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福島みずほのどきどき日記

強制不妊手術についての2004年質問内容

優生保護法は、強制不妊手術を規定したもので、日本国憲法13条の個人の尊重や幸福追求権を侵害するものです。また、審査会の決定なしに決めることがあるなど法律違反のこともありました。
このことについて、1998年、国連の自由権規約人権委員会は勧告を出しています。第64回会期の最終見解では、「委員会は、障害を持つ女性の強制不妊の廃止を認識する一方、法律が強制不妊の対象となった人達の補償を受ける権利を規定していないことを遺憾に思い、必要な法的措置がとられることを勧告する(C.主な懸念事項及び勧告、パラグラフ31)。」とされました。勧告に対して、政府報告は「改正前の旧優生保護法に基づき適法に行われた手術については、過去にさかのぼって補償することは考えていない。」と主張していました。

このことを踏まえ、私は、2004年3月、11月と2回質問をしました。この2回の質問と答弁を掲載します。4月の質問では、当時の坂口大臣が答弁として、法律があったことで歴史的な経緯があり、これは事実であって今後どうしていくか考えていきたいとしています。先日国賠請求訴訟が提訴されましたが、この答弁によって除斥期間の問題が解決されるかもしれません。弁護団は、この答弁から救済措置策定まで合理的期間を3年とみなして、2007年から立法不作為となっているため除斥期間に該当しないと主張しています。

また、2004年11月の質問では、当時の尾辻大臣が省内で実態調査の検討をしたいと答弁しています。当時から何年も経過してしまいましたが、被害者の方々の救済のため、超党派で尾辻議員を会長として議員連盟を設立します。実態調査とヒアリングの必要生があり、支援の仕組みを検討していきます。

159-参-厚生労働委員会-004号 2004年03月24日
○福島瑞穂君 優生保護法のどこが問題だったから母体保護法に変えたのでしょうか。

○政府参考人(伍藤忠春君) これは経緯を申し上げますと、二十三年に超党派の議員立法により優生保護法が策定をされ、また平成八年に議員立法によりこれが改正されたというように承知をしておりますが、今申し上げたような優生思想に基づくこういった強制的な不妊手術が適当でないということで廃止をされたものというふうに私ども理解をしております。

○福島瑞穂君 九六年に優生保護法が母体保護法に変わったとき、プロジェクトチームを作ってリプロについて検討するはずだったというふうに聞いておりますが、その後どうなっていますでしょうか。

○政府参考人(伍藤忠春君) いろいろ議論があったというふうには承知をしておりますが、その後、特段の法律等の手当ては行われておりません。で、そういった議論を踏まえて広範にいろんな分野で御議論が行われているというふうに承知をしております。

○福島瑞穂君 優生保護法の犯した罪という本もありますし、私も当事者、被害者の方からお話をお聞きをいたしました。強制不妊手術を受ける、あるいはコバルト照射を受けて子供が産めなくなると。もちろん、子供を産む産まないは個人の選択ですが、子供を産みたくてもそれ以前の段階で、障害者あるいは知的障害者であるということで子供が強制的にもう産めなくなってしまっていると。
 それにもう気が付いたときは非常に遅いということがあるわけですが、一九九八年十一月、国連の規約人権委員会が勧告を出しています。パラグラフ三十一で、委員会は、障害を有する女性に対する強制的な不妊手術措置が廃止されたことは認識しつつも、このようにして強制的な不妊手術がなされた人が補償を受ける権利を規定した法律がないことを残念に思う。必要な法的手段が講じられるよう勧告するというふうになっております。この勧告をどう受け止めていらっしゃるでしょうか。

○政府参考人(伍藤忠春君) 先ほど申し上げましたように、我が国におきましてこの旧優生保護法に基づく優生手術、これは大変、本人の同意を得ない場合には、医師の申出に基づいて、いろんな審査機関を経て、不服があれば申立てをできると。いろんな厳正な手続の下に行われておったものでございまして、こういった法律に基づいて行われた措置でございまして、強制不妊の対象となった方々の補償を受ける権利というものを認める新たな法的措置を取ることは困難ではないかというふうに考えております。

○福島瑞穂君 ハンセン病も法律にのっとって強制隔離され、また子供を持てなかったと言われています。ナチス・ドイツは断種法を作って三十五万人強制的に不妊治療が行われました。日本の問題点は、むしろ戦後にそういう強制手術が行われたということで、そのまま何の手当てもなされておりません。
 私は、国連から勧告を受けていることもありますし、ドイツ、スウェーデンでも補償が始まっている、公的補償が始まっていることもあり、ドイツでは八四年から始めておりますけれども、日本でもハンセン氏病で対応したように解決をすべきではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(坂口力君) これは今お話を申し上げましたとおり、二十三年からでございますか、平成八年までこの法律が存在したことは間違いのない事実でございまして、それがどういう効果を及ぼしたか、そしてまたその内容が本当に適切なものであったかどうかということは、それぞれ皆さん方がどういうふうに解釈をするかはいろいろあるだろうというふうに思っておりますが、しかし、現在から考えるならば、そうしたことは行われるべきでなかったという御意見がかなりあることも事実でございますし、私もそう思う一人でございます。

○福島瑞穂君 ありがとうございます。
 ナチス・ドイツが行ったような優生学的な強制不妊治療は最悪の障害者差別であるということはだれでも認めることだろうというふうに思っています。当事者も、例えば、知的障害者ではないかと言われて十代のころにコバルト照射で受けて、それで子供が産めなくなると。ですから、三回結婚して、やっぱり子供がなぜ産めないかということは夫に言えないとか、そういうもうたくさんの話があります。
 大臣、この点について国連から勧告を受けていることもあり、是非検証し対策を講じていただきたいのですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(坂口力君) 国連からのこの問題はさておきまして、日本におきます過去のそうした、これも議員立法でしかもございまして、議員の間で決定されたということでございます。これはこれで重くやはり受け止めていかなければならないわけでございますから、個々のケースは別にいたしまして、こうした歴史的経緯を踏まえながら今日を迎えたわけでありますので、平成八年にこれが廃止をされて新しくスタートをしたということでございますので、その平成八年に廃止をされたという、この廃止をされたということの重さというものもやはり私は感じていかなきゃいけないというふうに思っております。
 個々のケースにつきましては、これまた別の話でございますから、触れないことにいたします。

○福島瑞穂君 議員立法ということはあるのですが、厚生省は当時、優生手術を強制するやり方を通達をしております。真にやむを得ない場合、身体の拘束、麻酔薬、欺罔、だましてもいいとする通達を出しております。つまり、だまされて、知らない間に不妊、子供が産めなくなっていると。ですから、議員立法ということの重みは議員として分かりますが、実際執行していたのは厚生省です。厚生省として是非対応をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(坂口力君) これは、まあ議員立法であれ何であれ、やはりでき上がりました法律に対しましては忠実に行っていくというのが厚生労働省の立場でございますから、そういうこともあったのかどうか、私、詳しいことは存じませんけれども、法律に従って行ってきたんだろうというふうに思っております。
 しかし、その法律そのものがこれではいけないというので廃止されたわけでございますから、それなりに私は重く受け止めておるということを先ほど申し上げたとおりでございます。

○福島瑞穂君 食い下がって済みませんが、重く受け止めての対策、個々の実態調査あるいは今後の対策、諸外国との比較などはいかがでしょうか。

○国務大臣(坂口力君) 今はそこまで考えて、率直なところ、おりません。過去にどういったケースがあったのかといったことにつきましての総合的なことというのは私も存じ上げておりませんけれども、こういう法律がありました以上、それの対象者になった人があることだけは紛れもない事実だというふうに思っております。そういう人たちが今はどういう立場にいるのかというところまで我々も把握をいたしておりませんけれども、中にはもう亡くなった方もおありになるし、いろいろのことがあるんだろうというふうに思っておりますが、こういう歴史的な経緯がこの中にあったということだけは、これはもう、ほかに言いようのない、これはもう事実でございますから、そうした事実を今後どうしていくかということは、今後私たちも考えていきたいと思っております。

○福島瑞穂君 ハンセン病の問題に関して国会があるいは行政が決断をしていったように、是非この問題についても解決はなされるべきであると。実態調査、個々の実態調査あるいは事実の究明、そして補償等が必要だというふうに考えています。今、障害者差別禁止法などが議論になっている今、やはり不妊治療、断種といったようなことは、最大の障害者差別であることは間違いありません。
 その意味で、是非、国会でも頑張りますが、厚生省が今までのことを検証して対策を講じてくださるよう強く要求をしていきたいと思います。どうかよろしくお願いします。
(以下省略)


161-参-厚生労働委員会-003号 2004年11月09日

○福島みずほ君 三権分立の中で司法からはっきり断ぜられたと。憲法違反である、国家賠償請求訴訟、国は国家賠償で損害を払えと明確に言われた。三権分立の一翼にはっきりそう断ぜられたわけで、行政そして立法はそれに真摯にこたえるべきではないかというふうに思います。
 是非、控訴を本当にしないで、行政及び立法は将来に向かって問題を解決できる機関であるというふうに思いますので、是非それはよろしくお願いします。司法は過去について判断を下すところです。しかし、行政と立法は将来に向かって改革ができる場所でありますので、是非控訴をしないでほしいということをよろしくお願いします。
 二点目は、それに続いてやはり障害者の問題なんですが、私は三月に質問をいたしました。これは規約人権委員会、一九九八年、国連の規約人権委員会が、障害を有する女性に対する強制的な不妊手術措置が廃止されたことは認識しつつ、強制的な不妊手術がなされた人が補償を受ける権利を規定した法律がないことを残念に思う。必要な法的手段が講じられるよう勧告する。国連から日本政府は勧告を受けております。この点について実態調査はどうなっていますかと、三月二十四日、この厚生労働委員会で私は質問をいたしました。実態の把握について厚生労働省はどうされているでしょうか。

○政府参考人(伍藤忠春君) お尋ねの趣旨は、昭和二十三年に成立をいたしました超党派の議員立法でございますが、旧優生保護法に基づく本人の同意を得ない優生手術で強制的に不妊手術を受けた方々についてのことであると思いますが、これについての政府の立場といいますか、過去にも申し述べましたが、旧優生保護法に基づきまして、医師の申請によって厳格な手続によりまして適正に適法に処理をした件でございますので、現在これについて、優生保護法は平成七年に廃止をされましたが、これについての特段の補償ということを特に考えてはおらないところでございますので、特別、この実態調査とかこの実態の把握ということはいたしておりません。

○福島みずほ君 実態調査をしなければ問題があったかどうか分からないと思います。当事者のヒアリングなど必要ではないのでしょうか。

○政府参考人(伍藤忠春君) どういう趣旨で、どういう立場で、その得られる結果について何をするかということがある程度はっきりいたしませんと、この手掛かりといいますか、こういったことに着手するということもなかなか難しいというのが行政の実情でございますので、そういった観点から、これについて特別、実態を把握するということには至っておりません。

○福島みずほ君 厚生労働省は、規約人権委員会の勧告をどのように重く受け止めているのでしょうか。諸外国も、やはり障害のある人に対する強制不妊手術に関して補償するということをはっきりやっている国もあります。実態調査もしなければ、問題があったかなかったかの検証もできないと考えますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(伍藤忠春君) この補償をするかどうかということ、それから国連のその勧告をどう受け止めるかということでございますが、これもまあ国によっていろいろ事情が異なるわけでございますので、一概にそういった、一律にそれを参考にして取り入れるということはなかなか困難ではないかというふうに思っております。

○福島みずほ君 補償についてはちょっと棚上げにして、まず実態調査をされることが必要不可欠だと考えますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(伍藤忠春君) 繰り返しになりますが、どういった観点からどういう趣旨の調査をするかというところの、そういった概念の整理をまずしなければならないと思いますので、そういった趣旨がお互いに必要性があるというふうに私どもが認識をできればそういうことも考えられるかと思いますが、現時点では、この問題については、適法に国会で成立をし、超党派で議員立法でなされた法律に基づいてきた適法な措置であったということで、そういった特別に、これについて特段将来的に何かするための実態調査ということは考えていないということでございます。

○福島みずほ君 この不妊手術については、当事者にきちっと説明をしたのか、あるいは人権上問題がなかったかなど多くの指摘がなされております。法律の妥当性、それから法律の適用の問題点、両方あると思います。実態調査も一切しないで問題がないということは考えられないと思います。まず実態調査をすべきではないですか。

○政府参考人(伍藤忠春君) この優生保護法、二十三年にできて平成七年に廃止されるまで長い期間があったわけでありますが、その間、どういう議論がこの国において行われたか、私、十分には把握しておりませんが、あるいはまた廃止する際にどういう議論があったのかということも関係ありますが、現時点においてどういったことを調査するのかということは必ずしも得心がいかないところがあるわけでありますので、その辺り、今の時点で実態把握といいますか、実態調査をするということまでには、私どもそういう考えは持っていないということでございます。

○福島みずほ君 ハンセン病のときに隔離をされ、あるいは不妊治療が行われたり子供が持てなかったということが極めて人権侵害であったということが問題にされたはずです。
 同じように、障害のある人たちへの不妊手術が、男性、女性、特に女性に対して、例えば子宮を取ってしまうとかコバルト照射をしてしまうとか、多くのことが指摘をされています。
 厚生労働省はこれだけ国連から勧告を受けても実態調査をする必要すら分からないというその人権感覚のなさに、正直、今日、唖然としておりますが、内部で議論はないのでしょうか。

○政府参考人(伍藤忠春君) 繰り返しになりますが、適法な法律に基づいて適法な形で処理されてきたというふうな理解の下におりますので、特に実態調査をするといったような議論は内部でもいたしておりません。

○福島みずほ君 大臣、今の答弁、いかがでしょうか。

○国務大臣(尾辻秀久君) 今の御議論伺っておりましたので、少なくとも省内で議論をしたいと、こういうふうに思います。

○福島みずほ君 国連の勧告を何も考えないということ自身唖然といたしますが、省内で議論し、せめて実態調査をしてくださるよう心からお願いをします。
 国連で次にこの審理がされるときに、この勧告に基づいてやったかどうか必ず議論になりますので、何もしていないということはもう本当に恥ずかしいことだと思います。よろしくお願いします。
 では、ちょっと長くなりましたが、労働組合法について、審理計画の問題点ですが、審理をする過程で争点、証拠、新たな証人などが出てくることがあると。裁判以上に労働委員会、労働委員会も裁判も両方やったことはありますが、議論しているうちに争点が出てくる、証人が出てくるということはあるわけです。
 初めにかちっと審理計画を決めてしまいますと、実際新たな論点が出てくる、新たな証人が出てくる、その場合にどうなるのでしょうか。

○政府参考人(太田俊明君) 今お尋ねの審査の計画でございますけれども、審査手続の迅速化のために、審査開始前に調査における争点及び証拠の整理を踏まえて作成されるものでございます。
 しかしながら、一方、労働委員会は、審査の現状とかその他の事情を考慮して、必要があると認めるときは審査の計画を変更することができるとされているわけでございます。これは法律上の規定でこのような規定がございます。
 したがいまして、今お話がございましたように、審査の過程で新たな争点、証拠、証人等が生じた場合でも、労働委員会が必要であると認めるときには審査の計画を変更することができるものとされておりまして、こういう事情の変化等にも柔軟に対応してやっていけるのではないかと、そのような規定になっているのではないかと考えているところでございます。

○福島みずほ君 言うまでもなく、企業とそれから不当労働行為を訴える労働者の間には、大きな力関係と当初から資料における力の差があります。一番初めに審理計画を決めますと、どうしてもその力の差が最後まで利いてしまうということがあると思います。是非、この点については、審理計画は一応の目標であって、決してこれが労働組合、労働者にとって不利益にならないようにということは徹底すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(太田俊明君) 労働委員会は、やはり裁判所と違って、比較的長期的な労使関係を考えながら弾力的な手続を取るというのが利点ではないかと考えておるところでございます。
 したがいまして、審査の計画、迅速化のために、当然、審査開始前に作成するものでございますけれども、その状況等、必要に応じて審査の計画を変更するということで弾力的な対応をするようにやってまいりたいと、配慮してまいりたいと考えているところでございます。

○福島みずほ君 確かに、あなたは組合作ったから解雇しますなんという会社はないわけで、総合的な背景事情をきちっと、丁寧にきちっと暴いていかなければ、あるいは総合的に出していかなければ、不当労働行為意思やいろんなものを立証することは困難です。
 その意味で、審査計画制度が不当労働行為の認定や労働組合の活動を制限することがないようにと思いますが、改めてお願いします。

○政府参考人(太田俊明君) 基本的に、当然のことながら、この不当労働行為の審査制度、労働組合なり労働組合員の救済を目的としているわけでございますので、そういう救済の阻害となるようなことのないように十分配慮してまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 私は、基本的に的確化、迅速化が労働組合で本当に必要なのかどうか、実は疑問を持っております。
 国労の事件は全部労働委員会では勝ちました。それは不当労働行為というものが総合的に判断をして認定をしたからです。ところが、地方裁判所で負けました。なぜでしょうか。それは司法関係、これは組織が変更になったので相手方が違っている、そういう司法的な権利義務の全く形式論で組合を負かせます。どっちが正しいか。地方労働委員会、中央労働委員会、労働委員会の方が組合の組合活動、不当労働行為の認定について真っ当だと私は思います。それを裁判所が、法主体が違うという全く奇手といいますか、そういう解釈があるかというような法律の形式論でけ飛ばしてしまう。それが労働組合が不当労働行為だと必死で争っていくことを地方裁判所、裁判所側が阻んでいる。労働組合の方が、労働組合法、労働委員会の方が不当労働行為に関しては真っ当です。裁判所の方が全く形式的な私権に基づいて、私権、私の権利に基づいて排除をしていく。
 だから、なぜ労働組合法の改正なのかという、実はそう思っているんですが、いかがでしょうか。

○政府参考人(太田俊明君) 今回の法律改正、目的は、やっぱり審査の迅速化、的確化を目標としているものでございまして、やはり今までここで御議論ございましたように、審査の長期化が非常に著しいと、そういう中で必ずしも労働組合あるいは組合員の救済がなされないということで、やはり審査を迅速かつ的確にやるという必要があるというような御議論があったわけでございます。
 当然ながら、公労使、審議会あるいは学識の研究会、そういう議論を重ねた上で今回の法改正をお願いしているわけでございますし、この場の議論も、やはり余りにも長期化していると、このために審査を迅速かつ的確にやる必要があると、そういう形での議論がなされているわけでございます。そのための計画的な審査あるいは迅速、的確な事実認定等の制度改正をお願いしているものでございます。

○福島みずほ君 実際の審問が非常に短くて、その他の日数が二年一か月掛かると。実際、審問期間はそんなに長くない、データを見ると。ところが、その他の日数が掛かると。審問期間が長いわけではないという点についてはいかがでしょうか。

○政府参考人(太田俊明君) この審問期間につきましては、地労委における初審と、それから中労委における再審査と状況が異なっているのではないかと考えております。
 まず、初審について見ますと、審査期間が七百九十一日、平均でございます。二年二か月でございますか、そのうち命令・決定で終結した事件で見ますと、審問期間が五六%と半分以上で最も長くなっているわけでございます。これは、やはり審問が必ずしも計画的に行われていないこと、あるいは多数の証人尋問とか間接証拠の積み上げによらざるを得ないという結果で審査に要する期間が長くなる傾向があるのではないかと考えております。
 それから、今御指摘ございました再審査の方は、むしろその審問の期間が短いわけでございますけれども、審査期間が千四百五十七日、四年もやっているわけでございますけれども、そのうち命令・決定で終結した事件見ますと、結審後、命令書交付までの期間が七一%と、これが最も長くなっている状況がございます。
 その要因は、一つは、先ほどもお話ございましたように、和解に向けた取組に多くの時間を取られる場合が多いこと。それから二つ目は、争点、証拠の整理が十分でないために、多数の証人尋問結果とか間接証拠の積み上げにより事実認定を行わざるを得ない場合があること。それから三つ目は、この点も大きいんですが、公益委員全員の合議によって命令を決定しているために、事件の迅速処理に必要な合議の日程確保が困難となる場合があること、こういう状況でございます。
 したがいまして、それぞれ初審に合わせた対応、あるいは再審査に合わせた対応を今回の制度改正でお願いしているところでございます。

○福島みずほ君 迅速化そのものはいいことだと思いますが、不当労働行為や労働組合法の関係で、ある程度証人を呼ばなくちゃいけない、間接証拠を積み上げなければならないということも実態ですし、和解に時間が掛かるのもある意味仕方ない点もあると思います。ですから、迅速化のみが独り歩きをしないようにということを申し上げたいと思います。
 次に、先ほど言いました規約人権委員会、一九九八年で、二十八パラグラフですが、委員会は、中央労働委員会が、労働者が労働組合の加盟を示す腕章を着けている場合には不当労働行為の申立ての審理を拒否することについて懸念を有する、このような行為は規約十九条及び同二十二条に違反する、この委員会の見解は中央労働委員会に伝えられるべきである、これが国際人権規約委員会の一九九八年の勧告です。
 遅延のことを調べますと、腕章を着けるなということで非常にもめる、あるいは中労委がその他の理由で審議を拒否するといったことなどから長期化していることが見られます。今度、新たな改正法で審問廷の秩序維持の条文、「労働委員会は、審問を妨げる者に対し退廷を命じ、その他審問廷の秩序を維持するために必要な措置を執ることができる。」、腕章の件については、私は、腕章を着ける着けないは、まあ趣味というか、というふうにも思いますし、これは他国から見ますと、腕章を着けることで拒否するというのは多分奇異に映ったからこそこの規約人権委員会から勧告が出ていると思います。
 一言、この勧告を踏まえられて、腕章を着けていることで法廷秩序違反だとか審理ができない、そのようなことはなさらないということを明言してください。

○政府参考人(太田俊明君) 今お話のございました審問廷の秩序維持につきましての運用基準は、裁判所の例と同様に、必要に応じまして労働委員会規則によって定められるものと考えております。
 具体的に、審問廷における腕章の着用に関する取扱いにつきましては、これによる威迫の効果等によって証人の証言に影響が出るような場合につきましてはこれを制限することも考えるわけでございますけれども、それぞれ審問を妨げる度合い等を踏まえて個々の事案ごとに判断することになるのではないかと考えております。

○福島みずほ君 腕章を着けていると何か証言しにくいんでしょうか。

○政府参考人(太田俊明君) 一般論として必ずしもそういうことはないかと思いますけれども、全体の中でやはり腕章を着けていることによって、集団によって、威迫の効果等によって証人の証言に影響が出るようなケースもある場合も考えられるということでございまして、それぞれやはり審問を妨げる度合い等を踏まえて個々の事案ごとの判断ではないかというふうに考えているところでございます。

○福島みずほ君 労働組合法は憲法より先にできました。例えば、労働組合を作ったことで不当労働行為が起きるとか、団結をすることでみんなで力を出そうということじゃないですか。お面をかぶったりとか、それだったら極端だと思いますが、腕章が威迫になるということはないと思います。
 いかがですか。

○政府参考人(太田俊明君) お答え申し上げます。
 先生おっしゃるように、腕章それ自体が即、腕章を着けていることそれ自体が威迫になるということはないのかもしれませんけれども、やはり全体の中で威迫の効果が出てくるということも考えられないわけではございまして、そういうのは全体の中で個々の事案ごとに判断して考えを固めていくと、そういうことではないかと考えております。

○福島みずほ君 労働組合から団結を引いたら、何が残るかと思いますが。
 腕章を着ける、いや、私は、お面をかぶるとか、何か特別ならともかく、腕章程度であれば、それは、みんなが腕章を着けて、それは労働組合だから当たり前じゃないですか。それが、まあ腕章だけでこれ時間使うのはちょっともったいないんですが、腕章をすることについて、私は、規約人権委員会から勧告を受けていることもあり、そういうことで時間を労働委員会で費やすことは残念だと思い、現場の救済のためにも今質問しております。
 腕章が基本的にはこの問題ではないという答弁を是非お願いします。

○政府参考人(太田俊明君) 本来的に労働組合は、やっぱり労働組合法は労働者の救済を目的とするものでございますので、団結権を行使することは当然でございますし、その救済を求めるのは当然でございます。
 ただ、腕章そのものが、先ほど申し上げたとおり、それ自体が即威迫の効果ということでないわけでありますけれども、集団的なものの中で審問廷の秩序を維持できないケースというのが全く考えられないわけではないわけでございまして、そういったケースも含めて、全体の中での総合的な判断になるんではないかと、個々具体的な事案の判断ではないかというふうに考えているところでございます。

○福島みずほ君 訳が分からないという声もこちらの側から、メンバーから出ておりますが、やはりそういうことで時間を費やすので労働委員会の審理が遅れるということも言われていて、それは余りにくだらないというふうに思っています。
 それは、団結権救済が重要なわけで、みんながそろって腕章をすることはむしろ、いや私はそれは着けなくてももちろんいいと思うし、着けたいと思う組合は着ければいいということであって、それは威迫だということそのものは、労働組合そのものの意義、労働組合法の意義をやはり見失っているというふうに思います。今日は、全くないわけではないという答弁をされたので、今後現場で生かしていきたいと思います。
 あと、もう時間ですので、例えば証拠調べの条文、個人の秘密及び事業者の事業上の秘密の保持に配慮しなければならないということが秘匿命令にならないか、その点についてだけ最後お答えください。

○委員長(岸宏一君) 簡潔に御答弁願います。

○政府参考人(太田俊明君) 基本的には、プライバシーに関するものは例外でございますけれども、そういうことがなければ秘匿することができないというふうに考えているところでございます。

○福島みずほ君 時間ですので、終わります。
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