福島みずほのどきどき日記

国民投票法が国会の議論に先行して作動するのはおかしい

 手元に緑色のリーフレットがある。(画像ご参照)
総務省国民投票法パンフレット
 「ご存知ですか? 平成22年5月18日から『憲法改正国民投票法』が施行されます。」と表紙に書いてある。
 何とこれが300万枚作られているのである。
 まだ見ていないが、ポスターは5万枚作成される。
 リーフレットの中身に投票用紙の絵がある。憲法改正に賛成か反対か○をつける簡単なものが図として入っている。
 これは全くおかしい。

 憲法改正案は、内容において関連する事項ごとに提案されることになっている。
 だから、単純に憲法改正に賛成か反対かになることはほとんどないはずである。
 
 このリーフレットにはQ&Aで、小さな字でこのことも触れているが、何といっても図のインパクトの方が強いだろう。
 多くの人は、こういうものだと思ってしまうだろう。
 このリーフレットは大問題である。

 パッと見ると来年5月から憲法改正のための国民投票が行われるような錯覚を与えてしまうパンフレットである。

 憲法改正の国民投票法は成立し、3年後からは施行である。
 しかし、そのためには例えば投票を18歳からにするのか、20歳からにするのかをはじめ、多くの論点がある。

 国会に憲法審査会が設置をされ、そこで憲法改正案が作られ、衆議院と参議院の3分の2で発議するかどうかという問題になる。発議の後に、国民投票に付されるのである。
 その時にどのような国民投票になるのかは、まだ決まっていない。

 「5月から裁判員制度が始まります」という文章とは違う。今年の5月から裁判員制度が始まるということは決まっている。現行の裁判員制度について問題はあるが、このようにいつから○○が始まりますというのは、一義的に決まっているのに対し、憲法改正のための国民投票法は単に法律の施行は来年5月からだとしても、国民投票をするかどうかも全く決められていないのである。

 これもあたかも来年5月以降に国民投票があるかのように人々に思わせかねない。明らかにミスリードである。

 300万枚のリーフレットは3月末に成立した本予算の中に予算が入っていた。予算案が成立した途端に配っていると思われる。ミスリードをさせるリーフレットを配ることは大問題である。

 社民党は本予算案に反対した。
 3月18日、参議院の予算委員会で、社民党の渕上貞雄さんが質問紙、次のような内容が明らかになった。46.9億円の予算がついている。

 詳しい内容は次の通り。

 

 総務省は、2009年度概算要求に、「国民投票制度準備等関係経費」として52.2億円を盛り込み、2009年度予算案としては46.9億円が計上されることになった(08年度は0.7億円)。

 国民投票制度準備等関係経費46.9(0.7億円)
 2010年5月に施行される日本国憲法の改正手続に関する法律に基づく国民投票の施行の準備に必要な経費
 ◇ 投票人名簿システム構築交付金 46億2400万円
 ◇ 法内容の周知徹底 2300万円(リーフ300万部、ポスター5万部)
 ◇ 投票、開票の速報体制の整備に関する経費 1700万円
 ◇ その他事務経費 3000万円

 リーフレットやポスターだけでなく、投票人名簿システム構築交付金も大問題である。
 憲法改正手続きとして、国民投票が行われる場合、市町村が国民投票用投票人名簿を調製することになっており、国民投票に必要な費用に充てるため、「国民投票制度準備等関係経費」46.9億円から、投票人名簿システム構築交付金46.2億円を特別交付金として自治体に交付することにしている。(国10分の10の補助)。内容は、制度の施行に向けてホストコンピューター改修及び国民投票用期日前投票システム改修で、この構築事業は2カ年にまたがる事業で、2010年5月までにシステム完了の予定となっている。

 各自治体の09年度予算で、選挙管理委員会のところに、投票人名簿システム構築交付金に基づく投票人名簿システムの構築に要する費用が計上されている。選管のところにあることもあって、国民投票がらみの予算化であることが十分に周知されていない。

 しかし、2010年5月に施行される日本国憲法の改正手続きに関する法律に基づく国民投票の施行には、投票年齢、最低投票率の是非など、付則や付帯決議で検討が義務付けられた18項目の課題がある。現在、重要事項である投票年齢について、法制審議会で成年年齢の20歳から18歳への引き下げの当否について調査・審議中だ。

 このように国民投票法案は、法案の根幹にかかわる問題を今後の検討課題としており、現状で投票人名簿のシステムの設計に入れるのか大問題である。

 少なくとも3年間は憲法改正発議を凍結している中で、巨額の費用を使って法律の広報活動ばかり先行させるやり方は極めて重要な問題だ。


 

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