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福島みずほのどきどき日記

「スラムドッグ$ミリオネア」

3月14日(土)
「スラムドッグ$ミリオネア」
監督 ダニー・ボイル 脚本サイモン・ビューフォイ
主演 デーブ・パテル マドゥル・ミッタル、フリーダ・ピント、アニル・カプール、イルファーン・カーン
 
 ハイテンションで、パワフルで、スピード感あふれる映画。
 とにかく子どもたちのかわいらしさ、たくましさ、過酷さに圧倒される。
 ジャマールやラティカなどのかわいらしさは、この映画のとてつもなく心打たれるところだ。

 スラムの生命力もすごい。
 変貌するインド、ムンバイも描かれている。

 なぜジャマールは、クイズで、正解が出せるのか。 
 偶然だが、そのことをなぜジャマールが、答えられるのかを彼の過酷な人生が教えてくれる。
 意外、意外。
 そうだったのか。

 クイズの答えと彼の小さいときからの人生が、交差し、映画を見ているわたしたちは、彼のロードムービーのような、そして、過酷な人生をともに生きていくような感じになる。

 わたしは、この映画は、すごい純愛物語だと思う。
 
 久しぶりに幼なじみのラティカに会ったら、ラティカが言う。
 「忘れないでいてくれたのね。」
 ジャマールは、言う。「一瞬たジャマールりとも忘れたことはなかった。」と。

 すごいなあ。
 こんなことを言われたら、女冥利に尽きるなあ。

 この映画は、ジャマールのやさしさ、一途さ、正直さ、純愛を描いている。
 ジャマールは、やさしい。眼をつぶされて、歌いながら、物乞いをさせられている幼なじみに出会い、100ドルをあげる。
 
 この映画を見終わったときは、わたしは、ジャマールの一途さ、純愛に打ちのめされた。
 そして、日が経つにつれて、主旋律は、ジャマールだけど、おにいちゃんであるサリームとの兄弟愛も強く感ずるようになった。
 おにいちゃんは、ときに、意地悪である。弟がトイレにはいっているときに、鍵をかけたりする。これに、全く動じず、行動に出るマジャールのあきらめないというのもすごいのだが。
 おにいちゃんは、弟であるジャマールが、他のことに心を奪われ、没頭をすることに耐えられないのではないか。
 弟がせっかくもらったスターのサインを勝手に売り飛ばす。また、ラティカを自分のものにしようとする。これは、不器用なおにいちゃん、愛情をうまく表現できないおにいちゃんとジャマールの3角関係とも言えるが、本質は、おにいちゃんは、ジャマールが別のことに没頭をすることに耐えられないのではないか。

 親はいない。家族は、兄弟しかいないのである。サリームにしてみれば、弟しか家族はいないのである。兄の弟に対する深い愛を描いているとも言えないか。弟の思いにひきずられ、また、ムンバイに戻ってきたりもする。
 実際ジャマールは、度胸のあるサリームによって何度も危機を救われているのである。
 体を張って、弟を守るのである。
 
 一途で、純情で、やさしいマジャール、ワルで度胸のあるサリーム。
 両方がスラムをあらわしている。

 笑ってしまうユーモラスな場面も驚いてこれまた笑ってしまう場面もたくさんある。

 人生賛歌でもある。

 猥雑であり、矛盾ととんでもないことのあつまりであり、純愛物語であり、こどもたちのかわいらしさやバイタリティーに脱帽である。 
 

  
 
 

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