福島みずほのどきどき日記

幌延深地層研究センターを視察

 幌延深地層研究センター視察について、写真付きで報告をしましたが、改めて下記の通り報告します。

 5月24日、高レベル放射性廃棄物の地層処分を研究する北海道の幌延町の幌延深地層研究センターを視察した。旭川市からバスで3時間ぐらい揺られて幌延へ。
 地元のみなさんたちと意見交換をし、140メートル、250メートルの地下に潜り実際どのような研究しているかを視察した。
いざ地下へ。

 私は、フィンランドの高レベル廃棄物の最終処分場とされているオンカロ取をテーマにしたドキュメンタリー映画「100000年後の安全」に影響を受け、監督との対談をした。
 このドキュメンタリーは、10万年間も人間が高レベル廃棄物を管理できるかという視点から作られていた。今から100000年前以降に、氷河期があり、環境の激変や、動物の飢饉が甚だしい。人間が果たして何百年間も高レベル廃棄物を管理できるのか。将来の人間、いや生物が、誤って掘り起こしてしまったら、好奇心から掘り起こしてしまったらどうなるのかという問いかけを行っていた。
 10万年、100万年管理できるのか。
 
 しかし、幌延で見たものは、長期間管理をするという視点が全くなかった。一緒に見に行った人が、松代大本営のようだと言った。 
 坑道は、低アルカリコンクリートで、固められているが、どれだけ持つのだろうか。すぐボロボロになってしまうような感じである。
 10万年、100万年管理するという話は一切出なかった。ガラス固化体に入れて、金属(炭素鋼)製で覆い、緩衝材を周りに置く、そして天然バリアで遮断をするというものである。

 天然バリアとは何か。単なる自然環境のことである。長期間管理をし、何年大丈夫だという話は出なかった。カラス固化体もいずれ解けてしまう、いずれ炭素鋼も腐食し、自然に帰るという説明には耳を疑った。だんだん放射性物質の線量が低くなるので、という話であったが、そのはるか手前の段階で、100年後いや50年後放射性物質が漏れ出したらどうなるか。
 
 田中正造ツアーで、鉱毒が川に流出し、多くの人が健康を害した現実を見てきた。同じように、放射性物質が漏れ出し て、人々の健康を害するのではないか。しかし、因果関係の立証は極めて難しくなるだろう。
 一旦漏れ出したものを、どうやって止めるのか。

 幌延の研究センターを運営している日本原子力研究開発機構からパンフレットをもらい、説明を受けた。この中にも書いてあるが、日本の地層は若い。日本は変動帯に位置する。つまり地震や火山活動などの地殻変動が激しいと書いてある。
 フィンランドのオンカロは花崗岩であり、先カンブリア紀にできたものである。土地は固く、乾いていて、安定をしている。それに引き換え、幌延は、新生代のものであり、新しく、泥岩である。土を触ってみると、湿っていて、手に泥がついた。

 おまけに、この幌延は、以前海であり隆起したものである。貝殻の化石が飾ってあった。地殻の大変動を経験したところであり、これからも大変動があることがうかがわれる。またこの地下を掘る過程の中で天然ガスが出て、大きな騒ぎになった。
 高レベル廃棄物を貯蔵するには、全く適さないところである。
 しかし、職員の人と話していると、「適している」という話が出て本当に驚いた。
 何が適しているのか。全く不適当ではないか。

 地下を掘ることで、、地下水が一日110トンほど流出していて、天塩川に流していると説明を受けた。瑞浪の東濃センターではもっと地下水が出ている。
 福島の汚染水ではないが、日本は地下水が本当に豊かであり、地下水との闘いが発生する。どこを掘っても、豊かな地下水が流れており、地下水に高レベルの放射性廃棄物が流れ出すことは充分あるのである。
 
 機構と北海道庁と、幌延町の3者で、核の持ち込みはしないという協定が結ばれている。しかし、協定は、協議によって変えることができる。また、この機構の野村理事が、最近、この研究施設を将来、埋め戻すのがもったいないと発言をした。20年程度で、この研究を終えるとしており、2001年に幌延で研究が始まったので、2020年には終了しければならない。そのことについて、幌延で掘ったことについて、埋め戻すのがもったいないと発言をしたのである。
 
 幌延の人たち、北海道の人たちは、この幌延が、そのまま最終処分場になるのではないかと大変心配をしている。その通りである。この幌延と他の所の複数箇所を最終処分場とするのではないか。

 ところで、先日、福井地方裁判所が、大飯原発3号機、4号機について差し止めの判決を出した。画期的な判決である。
「原子力技術の危険性の本質、そのもたらす被害の大きさは福島原発事故により、十分に明らかになった。このような事態を招く具体的な危険性が万が一でもあるのかが判断の対象である。福島原発事故の後において、この判断を避けることは裁判所に課された最も重要な責務を放棄するに等しい。」としている。

 原発を再稼働して、危険性を高めてはならない。また、原発を再稼働して、これ以上使用済み核燃料を増やしてはならない。

 日本は、原発を推進をして使用済み核燃料をたくさん作ってしまった。いずれの原発においても、この使用済み核燃料が満杯に近くなっている。

 日本学術会議は、いきなり最終処分に向かうのではなく、地上において、監視しながら、管理をする必要があることとを提案をしている。

 機構は、幌延の研究成果を、他の地域でも応用すると言っている。しかし、各地域はそれぞれ地層も、地質も、環境も、地下水も、全く異なるものである。その現地を充分に、調査をしなければ、幌延を応用して、最終処分場に決定することなどできるわけがない。

 前述したが、ヨーロッパの北部などと違って、日本は、新しい地質でできており、未だ動いており、世界の地震の1割が発生している。地質は柔らかく湿っていて地下水が豊かである。こういう場所で地層処分をするのに適している場所など発見できるのだろうか。

 地層処分は、とにかく地下に埋めてしまって、out of site out of mind、つまり目の前からなくなれば、問題が見えなくなるとしてしまうだけのものでは無いだろうか。泥炭でできている幌延の大地に立って、幌延を高レベル放射性廃棄物の最終処分場にしてはならないし、過疎地を、ターゲットにして、核のゴミを押し付けることをさせてはならないと本当に痛感した。

 埋めてしまえばそれで終わり。10万年も、100万年も管理する気など全くない。安全神話の下で原発を推進してきた日本は、ここでも安易に地層処分をしようとしている。

 政府が、最終処分場を決定しようとしているのは、日本は、使用済み核燃料の最終処分場さえ決まっていないと批判をされているからではないか。使用済み核燃料の最終処分場さえ決まっていないにもかかわらず、原発再稼働をしようとしていると批判をされているからではないか。

 最終処分場をとにかく決定をして、各地域の原発にある使用済み核燃料を運んできて、原発再稼働をするためである。


 高レベルの使用済み核燃料の問題とは別の問題であるが、茨城県の高萩、栃木県の矢板に行った。ここは、茨城県や栃木県に存在する8000ベクレル以上の焼却灰などのゴミを、最終処分場として地下に埋める場所の候補地に以前、環境省が決め、地元の反対で白紙になった。しかし、予断は許されない。宮城県でも候補地になったところで、大きな反対運動が起きている。

 ここでの処分のあり方も、コンクリートで二重にして、土嚢をそこに入れて、地下に埋めるというものである。コンクリートの耐用年数など一体どれほどあると言うのであろうか。放射性廃棄物の放射線量が、時間が経つにつれて少なくなっていくので、大丈夫だという説明を聞いたが、全く納得がいかない。

 高レベルの使用済み核燃料の最終処分場についても、10万年、100万年完璧に管理をするというよりも、いずれ土に還るだろうから、その時点では、放射線量が低くなっているので問題ないという考え方である。このような考え方は明確に間違っているのではないだろうか。

 国が、原発を推進をしてきて、高レベルの使用済み核燃料の処分は国内でしなければならない。
かつて、モンゴルに持っていくという話が出て、モンゴルでも大騒ぎになった。外国に持っていくことはできない。

 はっきりしていることは、もうこれ以上核のゴミを作ってはならないということである。
原発を再稼働がしてはならない。原発をこれ以上動かしてはならない。電気は足りている。

 原発を推進する人には、高レベルの使用済み核燃料をどうするのか、本当に聞いてみたいものである。
 もちろん、原発を推進しない私たちにも、高レベルの使用済み核燃料をどうするのか突き付けられている。
 しかし、これ以上高レベルの使用済み核燃料を増やしてならないということは確かである。

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