福島みずほのどきどき日記

使用済み核燃料の直接処分に関するコスト計算隠蔽問題に関する質問主意書&答弁書

 2月10日(金)
 2月2日に提出した「使用済み核燃料の直接処分に関するコスト計算隠蔽問題に関する質問主意書」に対する答弁書が今日届きました。


 二○○四年三月十七日の参議院予算委員会において、私は使用済み核燃料を直接処分した場合のコスト試算(以下「直接処分コスト試算」という。)が存在するか質問したのに対して、直接処分コスト試算が存在するにもかかわらず、日下一正資源エネルギー庁長官(当時)は、存在しないとの虚偽答弁を行った。
 その後の報道によって、直接処分コスト試算が存在することが明らかとなり、中川昭一経済産業大臣(当時)の下で調査が行われ、大臣を含め十四名の処分が行われた。本件は、我が国の核燃料処理方法に関する政策決定に影響する極めて重要な問題である。よって、以下質問する。
 
 一 直接処分コスト試算に関する国会虚偽答弁に関する経済産業省作成の報告書について
 1 同報告書は存在するのか。存在するのであれば、これを公開すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
 2 同報告書が存在しないのであれば、それはなぜか。十四名の処分者を出しながら、報告書がないとすれば、それ自体が経済産業省の隠蔽体質を表しているのではないか。政府の見解を示されたい。
 3 本件について経済産業省が行った調査において聴取された二十五名全員の名前と当時の肩書を明らかにされたい。

 二 直接処分コスト試算に関する国会虚偽答弁に関する事実の確認について
 1 安井正也原子力政策課長(当時)は、本件調査時に、経済産業省に対して、直接処分コスト試算の存在をいつ知ったと報告しているか。
 2 本年一月一日付毎日新聞の報道で、記者が入手した経済産業省関係者のメモによると、二○○四年四月の時点で、部下から直接処分コスト試算の存在を伝えられたところ、同課長(当時)は、部下に「世の中の目に触れさせないように」と厳命したとされる。これは事実か。政府の承知するところを示されたい。
 3 これまでの調査報告によると、同課長(当時)は、直接処分コスト試算の存在が報じられた二○○四年七月にこれを知ったはずである。前記2が事実であれば、同課長(当時)は、経済産業省の調査に対して虚偽の報告をしていたことになるが、政府の見解を示されたい。
 4 同課長(当時)の報告と事実が違うのであれば、改めてこの事実について調査の上、再処分が必要と考えるが、政府の見解を示されたい。

 三 使用済み核燃料処理に関する政策について
 1 経済産業大臣の諮問機関である総合資源エネルギー調査会の電気事業分科会では、二○○四年五月、複数の委員から直接処分コスト試算を求める意見が出ていた。前記二の報道が事実であれば、同課長(当時)は、この時点で既に直接処分コスト試算の存在を認識していたことになる。にもかかわらず、これを故意に隠蔽し、公正な議論を妨害したと考えるが、政府の見解を示されたい。
 2 その後、同分科会は、同年六月、約十九兆円もの再処理コストを事業用及び家庭用電気料金に上乗せし、国民に巨額の負担を強いる新しい制度の導入案をまとめた。同課長(当時)の行動は、あらゆる選択肢を示すことなく、国民に大きな負担を強いる政策へと誘導したと考えるが、政府の見解を示されたい。
 3 あらゆる政策決定においては、入手できるすべての選択肢を用意しながら、その是非を検討し、安全性やコストなどの観点から、国民にとって最適なものを決定すべきではないか。本件の事実が明らかにしたのは、国内全量再処理という国策が、十分な政策的検討を経ることなく決められているということである。よって、国内全量再処理という政策は、改めて直接処分コスト試算の結果を明らかにした上で、再検討されるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
 4 本件の隠蔽を行ってきた同課長(当時)は、現在、原子力安全規制改革担当審議官の任にある。東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて、国民が経済産業省に対して、事実に基づき、これまでの原子力政策を真摯に反省し、「改革」を求めている極めて重要な時期に、同氏が、原子力安全規制改革担当審議官の任にあることは、極めて不適格であると考えるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。


 参議院議員福島みずほ君提出使用済み核燃料の直接処分に関するコスト計算隠問題に関する質問に対する答弁書

 一の1及び2について

 御指摘の国会答弁については、経済産業省において、事実関係の調査(以下「当該調査」という。)を実施し、その結果に基づいて関係者の処分を行っている。当該調査の結果については、報告書として取りまとめてはいないが、平成十六年八月五日に、当時の中川経済産業大臣及び同省職員が記者会見においてその内容を説明している。

 一の3及び二の1について
 当該調査においては、公表しないことを前提に調査対象者への聴取を行っており、その氏名及び肩書並びに聴取した個別具体的な内容については、これを明らかにした場合、今後、職員に対する同様の調査の実施に影響を及ぼすおそれがあることから、お答えすることは差し控えたいが、当該調査においては、答弁作成時に御指摘の職員が「直接処分コスト試算」の存在を知っていたという事実は確認できなかったと結論付けている。

 二の2から4まで並びに三の1及び2について
 当該調査においては、御指摘の報道にあるような事実は確認されていない。
なお、平成十六年の総合資源エネルギー調査会電気事業分科会においては、「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」(平成十二年十一月二十四日原子力委員会決定)における「使用済燃料を再処理し回収されるプルトニウム、ウラン等を有効利用していくことを国の基本的考え方とする」との方針や、「エネルギー基本計画」(平成十五年十月七日閣議決定)における「我が国としては核燃料サイクル政策を推進することを国の基本的考え方としており、これらのプロセスのひとつひとつに着実に取り組んでいくことが基本となる」との方針を前提に、バックエンド事業に関する制度及び措置の在り方について検討を行ったものであり、使用済燃料を再処理しない場合のコストを含めた「あらゆる選択肢を示す」ことは検討の対象ではなかったものと承知している。

 三の3について
 現行の核燃料サイクル政策については、「原子力政策大綱」(平成十七年十月十一日原子力委員会決定)の策定過程において、使用済燃料の取扱いに関して直接処分の場合を含む四つのシナリオを定め、それぞれについて、安全性、技術的成立性、経済性、エネルギー安定供給、環境適合性、核不拡散性、海外の動向、政策変更に伴う課題、社会的受容性、選択肢の確保の十項目の視点から評価した結果、決定したものである。

 今後の核燃料サイクル政策については、原子力政策の見直しを議論していく中で、しっかりと議論を行っていくこととしており、「「革新的エネルギー・環境戦略」策定に向けた中間的な整理」(平成二十三年七月二十九日エネルギー・環境会議決定)を踏まえ、エネルギー・環境会議の下に設置されたコスト等検証委員会において、直接処分の場合を含む核燃料サイクルコスト試算を行ったところであり、現在、原子力委員会において、核燃料サイクルの選択肢の提示に向けた議論を行っているところである。
 
 三の4について
 御指摘の職員については、枝野経済産業大臣の下、適切に職務を遂行しており、御指摘は当たらないと考える。

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