15週年記念フォーラム」に参加しました。
17日の閉会式で、スピーチをしました。
下記の動画はその時の模様です。
スピーチ全文は次をご覧下さい。
みなさま、こんにちは。ご紹介いただきました、福島みずほです。
私は、日本社会民主党党首であり、参議院議員です。
今年の5月末まで、男女共同参画担当大臣をしていました。
今日の、この閉会式で、スピーチさせていただくことを大変光栄に思っております。
1995年に開催された北京世界女性会議には、日本からも多くの女性達が参加しました。
私も、女性問題を中心に取り組む弁護士のひとりとして、この会議に出席していました。
この会議で採択された、北京行動綱領は、多くの日本の女性達に明確な目標を示し、
励まし、女性たちの活動は大きな力を得て前進していきました。
とりわけ、女性への暴力についての取り組みは前進し、雇用機会均等法にセクシャル・
ハラスメントの条項が入り、超党派の女性国会議員を中心に、2000年ドメスティック・
バイオレンス防止法が成立しました。
しかし、その後、男女平等におけるバックラッシュが起きるなど、道のりは平坦では
ありませんでした。
昨年、日本が政権交代を実現して以降、男女平等の取り組みは前進していると思います。
私は、政権交代後、男女共同参画担当大臣と務め、2000年以来5年ごとに策定している
男女共同参画基本計画の第三回策定に携わりました。
策定の際には、北京世界女性会議に参加した多くの女性達が、様々な提言をしてくれました。
ポイントは、いかに実効性のある計画をつくるかということでした。
日本社会は、世界有数の経済力をもつにもかかわらず、Gender Empowerment Measureは
世界57 位にとどまっています。
女性の国会議員や管理職の人数が少なく、男女の賃金格差が大きいことの結果です。
ですから、男女共同参画基本計画では、「社会におけるあらゆる分野において、2020年
までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度になるようにする」という目標
を達成するために、ポジティブ・アクションを推進するなど、実効的な施策をいれました。
また日本では、働く女性のうち、初めて妊娠した女性の約7割が仕事を辞めています。
いわゆる「M字カーブ問題」ですが、その解消のために、子育て支援、ワークライフバランス
の実現、育児休暇・介護休暇取得の促進、とりわけ男性たちがこれらの休暇を取得するよう
政策をすすめています。
さらに、アイヌであるなどの少数民族の人々、同和問題、外国人女性などへの複合差別、
性的マイノリティ問題など、困難を抱える人たちへの支援策を初めて盛り込みました。
次に、平和について、お話します。
「平和と平等は手を携えてやってくる」という、私の大好きな言葉があります。
第二次世界大戦後、1947年に施行された日本国憲法は、その九条で戦争の放棄を謳っています。
また、この日本国憲法で、日本の女性たちは初めて参政権を得て、両性の平等の条文、24条を
手に入れました。
だからこそ、私は、戦争の放棄、すなわち平和的生存権の確保は、男女平等、女性による政治
参加があってこそ実現するのだと思っています。
その平和的生存権を確保するために、日本は、非核三原則を国是とし、また武器の輸出を厳しく
制限する、武器輸出三原則を維持しています。
私が党首を務める日本社会民主党は、この日本国憲法を重要な指針とし、これを社会の中で活かす
政治を求めてきました。
だからこそ、日本社会民主党は、イラク戦争へのいかなる加担にも反対してきました。
また、北東アジアにおける非核化をすすめるべきと、北東アジア安全保障構想を提唱してきました。
そのビジョンは、中華人民共和国に大変努力していただいている六カ国協議や様々な決議に生かされて
いると思います。
もう一つ、皆さんに知っていただきたいことがあります。それは沖縄の問題です。
沖縄は、日本全土の0.6%の面積しかありません。
しかし、その小さな島に日本に駐留する米軍基地の75%が集中しています。
これを変えたいと努力しています。
今年5月末、ジュゴンやサンゴが生息する沖縄・辺野古の美しい海に新たな米軍基地をつくるという
内容の日米共同声明がだされました。
その声明に反対し、その対処方針を示した閣議決定に、閣僚の一人である私は署名を拒否し、大臣
を罷免されました。この問題についても、何としても政策転換をさせるべく、がんばっていきます。
「平和と平等は手を携えてやってくる」
国籍、人種、性別など、あらゆる差別や排外主義を退けていきましょう。
このことを世界中の女性たちの力で実現していきましょう。
今日、ここにお集まりのみなさん。北京世界女性会議の行動綱領は、いまだ、日本にとっても、
世界にとっても、道半ばの大きな目標です。
中でも、重要なのが「エンパワーメント」と言う言葉です。
この会議に集った私たちが、またそれぞれの国に戻り、国境を超え、他の国のことも自らの国の
こととして、あらゆる世界の女性たちがエンパワーメントし、この北京行動綱領をまた一つ一つ粘り
強く実行していくことが重要です。
私自身も、日本の中で、さらに男女平等をしっかりと実現していきます。
このフォーラムでの情報や成果も、日本にもどって、多くの仲間たちと共有していきます。
最後になりますが、このような機会をつくっていただきました中華人民共和国政府、また会議を
実現するために努力してこられた、All-China Women's Federationをはじめとするすべてのスタッフの
皆さんに感謝申し上げ、私のスピーチとさせていただきます。