の事柄と考えるが、政府はいつ、どのような形でこのような場を持つ予定か、明らかにされたい。このような場を開催しないことは重大な問題となると考えるが、開催しない場合にはその理由を明らかにされたい。
五 本年七月十八日、米国通商代表部(以下「USTR」という。)のマイケル・フロマン代表が、米国下院歳入委員会公聴会で「日本のTPP交渉参加のための(事前協議)過程において、あらゆる品目・分野が交渉対象であることを明確にし、日本農業に関連して一切の除外を認めていない」と証言し、「(まとまった交渉文書の)再交渉も、蒸し返すことも日本に認めない」と述べているが、これを日本政府は承知しているか。事実に反している場合には、公式に否定しないのか。
六 米国大統領の貿易促進権限(TPA)は時限立法によるものであり、二〇〇七年七月一日に失効している。連邦議会の規定によれば、大統領には条約を結ぶ権限はあるけれども、通商に係る協定を結ぶ権限はない。つまり、オバマ政権にはTPPを締結する権限がないのではないか。
  本年三月十九日の米国上院財政委員会公聴会では、マランティスUSTR代表代行が「(TPAなしに交渉していることに)違法性はないのか」とオリン・ハッチ議員に問われている。
  TPAを失効しているオバマ政権と結ぶ合意文書に法的拘束力はあるのか。また、TPAについてUSTRが上院及び下院議員に対して説明を行ってきた内容を日本語にして日本国民に開示すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
七 国家と投資家の間の紛争解決(ISDS)条項は、国家対国家という国際法の概念から離れて、投資家(企業)に国家を提訴する権利を与えている。投資紛争解決国際センターに訴えられた政府には、当該裁判を拒む権利が認められていない。また、投資紛争解決国際センターは世界銀行傘下の組織であり、公正な中立性が保証されていない。
  このISDS条項は、司法権が我が国の裁判所に属するとした日本国憲法第七十六条第一項に反するのではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。

(2013-8-15追記:上記質問主意書に対する答弁書のPDFファイルは以下のリンクから見ることができます。)

 TPPに関する質問に対する答弁書
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オスプレイ低空飛行訓練に関する質問主意書

 5月14日(火)
 オスプレイの低空飛行訓練の法的根拠に関する質問主意書に対する答弁書が政府から戻ってきました。 
 ぜひ読んで下さい。

 オスプレイの低空飛行に適用する訓練の法的根拠に関する質問主意書
 
 オスプレイは、昨年だけでも二度の重大な事故を引き起こしている。そのため、その日本国内での配備について危険性が指摘されており、各地で反対運動が起きている。このような動きにも関わらず、政府米軍は、強行にオスプレイの配備をすすめてきた。しかし、合衆国軍隊米軍といえども、法的根拠なくして活動することはできない。よって、オスプレイがどのような法的根拠に基づき、日本各地で低空飛行訓練を行うことができるかについて、明らかにする必要がある。

 そこで、以下のとおり質問する。

 一 定義について
 1 合衆国軍隊米軍が日本国内で認められている「移動」の法的根拠及び定義を示されたい。
 2 合衆国軍隊米軍が日本国内で認められている「訓練」の法的根拠及び定義を示されたい。

 二 合衆国軍隊米軍の移動と訓練について
 1 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約の6第六条に示されているのは、施設及び区域の使用であり、施設及び区域外ににおける訓練の実施を可能にする法的根拠にはなり得ないと考えるが、いかがか。
 2 合衆国軍隊米軍が施設及び区域外において訓練を実施する法的根拠は何か、すべて示されたい。
 3 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6六条に基づく施設及び区域並びに日本国に置おける合衆国軍隊の地位に関する協定(日米地位協定)の5第五条2第二項において、合衆国軍隊米軍は、施設及び区域間や日本の港や飛行場との間を移動することができると理解している。ここでいう移動とは、まさしく移動であり、訓練とは違う異なると理解するが、いかがか。
 4 前記二の3において、移動と訓練は同じであるとするのであれば、その法的根拠を示されたい。
 5 合衆国軍隊米軍所属の航空機等が、同じ基地に戻った場合、日米地位協定第五条で示すところの基地間移動とは言えないと考えるが、いかがか。
 6 合衆国軍隊米軍が日本国内でオスプレイの低空飛行訓練を実施する法的根拠は何か、すべて示されたい。
 
 三 オスプレイの低空飛行訓練の実施に関する連絡体制について
 1 日本政府は、合衆国軍隊米軍によるオスプレイの低空飛行訓練の実施についての連絡をいつ、どの部署機関が得る受けるのか。
 2 合衆国軍隊米軍によるオスプレイの低空飛行訓練の実施について、実施区域にある自治体に対しては、どのように事前に告知されるのか。告知されないというのであれば、その理由を示されたい。
 
 四 「日米地位協定の考え方」という文書の存在について
 1 「日米地位協定の考え方」また又は「日米地位協定の考え方・増補版」と題する文書は、外務省の文書であるのか。このような文書が外務省に存在するのか、明らかにされたい。                    
 右質問する。

 
 参議院議員福島みずほ君提出オスプレイの低空飛行訓練の法的根拠に関する質問に対する答弁書

 一及び二について
 お尋ねの「米軍が日本国内で認められている「移動」」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、米軍の航空機等は、例えば、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)第五条2の規定に基づき、米軍が使用している施設及び区域(以下「施設及び区域」という。)に出入りし、これらのものの間を移動し、並びにこれらのものと我が国の港又は飛行場との間を移動することが認められている。
 また、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)が、我が国の安全並びに極東の平和及び安全の維持に寄与するため、米軍の我が国への駐留を認めていることは、別段の定めがある場合を除き、米軍がかかる目的の達成のため、軍隊としての機能に属する諸活動を一般的に行うことを当然の前提としていると解され、米軍がかかる目的の達成のため、低空飛行等の飛行訓練を含め、部隊の練度の維持及び向上を図り、即応態勢を整えておくとの観点から必要な訓練を我が国において行うことは、このような諸活動に含まれると解される。日米地位協定は、このような訓練について、実弾射撃訓練のように米軍が本来施設及び区域内で行うことを想定している活動を除き、施設及び区域並びにその上空に限って行うことを想定しているわけではなく、その外においてこれを行うことは、認められるところである。
 なお、米軍による個々の活動と日米地位協定との関係については、その具体的実態に即して判断されるべきことであり、一般的に述べることは困難である。
 いずれにせよ、米軍は全く自由に飛行訓練等を行ってよいわけではなく、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきものであることはいうまでもなく、米軍もこの点には十分留意して、安全面の配慮を払うとともに、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう努めているものと承知している。

 三について
 垂直離着陸機MV二二オスプレイが我が国において飛行訓練を行う場合に、我が国政府に事前に通告することが義務付けられているわけではないが、政府としては、米側から得られた当該飛行訓練に係る情報については、速やかに関係する地方公共団体等にお知らせしてきているところである。
このような場合における米側とのやり取りの詳細については、米側との関係もあり、答弁を差し控えたい。
 
 四について
 外務省としては、お尋ねの「日米地位協定の考え方」と題する文書は保有していないが、お尋ねの「日米地位協定の考え方・増補版」に該当すると思われる文書は保有している。
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ボーイング787型機のバッテリー事故に関する質問主意書

 5月14日(火)
 5月1日に提出した「ボーイング787型機のバッテリー事故の原因解明と根本的な事故対策及び拙速な運航再開計画の見直しの必要性に関する質問主意書」を提出しました。
 14日に答弁書が戻ってきましたので、併せてご紹介します。

 ボーイング787型機のバッテリー事故の原因解明と根本的な事故対策及び拙速な運航再開計画の見直しの必要性に関する質問主意書
 
 ボーイング787型機(以下「B787」という。)の、本年一月に二件連続で発生した墜落・爆発にもつながりかねない深刻なバッテリー発火事故を受け、その事故原因の解明が日米で進められてきたが、事故原因が解明されない中で運航再開が実施されようとしている。
 アメリカ連邦航空局(以下「FAA」という。)は四月二十六日に、本年一月のバッテリーの発火事故以来運航が停止されていたB787について運航停止命令を解除し、日本の国土交通省も同様に解除するとされている。
 本年一月七日、ボストン空港で、日本航空のB787でバッテリーから出火した。また、一月十六日、全日空のB787がバッテリーから煙が出たために高松空港に緊急着陸した。
 この二つのB787のバッテリー発火・発煙事故(以下「本件バッテリー事故」という。)を受けて、FAAなど世界の航空当局は同型機の運航を世界中で停止した。本件バッテリー事故は、乗客乗員の生命を脅かす可能性のあった極めて重大なものであり、事故原因を徹底的に解明し、完全に再発を防ぐ措置を講ずることが求められてい
た。世界の航空会社八社が合わせて約五十機のB787の運航を一斉に見合わせた(五十機のうち十七機が全日空、七機は日本航空)。 
 B787は、従来の空圧制御部分を電気駆動に変えており、大量の電気を使う「電気飛行機」とも呼ばれており、電気システムの安全性は従来の航空機と比較しても極めて重要なものとなっている。
 本件バッテリー事故の原因については、米国家運輸安全委員会(NTSB)と日本の運輸安全委員会(JTSB)が事故原因を調査しているが、現時点で事故原因は特定されるに至っていないとされる。
 ボーイング社は本件バッテリー事故について、約八十項目の要因を想定し、さまざまなトラブルに対応できるよう改善策を講じたとされる。この改良バッテリーシステムを、FAAは米国時間四月十九日に承認した。
 四月二十三日及び二十四日、米国家運輸安全委員会は、B787のバッテリー発火の原因について公聴会を開催したが、この場においても、同委員会のデボラ・ハースマン委員長は同型機のバッテリーシステムには、今回の事故のような事態を想定した対策がとられておらず、承認を与えたFAAの措置にも疑問を呈し、事故原因の特定の
ためにはなお一年程度の時間を要するとの見通しを示した。
 日本の運輸安全委員会の後藤昇弘委員長は四月二十四日の定例会見で、B787のバッテリー事故について「根本原因の特定には至っていない」と述べている。これまでの調査からは、ボーイング社が対策を講じた約八十項目以外の原因は想定していないとも指摘し、ボーイング社の対策を是認するかのような見解を示している。
 このような日米欧の航空当局の措置を受け、B787について、リチウムイオンバッテリーのシステム改修と試験飛行の実施などを経て全日空と日本航空はこの六月にも国内線と国際線の営業運航を始める見通しとなったとされる。しかし、このような措置によって重大な事故が発生しない保証があるかどうかについて、深刻な疑問と懸念を表明せざるを得ない。よって、以下のとおり質問する。
 
 一 事故原因について
 1 本件バッテリー事故について、米国家運輸安全委員会及び日本の運輸安全委員会の事故調査によって事故原因は明らかになっていないと理解しているが、そのとおりか。
 2 日本の運輸安全委員会の後藤昇弘委員長は四月二十四日の定例会見で、B787のバッテリー事故について「根本原因の特定には至っていない」と述べながら、これまでの調査からは、ボーイング社が対策を講じた約八十項目以外の原因は想定していないと述べたとされる。約八十項目以外の原因は想定していないと判断した技術的根
拠を示されたい。
 3 本件バッテリー事故の根本的な原因は特定されておらず、FAAのスティーブ・ボイド氏は米国家運輸安全委員会の公聴会において「改良されたバッテリーにおいても熱暴走などのトラブルが発生する可能性をゼロにはできない」と発言していると聞いているが、事実か。
 4 米国家運輸安全委員会のデボラ・ハースマン委員長は公聴会において、「バッテリーの試験はもっと慎重であるべきであった。」と述べ、B787のバッテリーシステムには、今回の事故のような事態を想定した対策がとられておらず、承認を与えたFAAの措置に疑問を呈し、事故原因の特定のためにはなお一年程度の時間を要する
との見通しを示したと聞いている。米国家運輸安全委員会は同型機のバッテリーシステムには設計段階から欠陥が存在した可能性を疑っているのではないか。
 5 ボーイング社は型式承認時に電池の事故は一千万フライトに一回と説明したが、本件バッテリー事故は五万フライト以前だった。また、二〇一〇年十一月九日には、二号機(ZA〇〇二)の試験飛行中に電気室内の配電盤で火災が発生し、機内に煙が充満し主電源がダウンするという事故が発生し、この影響でコックピットの表示の一
部とオートスロットルが作動しなくなったとされる。これは事実か。事実だとすれば、B787のバッテリーシステムには設計段階から欠陥が存在した可能性があるのではないか。
 6 一連の事故後、英メギット社傘下のセキュラプレーン・テクノロジーズ社をめぐって安全性への懸念を提起したことで六年前に解雇されたと主張するマイケル・レオン氏は、米国家運輸安全委員会の調査官と一月に接触し、その主張に関する詳細な資料を渡したと明らかにしている。同社は米アリゾナ州に本拠を置き、B787に搭
載されているリチウムイオン電池向けの充電装置を製造している。同氏は一月二十三日に行われたロイター通信社とのインタビューや裁判資料の中で、セキュラプレーン・テクノロジーズ社が充電装置の出荷を急いでいたと主張し、この充電装置について、仕様と一致せず、正常に作動しなくなる可能性を指摘していたという。このような報道は事実か。
 7 ここまでに指摘した内容が事実であれば、B787のバッテリーシステムについては、根本的な欠陥がある可能性があり、その開発の当初にさかのぼりその安全性を徹底的に明らかにすることが求められているのではないか。

 二 ボーイング社の講じた事故対策等の安全性について
 ボーイング社が実施するとされているバッテリーの改良によって、バッテリーが熱暴走しても致命的な事態に発展しないことが保証されているかどうかが重大な問題である。ボーイング社は約八十項目の原因をあげ、これらのすべての原因に対応する措置を講じたとする。
 しかし、約八十項目の原因に漏れがないことの保証はないし、また想定された原因は正しかったとしても、想定された原因によって事故が事前に想定したとおりに進行することはむしろまれであり、事故は常に思わぬ展開をするという特徴を持っている。
 相次いで発生した本件バッテリー事故からも、B787のバッテリーとその充電システムには何らかの重大な欠陥が隠れていることが強く疑われる。
 1 今回ボーイング社によってとられた措置は①電池の一つ一つを絶縁テープで巻く、②電池と電池の間に絶縁性と耐熱性を強化した仕切りを設置する、③バッテリー容器ごと別のステンレス製の箱で覆い、内部を無酸素状態として発火させないなどの措置を内容としていると理解しているが、そのとおりか。
 2 国土交通省航空局は、前記二の1の措置に付け加えて①飛行中の機体のバッテリーの電圧を地上で監視できるようにする、②使用後のバッテリーを外して異常がないかサンプリング調査することなどを指示している。これらの措置によって事故再発の確実な防止が図られる技術的根拠を示されたい。
 3 報道によれば、FAAは事故発生時の緊急着陸の可能性などを考慮し、長距離飛行・飛行時間の制限も検討したとされるが、このような報道は事実か。このような措置が見送られたのはなぜか。
 4 国土交通省航空局においても、前記二の3のような措置が検討されたか。検討されたとすれば、このような措置が見送られたのはなぜか。 
 5 前記二の1の措置は、いずれも今後も熱暴走が発生しうることを前提として、バッテリー内部に火災を封じ込めることを目的としている。しかしこれらの措置は明らかに原因を取り除く根本対策ではなく、対症療法と評価するしかない。事故原因は取り除けておらず、事故の再発は避けられず、その際の乗客乗員の安全性も確実に保証されているものとは認められないのではないか。

 三 運航再開決定について
 1 本件バッテリー事故は電気飛行機の異名を持つB787の心臓部ともいうべきバッテリーシステムで発生した。周辺的・派生的なシステムの事故ではない。このような事故については、事故原因を完全に解明して、原因を除去する対策をとることが求められていたのではないか。政府の見解を示されたい。
 2 今回の見切り発車的な運航再開決定の背後には、アメリカの主力航空機製造会社であるボーイング社の次世代機であるB787の運航を停止させ続けることによって同型機の世界のエアラインへの導入計画にも影響を与えるわけにはいかないという日米航空局の政治的配慮が働いているのではないか。
 3 事故機二機の保有国であり、事故原因を解明する責任を共有する日本の国土交通省航空局が、このような不合理な措置に同調した背景には、B787の部品の三割以上を供給している日本企業に対する政治的配慮が働いているのではないか。
 4 米国家運輸安全委員会はこのような措置に同意しているのか。何らかの疑問を提起していないのか。日本政府の承知するところを示されたい。
 5 日本の運輸安全委員会はこのような措置に同意しているのか。運輸安全委員会における、運航再開措置に関する議論の経過を示されたい。
 6 今後B787においてバッテリーシステムのトラブルに起因する重大事故が発生し、犠牲者が出ることになれば、今回の運航再開を推し進め、これに同意を与えたすべての関係者は厳しくその法的責任を問われることとなる。このような事態を絶対に起こさないために、国土交通省航空局と運輸安全委員会に対して、拙速な運航再開計
画を見直すよう求めたい。このような見直しを行う計画はないか。

 右質問する。


 参議院議員福島みずほ君提出ボーイング787型機のバッテリー事故の原因解明と根本的な事故対策及び拙速な運航再開計画の見直しの必要性に関する質問に対する答弁書

 一の1について
 お尋ねの本年一月七日(米国東部時間)に米国のボストン空港に駐機中の日本航空株式会社(以下「日本航空」という。)所属ボーイング式七八七型機(以下「B―七八七型機」という。)JA八二九Jにおいて発生したバッテリー損傷事案(以下「一月七日の事案」という。)及び本年一月十六日に全日本空輸株式会社(以下「全日空」という。)所属B―七八七型機JA八〇四Aにおいて発生したバッテリー損傷事案(以下「一月十六日の事案」という。)について、現時点では根本的な原因の特定には至っていない。

 一の2について
 国土交通省運輸安全委員会(以下「委員会」という。)としては、一月十六日の事案に関するこれまでの調査によって明らかになった事実から、バッテリーの損傷はバッテリーケースの内側で生じており、その損傷の状況から、バッテリー内の複数のセルにおける化学的反応や異常な電流に関連して発熱し、大きな損傷につながったものと考えており、この点において、委員会、当該調査に参加した米国国家運輸安全委員会(以下「NTSB」という。)及びザ・ボーイング・カンパニー(以下「ボーイング社」という。)の間で大きな考え方の違いはないと考えている。
 また、委員会としては、ボーイング社が一月七日の事案及び一月十六日の事案(以下「両事案」という。)に関するこれまでの調査によって明らかになった事実を踏まえ、想定される全ての原因について対策を立てていると承知しており、委員会としても、現時点において、ボーイング社が想定している原因以外の原因を想定していない。

 一の3について
 NTSBが本年四月二十四日(米国東部時間)に開催した公聴会(以下「四月二十四日の公聴会」という。)において米国連邦航空局(以下「FAA」という。)のスティーブ・ボイド航空機・運航乗務員担当マネージャーが、一般論として、バッテリーには常に一定程度、発熱現象の発生の可能性があることを想定した上で、発熱現象がもたらす結果と、発熱現象の発生の可能性を最小限に抑えなければならない旨述べたことは承知しているが、御指摘の発言を行った事実があるとは承知していない。

 一の4について
 NTSBが本年四月二十三日(米国東部時間)に開催した公聴会(以下「四月二十三日の公聴会」という。)又は四月二十四日の公聴会においてNTSBのデボラ・ハースマン委員長が御指摘の発言を行った事実があるとは承知していない。

 一の5について
 FAAが―七八七型機の型式証明を行った際に適用した審査基準においては、バッテリーの不具合の結果として放出される煙又は有害なガスが航空機内に危険な量まで充満する状態となる確率は、千万飛行時間に一回未満とすることとされているが、四月二十三日の公聴会及び四月二十四日の公聴会において、FAAのスティーブ・ボイド航空機・運航乗務員担当マネージャーは、一月七日の事案については、飛行中に発生した事案ではないことから当該基準に定める状態に該当するか否かを判断することは困難であり、また、一月十六日の事案については、当該基準に定める状態に至らなかったとみられる旨証言していると承知している。
 なお、平成二十二年十一月九日(米国東部時間)、試験飛行中のB―七八七型機において、配電盤から発火する事案が発生し、その後、B―七八七型機の当該配電盤の設計変更等の対策が行われた事実は承知しているが、B―七八七型機においては、当該配電盤とバッテリーとは直接接続されておらず、当該事案はバッテリーの不具合により発生したものではないと承知している。
 
 一の6について
 御指摘の報道は承知しているが、その事実関係については承知していない。

 一の7並びに二の1及び2について
 両事案を受けてボーイング社が作成し、FAAが承認した是正措置(以下「是正措置」という。)においては、両事案に関するこれまでの調査によって明らかになった事実を踏まえ、想定される全ての原因に対応して、バッテリー内のセルの過熱を防ぐための直接的な対策、バッテリー内のセルが過熱した場合に他のセルに熱が伝播(ぱ) することを防ぐための対策及び万一バッテリー内のセル間で熱が伝播した場合の火災等の発生を防ぐための対策の三段階の対策を講ずることとされており、政府としては、是正措置により両事案のようなバッテリー損傷事案の再発防止が十分可能と考えている。
 また、国土交通省においては、B―七八七型機の運航再開を認めるに当たり、B―七八七型機の運航の安全の確保に加え、利用者の安心を確保するため、日本航空及び全日空に対して万全の措置を講ずるよう要請したところであり、御指摘のような飛行中のバッテリーの監視等の措置については、当該要請を受けて、両社が追加的に講ずることとしたものであると承知している。

 二の3及び4について
 FAAによれば、御指摘の措置について検討を行った事実はないとのことであり、また、国土交通省においても、御指摘の措置について検討した事実はない。
 
 二の5及び三の1について
 政府としては、是正措置において、両事案に関するこれまでの調査によって明らかになった事実を踏まえ、想定される全ての原因について対策が講じられており、是正措置により両事案のようなバッテリー損傷事案の再発防止が十分可能と考えている。

 なお、―七八七型機の電力については、発動機の作動中は、主に、B―七八七型機の発動機に装備されている複数台の発電機から供給されるものであり、バッテリーは、駐機時の電源や非常時の予備電源等として限定的に使用されるものである。

 三の2及び3について
 政府としては、―七八七型機の安全の確保を最優先に対応してきた結果、是正措置により両事案のようなバッテリー損傷事案の再発防止が十分可能と考え、運航再開を認めたものであり、御指摘は当たらない。

 三の4について
 政府としては、是正措置に基づく運航再開の決定に対し、NTSBが御指摘の「同意」又は「何らかの疑問」の提起を行ったか否かについて、承知していない。

 三の5について
 委員会は、航空事故等、鉄道事故等及び船舶事故等の原因を究明するための調査等を行うことを任務としており、是正措置に基づく運航再開の決定について同意する立場にはない。

 三の6について
 政府としては、是正措置において、両事案に関するこれまでの調査によって明らかになった事実を踏まえ、想定される全ての原因について対策が講じられており、是正措置により両事案のようなバッテリー損傷事案の再発防止が十分可能と考えていることから、運航再開を認めたことについて見直しを行う考えはない。
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