福島みずほのどきどき日記

5月9日の厚生労働委員会議事録

 5月9日(木)
 この間、問題になっている、生活保護の生活扶助費削減について質問をしました。

 福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。政府は、今年の八月から生活扶助基準額を三年間で総額六百七十億円削減することを決めました。
 削減額は平均六・五%、最大一〇%、生活保護受給世帯の九六%が減額をされます。社会保障審議会生活保護基準部会の報告書の議論が反映されたのは九十億円、削減額の九割はデフレ論です。
 これについて、質問主意書を二月十八日に出しました。お手元の資料にあると思いますが、厚労省は、物価が下落したので生活扶助費を引き下げると言います。しかし、二〇〇八年から二〇一一年にかけて食料品などは横ばいで、大幅に下落したのはビデオレコーダー、パソコン、ビデオカメラです。厚生労働省は、生活保護受給世帯がこのような電化製品を購入していると確認、把握しているんでしょうか。
 反貧困ネットワークあいち、生活保護問題対策全国会議の調査によれば、ビデオレコーダーは九〇%、パソコン九七%、ビデオカメラ九九%が購入したことがないと回答をしております。生活扶助相当CPIと言っていますが、でたらめじゃないですか。
 みんなが買わないものが下落していることを理由に生活費の削減、生活保護受給者の消費実態と全く懸け離れている、これを理由に、デフレ論を理由に削減することは許されないと考えますが、いかがですか。

 政府参考人(村木厚子君)
 お尋ねの生活保護受給世帯の電化製品の普及率でございますが、二十二年に調査がございまして、品目で申し上げますと、ビデオレコーダーが約七割、六五・一%、一般の低所得世帯が六八%に対して六五・一%、パソコンについては三六・一%、これに対する一般の低所得世帯の保有率は五九%というふうになっております。残念ながらビデオカメラについては、お尋ねの品目の中のビデオカメラについては数字がございません。

 福島みずほ君
 この件で、私が質問主意書を出したその答えには、生活保護受給世帯における家計支出の内訳を特定して考慮に入れることはしないと答弁をしています。しかし、生活保護受給者と一般の人では、買うものも違うかもしれませんし生活実態も違います。
 生活扶助相当CPIの計算に用いた一般家庭のウエイトと社会保障生計調査を比較すれば、この社会保障生計調査、毎年、千百世帯の生活保護受給世帯から家計簿を入手して比較すると。なぜ、そういう生活保護受給世帯の家計の実態を反映してというふうにしてないんでしょうか。

 政府参考人(村木厚子君)
 まず、生活扶助基準を決めるときというのは、一般世帯の消費実態がどうなのか、それを比較の対象にしながら、じゃ、生活扶助基準はどうあるべきかという議論をいたしております。そういう意味では、生活保護世帯の消費を元に生活保護世帯の扶助基準を決めるということはなかなか適当ではないというか、難しいというふうに思っております。
 それから、お尋ねの生活保障生計調査でございますが、これは生活保護世帯、世帯人員や居住地域など多岐にわたっております。そういう生活保護世帯のおおむねの消費傾向を把握をするというために実施をしております。したがいまして、調査対象の選定、サンプリングをするに当たっては、例えば都市部にたくさん住んでいるとか高齢者が多いとか単身世帯が多いといった、こういう生活保護世帯全体の特徴を反映した形でのサンプリングが行われておりません。その結果、生活保護世帯全体の消費動向を示すという統計調査としては用いることができないということで、この調査をもって生活扶助基準の見直しのベースにするということは難しいというふうに考えております。

 福島みずほ君
 デフレ論で九割引き下げるわけですよね。生活保護受給世帯をやはりきちっと丁寧にフォローして、どういうふうに問題が起きるのかということをきちっとやるべきであって、生活保護受給者の消費の在り方を全然見ないで今回決めたという、これは大問題だと思います。
いかがでしょうか。大臣、どうですか。

 国務大臣(田村憲久君)
 これは今、村木局長からも話があったんですが、生活保護世帯も、世帯構成、年齢、住んでいる地域によって消費の実態は全然違うんですよね。ですから、それぞれのところに合わせてばらばらの基準作って、それで生活扶助を上げたり下げたりというようなことはこれは実態できないわけでありますから、そういう意味ではやっぱり何かの一つの指標を使うというのが考え方であります。
 その中で、消費者物価指数の中から実際問題生活扶助の中でしか買えないもの、つまりそれ以外のものは除いたものの中において今回の数字を出してきたわけでございまして、申し上げれば、年金やいろんなものも同じようにいろんな世帯があると思いますけれども、しかしCPIを使って増減するというルールになっておるわけでございますから、同じような考え方の下におきまして、今回の生活扶助に関しましても適正化をさせていただくということでございます。

 福島みずほ君
 今回の生活保護の引下げが九割デフレ論も理由にしているので、その実態もやはりきちっと生活保護受給者の実態がどうかということでやるべきだと思います。
 二〇〇八年は一番物価が高いときなんですよね。
 ですから、なぜそれでやるのか。今回の下げ幅はこれまでに例を見ない大幅なものなので、基準決定方式の抜本的変更ではないか、社会保障審議会本体での議論、なぜこれを行わなかったんでしょうか。

 政府参考人(村木厚子君)
 今回の基準の見直しは年齢階級、世帯人員、級地別に基準額と消費実態の乖離について基準部会で検討をいただいたものでございます。
 基準部会は、生活保護基準の定期的な評価、検証について審議をする専門の部会として社会保障審議会において設置を承認をされたもので、この部分の担当は生活保護基準部会ということで任されているものというふうに考えております。

 福島みずほ君
 違いますよ。生活保護基準部会の報告書の議論が反映されたのは九十億円で、あとデフレ論が削減額の九割は付け加えたものなんです。
 そして、生活保護受給者の生活実態を、それはやっていないというふうに言っているわけで、こういうやり方でこれほど下げていいのかということなんです。生活保護の扶助基準を下げれば、あといろんなものにも反映するので、これはナショナルミニマムの大幅な削減なわけですから、きちっと全体の社会保障審議会本体などできちっと議論すべきだというふうに考えます。
 アベノミクスで物価上げるって言っているわけですよね。デフレ論で九割下げるというのは幾ら何でも乱暴だと思います。生活扶助基準額の見直しの具体例で、引下げの影響は子育て世帯を直撃をいたします。例えば、夫婦と子供二人の世帯は二十二・二万円から二十・二万円で二万円減少すると。なぜ子供のいる世帯の下げ幅が大きくなっているんでしょうか

 国務大臣(田村憲久君)
 今回の見直しの一つの考え方、基本的な考え方というのは、要は他の低所得世帯と比べてどうなんだというような公平感のところがございました。
 そこで、比べてみますと、第一・十分位というところでありますけれども、やはり世帯数の多いところ、これは生活保護とかなり乖離があるということで、それにやはり合わせていかなければ公平感ということは保てないであろうと。ですから、多世帯のところに比較的多く削減幅が出たと、それから都会中心にやはり削減幅が出たというような形になっております。
 なお、そうはいいましても、一〇%を上限にいたしましたのは、それ以上実は乖離したところがあったんですけれども、それはさすがにそこまでということは広いであろうということで一〇%を上限にしたのと、もう一方はいきなりというのは確かに問題あります。今委員おっしゃられましたとおり、物価が上がっていく可能性もあるわけでございますから、三年間にわたって三段階でこれを引き下げる。その間に当然物価が上がって民間の消費支出が増えれば、また見直しでこの基準というものを引き上げることもあるわけでございますから、そういうことを勘案して、三年間にわたって今回の適正化を果たさせていただくということでございます。

 福島みずほ君
 結局、高齢者は老齢加算年金なくしたりしたので、結局今回直撃するのは子育て世代、子供のいる世帯なんですね、今大臣おっしゃったとおり。でも、子供の貧困ということがこれだけ問題になっているときに、やはり子供の世帯がやはりこれだけ直撃するというのは本当に問題だというふうに思います。子供の貧困の連鎖がこれで拡大するんじゃないか。これから三年間掛けて見直すといいますが、これから三年間の間に何が起きるか。物価が上がって、消費税が八%になるわけですよね、その後一〇%、上がるのに生活保護の基準だけ下がるというとんでもないことが起きるんではないかというふうに思います。
 生活扶助以外の扶助の基準引下げについては、基準部会でも行われておりません。大臣は、生活扶助だけでなく医療扶助や教育扶助なども合わせた生活扶助全体として見れば削減率は約二・三%で、二〇〇八年から二〇一一年にかけての通常のCPI下落率、二・三五と同じになるというふうに答弁をされていますが、生活扶助以外の扶助の基準引下げについては基準部会でも行われておりません。他の扶助を持ち出して二・三%という説明をするのはおかしいと思いますが、いかがですか。

 国務大臣(田村憲久君)
 まず、物価が上がったりだとか消費税が上がって、当然消費の支出が、民間の消費支出が増えますから、そうなってきたときには毎年度の見直しの中でそれを勘案して扶助基準が見直されるということでございますから、全く下がっていくままということではないということは御理解をいただきたいというふうに思います。
 それから、今の二・三%の話なんですけれども、一般の消費者物価指数というのは、これは、全て医療から何から全部入っているわけですね。それで合わせて何%だ、二・三幾つという数字が出てきているわけであります。
 しかし、今回の生活扶助は、そもそも住宅扶助でありますとか、教育扶助でありますとか、もちろん医療扶助もあります、そういうものは抜かれているわけでありますから、全体のものじゃない中においてこの数字が出てきたと。
 じゃ、全体を入れればどうなるのかということを考えれば、生活保護の全体の支出、二・九兆円ですね、国費ベースで。この中から今回三年掛けて削減するのが六百七十億円ですから、ちょうど比率が二・三%。つまり、全ての生活で見ると二・三%。これは恣意的にやったわけではありません。削減を適正化をしたら、そうしたら結果的
に大体二・三%、消費者物価指数ベースといいますか、そういう形で見れば二・三%であったということでございますので、後から検証する中において、まあ適切な数字であったのかなというような感想を持たせていただく数字であったという、そのような報告をさせていただいたわけであります

 福島みずほ君
 生活保護の基準の引下げについては、やっぱりもっと丁寧にきちっとやるべきであると、きちっと生活保護受給者のデータを調査して、本当にこれに耐え得るのかということをしていない点で、これは凍結すべきだというふうに考えます。
 
 女性手帳の問題についてお聞きをします。
 命と女性の手帳の作成、配付等ということで、妊娠、出産に関する知識の普及、教育ということを今、少子化タスクフォースで打ち出しております。しかし、これ、何で女性だけなのかということと、避妊とかもちゃんと教えるべきであると思うんですね。
 子供を産まない人、産めない人、ハンディキャップのある人、性的マイノリティー、いろんな人がある、いろんな生き方があるにもかかわらず、これ、精神的なプレッシャーや偏見、一歩間違えると女は子供を産む機械、卵子が新鮮なうちに子供を産めというようなことになりかねないんじゃないか。
 厚労省がやるべき、政府がやるべきことは、待機児童の解消であり、雇用の、労働の場の、変えることじゃないですか。何で成人式や企業就職時などにこんなものをもらわなくちゃいけないのか、さっぱり分からない。いかがですか。

 国務大臣(田村憲久君)
 子供を産み育てたいと思っておられる方々が安心して子供が産み育てられるような環境をつくる、これは大変重要なことだというふうに思っておりまして、そういう部分では我々厚生労働省も各省と協力をして進めてまいりたいというふうに思っています。
 一方で、加齢とともにやはり出産がしにくくなる、そしてまた、リスクがいろいろと増えるということも事実でございまして、そういうことを知らなかったというような声もいろいろあるわけでございますから、そういう部分に関しては我々としては情報提供をしていくということも重要でありますし、当然ライフプランを考えていただく上においてそのような知識を持っていただくことは大事であるというふうに思います。
 そのような意味からいたしまして、妊娠、出産、不妊等々、こういうものに対しても、言うなれば知識の啓蒙、普及というものはやっていかなきゃならないというふうに思っていますが、この女性手帳に関しましては我が省は所管外でございますので、ちょっと内閣府の方にお聞きをいただければ有り難いと思います。

 政府参考人(伊奈川秀和君)
 今先生の方から御指摘のございました手帳でございますけれども、これは、先日開かれました少子化危機突破タスクフォースにおいて、その中の妊娠・出産検討サブチームというのがございまして、そちらの方からの報告でございます。したがいまして、まだ、現時点において何か決まっているというわけではございませんけれども、そのサブチームの提言の、報告の趣旨といたしましては、今厚労大臣からございましたように、基礎的な知識ということを伝えていくということが非常に重要ではないかと、そういった問題意識で出されたものと理解しております。
 また、内容あるいは対象でございますけれども、まず、こういった妊娠、出産だけではなくて、例えば人生設計とかあるいはライフプランニングと、そういった視点も重要ではないかといったような点、あるいは男性についても普及啓発が必要ではないかといったようなことが指摘をされております。
 今後タスクフォースにおいては取りまとめに向けて更に検討がされると思っておりますので、その中でどういう形になるか、今後検討されると思っております。

 福島みずほ君
 そのライフプランニングというのが分からないんですよ。十代の女の子は無限に可能性がある、あるいは働き続けることもできるよ、こういう生活もあるよというなら分かるんですが、妊娠、出産に向かって女性だけ命の手帳というのを配るというのは、やっぱりこれは国として上から目線、やり過ぎじゃないかと。しかも女性だけというのが分からない。相手がいなきゃ子供はできないわけですし、ライフスタイルを国家が節目節目に配るというのは行き過ぎではないか。あるいは学校の性教育やいろんなところでちゃんとやるべきだと思います

 委員長(武内則男君)
 時間が来ていますので、簡潔に答えてください

 政府参考人(伊奈川秀和君)
 はい。
 この手帳については、女性だけではなくて男性ということも検討課題となっております。また、妊娠、出産ということではなくて、いろいろなライフステージにおいて自分の人生を選択していくということで提言をいただいているものと理解しております

 福島みずほ君
 別に百歳になって結婚したっていいし、十六で結婚してもいいし、子供を持っても持たなくてもいいし、持てない人……

 委員長(武内則男君)
 時間が来ていますので、お願いします
 
 福島みずほ君
 はい。
 ですから、国がやるべきことかと思います。以上、終わります。
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