福島みずほのどきどき日記

過労死防止対策推進法が参厚労委で可決

6月19日の参議院厚生労働委員会で過労死防止対策推進法案が可決されました。この法案と介護・障害福祉事業者の人材確保のための法案について質問しました。議事録の速報版をアップしましたので、是非ご覧ください。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今回は四つの重要な法案に関して議員立法という形で結実させて、今日、発議者として努力をされてこられた皆さんに心から敬意を表します。そして、とりわけ過労死防止推進法については、私自身も議連のメンバーですが、馳浩さん、そして泉健太さん、取りまとめて頑張ってこられたことに心から敬意を表したいと思います。また、遺族の皆さんたち、弁護士、そしてそれを支援する皆さん、当事者の皆さん、どれだけ長い間、遺族としての苦しみを乗り越えて過労死をなくすために努力をされて、長年努力をされてこられて、この日を待っていらっしゃることにも心から感謝と敬意を申し上げたいと思います。その意味では、今日、もしここで可決をされれば、日本の本当に働く人にとってエポックメーキングな日になると、私自身も大変感無量に思っております。
 まず初めに、基本理念において、百八十五回国会二八号法案では、過労死はあってはならないという基本的認識が示されていました。これは、過労死防止基本法制定実行委員会ホームページでも、一、過労死はあってはならないことを国が宣言すること、二、過労死をなくすための国、自治体、事業主の責務を明確にすること、三、国は、過労死に関する調査研究を行うとともに、総合的な対策を行うこと。一の過労死はあってはならないというのが削除されたんですが、それはなぜなんでしょうか。

○衆議院議員(馳浩君) 一つの概念があってはならないという文章が法文上ふさわしいのかどうかという観点で議論をしました。その結果、立法を求めている遺族会始め家族会の方の気持ちはよく分かる、したがってもっと具体的に目的規定に書いた方がよりふさわしいのではないかということで、目的規定に「もって過労死等がなく、仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に寄与する」という具体的な規定を設けたものであります。

○福島みずほ君 それでは、過労死はあってはならないということは当たり前のことで、この法案ができれば、政治の宣言として、過労死はあってはならないということだということでよろしいですね。

○衆議院議員(馳浩君) そもそもあってはならないという概念というものは私たちもよくよく理解しておりますが、法文上に表現するとして、先ほど申し上げた表現の方がよりふさわしいのではないかということであります。

○福島みずほ君 過労死等の定義を脳血管疾患、心臓疾患、精神障害を理由とする自殺、死亡などに限定したのはなぜでしょうか。

○衆議院議員(馳浩君) まずは労災認定の定義を引用することが妥当であろうと。しかしながら、初めて過労死という文言を法律に規定する以上は、過労死等というふうに表現しておりますように、労災認定では明確に疾患というふうに表現されておりまして、疾患と認定されるまでもないけれども、周辺状況から見てどう考えてもこれは過労死だろうと、そして自殺に至る状況であろうと、それはまさしく今後、調査分析の上、過労死の定義として定着するものであるならばそうでありましょうが、まずは調査の対象として、そちらの方が、広い概念で取った方がよいであろうということでこういう書き分けをしたものであります。

○福島みずほ君 過労による呼吸器疾患が労災認定されるケースもあります。このようなケースも過労死等に入るんでしょうか。仮に入らないとすれば、どのように対応するのでしょうか。

○衆議院議員(泉健太君) 今回の法案では、先ほど馳委員からもお話がありましたように、過労死の定義、これは脳血管疾患、そして心臓疾患、精神障害ということになっておりますので、現段階では呼吸器疾患が入らないということになります。しかし、既に裁判でも呼吸器ということで労災認定を受けているものもあります。そういったことも含めて、我々立法者としても、今後不断の見直しというか検討を図っていかなければいけないと思っておりますので、この調査研究の対象には含めてまいりたいというふうに思います。
 そういった知見をしっかりとためていって、また言ってみれば、大変難しいのは、御遺族の方や労働者本人が様々な資料を収集をして労災の申請をする、あるいは裁判をする、しかし資料を持っているのは会社側だというところが大変難しいところもありますので、そういった資料の収集等々も含めて、やりやすくできるように働きかけをしていきたいというふうに思います。

○福島みずほ君 本法案四条三項に、事業主は国及び地方公共団体が実施する過労死等の防止のための施策に協力するよう努めるものとするとあります。努力義務規定となっておりますが、不十分ではないでしょうか。また、行政の対策への協力のほかにも職場においての配慮が必要だと考えますが、具体的にどのような配慮が考えられるでしょうか。

○衆議院議員(泉健太君) やはり、ブラック企業という言葉が、先ほどもお話しさせていただきましたが、あるように、様々な企業がある中で、様々、規制を考えなければいけない側面もあるかもしれませんが、しかし、この立法が初めての立法であるということ、そしてやはりなかなか民間にすぐに規制を掛けるということにはならないということで、まずは「努めるものとする。」というような書きぶりをさせていただきました。
 国、地方公共団体の実施する施策への協力については規定をさせていただきましたけれども、一方で、事業者、事業主には、そもそもで言うと、労働基準法ですとか労働安全衛生法の中で労働者に対する配慮義務、これは健康や安全、そして労働条件に関する義務が具体的にありますので、改めてその周知徹底ということをさせていただくようにしたいと思います。

○福島みずほ君 二〇一二年度の労災補償状況を見ますと、精神障害の決定が千二百十七件、支給決定が四百七十五件、自殺、未遂を含むは、決定二百三件、支給決定九十三件と、いずれも過去最高となっております。
 政府の過労死、過労自殺防止の施策とその効果、総括と今後の方針を教えてください。

○政府参考人(中野雅之君) これまで、厚生労働省といたしましては、過重労働による健康障害防止のため、時間外・休日労働の削減に向けた労働基準監督署における監督指導の徹底、計画付与制度の活用による年次有給休暇の取得促進、労働安全衛生法に基づく労働者の健康管理に係る措置の徹底等に取り組んできたところでございます。
 また、職場のパワーハラスメントにつきましては、職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議の提言を踏まえ、その予防、解決に向けて周知啓発を行うとともに、各企業や職場の取組支援を行っているところでございます。
 さらに、メンタルヘルス対策に関しましては、先般、本委員会でも御審議いただき、本日成立いたしました改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度等により、メンタルヘルス不調の未然防止を図ることとしております。
 厚生労働省といたしましては、労災補償の現状や過労死等防止対策推進法案が審議されている状況を踏まえれば、働くことによって命を失ったり、心身の健康を損なうような事態を防止することが一層強く求められていると考えております。このため、労働基準監督署における監督指導の徹底などによる過重労働の防止、それから職場のパワーハラスメントの予防、解決、改正労働安全衛生法等に基づくメンタルヘルス対策等にこれまでにも増して全力で取り組んでまいる所存でございます。

○福島みずほ君 本法案施行は、公布の日から六か月を超えない範囲内で政令で定める日となっておりますが、今年十一月の過労死等防止啓発月間に間に合わせるという考えはあるのでしょうか。

○国務大臣(田村憲久君) 法の施行日に関しましては、提案者の議員の皆様方や、また関係者の方々、そういう方々が大変大きな期待をお持ちであろうというふうに考えております。
 もちろん、準備状況、これを勘案しながらでありますけれども、適切に法を施行してまいりたい、このように考えております。

○福島みずほ君 十一月を月間としますので、拙速ではいけませんし、準備は大変でしょうが、今年の十一月の月間がやはりこの法案を踏まえた意義のあるものになるように心から期待をいたします。
 過労死等防止対策推進協議会の組織及び運営については政令で定めることとされております。研究者や当事者も含まれた重要な組織であり、大綱の策定作業はもちろん、その他にどのような役割を果たすことが想定されるんでしょうか。街頭啓発や全国でのシンポジウムなど国の啓発活動の計画を策定、実施したり、委員の調査派遣なども役割として入れたらいかがでしょうか。

○衆議院議員(泉健太君) 大変いい御提案をいただいたと思います。
 自殺対策のときもそうなんですが、やはり当事者なり専門家の方、現場の方がこういった協議の中に入っていただく、計画の策定に入っていただくことでより実態に近い対策を打つことができると思っておりますので、今お話しいただいたような街頭啓発、そして全国でのシンポジウムなど国の啓発活動の計画を策定する段階でしっかりと当事者の御意見を伺いたいと思いますし、また、調査研究ということでいえば、全国各地に様々な事例がありますので、そういったところにこういった協議会の委員のメンバーが調査に行くことも含めて、積極的な活動を想定をしていきたいというふうに思います。

○福島みずほ君 自殺対策防止のときに大臣政務官で、街頭でチラシまいたり月間つくったりやって、いろいろやりました。是非、厚労省、内閣府挙げてやっていただけるように、また当事者を、当事者というか、そういう皆さんの声を聞いて、活用してそういうキャンペーンもやっていただけるよう、国会も協力しますので、是非よろしくお願いいたします。
 過労死等防止対策推進協議会設置並びに大綱策定のスケジュール感を示してください。

○衆議院議員(馳浩君) 参考までに、これまで、高齢社会対策の大綱が七か月、法施行から七か月、少子化に対処するための施策の大綱が九か月、自殺対策の大綱が八か月と、こういうふうな経緯もございますので、法施行から少なくとも一年以内に、一日でも早くというふうに願っております。

○国務大臣(田村憲久君) 今お話ございました過労死等防止対策協議会でありますが、遺族の皆様方や関係者の方々、それから労使の方々、専門家の方々が入っていただくわけであります。
 それからまた、大綱の方の策定に関しましても、これ、どちらにいたしましても、もう準備段階から、法が施行する前から準備はしていけるわけでございますので、そういう準備段階の中におきまして関係者の方々からいろいろと御意見をいただきながら、施行後しっかりと進めていけるような、そんな段取りを進めてまいりたい、このように考えております。

○福島みずほ君 過労死はあってはならないという形で準備され、大綱がきちっとしたものができ、それに基づいて、全国津々浦々に過労死はあってはならないということがしみ通るように是非よろしくお願いいたします。
 過労死等防止対策推進協議会に家族会のメンバー複数人、やっぱり当事者は入れていただきたい。これは、さっき泉健太議員がやはり当事者の意見が大事だとおっしゃってくださったんですが、いかがでしょうか。

○衆議院議員(馳浩君) 厚生労働大臣が適切に任命されるものと確信しております。

○国務大臣(田村憲久君) 二十名以内で構成されるということでありまして、今ほど来申し上げましたが、当事者の方々、関係者の方々、それから労使、さらには専門的知識を有する方々、こういう方々で構成されるわけでございまして、当然、関係者の方々は入っていただくわけでございます。法成立後、適切に対応してまいりたい、このように考えております。

○福島みずほ君 適切にということは、やっぱり複数ちゃんと入るという意味だと私は理解しますので、よろしくお願いいたします。大臣がうんと言ってくださったので──あっ、違いますか。じゃ、適切に対処をよろしくお願いいたします。
 大臣、一方で、内閣府の平成二十五年版自殺対策白書を見ると、勤務問題を理由とした自殺は二〇〇七年以降一貫して二千人台のまま推移をしております。勤務問題を苦にした自殺の全てが労災ではないにせよ、二つの数字に余りに隔たりがあることについてどうお考えでしょうか。

○政府参考人(中野雅之君) 御指摘の自殺対策白書における原因、動機別の自殺者数は、精神障害の発病の有無を問わない警察庁の統計を基にしておりまして、業務による精神障害を発病して自殺された方々の労災認定件数とはそもそも一致する性質のものではないと認識しております。なお、労災請求すべき人が請求しないことがないように、その意味では行政の責任でありますので、そこは最大限我々として努力してまいりたいと考えております。
 それから、本法案では、いわゆる調査研究には過労死等の定義に該当しない方についても行うこととしておりますので、その方面からの調査研究もしっかり行っていく必要があると考えております。

○福島みずほ君 実は、私は弁護士として過労死の事件を担当したことがあります。先ほど寺西笑子さんの初めの基調報告の中で、やっぱり氷山の一角だという話がありました。実際、労災認定されたりするケースは少ないというかなかなか裁判も起こせないし、問題も提起を遺族そのものができにくい、資料も本当に会社にしかなくてとても困難であるという状況があります。このギャップを埋める努力を是非していただきたいと思いますが、どうでしょうか。

○政府参考人(中野雅之君) 労災請求がなされた場合、労働基準監督署におきまして実際に働かれた職場の状況とか、その他業務起因性について判断をして認定作業を行っていくわけでございますので、その際には、請求をされた方々の置かれている状況等にも十分配慮して、行政として取り組んでいきたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 次に、介護・障害福祉事業者の人材確保のための法案についてお聞きをいたします。
 これもまた重要な法案で、提案をされた発議者に心から敬意を表します。介護も障害福祉従事者も極めて大事な仕事であるにもかかわらず、やっぱり給料が安いと。これをやっぱりどう変えていくのか、百八十三国会、介護従事者等の人材確保に関する特別措置法案、これは民主、社民、生活が出したものですが、二〇一三年、施行に要する経費見込みとして千八百七十億円を記載し、介護従事者一人当たり月額一万円の処遇改善を実質的に担保しておりましたが、本法案ではそのような具体的担保がありません。なぜでしょうか。また、処遇改善をどう具体的に担保されるのか、お聞かせください。

○衆議院議員(山井和則君) 福島委員にお答え申し上げます。
 確かにおっしゃいますように、平均にして約十万円ぐらい介護や障害者福祉の職員の賃金は一般の労働者に比べて低いということが言われておりますし、また重要なのは、全国二百万人の介護や障害者福祉の職員の賃金を上げるということだけではなく、それによって高齢者が幸せになる、障害者が幸せになる、またその御家族も幸せになる、やっぱり安心して暮らせる社会に日本がなるということだというふうに考えております。
 では、今回の法案は、その財源などが明確ではないということでありますが、これ与野党で様々な協議をする段階でこういう丸い法案になったわけでありますが、先ほども答弁させていただきましたが、実は六年前にも同じような経緯で検討規定が中心な介護処遇改善法が成立いたしました。そのときにも、こういう曖昧な検討規定の法律で本当に賃金は上がるのかという批判を受けたことがありますが、二〇〇八年の四月に法律が成立して、翌年四月には介護報酬、障害者福祉の報酬両方とも上がりまして、それによって介護は月給九千円、障害者福祉は月給七千二百円アップしました。さらに、半年遅れて十月には処遇改善交付金がスタートして、今申し上げました月給アップに加えて、月給一万五千円、さらに計算上、理論上はアップしたということになっております。
 そういう意味では、その六年前の実績があるわけですから、そして今回物価も上がる中、超党派七百二十二人の衆参国会議員全員が賛成するわけですから、私たちのその思いを込めて、来年四月には六年前のその額を目指して賃上げに取り組んでいかねばならないと考えております。

○福島みずほ君 発議者の皆さん、本当にありがとうございます。
 ところで、今日もホワイトカラーエグゼンプションの話が出ておりますが、過労死防止推進法がみんなの努力で成立しようとしている国会において、にもかかわらず、厚生労働省がホワイトカラーエグゼンプションを了承するというのは歴史に泥を塗るものだというふうに思っています。過労死をなくそうと一方で言いながら、一方で労働時間規制をなくす、年収で区切ったらどんどん下がっていきますよ、限定容認って集団的自衛権と一緒で歯止めなくなるんですから、それは駄目ですよ。ですから、一方で過労死防止推進法をみんなで作る、一方でホワイトカラーエグゼンプション、労働法制の規制緩和は断固これに相反するもので許せないと。これ、過労死防止促進法ですよ、ホワイトカラーエグゼンプション、断固反対。
 厚労省が正気に戻って反対をしっかりしてくださるよう、この過労死防止推進法の趣旨を理解して、しっかり労働者を守る省としてまた生まれ変わって頑張ってくださるよう私は申し上げ、質問を終わります。

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