福島みずほのどきどき日記

アテネでの社会主義インター理事会に参加

 7月1日(金)&2日(土)
 7月1日、2日、ギリシャのアテネで開かれた「社会主義インター」の理事会に出席し、東日本大震災・福島原発事故についてスピーチをしました。
 理事会として、エネルギー政策についての決議が採択され、本当に良かったです。
 会場の入口に日本から持参した、津波や被災地の現場の写真を掲示しました。多くの方々が見てくれました。

 社会主義インターとは、世界の社会民主主義政党の集まりで、ドイツやスウェーデン、デンマークなどの社民党、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの労働党、スペイン社会労働党など、実に多くの政党が加盟しているネットワークです。

 日本の社民党も加盟しています。
 
 議長はギリシャPASOKのパパンドレウさん、副議長は数名いるのですが、私もアジア枠で副議長です。
 メキシコやネパールの政党も副議長を持ち、セルビアのボリス大統領も副議長です。

 今回は約70カ国の約90の政党が参加しました。

 今回のテーマは3つ。
 ①アラブ世界の民主化
 ②中東和平
 ③原発-福島の教訓
 です。
 
 2日間の会議のうち、アラブの動きと中東和平については多くの議論が行われました。
 
 チュニジアから26歳の女性が元気一杯、ジャスミン革命について話をし、やはり若い男性がツイッターなどについて話をしたのが印象的でした。

 エジプトの女性がジャスミン革命の今後がどうなるか、軍部が力を持つこと、旧勢力の復活、新しい勢力など、3つの選択肢があるが、今後予断を許さず、困難ではあるがしっかり見ていく必要がある旨、発言しました。

 社会主義インターには、イスラエルから労働党ともう一つの政党の2つが加盟。そして、ファタハを含めてアラブからも政党が多く加盟をしているので、決議が続きます。

 決議にこぎ着けるまで多くの人が発言しました。

 西サハラの独立問題も大きなテーマでした。
 西サハラの政党の発言、西サハラのあるモロッコの反論、それにスペインが賛成し、アフリカ勢がそれに対して反論。東チモール問題のように、西サハラ問題は大きなテーマとして議論されました。

 私は「原発-福島の教訓」でスピーチをしました。
社会主義インターでスピーチ

 このスピーチに対して、スペイン、イタリア、キプロス、メキシコ、ベネズエラから応援のスピーチがありました。

 国民投票で原発ノーとなったイタリアからは、エネルギーは政策の問題であり、政治的ポリシーであり、民主主義の問題である。自然エネルギーに向かうべきであるという発言がありました。

 スペインの政権党である社会労働党からは、チェルノブイリの時によく話をしていればよかったのに、していなかったのでこんなことが起きて残念。ポジティブに未来に向かって話をしていくべきである、ストップ原発という話がありました。

 オーストリアは、2012年にグリーンエネルギーの会議で話し合っており、た太陽光エネルギーを推進すべき、キプロスは1974年からトルコに占有されており、トルコが原発を作ろうとしているが、トルコは地震が多く反対である、ベネズエラやメキシコも自然エネルギーの促進について話をしました。

 中東和平などについても決議が出されましたが、原発についても決議が出されました。

 タイトルは「福島の教訓と原発の未来」です。
 行った甲斐がありました。
 本当によかった。

 決議の最後の部分を紹介します。

 「社会主義インターは、いくつかの先進工業国の政府が、中期的には原子力エネルギー生産に終止符を打つようにし、経済的・社会的な仕組みと合わせて、進歩的なエネルギー生産に移行していくことを開始するために、最近行った発言の展開を緊密に注視していく」

 「最後に社会主義インターは『持続するグローバルな社会のための委員会』が、ここ数年取り組んできた重要な任務に新たな焦点を当て、その仕事に引き続き取り組むよう督励する。委員会は再生可能エネルギーの利用を呼びかけており、その報告書では、原子力エネルギーは中期・長期の解決策とはなり得ないし、放射性廃棄物の問題や、人間の生命の安全と環境へのリスクという問題を抱えていると強調した。
 社会主義インターとその加盟党は、改めて持続する世界を作るための作業を続けていく責務を強調する。そこでは、エネルギーはよりクリーンで安全であり、人々の発展を支えるものとなる」

 開催国のギリシャのパパンドレウ首相(社会主義インター議長)と
ギリシャのパパンドレウ首相と

 私のスピーチは下記をご覧下さい。  

 みなさん、おはようございます。社民党党首、参議院議員の福島みずほです。本日、この会議においてスピーチする機会をいただき、大変光栄に思っております。

 まず、今回の東日本大震災に対して、世界各国から、様々なご支援をいただきました。
心より、お礼申し上げます。

 3月11日、東日本で日本の観測史上最大となるマグニチュード9.0を記録した大地震が起こりました。この結果、最大38.9メートルにもなる大津波が発生し、東北地方の沿岸部を飲み込んでいきました。1万5000人を超える死者数、行方不明者は約7500人、避難者は約11万2000名に上っています。漁港や家が破壊されました。

 現在、様々な復旧作業が始まりつつありますが、遅れています。
 その理由は、今回の地震、津波によって、福島第一原子力発電所の事故が起きたからです。現在でも、原発事故の収拾はついていません。

 福島原発は、地震によって運転中の原子炉は自動停止したものの、すべての電源が失われ、燃料棒の冷却と使用済み核燃料を冷却できないという事態が発生しました。チェルノブイリと同じレベル7という深刻な事態となり、第1号機、第2号機、第3号機はメルトダウンし、格納容器の外に漏れ出す「メルトスルー」の可能性もあります。77万テラベクレルもの放射性物質が放出されました。事態は深刻です。

 現在、原発から30キロメートル範囲の人たちは避難をしています。また、年間被曝量20ミリシーベルト以上になる地域は、30キロメートル以上であっても全村避難が始まりました。他方、福島県下の学校に通う子どもたちについては、年間20ミリシーベルトの被曝量であっても通学できると通知しました。社民党は、子どもたちの命を考え、避難をさせるべきだと主張しています。また今回は、放射線汚染水が海に流されています。

 世界のみなさんに多大な被害を与えていることに心からお詫びを申し上げます。

 社民党は、今まで、日本で唯一の脱原子力の政党として原発の危険性を指摘してきました。今回の福島原発事故は、原発がいったん事故を起こした場合に、人間がコントロールできなくなるということ、原発震災の場合には、事故への対応や救助が極めて困難になるということを示しました。原発作業員も、相当の被ばくをしています。

 また今回の原発事故は、日本の原発の耐震基準は万全ではなく、津波対策も不十分であったことを露呈しました。これまで対策が不十分であることを指摘してきましたが、指摘されながらも対策を放置してきた政府や電子力行政の責任は極めて重い。

 日本には、現在54基の原発が建っています。これらの多くは、地震の発生が予測されるところに建っています。政府は、これから「世界一安全な原発をつくる」と言っています。しかし、その世界一安全な原発ですら、自然の脅威の前に、再び事故を起こしてしまうのではないでしょうか。社民党は、世界のどこにも原発を建てるべきではないと考えていますが、とりわけ日本に原発を建てることは危険です。原発と手をきるべきです。核と人類は共存できません。

 菅総理は、日本で最も危険な原発と言われる浜岡原発の停止を求め、その停止を実現しました。しかし、総理はすでにG8サミットで、原発の安全性を高め、原発は維持し、自然エネルギーを促進すると表明しました。またこういった方針の延長線上に、日本がベトナムなどに原発を輸出する計画があります。危険な原発の輸出は、何としてもとめなければなりません。

 私たち日本は、世界は、この福島原発事故から学ばなければなりません。

 いま、政府は、原発事故調査・検証委員会という独立の委員会を立ち上げました。社民党は、その検証結果を受けて、安全指針、安全基準を見直し、それを受けた対策が終了し、周辺住民の了解がえられなければ、少なくとも再稼動はあり得ないと主張しています。

 また日本政府が、IAEAに提出した報告書の中で、28の改善案を示しました。本来であれば、これもすべて実施しなければ、安全は確保できないはずです。しかし、政府は、その検証がすまないにもかかわらず、安全指針の見直しもしないまま、非公開の中で原発政策を決め、原発の再稼動をすすめる動きを見せており、社民党としても強く抗議しているところです。

 原発事故は、単に一国の問題ではなく、近隣諸国および全世界に影響をもたらす、大変な問題なのです。福島原発事故は、日本だけの問題ではなく、世界全体の問題です。

 社民党は、2020年までに原発ゼロに、2050年までに自然エネルギー100%の社会をつくるための「社民党脱原発アクションプログラム」をまとめました。

 科学技術が進歩している日本で、原発事故は起こりました。しかし、原発事故を防ぐことはできませんでした。日本も世界も脱原発に進まなくてはなりません。一旦、原発事故が起これば、たとえようのない莫大な被害をもたらします。また放射性廃棄物の処理は、解決できない問題です。日本も、世界も、脱原発へ向かうべきだと確信しています。

 人類と共存できない危険な原子力発電に頼るのではなく、そこにかけた人材、予算を自然エネルギーの分野にそそぎ、安全で共生可能なエネルギーへの転換のために、ともに力を合わせようではありませんか。ぜひとも、人類が新しい時代を生きるために、脱原発、そして自然エネルギーの社会へと力強く踏み出そうではありませんか。

 この社会主義インターナショナルが、理事会決議において、「脱原発」とはっきりと盛り込み、その動きの先頭に立っていただくことをお願いし、私の演説とさせていただきます。

 ノーモア ヒロシマ
 ノーモア ナガサキ
 ノーモア 原発事故

 社民党脱原発アクションプランについて、以下の資料を添付する。

 1. 福島第一原子力発電所事故の早期の収束と検証が必要。
 2. 2020年までに脱原子力、2050年までに自然エネルギー100%の日本へ。
 3. 東北地方は、自然エネルギーを復興プロセスの重点政策とし、2020年までに自然エネルギー100%の東北を実現へ。
 4. 被災原子炉は運転しない。
 5. 原子力発電所の新規建設は中止し、危険で老朽化した炉を順次廃炉に。
 6. 耐震、津波対策をはじめ、安全指針を全面的に見直す。
 7. 原子力行政、規制体制を全面的に見直す。
 8. 安全が確保され、住民の理解が得られるまで、原発の運転は行なわない。
 9. 当面の電力供給は、既存設備のフル稼働等でまかなうことが可能。
 10. 当面のつなぎとして、効率のよい天然ガスコンバインドサイクルを活用。
 11. 核燃料サイクル計画の停止と放射性廃棄物の扱いに関する国民的議論を。

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