福島みずほのどきどき日記

予算委員会議事録(2012年3月16日)

 福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。
 消費税増税についてお聞きをいたします。今までの税収の推移を見てください。(資料提示)所得税、法人税ががあっと下がって消費税が上がっています。なぜか。所得税の最高税率を下げ、そして法人税もどんどん下げてきたからです。
 これは極めてバランスが悪いというふうに思っています。この消費税だけ増税ありきで今回いくことにも、若干所得税の最高税率も変えますけれども、この点については問題だと思います。
 総理、消費税増税に踏み切る前にやるべきことは全部やったと言い切れますか。

 内閣総理大臣(野田佳彦君)
 まず、これ、今お配りいただいた資料ですけれども、いろいろ景気が余りよくない状況が続きました。加えて、累次の減税があったりして所得税は下がってきている。所得再分配、調達機能が落ちているということだと思います。法人税は、まさにこれは景気動向に影響すると。消費税が大体九兆、十兆で安定しているということは、こういう景気動向に左右されずにできるという財源であるということから、むしろ社会保障支えるには消費税の方がいいだろうという、そういう議論があるということは是非お含みおきをいただいた上で、今のお尋ねの、私ども今提起しているのは、社会保障を支えるための消費税の引上げは、まず二〇一四年の四月ということでございますが、それまでにやるべき改革、身を切る改革としては、政治改革や行政改革等ございます。
 今、メニューとして、行革だと特別会計の改革とかあるいは独法の見直しとかいろいろやりますが、そこに掲げている見直しを全て二〇一四年の四月までにはやり遂げていきたいというふうに考えております

 福島みずほ君
 所得税と法人税が下がったのは、単に景気だけではありません。実際、所得税の最高税率をがんがん下げてフラット化してきた。法人税もどんどん下げてきた。その理由だと思います。
 総理、でも、今年度の予算でも、防衛予算、原発予算、思いやり予算、外環道路の予算など、大きく切り込んでいないじゃないですか。
 法人への課税については、例えば繰越欠損金控除額は二〇〇九年で九・九兆円に達しています。
大企業で法人税払っていない企業もいるんですよ。そもそも法人税払っているのは三割ですが、こういうことは見直すべきではないですか。減価償却制度についても見直しをすべきだと思いますが、いかがですか

 国務大臣(安住淳君)
 法人が上げた所得、利益に関して課税でございますから、赤字法人は課税されないわけですね。ですから、景気の変動があるということは総理御説明あったとおりなんですが、法人税を下げるということに対して……
(発言する者あり)
 まず、法人税のことの質問だったものですから。
 だけど、福島さん、これは世界の中で俯瞰して見ないといけない部分もやっぱりあるんじゃないでしょうか。やっぱり日本の企業が元気になって収益を上げないと、世界で比べると、特にお隣の韓国等とよく比較されますけど、法人税は日本は地方分を含めると高いと言われていたわけですね。
 ですから、それが企業全体の収益の足を引っ張ることになれば、お勤めになっているやっぱり月給取りの人たちにも影響ありますから、そういう意味じゃ、やはり税収の問題もあるんですが、やっぱりここは法人税を引き下げて競争に打ち勝ってもらうということを今回、そういう趣旨も含めて引下げをしたということです。

 福島みずほ君
 法人税の引下げはあるんですが、例えば定率減税などの廃止。
 次、ちょっと見てください。ずうっと、春闘の最中、まあ春闘も少し今終わりがけですが、一年の平均給与と一か月の平均世帯の収入です。国民の皆さんも給料がどんどん減っている。世帯によっては百万円減った、そう思っていらっしゃる方が非常に多いと思います。
 今、デフレですよね。デフレ脱却を政府は掲げています。でも、こんなに給与が下がり続けて消費税上げたら、どうしてデフレ脱却ができるんですか。

 国務大臣(古川元久君)
 今、政府としても、とにかくデフレ脱却を最優先のマクロ経済政策の課題として取り上げております。そして、政府と日銀と一体となって一日も早いデフレ脱却に向けて力を注いでいるわけでございまして、そういう意味では委員と認識は、考え方は一にしていると思います。一日も早くデフレを脱却し、そしてまた個々人の可処分所得が増えるような状況をつくっていかなければいけないと。
 そのことと、あと財政のやっぱり健全化といいうのは、これはヨーロッパの政府債務危機の状況を考えても、これはやはり経済の再生、デフレからの脱却と財政の健全化、これはやっぱり一体としてやっていかなければいけない問題だと思います。
 やっぱり中長期的な、安定的な経済成長を実現するためにも、財政が破綻をしてしまえば、今ギリシャなどで起きていることを考えていただいても、景気の有無にかかわらず、どんなに悪いような状況の中でも増税したりとか社会保障をカットしなきゃいけない、やっぱりそういう状況があるわけであります。
 そういった意味では、財政に対する信認を確保しつつ、同時にデフレからの一日も早い脱却を図って経済再生を図っていく、それが内閣としての考え方でございます。

 福島みずほ君
 デフレ脱却、その点は一致しているとおっしゃいましたよね。でも、デフレ脱却でなぜ消費税なのか。法人税は下げるし、累進課税についてもほとんど手を入れない。
 法人税のことでも、例えば法人税を上げることについては議論があるかもしれませんが、租税特別措置を徹底的に今見直す、廃止していくことは必要だと考えます。二〇一〇年の税制大綱で二百四十一件あった租税特別措置のうち百七十件を見直しの対象にしました。しかし、現在で廃止になったのはたった二十九件のみです。こういうところをしっかり見直すべきじゃないですか。国民も疲弊していますよ。こんなんでやったら、物買えない、内需拡大なんかやれないですよ

 国務大臣(安住淳君)
 これは、租特の透明化法は御一緒に、たしか社民党も賛成していただいたと思うんですけど、調査をしているわけです。間もなくこの結果が出てくるので、それに基づいてまた与党としては租特の廃止等について更に議論を深めたいと思います。
 しかし、これ、二十九しか廃止していないじゃないかと言いますけれども、この二十九も大変なことなんですよ。戦後の様々なやはり租税特別措置というのはありましたから、そういう意味じゃ私は大きく前進をしていると。透明化法によって更に情報が開示されますので、それをベースに、私は政府の税調会長ですけれども、更に租特の見直しというのは進めていきたいと思います。

 福島みずほ君
 でも、法人では繰越欠損金控除額が九・九兆円、また租税特別措置も大量にあるわけです。こういうところを見直すということをきちっとやるべきであって、私は、野田政権の最大の問題は消費税増税ありきが前面に来ているということなんですよ。ここが本当に問題だと思います。
 次に、さっきも議論にありましたが、経済が好転したら消費税引上げが条件となると。この好転の指標を教えてください。

 委員長(石井一君)
 古川戦略大臣、簡潔にお願い申し上げます。

 国務大臣(古川元久君)
 何か一つの指標を取り上げてということではなくて、消費者物価上昇率とか様々な経済指標を見て、総合的に勘案して判断をするということでございます。

 福島みずほ君
 消費者物価指数、幾らぐらい考えていますか。GDP上昇、どのぐらい考えていますか。

 国務大臣(古川元久君)
 それは具体的な数字ではなくて、その状況を見て総合的に経済状況を勘案するということでございます。

 福島みずほ君
 それでは国民には全く分かりません。国会議員にも分からないですよ。政府が判断したら好転したということになりかねない。国民と何の約束にもならないですよ。これは消費税を上げるときの条件と言いながら、結局何の役にも立たないんですよ。
 再増税条項も問題だと思います。一五年十月に消費税率を一〇%に引き上げた後も、一六年度をめどに必要な法制上の措置を講ずる。消費税上げてまた一六年度にこの増税が織り込まれている。
 これはひどいと思いますよ。今回この法律通したらまた一六年度に増税が出てくる、これには反対です。

 国務大臣(岡田克也君)
 ここは基本的考え方が違うんだと思います。ですから、いろんな条件が満たされれば消費税引上げはやむを得ないというふうにお考えいただくのか、それとも何が何でも反対だと、そういうふうにお考えなのかで、多分委員は私は消費税増税には絶対反対だというお立場だと思います。そういうお立場でいろんな条件の話をされても、それはむしろ反対だとはっきり言われた方が私は分かりやすいんじゃないかというふうに思うんですね。
 私はやはり、今のこれだけ借金をしながら社会保障を含めてやっているような状況はやはりまずいと、そういう基本認識に立って、何とか社会保障制度を持続可能にするためにもその増税というものはやむを得ないというふうに考えているわけでございます。

 福島みずほ君
 社民党は消費税増税に反対です。
 そして、所得税や法人税を下げ続けてきたことに根本的に問題もあり、法人税に対する特別優遇、いろんな措置もそれは公平な観点から見直すべきだというふうに考えています。また、いろんな無駄や原発予算や防衛予算や、いろんなところにももっともっと切り込むべきだと考えています。
 そして、今、多くの方がそうだと思います。消費税を今上げられるんですかということなんですよ、消費税を今上げるときなんですかということなんです。さっきも見ていただきましたが、どんどん賃金も下がっているわけですね。
 もう一つ、負担をちょっと見てください。今、消費税を上げるべきときなのか。消費増税による家計の年間負担増、二百五十万で十一万、そして一千万で二十二万。これだと、要するに年収が少ない人ほど負担が掛かるという逆進性が明確に出ています。
 そして、御存じ、これだけに今回負担はとどまりません。かつて消費税導入したときと五%に上げたときは減税も一緒にセットでやりました。だから、今回もし消費税を上げれば、一〇%に上げれば、初めて純増税になるんですね。しかも、消費税以外に復興増税、住民税の年少扶養控除の廃止、子ども手当の減額、厚生年金の保険料増加と、とりわけ子育て世代、分厚い中間層がすり減っていく、そんな形になっております。
 総理、この消費税の逆進性、これは極めて問題だと社民党は思っています。餓死者が出るような時代に、これ、逆進性、これをどうやって克服すると思っていらっしゃいますか。これをどうやったら解決できるんですか。できないでしょう。

 国務大臣(安住淳君)
 まず、その資料は政府の出しているものではないですね。それで、ちょっと、額を国民の皆さんにお見せしているので、それで、それは正確かどうかというのをちょっと議論をしないといけないと思っておりました。
この二百五十万から一千万までで、影響が八パー、一〇パーで、これ七万から十三万、十一万から二十二万とあると言いますが、これは課税対象支出と非課税対象支出、全部ごちゃ混ぜにして、だから、それを全部含めるとこういう大きい数字になる可能性はあると思うんです。普通、そうであれば、非課税対象のものを、例えば授業料とか
医療費とか、そういうものはちょっと分けて考えていただいて資料として数字を出していただかないと、独り歩きするのはよくないと思って私それを申し上げるということでございます。
 それから、逆進性は私どもも非常に問題意識持っています。ですから、朝から御議論あって、私どもとしても、マイナンバーというものをつくって、その上で税額の控除や給付を考えようというふうには思っていますが。

 福島みずほ君
 マイナンバーという名の国民総背番号制ですが、できるのは二〇一五年以降でしょう。一体いつできるんですか。
 しかも、マイナンバー、これ極めて問題だと思います。個人情報保護法で、マッチングをしないということが条件でしたが、これはマッチングをして一つの情報が集中する、それが万が一漏れたり成り済ましなどが起きたら極めて問題だと思います。マイナンバーそのものにも問題ですが、マイナンバーでやったとしても収入の捕捉が全部きちっとできるわけではありません。しかも、この制度ができるのは二〇一六年以降でしょう。結局、消費税を導入するときには間に合わないし、役立たないんですよ。
 どうやって捕捉するんですか。マイナンバーやったってどうやってその逆進性を克服できるんですか。

 国務大臣(岡田克也君)
 古川大臣が答弁される前に、やっぱり議論の前提が消費税を増税するかしないかという、そういう議論の仕方を、立て方をすれば、それはやはり消費税増税しない方がいいというふうにお答えになる方は多いと思います。
しかし、消費税を増税することで社会保障を賄うと、我々はそういうふうに考えているわけですが、消費税を増税しなければ社会保障制度が持続可能じゃないと、そういうふうに考えれば、社会保障、例えば国民年金にしても医療にしても介護にしても、そのサービス内容は基本的に所得の多い少ないによって変わるのではなくて、同額のサ
ービスがなされるということですから、消費税で、所得の多い人にはそれだけ消費税は多く掛かりますが、そのことと同時に給付のところで二重に所得の再配分がなされるわけで、私は、消費税だけを見て、何といいますか、所得の少ない方に厳しい、そういうふうに一方的に言うのはいかがなものかと、歳出も含めて議論すべき話ではないかというふうに思っております

 福島みずほ君
 それに反論したいですが、消費税そのものが間違いなく逆進性があるのは確かじゃないですか。社会保障があったとしても、その前に、物を買う段階で、病院に行く前の段階で、可処分所得が少ない人たちにとって打撃じゃないですか。しかも、貧しい人たちだけじゃないですよ。賃金が全員、みんな下がり続けている中で、消費税だけにとりわけこの内閣が着目をしてやろうとするのか。それは、今消費税を上げられる状況にないでしょうということなんですよ。
 さっきのマイナンバーに関して、間に合わない、逆進性が克服できないという点についてはどうですか

 国務大臣(古川元久君)
 マイナンバーについて何点かだけ短く申し上げますけれども、所得把握できないとおっしゃいましたけれども、今より間違いなく、正確な所得把握が可能になることは間違いありません。これは、社民党さんもたしか納税者番号制度を導入しろというふうにおっしゃっていたと思うんですけれども、また、様々な懸念があることについては私どもも承知しております。
 そういった意味では、特定個人情報をそれぞれの機関で分散管理したり、利用範囲や情報連携の範囲を法律に規定したり、また、三条委員会型の独立性を有する個人番号情報保護委員会が監視、監督するなど、様々なそうした成り済まし等を防ぐ措置はとっていきたいというふうに思っております。
 番号制度については、平成二十七年度の一月から、できる範囲から利用を開始をしていきたいというふうに思っております。
 逆進性対策につきましては、それがスタートすれば給付付き税額控除とか、様々なものも検討されていくと思いますが、それ以前においても、午前中の審議でもありましたけれども、どういう形で給付型のことを何かできるかと、そのことについてはこれから検討しているというところであります。

 福島みずほ君
 逆進性についてはこれから検討するということなんですよ。しかも、マイナンバーで仮にスタートした、それには反対ですが、スタートしたとしても、それが本当に捕捉ができるのか。今よりはましになるけれども完璧な捕捉ではないですよ。給付金補助付きの控除が本当にうまくいくのかどうかと思います。
 結局、今回決まっている社会保障と税の一体改革の中では、社会保障については、正直、厚生労働省が今まで提案してきたことをホッチキス留めしているものですよ。ホッチキス留めして、そんなに新しくはない。そして、決まっていることは消費税を上げること、もう一回再増税がある可能性が高いということなんですよ。これでは国民は、自分の生活はどうなるかと思うと思います。
 総理、かつて、自民党政権下ですが、定率減税を廃止をして、それを年金の基礎財源に充てるとしていました。しかし、これは基本的に、少しだけ充てましたが、二兆幾ら、充てられませんでした。お金に色は付いておりません。社会保障と言ったところで本当に社会保障に使われるのか、むしろ財政規律のためではないかというふうに思います。

 委員長(石井一君)
 総理、一言で総括してください。

 内閣総理大臣(野田佳彦君)
 いや、じゃどうしろと言うんでしょう。所得税を上げろという話ですか。それは現役世代の負担を増やすだけじゃないですか。それでいいんでしょうか。おかしいでしょう。法人税上げるんですか。国際競争力なくなりますよ、雇用保てませんよ。防衛費削るんですか、この厳しい環境のときに。
 その意味から、安定した財源は何かという議論をしているんです

 委員長(石井一君)
 以上で福島みずほさん、社会民主党の質疑は終了いたしました。(拍手)

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