福島みずほのどきどき日記

3月31日参厚労委質問 空襲被災者への補償について

3月31日参議院厚生労働委員会で、空襲被災者への援護・補償について質問しました。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 社民党も本案には賛成ですし、まず、冒頭に当たって、戦争の犠牲者の皆さん、それから御遺族の皆さんに追悼とお見舞いを本当に申し上げたいと思います。
 まず、お聞きをいたします。
 東京、横浜、名古屋、大阪、福岡、長岡、富山などの大空襲は、人道に対する罪に当たるのでしょうか。中国重慶への爆撃は人道に対する罪でしょうか。沖縄一〇・一〇空襲は人道に対する罪に当たりますか。

○政府参考人(秋葉剛男君) お答えいたします。
 人道に対する罪が法的拘束力のある文書において初めて規定されましたのはニュルンベルク国際軍事裁判所条例第六条においてでございますが、現在の国際刑事裁判所規程において確立されているような十分詳細な定義が定められていたわけではなく、当時の国際法上十分に確立した定義があったとは承知しておりません。したがいまして、お尋ねの個別の事案につきまして確定的にお答えすることは困難でございます。
 なお、ニュルンベルク国際軍事裁判所におきましては、ナチスの犯罪が人道に対する罪に該当すると判示された一方で、ほぼ同様な規定を有しておりました極東国際軍事裁判所におきましては、その罪名の下で処罰を受けた事案はなかったということでございます。

○福島みずほ君 軍人軍属に関する皆さんたちには、戦後、五十兆円以上、総計五十二兆円ですか、払われているんですが、国会の中で取り上げてきたものに、空襲による被害者の皆さんへの補償の問題があります。これは議員連盟もありまして、私も所属をしておりますし、社会党の時代もこの立法に向かって努力をしてきたわけですが、まだこれは実現しておりません。
 二〇〇八年四月の第百六十九回参議院のこの厚生労働委員会において、私の質問に対して舛添厚生労働大臣は、我が国には民間の、例えば外国の軍隊による空襲の被害者についての特別の措置はございません、こういうものについてどうするか、これはきちんと議論をすべき課題であると思います、福島委員の御提案も受け止めさせていただいて、これは厚生労働省というよりは、国会議員として、政治家としてきちっと議論を重ね、最終的に戦後処理をきちっとやりたいというふうに答弁していただいているんですね。
 厚生労働省、これをどう受け止めていらっしゃるでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 舛添大臣が真摯に受け止めるというような趣旨のことをおっしゃったと理解をしておりますが、それは、当然私どもも、この戦争による被害というものについては真摯に受け止めなければいけないと思っています。
 ただ、私ども政府の役所は、法律に基づいて法律を執行するということでございますので、それをどうするかということは、まさに先ほどもお話が出ましたけれども、国会で御議論をいただくことだというのが、先ほど小池先生からも、最後の結論でございましたが、やはりここのところは国会の中でもしっかり御議論をいただいた上で皆で考えていくことではないかなというふうに思います。

○福島みずほ君 議員立法でも頑張りたいと思いますが、厚労省もこの点については、やはり法の下の平等の観点から是非議論を開始していただきたい。いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 厚生労働省としてそれについてお答えをする立場では今はないんではないかなというふうに、今の御質問であれば、と思います。

○福島みずほ君 舛添大臣は、せっかく受け止めてやりたいというふうにおっしゃったんで、是非引き継いでください、いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) まあ舛添先生は舛添先生ということでございまして、趣旨はよく分かりますが、それは所管というものもございますので、そこは私が一人で政府を代表するというわけにはなかなかいかないというふうに思います。

○福島みずほ君 戦後の補償の問題に関して、やっぱり極めてゆがんでいると思うんですね。
 沖縄では、一九八一年からは六歳未満の児童も対象としました。これはすごい努力の結果で、ただ、沖縄の空襲あるいは地上戦の犠牲者全てではないんですね。六歳未満であったり、あるいは二十項目に該当する人というので極めて限定はされておりますが、国と雇用関係にある者とそれに準ずる者という基準は実際当てはまらないというふうに考えますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今、六歳未満の子供を戦闘参加者としてみなして対象としているのはなぜかという意味合いのことをおっしゃったかと思うわけでございますけれども、戦傷病者戦没者遺族等援護法、この対象となる準軍属の類型として、軍の要請に基づいて軍事行動に参加させられた戦闘参加者が位置付けられております。具体的には、地上戦が行われた沖縄等の地域におきまして、軍の要請などによって弾薬や食料の運搬、炊事、道案内など戦闘を幇助する軍事行動に参加した者が戦闘参加者とされております。
 御指摘の六歳未満の者については、沖縄の場合などについて、保護者に抱かれて戦闘に巻き込まれた実態がある場合には戦闘参加者とするという運用をしているものだというふうに思います。

○福島みずほ君 たくさんの戦争経験者、それから空襲に遭った人たちからたくさん話を聞いております。
 裁判にもなりましたが、杉山千佐子さん、名古屋大空襲に遭われて、一九一五年生まれですから今九十九歳、一九四五年三月二十五日未明、名古屋空襲で左眼球が破裂し、顔面に大やけどを負った方ですが、この一九八〇年四月二十一日の参議院の社労委員会においてやはりその切情を訴えています。「女が顔をなくしたとき、人生をなくしたのと同様です。」と言って、国による援護を切々と訴えています。横浜市港北区で空襲により顔に大やけどを負った女性も、戦後十数回、足の皮膚を移植するなどして繰り返しておりますが、これはもう全部費用は本人の借金でやっています。一九四五年三月十三日、大阪空襲で母親と小学一年の弟を失い、自身も顔や手に大やけどを負った伊賀孝子さんも、戦後三年目ぐらいまでは電車の中でも大変やったね、頑張ろうねと声を掛けてくれる人がおりましたが、日がたつにつれ、ケロイドを残した顔や手を見ては、汚いものでも見るような視線が返ってくるようになりましたというふうにおっしゃっているんですね。
 何が言いたいか。軍人軍属の方ももちろん大変だったわけです。でも、沖縄地上戦では、六歳以下の子供だけではなく、やっぱり大変だった。そして、東京での空襲、全国での空襲も、それはそれは皆さん大変な目に遭って、しかも一円もお金は出ない、費用は全部自分で治療しなければならなくて、大変な人生を歩いてこられます。
 ドイツにおいては、空襲や戦後の地雷等による被害も援護補償の適用対象になっております。また、イギリスにおいても、空襲等により人又は財産に与えられた衝撃に起因する身体上の疾病に対して各種の給付が行われております。日本の現状はこのような国際基準と大きく乖離しており、是正すべきではないでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 何度も申し上げておりますけれども、今回御審議を賜っておりますこの戦傷病者戦没者遺族等援護法の対象というのは、もう繰り返しませんが、定まっているわけであります。この戦没者の遺族への援護施策として国がどういう措置をとるべきかというのは、その国の言ってみれば歴史的な事情等によってまたそれぞれ異なってくるわけでありまして、今先生から御指摘のあったようなケースを含めて、今回の御審議をいただいている法律の対象かどうかということから見れば、対象である場合には当然我々は責任を持たなきゃいけませんけれども、そうではない場合には、なかなか私どもの立場としてコメントをするという立場にはないのかなというふうに思います。

○福島みずほ君 極めて残念で、そういうことも含めて政治の場面で、国会でもですが、厚労省でも議論していただきたいというふうに思っております。
 この犠牲は物すごくやっぱり大きくて、それを今でも現在進行形で持って、苦しんで、しかも戦後それのために大変な苦労をされた人たちがたくさんいるわけです。その人たちは、一円もお金は出ないし、治療も全部自分でやってこなくちゃいけなかった。今もそれを訴えているわけですね。他方、戦争で被害だと、大将が一番例えば金額も大きいし、位に応じてやっているわけですし、それから、今日、冒頭、津田理事からもありましたが、じゃ、私たちはどうやってこれを、あと十年後までにどうするかという議論もしなければならない。そういう中で、一切、被害者なのに受けられていない人たちがいるというのは極めて問題で、見直すべきだというふうに考えております。
 是非この件について、日本でも空襲被害者に対してどうしていくのか。これはシベリア抑留者や、まあ少しずつ、差は物すごく、法の下の平等ではありますが、少しずつ前進してきましたが、唯一残っているのが実は空襲被爆者なんですね。是非このことについて、国会でも取り組みますが、厚労省としても取り組んでくださるように心からお願い申し上げ、質問を終わります。

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