福島みずほのどきどき日記

マンマ・ミーア

2月16日(月)
「マンマ・ミーア」
監督 フィルダ・ロイド 脚本 キャサリン・ジョンソン 制作 ジュディ・クレーマー、ゲイリー・コ゜ーツマン
主演 メリル・ストリープ アマンダ・セイフライド ピアーズ・ブロンソン コリン・ファース ステラン・スカルスランド ジュリー・ウォルターズ クリスティーン・バランスキー、ドミニク・クーパー

 きゃはははは、と元気になる映画。ときどき笑ってしまった。ABBAの曲に元気になる。あれ、この曲は、かつて口ずさんでいたけれど、こういう意味だったのという再発見。心に沁みる。
 踊ったり、歌ったりしたくなる。
 生きてりゃいいさと元気になるし少々のことは、なんだって良くなり、くよくよしなくなる。
 人生は、悪くないし、輝いているという思いにさせられる。
 わたしも改めて元気になった。

 「マンマ・ミーア」は、イタリア語で、「なんてこった」「おやまあ」という意味だそうな。
 そして、もちろん「わたしのおかあさん」というのをかけている。

 主人公のドナ(メリル・ストリープ)は、大忙し。
 いわゆる女手ひとりで、娘を育ててきた。
 ギリシャの小さな島の古いこれまたレトロなホテルを必死で経営し、娘を育ててきたのである。
 その娘ソフィ(アマンダ・セイフライド)は、二十歳になり、今度結婚をするのである。
 ソフィは、母親をひとりにはできないと彼氏とそのホテルを継ごうと考えている。

 結婚式。
 実は、ソフィは、父親を知らない。
 ドナは、結婚をせずに、ソフィを生んだのである。
 母親に、父親のことを聞いても「一夏で終わってしまったのよ。」という感じで、教えてくれない。
 わたしの父親は誰?とソフィは思ってきた。

 そこで、ソフィは、母親が妊娠をした当時の日記を見つける。
 母親は、当時、3人の男性とつきあっていたのだ。
 といってもたとえば、恋愛をして好きな人がいたけれど、その人には、婚約者がいて、去っていって、傷心のうちに別の人に惹かれるといった具合。007のボンド役、前ボンドのピアーズ・ブロンソンなどが中年男性を好演。

 ソフィは、その3人の男性に母親ドナの名前で、結婚式の招待状を出す。
 すると、これまた3人が、とるものもとりあえず、駆けつけてくれるのですね。

 そこから、始まるどたばた。
 ソフィの2人の女ともだちとのトリオ。
 そして、なんといっても圧巻なのは、ドナの2人の女ともだちのトリオ。
 うーん、男性陣もトリオなんだよね。

 中年3人トリオの女のパワーがすごい。
 女ともだちの娘の結婚式に駆けつけたのである。
 ひとりは、3回結婚して、4人目を探していいて、もう一人は、料理研究家で、ひとりもの。
 まぎれもなく3人は、中年なんだけれど、中年っていいじゃないと感じさせる。
 ドナのことを心配をしたりしている。

 父親にあったら、すぐインスピレーションによってわかるわとソフィは思っていたが、実は、わからない。

 混乱をする娘、そして、もっと狼狽し、3人を追い返そうとするドナ。
 
 わたしが、この映画で、感激をしたのは、ドナなどを道徳的に批判をしたり、倫理的な批判をしないことである。

 自由奔放だったのねとは、なっているけれど、決して、娘も娘のともだちもあっぱれという感じではあっても、道徳的に批判をしたり、眉をひそめたり、こそこそ話をしたりしないのである。

 バージンロードをパパと一緒に歩きたいというソフィの願いは、果たしてかなえられるか。

 3人の男たちは、当時、自分のことはわかっても他の人のことは、知らない。
 3人の男性がいたと知っても、そのことで、悩んだり、詮索をしたり、ましてやドナを問いつめたりなんて起きないのである。
 日本のドラマだと、こんなにあっけらからんとはならないのでは。
 3人の男は、他に同じ時期に男がいたということにショックを受けるのではないか。
 また、父親が3人のうち誰かわからないと聞いたら、女性も含めて、「あら、ふしだらな。」「何を考えているのかしら。子どもがかわいそう。」となるのではないか。

 ソフィにドナが言う。
 「妊娠をしたことがわかったら、母親に帰ってこなくていい。」と言われたのよと。
 ドナは、親に勘当をされていたのだ。

 この映画は、母親の再出発と娘の再出発を描いている。

 わたしも名前を変えたくないなどの思いから結婚届を出さずに、子どもを生み、娘がいる。
 だから、とりわけ感情移入し、楽しく見た。

 母と娘という視点から、映画を見ることができるし、中年の醍醐味、人生の再出発、だめだったことも含めて、若いときの失敗や反省や悔いもも含めて全部自分の人生という気にもさせてくれる。
 奔放だった母親としっかり者の娘というのもおかしいな。 
 自分のいたらなさも含めて、全部自分の人生と。

 この映画は、劇場版も含めて、女たちの制作者で作られている。
 お互いの人生に心を寄せるシスターフード、女たちの友情に元気になる。

 わたしもとてつもなく元気になった。

 この映画に貫かれているのは、いろんな愛である。
 男女間の、母親と娘の、父親と娘の、男どおしの女どおしのおぬし、やるなあという友情、いろんな様々な愛が描かれている。
 そして、お互いの人生を大切にするということも。

 中年っていなあと思わせてもくれる。
  
 メリルの歌、特に、結婚式の直前に、サムに向けて、ドナが愛の破局について、「何もかも勝者が奪っていくのよ。もうやめましょう。悲しくなるから。」と歌う「ザ・ウィナー」の切々さとど迫力には、心を打たれた。

 ソフィのキュートさも素晴らしい。

 女であることが、楽しいなと思わせてくれる映画。
 人生っていいなと感じさせてくれる映画。
 他人を許すことの大切さ、一生懸命生きる素晴らしさ、特に、若いときなど、若気の至りやいたらないことがいっぱいで、失敗も反省すべき点もあるけれど、後悔はしないということ。
 普通の女たちが、歌って、踊る。

 見終わった後、すべての人にやさしくなれる。
 


  

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