福島みずほのどきどき日記

いのちのゲートキーパーに

 私は以前から超党派の議員連盟で自殺対策の活動をしており、自殺対策担当大
臣となった今、少しでも自殺者を減らすべく全力を挙げています。自殺者は年間
約3万人。10年間で30万人の方が亡くなっています。一人一人の人生とその
人の家族のことを思うと、本当に心が痛みます。

 昨年11月、自殺対策を担当する内閣府の政務三役と内閣府本府参与で構成す
る「自殺対策緊急戦略チーム」は「自殺対策100日プラン」を作りました。年
末年始にはハローワークで、心の健康相談や法律相談など「生きるための総合支
援」を行いました。

 東京のハローワークに視察に行きましたが、多重債務の相談をしていた人が
「時効になっていますよ」と言われ、短期間で解決。ホッとして帰っていきまし
た。法律相談などで救われることはたくさんあります。

 今年2月5日には、自殺総合対策会議で、「100日プラン」をベースに「い
のちを守る自殺対策緊急プラン」を決定しました。まず、一年中で一番自殺をす
る人が多い3月を自殺対策強化月間にしました。

 自殺対策緊急プランとして、ハローワークにおける心の健康相談、中小企業経
営者向け相談、連帯保証制度の在り方の検討、鉄道駅ホームや高層建築物からの
転落防止対策などを盛り込み、内閣を挙げて、対策を講じています。

 3月1日は新橋駅で自殺対策「お父さん眠れてる?」キャンペーンを展開しま
した。キャンペーンのポスターやチラシに「気づき」「共感」「つなぎ」という
言葉があります。内閣だけではなく、ぜひ自治体や企業と一緒になって自殺対策
に取り組んでいきたい。

 自死遺族の人たちと話をしていると、「まさか、と思った」と、言われること
があります。まさに本心だと思います。多くの人が自殺のことを自分にも起こり
得る大事な問題だと考えてもらいたい。

 失業保険が切れる前に自殺をしてしまった人もいる。その人を担当していた公
務員が「失業保険が切れても『こんなことができますよ』と言っておけばよかっ
た」と話をしているのを聞いたことがある。「これからみんなで話をしていきま
す」と聞いて心強く思いました。

 悩みを持つ人々と手紙のやりとりをしているお坊さんたちがいます。手紙を書
くことで悩みを相対化できるし、また、自分と向き合ってくれる人がいることを
確信することで「自分は一人ではない」と感ずることができます。

 手紙で、悩み相談に乗ることは骨の折れることです。そのことをやり続けてい
るお坊さんたちには、心底頭が下がります。ソーシャルワーカーの人たちと話を
すると、多くの人が、自殺の問題にかかわっていたり、関心を持っていたりして
いることが分かります。

 看護師さんから「自殺をして傷付いた人が病院に運び込まれて来る」といった
話や、薬剤師さんが「大丈夫ですか」と尋ねることで救われるケースもあると聞
きます。

 多くの人に「いのちを守るゲートキーパー」になっていただけるよう、働き掛
けていきます。雇用や社会保障の立て直しについても最低限やらなければなりま
せん。

(共同通信社会員制情報誌「Kyodo Weekly」3月15日号より)

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