
2月16日(金)
2月15日に、議員会館で行われた超党派の議員の集まりに参加をしました。
テーマは、民法772条の問題点、改正の必要があるのではないかということです。
どういうことかというと、民法772条は、1項で、「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。」とし、2項で、「婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。」としています。
誰を父親とするかはどの国も頭をひねっていることです。
離婚後、ちょうど300日後に離婚した夫の子どもが生まれて、この規定があって助かったということを聞いたことがあります。確かに、もし一日遅れて子どもが生まれていたら、父親の推定規定はなく、母親は、父親に対して、こどもは別れた夫の子どもであると立証をしなければなりません。これは大変です。
ところで、民法772条の問題は、ずいぶん以前から指摘をされてきました。多く人の困ったという声を聞いてきました。
実際わたしも弁護士として担当をしたことがあります。
現実は、たいてい夫婦は仲が悪くなり、たとえば別居したとしてもなかなかすぐ離婚となるわけではありません。昨日まで、とっても仲良くしていて、今日は、晴天のへきれきで、突然離婚となるわけではありません。通常長い長い2人の歴史があります。
関係が壊れた後、ずっと後に離婚が成立するために、そして、女性には、6ヶ月という再婚禁止の規定が民法にあることもあって、生まれてきた子どもは、前の夫の子どもではなく、新しい男性や今の夫の子どもであることがほとんどです。
離婚の調停と新しく生まれてきた子どもの親子関係不存在確認の裁判と夫が新しいパートナーに不貞行為に基づく慰謝料請求をするということが3つ起きて、大人3人で、様々な問題を解決しなければならないということも起きます。
この集会に来ていた女性は、離婚をして、再婚禁止期間を待ち、再婚をしたんだけれど、子どもが早産になってしまって、何と再婚後に子どもが生まれたけれども離婚後300日以内に生まれてしまったために前の夫の子と推定されるということを話をしてくれました。
確かに、早産というケースもあり、そうだとすると前の夫の子どもと推定されます。
前の夫の発言もありました。
別れた妻が離婚後300日以内に子どもを産み、主性届を出すと、戸籍上は前の夫の子どもとして載せられます。
前の夫にしてみれば、不愉快な話で、妻と別れて、連絡先もたとえば消去していても、家庭裁判所から、連絡が来て、親子関係不存在を確認しなければならないのです。その夫は、自分の子どもではありえないと証言し、もちろん元の妻もそう証言をしたけれど、証言だけではだめで、DNA鑑定をするように言われたそうです。もちろん専門家にDNAを頼めば、多額のお金がかかります。
前の夫にしても、突然過去に引き戻らされるのですから、大変です。
子どもの母親にしても大変です。自動的に前の夫の子どもになってしまうわけですから。誰が見ても、たとえば「たぬきはなこ」なのに、戸籍上は、前の夫の子どもとして「くまはなこ」となってしまいます。母親は、出産後前の夫を探して、協力を求めなければなりません。親子関係不存在の申し立てをまず家庭裁判所にして、前の夫がそこで協力してくれないと、裁判に訴えなければなりません。家庭裁判所に行くのだけでも大変です。
いくら市役所などの窓口で、この子どもの父親は、今の夫なのですと言ってもだめです。この300日以内に生まれた場合は、出生届を出せば、自動的に前の夫の子どもとして、戸籍に登録されます。
どう考えても法律を変えるべきときではないでしょうか。当事者にとってあまりの負担です。
ところで、今日びっくりするニュースがとびこんできました。
2月16日の毎日新聞に次のように報道をされています。
「民法772条の規定通り、離婚5ヶ月後に生まれた男児を『前夫の子』として出生を届け出た中国籍の女性(28)が、虚偽の届けをしたとして大阪地検から公正証書原本不実記載・同行使罪で起訴されていたことが分かった。同地検は16日、『認識不足から誤って起訴した』と発表、大阪地裁への起訴を取り消し女性に謝罪した。」
これには本当に驚きました。
全く間違った起訴だからです。検察官は、民法772条の規定を全く知らなかったのでしょうか。
記事によると、「女性は取り調べ当初から前夫との子供ではないとする一方で、『前夫の子供として届け出るよう(区役所で)指導された』と供述。昨年12月1日の初公判でも無罪を主張していた。」とあります。
彼女は、嘘をつき、嘘を記載させたわけではなく、彼女はこのことしかできないのです。
彼女は、こどもを「現在の夫の子ども」として登録できないのです。
それがなぜ犯罪になるのでしょうか。
びっくりです。
本当のことを戸籍に登録させない現行民法772条は、人々に公正証書原本不実記載罪を強制しているのではないでしょうか。
民法の規定を知らずに、起訴し、しかも第一回公判が去年なのに、今まで放置してきたことにもびっくりです。
嘘の記載を強制する民法を改正していきます。
どうか今までで困ったという人、大変だったという人、法律が良くわからなくて振り回されたという人、また、法律で助かったという人、自分はこう思うというという人・・・・ぜひご意見をお寄せ下さい。
今度、女性弁護士たちなどで電話ホットラインをする予定です。
みんなの声や困っていることをお寄せ下さい。法律相談に応じます。
2月15日に、議員会館で行われた超党派の議員の集まりに参加をしました。
テーマは、民法772条の問題点、改正の必要があるのではないかということです。
どういうことかというと、民法772条は、1項で、「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。」とし、2項で、「婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。」としています。
誰を父親とするかはどの国も頭をひねっていることです。
離婚後、ちょうど300日後に離婚した夫の子どもが生まれて、この規定があって助かったということを聞いたことがあります。確かに、もし一日遅れて子どもが生まれていたら、父親の推定規定はなく、母親は、父親に対して、こどもは別れた夫の子どもであると立証をしなければなりません。これは大変です。
ところで、民法772条の問題は、ずいぶん以前から指摘をされてきました。多く人の困ったという声を聞いてきました。
実際わたしも弁護士として担当をしたことがあります。
現実は、たいてい夫婦は仲が悪くなり、たとえば別居したとしてもなかなかすぐ離婚となるわけではありません。昨日まで、とっても仲良くしていて、今日は、晴天のへきれきで、突然離婚となるわけではありません。通常長い長い2人の歴史があります。
関係が壊れた後、ずっと後に離婚が成立するために、そして、女性には、6ヶ月という再婚禁止の規定が民法にあることもあって、生まれてきた子どもは、前の夫の子どもではなく、新しい男性や今の夫の子どもであることがほとんどです。
離婚の調停と新しく生まれてきた子どもの親子関係不存在確認の裁判と夫が新しいパートナーに不貞行為に基づく慰謝料請求をするということが3つ起きて、大人3人で、様々な問題を解決しなければならないということも起きます。
この集会に来ていた女性は、離婚をして、再婚禁止期間を待ち、再婚をしたんだけれど、子どもが早産になってしまって、何と再婚後に子どもが生まれたけれども離婚後300日以内に生まれてしまったために前の夫の子と推定されるということを話をしてくれました。
確かに、早産というケースもあり、そうだとすると前の夫の子どもと推定されます。
前の夫の発言もありました。
別れた妻が離婚後300日以内に子どもを産み、主性届を出すと、戸籍上は前の夫の子どもとして載せられます。
前の夫にしてみれば、不愉快な話で、妻と別れて、連絡先もたとえば消去していても、家庭裁判所から、連絡が来て、親子関係不存在を確認しなければならないのです。その夫は、自分の子どもではありえないと証言し、もちろん元の妻もそう証言をしたけれど、証言だけではだめで、DNA鑑定をするように言われたそうです。もちろん専門家にDNAを頼めば、多額のお金がかかります。
前の夫にしても、突然過去に引き戻らされるのですから、大変です。
子どもの母親にしても大変です。自動的に前の夫の子どもになってしまうわけですから。誰が見ても、たとえば「たぬきはなこ」なのに、戸籍上は、前の夫の子どもとして「くまはなこ」となってしまいます。母親は、出産後前の夫を探して、協力を求めなければなりません。親子関係不存在の申し立てをまず家庭裁判所にして、前の夫がそこで協力してくれないと、裁判に訴えなければなりません。家庭裁判所に行くのだけでも大変です。
いくら市役所などの窓口で、この子どもの父親は、今の夫なのですと言ってもだめです。この300日以内に生まれた場合は、出生届を出せば、自動的に前の夫の子どもとして、戸籍に登録されます。
どう考えても法律を変えるべきときではないでしょうか。当事者にとってあまりの負担です。
ところで、今日びっくりするニュースがとびこんできました。
2月16日の毎日新聞に次のように報道をされています。
「民法772条の規定通り、離婚5ヶ月後に生まれた男児を『前夫の子』として出生を届け出た中国籍の女性(28)が、虚偽の届けをしたとして大阪地検から公正証書原本不実記載・同行使罪で起訴されていたことが分かった。同地検は16日、『認識不足から誤って起訴した』と発表、大阪地裁への起訴を取り消し女性に謝罪した。」
これには本当に驚きました。
全く間違った起訴だからです。検察官は、民法772条の規定を全く知らなかったのでしょうか。
記事によると、「女性は取り調べ当初から前夫との子供ではないとする一方で、『前夫の子供として届け出るよう(区役所で)指導された』と供述。昨年12月1日の初公判でも無罪を主張していた。」とあります。
彼女は、嘘をつき、嘘を記載させたわけではなく、彼女はこのことしかできないのです。
彼女は、こどもを「現在の夫の子ども」として登録できないのです。
それがなぜ犯罪になるのでしょうか。
びっくりです。
本当のことを戸籍に登録させない現行民法772条は、人々に公正証書原本不実記載罪を強制しているのではないでしょうか。
民法の規定を知らずに、起訴し、しかも第一回公判が去年なのに、今まで放置してきたことにもびっくりです。
嘘の記載を強制する民法を改正していきます。
どうか今までで困ったという人、大変だったという人、法律が良くわからなくて振り回されたという人、また、法律で助かったという人、自分はこう思うというという人・・・・ぜひご意見をお寄せ下さい。
今度、女性弁護士たちなどで電話ホットラインをする予定です。
みんなの声や困っていることをお寄せ下さい。法律相談に応じます。
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