
社会民主主義の可能性を確認するために7月上旬、ギリシャを訪れた。社会主義イ
ンターナショナルの世界大会が5年ぶりに開かれたのである。社会主義というよりも
社会民主主義。世界中から120カ国、150の政党、約700人以上が大集合し
た。
ヨーロッパには政権党も、かつて政権を担った政党も多い。ドイツ社民党、イギリ
ス労働党、フランス社会党、スペイン社会労働党、スウェーデン社民労働党、ノル
ウェー労働党…。そして今や中南米の多くの国では政権を社民党が取っている。
アフリカの国々も多い。南アフリカのANCをはじめ多くの政党が参加をしてい
た。私は、長年あこがれていたスウェーデン社民労働党のモナ・サリーン党首らに会
えて、元気をいっぱいもらった。
大会の主なテーマは・気候変動・格差、貧困、食糧の危機・平和―である。私は、
平和のところで壇上でスピーチをした。憲法9条の意義と9条を生かす動き、社民党
は2001年「北東アジア非核地帯の設置」および「北東アジア総合安全保障機構の
創設構想」を提案し、それが6カ国協議の決議に採用されたこと、イラク派兵や自衛
隊派兵恒久法案を作る動き、憲法改悪の動きなどについて話をし、社民党は日本が軍
事大国になることを阻止する要の政党になると、決意を表明した。
また、パレスチナのアッバス議長とイスラエルのバラク労働党党首が壇上で一緒に
並び、スピーチをした。座っている距離は近いけれど問題解決まではまだまだ遠い。
私は大会の主な3つのテーマが非常につながっていることをあらためて痛感した。
平和を議論したときには、もう紛争や戦争をしている場合ではないと繰り返し語ら
れた。また、資源や水の奪い合いが紛争や戦争を生んでいるという指摘があった。中
南米ハイチの社民党員がこう演説をした。「気候変動で自然災害が起き、収穫高がゼ
ロになった。もう種も全部食べてしまった。種を買うお金もない。栄養状態が悪く
なっている。もう待ったなしだ」と。
気候変動は誰が起こし、誰に被害が発生しているのか。気候変動は特に、貧しい地
域や貧しい人々を直撃している。そして、格差を拡大し、貧困の問題、食糧の危機を
生んでいる。気候変動と貧困問題はつながっている。
日本で開かれた主要国(G8)首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の宣言は、地球
温暖化について「二酸化炭素(CO2)を2050年までに半減することを世界に提
案をする」という恐ろしく気の長いもの。気候変動が待ったなしの課題であるという
危機感がまったくない。ひどすぎる。
社会主義インターナショナルの大会では、新自由主義の経済が何を生んだのか、公
平公正な経済の在り方、投資を規制するトービン税導入の必要性などが議論された。
世界にはふたつの大きな流れがあり、ひとつはアメリカを中心とした新自由主義の
流れであり、もうひとつは、この大会でも集まった社会民主主義の流れである。時代
はだんだん社民党、時代はどんどん社民党だと思った。日本の中でも、国会の中でも
ふたつの潮流が闘っている。日本の社民党も、もっと頑張らなきゃ。
【共同通信社会員制情報誌「Kyodo Weekly」08月18日号より】
ンターナショナルの世界大会が5年ぶりに開かれたのである。社会主義というよりも
社会民主主義。世界中から120カ国、150の政党、約700人以上が大集合し
た。
ヨーロッパには政権党も、かつて政権を担った政党も多い。ドイツ社民党、イギリ
ス労働党、フランス社会党、スペイン社会労働党、スウェーデン社民労働党、ノル
ウェー労働党…。そして今や中南米の多くの国では政権を社民党が取っている。
アフリカの国々も多い。南アフリカのANCをはじめ多くの政党が参加をしてい
た。私は、長年あこがれていたスウェーデン社民労働党のモナ・サリーン党首らに会
えて、元気をいっぱいもらった。
大会の主なテーマは・気候変動・格差、貧困、食糧の危機・平和―である。私は、
平和のところで壇上でスピーチをした。憲法9条の意義と9条を生かす動き、社民党
は2001年「北東アジア非核地帯の設置」および「北東アジア総合安全保障機構の
創設構想」を提案し、それが6カ国協議の決議に採用されたこと、イラク派兵や自衛
隊派兵恒久法案を作る動き、憲法改悪の動きなどについて話をし、社民党は日本が軍
事大国になることを阻止する要の政党になると、決意を表明した。
また、パレスチナのアッバス議長とイスラエルのバラク労働党党首が壇上で一緒に
並び、スピーチをした。座っている距離は近いけれど問題解決まではまだまだ遠い。
私は大会の主な3つのテーマが非常につながっていることをあらためて痛感した。
平和を議論したときには、もう紛争や戦争をしている場合ではないと繰り返し語ら
れた。また、資源や水の奪い合いが紛争や戦争を生んでいるという指摘があった。中
南米ハイチの社民党員がこう演説をした。「気候変動で自然災害が起き、収穫高がゼ
ロになった。もう種も全部食べてしまった。種を買うお金もない。栄養状態が悪く
なっている。もう待ったなしだ」と。
気候変動は誰が起こし、誰に被害が発生しているのか。気候変動は特に、貧しい地
域や貧しい人々を直撃している。そして、格差を拡大し、貧困の問題、食糧の危機を
生んでいる。気候変動と貧困問題はつながっている。
日本で開かれた主要国(G8)首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の宣言は、地球
温暖化について「二酸化炭素(CO2)を2050年までに半減することを世界に提
案をする」という恐ろしく気の長いもの。気候変動が待ったなしの課題であるという
危機感がまったくない。ひどすぎる。
社会主義インターナショナルの大会では、新自由主義の経済が何を生んだのか、公
平公正な経済の在り方、投資を規制するトービン税導入の必要性などが議論された。
世界にはふたつの大きな流れがあり、ひとつはアメリカを中心とした新自由主義の
流れであり、もうひとつは、この大会でも集まった社会民主主義の流れである。時代
はだんだん社民党、時代はどんどん社民党だと思った。日本の中でも、国会の中でも
ふたつの潮流が闘っている。日本の社民党も、もっと頑張らなきゃ。
【共同通信社会員制情報誌「Kyodo Weekly」08月18日号より】
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