アメリカの原理主義
2008 / 05 / 20 ( Tue ) 5月20日(火)
「アメリカの原理主義」(河野博子著、集英社新書)を読んだ。 素晴らしい本だった。へえっと思うことがいっぱい。 河野さんは、読売新聞の記者。 ブッシュがなぜ大統領選で勝ったのか? 今、アメリカを動かしているものは何なのか? 道徳や宗教を重要視している人たちは、どういう人たちで、何を考えているのか? 中絶反対派の人たちは、なぜそう考え、どういう人たちなのか? 全く偏見や決めつけなく、いろんな人たちに会っていく。 敵とか仲間とか、こうだろうということなく、きちんと会って取材をしていく。 そこが素晴らしい。 へぇ、そうなのかと思う。 河野さんは、なぜ、ゲイやレズビアンの人たちの権利に反対をする人がいるのか、なぜなのかという疑問を持ち、会いにいく。「同性愛は家族を壊す」という主張は、どこからくるのか、考え、確かめようとする。偏見のない取材がとってもいい。 あらかじめ自分の持っている結論に向かって、取材し、現実にあたっていくという手法とは、全く違う。だから、とてつもなく説得力がある。 相手も人間で、なぜなのか、きちんと考えようとする。 丹念な丁寧な取材から浮かび上がってくるのは、アメリカの宗教原理主義の人たちである。 そのような人たちが、社会の停留で、大きな力を持っていることが明らかになる。 わたしも実は、日本での夫婦別姓は、家族を壊すと言った主張の本当の意味がよくわからない。 少なくとも理解はし、なぜそのような主張が出てくるのか考えたい。 アメリカを理解し、今の世界を、日本を理解するのに、とてつもなく面白い本である。 |
子ども格差
2008 / 05 / 20 ( Tue ) 5月20日(火)
週刊東洋経済の5月17日号は、子ども格差をとりあげている。 格差は親から子へ継承されているとの問題意識から、様々な切り口から迫っている。 虐待問題、シングル・マザーの問題、妊産婦検診の問題、外国籍児童の不就学問題、授業料滞納、大学進学を阻む学費の壁、中国の仰天、保育が金儲けの手段に、学童保育などなど、実に多岐のテーマが採り上げられている。 教育基本法の改悪法案が、国会で議論をされているとき、国会図書館から、毎月一回ほど、様々な国のことで、レクチャーを受けた。 スウェーデン、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア、カナダ、アメリカ、デンマーク・・・・・・・。 ヨーロッパは、大学の授業料は、無料で、デンマークは、デンマーク国籍であれば、月5万円ほど、国から、生活費を支給される。 親の財布の大きさが、子どもの未来を決めていない。 これに対して、ある程度親の経済力がなければ、もはや日本では、子どもは、大学に行けなくなっている。 そして、女の子の場合、男の子より、親の経済力や成績との関係が大きいというデータは、やっぱり今でもそうかと思う。 つまり、女の子の場合、親に経済力がなければ、男の子より、進学しない割合が高い。そして、成績が悪いと進学をしない。 女の子の場合、男の子より、「仕方ない」とされるのであろう。 以前、マイノリティーの女性の場合、複合差別を受けて、男性よりも識字率も低く、進学も低いというデータ(当事者の女性たちが、実態調査をした)を見て、「やっぱり、まだまだ変わっていないのだ」と思ったことがある。 図書費が削られ、経済難の自治体は、図書費が一般財源化されたことに伴い、図書費に使わず、他のことに流用しているという実態が明らかになった。 図書館が充実することが、子どもの学力を明らかにすることは、明らかなのに。 フィンランドの学力テスト一位は、図書館の充実、本を読むことにあるという分析もある。 教育にもっと税金を使えということをこれから必死でやっていこう! |
田辺聖子さんと対談をしました
2008 / 05 / 20 ( Tue ) 5月19日(月)
作家の田辺聖子さんと月刊社会民主で対談をする。 兵庫県伊丹市のご自宅にお邪魔をする。 とてもよく手入れをされている庭は、今、薔薇の季節で、いい香りがしていた。わたしは、庭に出て、薔薇をめでることができた。 部屋は、着物を着たスヌーピーやお人形、食器などかわいい、素敵な、そして、品のいいものでいっぱいで、気持ちが楽しく、きれいになる。 今日、住人となったばかりの生後2ヶ月の犬、くうちゃんも見ることができた。 夢のように楽しい時間。 話がはずんで、本当に楽しかったし、田辺さんは、実にチャーミングで、かわいらしい、楽しい、言葉も素敵な人だった。 政治家は、バンと意見を言ったり、反論しなくてはいけないところがあるけれど(そうでないと、押される一方となるから)、あんなふうにかわいく、チャーミングにしていられたらいいなあと理想である。 小説の話、いろんな女の人を書いていること、シングルで働いている女性や高齢の女性(姥シリーズ)を書いているけれど、先見の明があるのではないか、小説のなかに、衣・食・住の話が丁寧に出てきて、田辺さん自身、衣・食・住を大事にされているのではないか、いろんな女の人を応援しようとしているのではないか、最近、若い女の子のための田辺聖子賞を作ったのは、若いときにほめられると励みになるということ、女の子にとって大事なのは、自尊心だということ、男のかわいげについて、どんな人にもいいところがあること、ああそういう面もあるのか、少し違う視点で、アップした視点で見ることができるようになるのが、小説の醍醐味であること、小説を書くときに、心がけていること、 源氏物語の話、光源氏の良さ、日本の古典の素晴らしさ、人間への深い洞察などを書いていること、もっともっと若い人たちに日本の古典の良さを知ってもらいたいこと、なぜかわいらしい、きれいなものを部屋においているかというと、きれいな気持ちで小説を書きたいからであるということ、戦争のこと、何もないところから、復興をして、日本人は勤勉ですごいということ、金物問屋で働いていたときの大阪商人の言葉の面白さのこと、かもかのおっちゃんと食事をしたり、お酒を飲んだりして、毎晩おしゃべりしていたことが、一番楽しかったということ、人間にとって一番大事なやさしさということなどなど、楽しい、含蓄のある話で、とてつもなく、楽しい時間を過ごした。 あまりに楽しくて、ずっーといたかったが、まさかそういう訳にもいかず、おいとまをした。 最近、出た文庫、新装の「愛の幻滅(上・下)」と「田辺写真館が見た“昭和”」の3冊の本をいただく。 この3冊の本は、かつて読み、写真館のほうは、単行本で読んだのだが、帰りの飛行機のなかでも、家に帰ってからも読んだ。 本をもらえて嬉しいな。 最近、新装版が出た「言い寄る」「私的生活」「苺をつぶしながら」の3部作の乃里子さんをはじめわたしは、田辺さんの小説にでてくる女性がこよなく好きである。 読んでどれだけ肩から力が抜けたというか、豊かになったことか。 主人公の女性は、たいてい働いている。 別に豪邸に住みたいとか、贅沢をしたいとは思わない。 小さな可愛らしいものは、自分で買える。 楽天的で、楽しく、チャーミングなのだが、見るべきものは見つというか、人間への洞察は、すごいものがある。しかも、意地悪な視点なのではないのである。人のかわいげや良さをこよなく愛している。 毎日、いろんなことを考えている。 内省的で、やさしいから、むしろ自分の心のなかに、いろんな思いを閉じこめている。 どこにでもいるかもしれない女性なのだけれど、わたしが、田辺文学の女性が、好きなのは、「黄金のハート」を持った女だからである。 自分は、黄金のハートを持った特別の女だなんていうヒロインではない。自分は、特別な女だなんて思っていないし、外に言うことでもない。しかし、毎日、いろんなことを考え、人間のことを考えて、しかもかわいい素敵な女なのである。いいなあ。 そして、こんな女の人は、結構いるのである。 そして、「芋たこなんきん」をはじめすべての本に共通しているのは、会話の面白さである。会話のキャッチボールがなんといっても面白い。 言葉は、わかりやすく、平易だけれども詩的である。 サガンの小説のタイトルもなかみも素敵で、田辺さん自身「サガンの小説が好き」と書いていらっしゃるけれど、両方に共通をしているのは、詩的な言葉ということである。 短いけれども、詩的な言葉。 そして、サガンの小説と田辺さんの小説の主人公は、どこかちょっぴり浮世離れしていて、わたしは、そこが、とても好きなところである。 今日は、わたしにとって、とてつもなくいい日であった。 ![]() ![]() |
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