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福島みずほのどきどき日記

政府の秘密取扱者適格性確認制度について

 4月11日(水) 
 政府が今国会に提出を断念したとされる「機密保全法案」については、その審議過程の議事録が全くない、ということで問題になりました。それでも関連資料を提出してもらうと、その中に「秘密取扱者適格性確認制度」というものがあり、その内容は不開示ということで真っ黒に墨塗りされて提出されました。
 そこで、その内容に関する質問主意書を提出、その答弁が出てきましたので是非お読みください。

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 <質問主意書> 

 秘密取扱者適格性確認制度に関する質問主意書

 政府は秘密保全法を制定するべく検討を進めており、その法案の検討段階での有識者会議で「秘密取扱者適格性確認制度」について議論が行われている。しかしながら、この制度に関する議論及び検討資料がすべて公開されておらず、これらは国民に広く開示されるべきと考える。そこでこの制度の現状等について、以下質問する。

 一 この「秘密取扱者適格性確認制度」は、いつ創設されたものか。また、この制度の創設に係る背景を含めて、この制度の意義及び必要性について、政府の見解を示されたい。

 二 米国に同様の制度として「セキュリティ・クリアランス」があり、機密のレベルに応じて四段階の対応レベルがあるとのことだが、日本の「秘密取扱者適格性確認制度」には、複数段階の取扱い区分があるのか。

 三 秘密取扱者は、国の機関の場合、どのような役職の者が対象となりうるのか。また、自治体、民間団体、企業などに所属する者は対象となりうるのか。

 四 平成二十三年四月八日に開催された「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議(第三回)」の議事要旨について
 1 「秘密取扱者適格性確認制度」を法制度上明らかに位置づけることが検討されているが、現時点でのこの制度の根拠法令は何か。また、現在、法制度上位置づけるための検討はなされているのか。

 2 制度の透明性を高めるため調査項目を明らかにすることが適当という意見と、明らかにしないことが適当とする意見が議事要旨に記載されているが、その後どのような方針に決定されたのか。

 3 秘密取扱者の適格性確認を行う場合、対象者本人の同意を得てから照会することを法令上規定するかについて議論されているが、現在は対象者本人の同意を得ないで行っているのか。

 4 自治体等に対し、この法制に基づく照会についての情報公開が請求された場合、「存否応答拒否」を行うかどうか議論がなされた旨が議事要旨に記載されているが、その後どのような方針が決定されたのか。

 五 現在、秘密取扱者と認定された者は何人いるのか。また、その内訳について、国家公務員、地方公務員、民間団体職員及び企業社員別にそれぞれの人数を明示されたい。

 六 「秘密取扱者適格性確認制度」の対象となった者で、不適格者となった者はいるのか。不適格者となった者がいる場合、その人数を明らかにされたい。

 七 特別管理秘密取扱者に対する研修制度に関して、その研修受講者の延べ人数を明らかにするとともに、研修科目や研修日程など、研修の内容を具体的に明示されたい。

  右質問する。

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 <答弁書>

 参議院議員福島みずほ君提出秘密取扱者適格性確認制度に関する質問に対する答弁書

 一について
 御指摘の秘密取扱者適格性確認制度は、外国情報機関による我が国に対する情報収集活動が行われる中で、我が国の重要な情報を保護するため更なる対策の強化が必要であることから、特別に秘匿すべき情報(以下「特別管理秘密」という。)について厳格な管理を行うため、「カウンターインテリジェンス機能の強化に関する基本方針」(平成十九年八月九日カウンターインテリジェンス推進会議決定。以下「基本方針」という。)において定め、平成二十一年四月一日から実施しているものである。
 同制度は、特別管理秘密を取り扱う者に関して基本方針が定める政府全体としての統一的な基準に従い、各行政機関において運用しているものであり、あらゆる情報活動の前提となる情報保全の徹底を図るという観点から、必要なものであると認識している。

 二について
 職員に取り扱わせる特別管理秘密の内容に応じ、複数に区分した適格性の確認を行っている行政機関もある。

 三について
 特別管理秘密を取り扱う者は、国の行政機関における事務遂行上の必要性に応じて当該行政機関の職員の中から選定されるものであり、必ずしも役職により決まるものではない。また、地方自治体、民間団体、企業等に所属する者は、特別管理秘密を取り扱うことについての適格性の確認の対象とはしていない。

 四の1について
 秘密取扱者適格性確認制度については、これを定めた法令はなく、基本方針に基づき、各行政機関において職員の任用に関して任命権者の権限の範囲内で運用しているものである。
 秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議が平成二十三年八月八日に取りまとめた「秘密保全のための法制の在り方について(報告書)」(以下「報告書」という。)においては、秘密情報を取り扱う者がその適性を有するかどうかを判断する適性評価制度の法制化について提言されており、政府としては、報告書を十分に尊重の上、秘密保全に関する法制の整備のための法案(以下「法案」という。)について検討を行っている。

 四の2について
 報告書においては、適性評価制度について、調査事項を公開すること及び評価基準を非公開とすることが提言されている。なお、四の1についてでお答えしたとおり、法案について現在検討中であることから、政府の方針を現時点でお答えすることは困難である。

 四の3について
 適格性の確認は、各行政機関において、職員の任用に関して任命権者の権限の範囲内で実施しているものであり、必ずしも本人の同意を得て行っているものではない。

 四の4について 
 四の1についてでお答えしたとおり、法案について現在検討中であることから、政府の方針を現時点でお答えすることは困難である。

 五について
 特別管理秘密を取り扱う適格性を有し、特別管理秘密を取り扱うことができるとされている国の行政機関の職員は、平成二十三年末時点で、五万三千百六十二人となっている。

 六について
 お尋ねの不適格と判断された者の人数については、秘密取扱者適格性確認制度の具体的運用に関わることであり、政府の情報保全に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えたい。

 七について
 特別管理秘密を取り扱う者に対して実施している研修の内容や日程については各行政機関によって異なるが、情報保全の重要性、特別管理秘密の取扱手続、事案対処要領等に関する研修を定期的に実施している。なお、当該研修を受講した者の正確な延べ人数については把握していない。

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