福島みずほのどきどき日記

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雇用安定社会の創造を

 12月4日、東京・日比谷野外音楽堂で「派遣法の抜本改正を勝ち取ろう」という集
会が開かれた。大分キヤノンで「派遣切り」に遭った若者は「僕をホームレスにさせ
ないでください」。別の労働者は「あなたは今日で終わり。10日後に寮を出て行って
くれと言われた」などと、次々に発言した。

 そうなのだ。日雇い派遣であれ、そうでなくても、また期間の定めのある派遣であ
れ、定めのない派遣であれ、「あなたは今日で終わりです」と言われてしまう働き方
なのである。中途解約だって、全く自由に行われている。「ああ、そうか。理由がな
くても、期間の途中でもクビにできるから、派遣という働き方は企業にとって便利な
のだ」ということをひとつひとつの事例で痛感する。

 非正規雇用の働き方について、国会でずっと質問をしてきた。政府の答弁は「多様
な働き方を望む人たちがいる」というものだった。しかし、本当に問いたい。「あな
たは今日で終わりです」といつ言われるか分からない働き方など、一体、誰が望むだ
ろうか。

 景気の“調整弁”として使われ、いったん不況になったら、一挙に“放出”される
のである。いったん非正規雇用となると、なかなか正社員になれない。だから、賞与
や昇級がなくても「正社員」であり続けるために、必死で働かざるを得ないのであ
る。

 政府は、先の臨時国会に労働者派遣法改正案を提出した。30日以内の日雇い派遣は
禁止するというもので、今回の派遣切りなどに何ら対応できない内容である。

 2003年の派遣法改悪で、製造業へも派遣が可能とし、大企業の大工場の現場で派遣
が広がっていった。派遣については、製造業については認めず、専門職に限定すべき
である。そうすれば、「部品」のようにたたき切る派遣切りは少なくなっていくだろ
う。社民党はそのような案を主張している。

 これからどのような日本社会をつくっていくのか。まさにそのことが問われてい
る。今のように、3人に1人が非正規雇用の社会をつくり、4人に1人が年収200万円以
下の人であるという社会をつくるのか。それとも、もっと安定した社会をつくるの
か。今のままでは国民皆保険もどんどん壊れていってしまう。

 米国は、1%の人が20%の富を持ち、1990年代に受刑者数が100万人だったのが、10
年ちょっとで倍の200万人となった。私は、格差の拡大している州ほど殺人率が高い
という統計を見て、ギョッとなったことがある。
 
 確かにそうだ。社会の中に絶望が広がっていて、いいわけがない。社会は別の形で
コストを払うことになる。

 私は、社会民主主義のまさに出番だと思う。大規模公共事業を見直して、医療、教
育、福祉にもっとお金を振り向け、地球温暖化に対応する再生可能エネルギーの開発
などで「グリーンジョブ(緑の雇用)」を創出すべきである。そして、できるだけ多
くの人に税金と保険料を払ってもらう方がはるかに社会は安定する。非正規雇用の
人、高齢者、障害のある人などをどんどん押しのけていく「排除型社会」からの転換
を訴えたい。

【共同通信社会員情報誌「Kyodo Weekly」12月29日号より】

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