福島みずほのどきどき日記

東京メトロ、郵政の非正規労働者による裁判について質問

東京メトロの売店と日本郵政の有期雇用労働者が労働契約法20条違反を訴えて裁判を起こしています。二つの裁判と技能実習制度について、5月13日の参議院厚生労働委員会で質問しました。議事録の速報版をアップしますので、皆さん是非ご覧ください!


○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は、契約社員の格差の問題について、労働契約法二十条をめぐる例についてお聞きをします。技能実習生についても、私もお聞きしたいと思います。
 東京メトロの駅売店で働く労働者の四人が、五月一日、売店を運営するメトロコマースを相手取り、損害賠償を求めて東京地裁に提訴をしました。四月一日施行の改正労働契約法を根拠とした裁判です。
 メトロコマースは東京メトロの一〇〇%出資子会社であり、東京メトロは国が五三・四%、東京都が四六・六%出資をする完全な公的企業です。その意味では、国も都も責任があるというふうに考えています。
 メトロコマースには、正社員、契約社員A、それからこの原告四人が属する契約社員Bの三種類があるんですが、契約社員Bの皆さんは時給千円です。そして、その正社員、A、Bはいずれも職務内容は全く同じであると。就職したときに自分が正社員なのかAなのかBなのか全然分からなくて、とにかく働いていたらどうも格差があることが分かったということなんですが、駅で働く女性たちなんですが、発注、返品に関する権限、売上計算、納金の権限、クレーム処理の責任、全く同じで、それから他部署への異動がほとんどない点も一緒であると。制服も名札も全部一緒で、外から見て正社員なのか、契約社員なのか分からない。配転もほとんどそんなに変わらないわけで、そして契約社員とおっしゃる皆さんも、もう八年、十年、十何年働くベテランの方ばかりです。
 しかし、極めて格差というか差別があると。賃金が時給千円ですので、どうしても十数万円、手取りが十三万円ぐらいになってしまうと。契約社員Bと正社員との間には、月例賃金で六万円から九万円の格差が生じています。正社員には住宅手当が毎月九千二百円支給されるが、契約社員Bにはありません。また、一時金が正社員に対して年間百五十万円出るのに、契約社員Bには年間二十五万円で、支給されない年もあると。退職金も契約社員Bはゼロ、十年勤務の正社員には三百万円支給されると、もう全部違うんですね。でも、外から見たら本当に全く一緒。同じような労働時間、配転も、というか、ほとんど余り異動はありませんし、全部一緒で、やることも一緒で仕事も一緒でこれだけ差があるんですね。これは労働契約法二十条が禁ずる不合理な差別と言えるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

○国務大臣(田村憲久君) 現在係争中の事案でございますので、個別のものに対してはお答えするわけにはいかないということが前提でありまして、一般論として申し上げますけれども、労働契約法二十条、まさに無期労働契約の方と有期労働契約の方、この間に不合理な差が、労働契約上、差別があってはならないというものであります。これを禁止しておるわけであります。
 それは具体的にはどういうものかといえば、いつも申し上げますけれども、職務の内容と人材活用の仕組みと。職務の内容というのはその業務の内容、さらにはその当該業務の責任の程度、人材活用の仕組みというのは職務の内容、配置の変更の範囲、こういうもの等が考慮されてそれぞれの契約上いろいろと勘案されるということでございます。
 いずれにいたしましても、労働契約法二十条、これの違反がないように我々としては努めてまいりたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 大臣、ありがとうございます。
 今大臣が例示された全てのこと、一緒なんですよ、全部、全く一緒。責任も一緒、配置転換も一緒、制服も一緒、労働時間もほぼ一緒、全部一緒なんですね。有期契約というけれど反復更新すごくやっていますから、もう八年、十年、十何年と働くみんなベテランの女性たちなんです。でも、こんなに格差、差別があると。
 また、賃金なんですが、丸子警報器事件は、同一時間における時間単価で見て八割の場合は、八割を切る場合は公序良俗違反であるという判決があります。
 さっき大臣がおっしゃった、これとこれとこれとこれが一緒の場合、不合理な差別は許されないとおっしゃいましたが、まさにどんぴしゃ当てはまるんじゃないですか。

○国務大臣(田村憲久君) いや、まあ、そう言われても、個別の係争中の案件でございますので、私からはそれに関してはコメントするわけにはいきません。

○福島みずほ君 でも、一般論として、さっき転勤、責任、時間といろんなものをおっしゃいましたね。全部一緒なんですよ。どうでしょうか。

○国務大臣(田村憲久君) いや、何度そうやってお聞きになられても、個別の係争案件でございますので、私からはコメントは差し控えさせていただきます。

○福島みずほ君 じゃ、厚労省、こういう事案をどうやって救済するんですか。裁判やらないと救済されないんでしょうか。あるいは、さっき言ったことが同一であれば、じゃ、抽象論としてお聞きします。さっき大臣がおっしゃった点、配置、いろんなものが同じであればこれは差別してはならない、不合理な差別はあってはならない、よろしいですね。

○政府参考人(中野雅之君) 労働契約法二十条は、有期契約労働者の労働条件が無期契約労働者の労働条件と相違する場合に、その相違につきまして、職務の内容、大臣から申し上げたような点でございます、職務の内容と、業務の内容と当該業務に伴う責任の程度、それからその職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して不合理と認められるものであってはならないと、こういうことを明らかにした条文でございます。
 したがいまして、有期契約労働者と無期契約労働者との間で労働条件の相違があれば直ちに不合理とされるものではなく、ただいま申し上げましたような要素を考慮して、期間の定めがあることを理由とした不合理な労働条件の相違と認められる場合を禁止する規定でございます。そして、その判断は個々の事案ごとに最終的には司法判断でなされると、こういう性格の規定でございます。

○福島みずほ君 最終的には司法判断なんです。でも、裁判を起こすことがどれだけ大変か。それは、裁判で労働裁判、私も争ってきたので、弁護士として、物すごく分かります。時間掛かるし、救済ができない。裁判だって負担です。とすれば、労働契約法がせっかくできたわけですから、救済をしなければならない。
 これはやっぱり厚労省がこういう事案についてちゃんと救済してほしい。いかがでしょうか。

○政府参考人(中野雅之君) 労働契約法は、労働基準法とは異なりまして、労働契約の民事的効力に係るルールを定めるもの、純粋な民事法規でございまして、行政が使用者に対して指導を行うという性格のものではございません。
   〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕
 したがいまして、我々といたしましては、御指摘の労働契約法二十条の規定も含めまして、労働契約法の内容の周知に努めてまいるとともに、個別の労働紛争でございますので、都道府県労働局の個別労働紛争解決援助制度、具体的な窓口は総合労働相談コーナー等での相談対応、こういうようなことによって必要な対応をしてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 通達は出していらっしゃいますが、それがなかなか浸透していないと思うんですね。
 賃金に差異もあるし、家族手当、住宅手当、それから退職金、賞与、全部違うんですね。あと、病気のときの取扱いや、もう様々、全部違う。元々は社内報にも名前を載っけてもらえなかった。正社員は退職金もらって、ホテルで全員、社長さんから賞状と粗品を渡してもらって、みんなで慰労して、社内報にも全員載るんですよ。ところが、同じように働いて、十何年働いて、ベテランで同じようにやってきた女性は、制服返してと言われるだけで、花一輪もらわないんですね。同じように働いてきたわけで、まあ花一輪というのはちょっと別かもしれませんが、全部これだけ違うと。これはやっぱり労働契約法二十条ができて、救済する、あるいはやっぱりこういうのは変わるべきだというふうに思っています。
 一般論で結構ですが、ほぼ労働時間、それから転勤や、個別事案でやる労働時間やそれから職務の内容、それから責任、それから配置転換の頻度、割合、要素ですね、制服、それから名札、役割、全部一緒の場合には、これは労働契約法二十条の言う不合理な差別ということの理解で、一般論としてよろしいでしょうか。

○政府参考人(中野雅之君) 一般論で申し上げますと、考慮要素といたしましては、ただいま委員が御指摘になったような事項、それから最初に、冒頭、大臣からお答え申し上げました内容でございます。
 そのような考慮要素を判断して不合理と認められるものであるかどうかということを判断するものでございますので、一般論としては、そのようなものだということと考えているところでございます。

○福島みずほ君 この労働契約法の議論のときに、賃金、通勤手当などがよく議論になりました。もちろんこの中には住宅手当や家族手当、退職金、賞与なども不合理かどうかという要素の対象に含まれるという理解でよろしいでしょうか。

○政府参考人(中野雅之君) この労働契約法二十条の不合理なものであってはならないと、労働条件の相違は。これは個別のケースごとに、また個別の労働条件ごとに判断されるものでありますので、それぞれ今委員御指摘になりました、手当であればその個別の当該手当ごと、それから通勤手当であれば通勤手当ごと、そういうのに個々の状況、個別のケースの個別の事項ごとに判断されるものと考えております。

○福島みずほ君 じゃ、質問の角度を変えます。
 家族手当や住宅手当の質が問題になるわけですよね。だとすると、労働契約法二十条が対象とするものの中に、家族手当のその会社における位置付け、住宅手当におけるその会社の位置付け、賞与、退職金の位置付けがそれぞれどういうものかを考慮しない限り一概に言えないというお答えは今聞きましたが、ということは、逆に家族手当は入らない、住宅手当は入らない、賞与、退職金は入らないということではないということでよろしいですね。

○政府参考人(中野雅之君) ここに、この労働契約法第二十条で、相違は不合理なものであってはならないという労働条件につきましては、賃金や労働時間等の基本的な労働条件だけではなく、福利厚生等も含めました幅広いものが労働条件というふうに解釈されるものと考えておるところでございます。

○福島みずほ君 ありがとうございます。
 全ての人を正社員にというのは、それは無理だと私も思います。ただ、余りに格差がある、余りにすごい格差があって、同じように働いて同じように責任があるのに、それはやっぱり是正することをして、やっぱり底上げをしなければならないと思います。
 その当事者の女性たちに話を聞きました。すごい頑張って、本当に一日中立ちっ放しで、物すごいベテラン業務ですよね、売店の販売の人たちは。でも貯金ができないと。だから病気を絶対しないように気を付けていると。ですから、定年になって、また年金も女性は低いですから、なかなかその老後というか、六十五歳過ぎても仕事がないと心配であると、こういう状況でみんな本当に働いている。
 パートは、とりわけ女性は家計補助的だという時代はもう過ぎました。シングルマザーや一人で女性も働いている、家計を支えて一生懸命働いているんです。ですから、是非、労働契約法二十条、これについての活用を厚生労働省として大いにやっていただきたい。大臣、ちょっと決意をお願いします。
   〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕

○国務大臣(田村憲久君) 突然の決意でございますが、いずれにいたしましても、労働契約法二十条の精神というものをこれは我々はしっかりと確認しながら労働行政やっていかなきゃならぬわけであります。もちろん、これをもってして監督指導というわけにはいかないわけでありますが、個別労働紛争、例えば、今局長からも話がありましたけれども、総合労働相談コーナー、こういうところに御相談に来られれば、丁寧にそれは助言、指導、場合によってはあっせんということも進めてまいりたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 次に、日本郵便で働く郵政産業労働者ユニオン組合員の人たちの労働条件についてお聞きをいたします。
 これは以前この委員会でも質問をしましたが、これまた同じように働いていても給料は三分の一であると。そして、郵便局の場合、この期間雇用社員の割合が、非正規の割合が四九%になっています。つまり半分は非正規雇用で働いている。でも給料は三分の一です。この有期契約社員三人の方が、日本郵便に対して七百三十八万円の支払を求め東京地裁に提訴をしました。日本郵政には現在、正社員、時間給契約社員、月給制契約社員、エキスパート、四種類の労働者がいます。この原告三人はいずれも時給制契約社員、十五回更新の七年勤務、十一回更新の六年勤務、二十三回更新の十一年三か月勤務です。これが賃金が三分の一なんですね。
 また、労働条件の相違については、外務業務手当、正社員が郵便外務業務、二輪車、四輪車による集配、集荷などに従事した場合支給される手当、最大千四百二十円が時給制契約社員にはないと、今年三月に廃止されたようですが。あと、例えば年末年始、郵便局は忙しいと。このときに、年末勤務手当一日四千円、これが時給制契約社員にはない。年始勤務手当一日五千円、これが時給制契約社員にはないと。それから、住居手当、これも正社員と。時給制契約社員には住居手当もないと。祝日給もこれもすごく差があると。それから、早く出勤する手当も、時間外割増し賃金とは別に支払われるものですが、一回の勤務について二百円から六百五十円差があると。つまり、物すごくやっぱりいろんな面で差があるんですね。それから夜勤の特別勤務手当、これも時給制契約社員にはないと。
 でも、正社員も期間雇用契約も勤務指定は一緒だし、それから週休日も就業時刻も非番日もこういうのも、それから担務指定、職務内容と休憩時間の位置を所属長が指定する内容も規定上全く一緒であると。新人の正社員の訓練を契約社員が担当することもある、正社員に寄せられたクレーム処理を命ぜられることがある。全く一緒なんですね、さっきの売店の女性たちと同じように。これだけ同じでありながら三分の一の賃金、しかも年末年始出ても手当がないという。やっぱりこれはひどいじゃないか。いかがでしょうか。これは労働契約法二十条違反ではないですか。

○政府参考人(中野雅之君) 御指摘の事案については、現在、裁判所において係争中の事案でございますので、個別事案についてのお答えは差し控えたいと考えております。
 なお、一般論として申し上げれば、これも先ほどの件で大臣から御答弁したとおりでございますが、労働契約法二十条に規定されております不合理であると認められるかどうかにつきましては、無期契約労働者と有期契約労働者の労働条件の相違について、職務の内容や人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して個々のケースごとに、個々の労働条件、さらに個々の労働条件ごとに判断されるものと考えております。

○福島みずほ君 この東京メトロの駅売店で働く人たちも、郵便局で働く人たちも、同じ仕事をしていて何でこんなに差があるのかということなんですね。やはりこれは差別を是正していくこと、低賃金をやっぱり上げていくこと、どんなに頑張って働いても全く良くならない、というよりも、この差別をなくすように是非お願いいたします。
 技能実習制度についてお聞きをします。
 建設分野に外国人労働者を受け入れるのに、なぜ構造的に人権侵害の危険をはらむ技能実習生の受入れ制度を使うのでしょうか。

○政府参考人(吉田光市君) お答え申し上げます。
 今回の建設分野における外国人材の活用に関する緊急措置につきましては、復興事業の更なる加速を図りつつ、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けまして一時的に増大する建設需要に的確に対応するため、まずは国内人材の確保に最大限努めることを基本とした上で、大会の成功に万全を期することが重要との観点から、建設分野で即戦力となり得る外国人材を時限で受け入れるものでございます。先般、関係閣僚会議で取りまとめられたものでございます。
 したがいまして、今回の緊急措置につきましては、技能実習制度とは趣旨、目的が異なるものでございますけれども、その受入れに当たりましては、人権問題等が発生しないよう、現行の技能実習制度と同等の監理に加えまして、更に強化した特別の監理体制を新たに構築することとしているところでございます。

○福島みずほ君 技能実習制度は人身売買制度の一環であるとして、国際的にも長年にわたって批判され続けてきました。労基法違反も非常に多い。労働者として活用するのになぜ技能実習制度という枠組みを使うのか。むしろこの枠組みを使わず、じゃ、質問をちょっと、時間がないので一つだけ、変えます。
 今回の受入れは、労働力確保のための元技能実習生の受入れだから、技術移転の目的での受入れではなく、受入れ企業を制限する必要はないはずではないか。受入れ企業を変わる自由、労働契約を解約し、再締結するなどの自由はあるのでしょうか。

○政府参考人(吉田光市君) 今回の緊急措置につきましては、委員御指摘のとおり、技能の移転による国際協力を目的とするものではなく、技能実習を修了した即戦力となり得る外国人材が日本で建設業務に従事することを可能にするものでございます。
 したがいまして、現行の技能実習制度においては原則として受入れ企業を変わることは認められてございませんけれども、今回の緊急措置においては一定の場合には受入れ企業が変わることが可能となるよう、関係省庁と調整を進めてまいりたいと考えているところでございます。

○福島みずほ君 時間ですので、終わります。

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