福島みずほのどきどき日記

福島みずほ最新講演録

福島みずほと市民の政治スクール 2012年 永田町 第4回(2012.5.17)
                   福島 みずほ「福島みずほの国会奮闘記」

 みなさん、こんにちは。いつも政治スクールでは私は短時間の国会の状況の説明ですが、一回はたっぷり国会のことをお話ししたいと機会を設けました。
 ひとつは政治が身近になって頂きたいし、皆さんたちの中から政治の場に出て来る方があると嬉しいです。

 第1 政権交代:小泉構造改革転換、生活再建、国民の生活が第一、労働者派遣法案、郵政改革法案、消費税増税させない
 なんで政権交代が起きたのか、そして政権交代後、与党に入ったけれども、何をめざして頑張ったのか。一つは、小泉構造改革からの転換というのがとてもやりたかったことです。格差が拡大し、非正規雇用が拡大した小泉・竹中の小泉構造改革はきちっと総括・検証し、転換すべきだと思っています。先日のバス事故や、非正規雇用の増加も、小泉構造改革のものすごい規制緩和が背景にあります。
 また、毎年2200億円ずつの社会保障費カットで、医療やいろんなものがこわれてしまった、それをどのように元に戻し、生活再建をするかも課題でした。その政権交代後、今はどうなのか。私の罷免の原因となった沖縄の基地問題でも、それから現在の消費税問題でも、連立時には、沖縄の負担軽減、消費税増税なしの三党合意があったのですが、外務省や財務省に操られ、本来の政治主導、国民の立場での政治のコントロールができていません。

 第2 鳩山→菅→野田
 小泉構造改革からの転換と言っていたのが元に戻って新自由主義的な側面が出てきていますし、野田内閣は消費税増税、TPP参加、原発再稼働推進で本当に問題です。もう一度、政治にみなが何を求めていて、本当は何をすべきかを考え直したいと思っています。二年前の連立離脱にはいろいろ意見があるかもしれませんが、大切なのは、どこにいないと何ができないということではなく、何をやりたいかという信念です。その実現のためにどれだけの多くの人とどのように手をつないで政治を変えるか、というように問題を立てないと、道を見失うと思っています。

 第3 国民不在と二大政党制の問題について
 私は社民党の数を多くしたいのです。例えば一つは、党首討論ができるようになりたい。現在、党首討論ができるのは自民党と公明党だけです。小選挙区制の下での二大政党制は非常に政策が似てきて、党首討論も難癖をつけるような非常に面白くないものです。国民のためにいい論争をして論点を明らかにして、法案を審議し、現実を変えることを一生懸命やるべきなのにそうなっておらず、国民不在のまま、各党のバラバラな思惑で動いています。国民にとってどうなのかと問題を立てながらやっていきたいと思っています。

 第4 雇用と社会保障
 今の国会の中では社会保障のテーマがとても大きく、雇用が弱くなっています。派遣法改正法案の審議では、これだけ雇用が壊れても自民党は規制強化に反対と言っています。非正規雇用が4割、年収二百万以下の人が千二百万人、就活での自殺の増加という中で、雇用の規制や、もっとどのように雇用を作るかの議論が必要ですが、残念ながら国会でそこは弱い。人間らしい労働のための規制を政治としてどうやっていくか、労働憲章を国会で作っていきたいと思っています。
 社会保障ですが、今まで厚労省がやろうとしたことのホチキス止めが、今回の社会保障と税の一体改革の社会保障部分で、抜本改革までは行っていません。

 第5 消費税
 第4の社会保障からもわかるように、社会保障と税の一体改革の特別委員会は、実は消費税を上げるための委員会だと私は思っています。この間ずっと法人税は下げ続け、所得税の累進税率も下げ続け、消費税が基幹税化してきていますが、今この状態で消費税は上げるべきではないと思います。一つは年金や年収二百万以下の人にとって負担が大きくなること、それから税の還付のある輸出大企業は困らないが、中小企業や零細な商店などでは価格への転嫁ができず、倒産につながる可能性があります。

 第6 原発問題について
 私はこれまでも、美浜、志賀、柏崎刈羽などの事故の調査に入り、原発が安全だと思ったことはありません。今回の震災では岩手も宮城もほんとうに被害を受けた。でも、福島の原発事故は、原発震災、まさに放射線量が高くなって対応ができないという事態でした。
原発問題については、まず被災者救済が課題です。一番のポイントは原因の立証ですが、どういう法案を作るかとか、健康手帳を皆に配る法案など、国会では超党派での議論の最中です。けれども、今、現在進行形で被曝があることがなかなか一般の人に伝わりにくくなっているのではないか、とても気になっています。
 次に脱原発に向けてですが、二つ獲得すべきことがあります。一つは政府がはっきり脱原発の選択をすることで、これを働きかけるように私たちは運動を強化しなければならないと思います。もう一つは、再稼働をさせない。再稼働で一番シンプルなクリアなことは、福島で地震の予測が間違っていたのだから、基準と指針をやりなおさなくちゃいけないのです。けれども、①事故調査の究明が終わっていない、国会の事故調査委員会はやっている最中、政府の委員会は最終報告書がまだである、②原子力規制庁はできていない、よって③指針・基準の見直しはできていない、あと、④活断層の存在がいろいろ言われていて、現地で調査をして、地震の想定を根本からやり直す必要がある、それから⑤専門家からの疑義がある、とか、⑥原子力防災協定、原子力災害対策マニュアルの改正もしていない、これは3月11日より前で見直す必要がある、で、⑦地元の理解も了解もない。3月11日以降、人々の意識は変わりましたが、原子力帝国は全く変わっていないのです。でも、それを変えるのも、ほんとうに私たちの力だと思います。
 ここでSPEEDIについてお話します。去年の事故の後、ツイッターでSPEEDIのことを知り、予算委員会で要求して出してもらいましたが、これが早く出ていたら被曝が減ったのではないかと言われています。現在、19の県はSPEEDIの端末を持っていますが、この2月に文科省は、原子力発電所から30キロ圏内でSPEEDIの端末を持たない府県から計算結果の情報提供について要望があった場合、対応すると発表しました。そこで滋賀県は3月に被害の計算を依頼したのですが、回答がなかなか出ず、なんと5月になってから、滋賀県は該当県には当たりません、というのが来たのです。理由は4月にできるはずだった規制庁がまだできていないからとのことでした。一方で、規制庁ができていなくても、あの保安院と原子力安全委員会がOKで再稼働OKと言っているわけで、ひどい話です。大飯原発を再稼働する前に滋賀県に情報を出したくないのだと思いますが、本来、情報は誰のものか、と私は怒っています。報道だけではわからない、こういうおかしいことについても知っていただきたいし、きちっと対処していきたいと思っています。

 第7 憲法について
 2007年5月、安倍政権で日本国憲法の改正手続きに関する法律が成立しました。私は、今、は憲法改正をするような議論をするべきではないと思っています。特に被災地のことを考えると、憲法改正よりも憲法価値の実現こそ必要ですが、現在、国会空転の中で衆参の憲法審査会は動いています。憲法9条もターゲットですが、緊急事態条項を憲法に入れるべきということと、憲法改正の発議の要件を3分の2から過半数へと簡単にする、という議論がされています。自民党の出している新憲法草案で一番問題なのは、国民は常に公益及び公の秩序に従わなければならないとしていることと、基本的人権は公益及び公の秩序によって制限できるとしていることです。憲法は国家権力を制限することになっているのに、国民の権利を制限するものになっている。さらに緊急事態宣言が創設されれば宣言で基本的人権の停止が行われるような中身になっているところが非常に問題です。
 また、武器輸出三原則の見直しがどんどん進んでいます。英米仏との共同開発やヨルダンへの武器輸出など。原発輸出も、枯葉剤で苦しむベトナムにODAと抱き合わせで、JBICが財政投融資を使ってやる。JBIC会長はもと経団連会長の奥田さんです。経済界と現政権が、成長戦略を原発輸出と武器輸出でやろうとしていることはとても問題です。

 政治は政権交代の時よりはるかに悪くなっています。選挙制度は自民と民主は比例区削減をやりたいわけです。憲法も、自民と民主と維新の会やいろんなところが談合するとあっという間に改正されてしまうのではと危惧しています。今日、私がSPEEDIやいろんな話をしたのは、だからこそこんな時に、このことを質問してくれとか、こんなことを一緒にやろうとか、共有するとか、おかしいぞということを一緒にやっていきたいのです。民主主義はみんなのものだからです。
 SPEEDIの問題を見ると情報は誰のものかと思います。秘密保全法案は、公共および公の秩序のために秘密の概念を広げ、処罰を重くした、秘密・情報を国家が独占するものです。一方で、マイナンバーは、資産やいろんな情報を含めて国家に対して個人が丸裸になる、秘密保全法と対のものと私は思っています。こういう動きに対して、みなが力を合わせることで、この社会がもっと人々にとって住みやすい社会であるようにしてゆきたい。時代と歴史と未来に向かって責任を持ち、未来の子ども達のために、議員の持つ力を多くの人と共有して頑張っていきたいと思っています。

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