福島みずほのどきどき日記

4月7日(火)参厚労委でハイタク労働条件質問

2015年4月7日(火)参議院厚生労働委員会で、ハイヤー・タクシー分野における労働条件について質問しました。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は、ハイヤー、タクシー分野における労働者の人たちの労働条件について質問します。
 これは、小泉構造改革のときにタクシーの大幅な増車をしたために、タクシーの運転手さんたちの平均年収がどんどん下がり、労働条件が悪化し、場合によっては道交法違反など増えてしまったと。それで、国土交通省としても減車をしていくというふうに方向を全く転換し、台数の規制緩和から今度は規制強化をやり、どうしていくのか、これほどまでに下がった労働条件をどうやって回復させるのか、とにかく命を預かる仕事ですから、どうするのかという点が極めて重要です。
 ハイヤー、タクシー分野における労働条件なんですが、年収が非常に低いと。現金給与額は二十三万五千四百円、全産業平均の三十六万二千三百円よりも十二万六千九百円も低く、平均月間実労働時間は百九十七時間で、全産業平均の百八十二時間よりも十五時間長いと。
 これはちょっと男女合計の数値と男女のみの数値が混在しておりますが、ただ、タクシー運転者男性の年間所得二百万円以下の都道府県は、青森県百七十七万二千円、秋田県百八十九万七千円、鳥取県百九十万六千円、沖縄県百八十四万二千円と、依然四県に上っております。
 ハイタク労働者の労働条件向上は喫緊の課題だと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど、小泉構造改革によって規制改革が、規制緩和が行われたというふうにおっしゃいましたが、必ずしもそれは正しくなくて、実は橋本龍太郎内閣のときに方針を決め、森内閣のときに法律を直して、いろいろなことが結果として起きているということを、何でもかんでも小泉内閣がやったと思ったらそれは大間違いでありまして、いろいろなことをやってきている自民党でありますので、その点だけちょっと申し上げたいと思います。
 実は、ちょうど私が官房長官をやっていたときに、規制改革の結果として大変なことになったのでタクシー料金を上げたいという話がございました。しかし、規制改革をして消費者にツケを回すというのはちょっとおかしいんじゃないかということでありましたが、いろいろ聞いてみると、やはり働いている運転手さんたちにだけしわ寄せが行ってしまっているという現実があったことは間違いないことだったと私は記憶しております。
 それから、今先生から御指摘ありましたように、様々な手を打ってまいっておりますけれども、まだまだいろいろ問題があることはよく分かっておりますので、これからも引き続きよくウオッチをしていかなければいけない問題だというふうに私も思っております。

○福島みずほ君 タクシー事業者に強制力のある減車、営業方法制限対策を講じる改正タクシー特措法の特定地域に、大阪、横浜、札幌、仙台、福岡など全国二十九か所の都市圏が選ばれましたが、全国の台数ベースで三四%にとどまりました。規制が骨抜きにされており、問題ではないでしょうか。

○政府参考人(若林陽介君) お答えいたします。
 先生御指摘の今般のタクシー特措法の改正でございますが、これは、供給過剰の解消を通じてタクシー運転者の皆様の労働環境の改善を図るとの趣旨であることは十分認識いたしております。
 特定地域の指定基準につきましては、運転者の賃金を効果的に上げていくなどの議員立法の趣旨を尊重し、より厳しい客観的な基準を設定することなどの両院の附帯決議や、また規制改革会議での御意見を勘案して今年の一月に策定いたしました。
 具体的には、供給過剰となり、運転者の労働環境の改善が進まないなどの課題を抱える地域ができるだけ指定対象になるようにするとの観点から、例えば供給過剰の状況を示すものとして車両の稼働効率に関する指標、運転者の労働環境を示すものとして賃金水準に関する指標、地域利用者の意向の指標などにより判断することになりました。御指摘のとおり、この判断基準に当てはめた結果、全国二十九地域、車両数割合では約三四%が指定の可能性のある地域となったわけでございます。
 先生御指摘のように、より広い範囲で指定を行うべきであるという御意見があることは私どもとしても重々承知しておりますけれども、国交省といたしましては、まずは特定地域制度をスタートさせて、そして供給過剰の解消を一層強力に進めることによって、タクシー運転者の皆さんの労働環境の改善など改正タクシー特措法の成果をしっかり出していくことが肝要だと考えている次第でございます。

○福島みずほ君 初めは六、七割やるということだったんですが、私の質問のポイントは、なぜ規制改革会議の議論を受け入れて三四%にしたのか、規制改革会議の意見など聞く必要ないんじゃないですか。

○政府参考人(若林陽介君) 規制改革会議の方では、やはりいろんな、規制の在り方に関する様々な見地からの御議論があったと承っております。また、規制改革会議の勧告、いろいろな、様々な勧告とか意見を出す権限もございます。
 私どもは、内閣の一員としてそういうことをきちんと尊重しながら、しかしながら、やはり議員立法でございますので、そういう両院の皆様の立法者意思の尊重もしながらやっていくということを考えてやってきたわけでございます。

○福島みずほ君 これは議員立法で、立法者意思は広範囲にやるということだったんですが、規制改革会議が絞れと言ったので三四%になったわけですね。規制改革会議の言うことを聞くのが理解ができません。
 国土交通省は、地域交通を守り、公共輸送を守り、労働者の労働条件を守るべきじゃないですか。どうして絞るのか。今後、これをきちっと拡大してしっかりやっていただきたい。一言いかがですか。

○政府参考人(若林陽介君) 先生御指摘のように、やはり今回の特措法、議員立法でございます。成果と実績を積み重ねることによって、この特定地域の有効性について、利用者の皆様や国民の皆様からも幅広く理解と支持を得ることがやはり立法趣旨を貫徹することにつながるものと考えております。
 また、特定地域も含めまして、今回の特措法の施行状況のフォローアップにつきましては、本年一月に私ども国交省の方に設置いたしました新しいタクシーのあり方検討会の場におきましても、将来運用改善などにつきまして、フォローアップを通じて、状況を踏まえて、その時点で適切に判断していきたいと、このように考えている次第でございます。

○福島みずほ君 規制改革会議の意向を踏まえてこれを縮減したのは立法意思に反すると思います。今後きちっと拡大をしてください。
 今日は厚生労働委員会ですので、とりわけハイヤー、タクシーの労働者の皆さんの労働条件についてお聞きをしたいと思います。
 改善基準である九三号通達による累進歩合制の廃止は徹底されているんでしょうか。累進歩合制の禁止です。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘の累進歩合制度については、働く方の長時間労働等を極端に誘発するおそれがあるということで、望ましくない賃金体系制度としてこれまでも廃止するように指導を行ってきたところでございます。
 さらに、一昨年の臨時国会で、先ほど話が出ておりましたけれども、タクシー特措法改正案の審議におきまして、累進歩合制の廃止について改善指導に努めるとの附帯決議がなされたことを受けて、平成二十六年一月に都道府県労働局に対して累進歩合制度の廃止について指導の徹底を指示したところでございます。

○福島みずほ君 労働組合の報告などによると、累進歩合制は依然かなりの事業所で残っていると言われています。指導を徹底して速やかに根絶されるようにお願いをいたします。
 タクシー運転者の賃金が過度な歩合給制に偏っていることは問題ではないでしょうか。附帯決議などでも歩合制と固定給で、この割合もそうですが、歩合制が非常に強いと結局すごく低賃金になるとか、無理して働かなければならないというふうになります。この点はいかがでしょうか。

○政府参考人(若林陽介君) お答えいたします。
 先生御指摘のように、タクシーの運転手の皆さんの賃金体系は、基本的に労使間の合意では決められるものでございますけれども、多くの場合、歩合制が採用されております。これは、事業所外の労働が中心であるタクシー事業の特性から、経営者側の管理指導が十分に行いづらいということなどの特性によるものと考えられております。
 しかしながら、先生御指摘のように、運転手の皆さんの賃金が多くの場合この歩合制になっているということであるがゆえに、供給過剰や過度の運賃競争、労働条件の悪化などの背景になっているという指摘もなされているところでございます。
 改正タクシー特措法の両院の附帯決議におきましても、事業者は歩合給と固定給のバランスの取れた給与体系の再構築などに努めることとされております。国交省におきましても、本年一月に新しいタクシーのあり方検討会を設置いたしまして、最近の固定給制の導入などの取組事例も参考にしながら、多様な賃金体系の在り方などについて検討していくことといたしている次第でございます。

○福島みずほ君 是非、歩合給制の変更をよろしくお願いします。
 事業に要する経費の運転者負担の見直しについてお聞きします。
 クレジットカード支払における手数料が運転者負担となっているケースなどもあります。また、過度な遠距離割引運賃における割引分を運転者が負担させられているという事例もあります。是正指導をすべきではないでしょうか。

○政府参考人(岡崎淳一君) 基本的には、賃金制度、それから労働者が何を負担するか、労使の間で決めていく事項ではあるというふうに思っています。しかしながら、そういう中で、労働基準法等に定めます必要な手続が定められていない、あるいは最低賃金法等に違反するというようなことがあってはならないということだろうというふうに思っております。
 いずれにしましても、労使の間で決めていくということではありますが、今ほど国交省からのお話もあるような中で、運転者の方々が満足がいくような形で業界で取り組まれるように私どもとしても協力していきたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 是非よろしくお願いします。
 仕事場で働くのにボールペンや消しゴムを労働者に負担させるなんというのはやっぱりあり得ないと思うんですね。ですから、いろいろ負担があるもので、クレジットカード支払における手数料が運転者負担になっている例があるとか、運転者に、やっぱり働く人に負担させるのは全くおかしいというふうに思いますので、是非この点はよろしくお願いします。
 運転者の賃金、特に深夜割増し分は適正に支給されているのでしょうか。適正な支給の実現に向けてどのように取り組むか、お聞かせください。

○政府参考人(岡崎淳一君) 当然のことながら、深夜に働いている分につきましては深夜割増し賃金が払われなきゃいけない、これは御指摘のとおりでございます。私どももタクシー事業者への監督の際におきましては、そういった点を含めましてしっかりと監督指導していくということでございます。
 ただ、しかしながら、割増し賃金に係る違反、タクシーの場合は相当数ございます。深夜、それからそれ以外のものを含めてありますが、割増し賃金の違反が三割程度に上っているという実態もございますので、これは是非とも直していただかなければいけないということで、今後ともしっかりと対応していきたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 大阪でタクシーに乗ると、五千円以上半額というふうな表示があると、運転手さん、大変ですねと言うと、いや、それでもまけろと言う客がいるんだなんというのがありましたけれども、大阪における大幅な遠距離割引の採用や京都における深夜早朝割増し料金の廃止などは、運転者の売上げへの影響や事業経営の圧迫という点で問題ではないでしょうか。

○政府参考人(若林陽介君) お答え申し上げます。
 大阪とか京都におきますところの、いわゆる遠距離割引の採用であるとか、あと深夜早朝割増し料の廃止でございます。そういった例があるということは私どもとしても承知している次第でございます。
 私どもといたしましては、これらの割引運賃の設定であるとか割増し運賃の廃止に当たりましては、運転者の労働環境への影響の与える可能性が大変大きいものでありますので、まず認可に際しまして、適正な原価に適正な利潤を加えたものであるかということについて厳格に審査を行うとともに、認可に一年の期限を付すということによって、そしてかつ、人件費のデータについて毎月御報告いただくということなどの条件を付しているところでございます。
 さらに、昨年の例の今回の特措法の改正を踏まえまして、深夜早朝割増しの廃止の申請につきましては、深夜早朝時間帯の時間当たりの賃金が減少していないことが確認されたものに限って認可することにしているところでございます。
 国交省といたしましても、今後とも過度な割引運賃などによって労働環境に悪影響を与えることのないように適切な審査を行ってまいりたいと思います。よろしくお願いします。

○福島みずほ君 例えば、京都における深夜早朝割増し料金の廃止となると、働いている運転手さんは歩合制なわけですから、その分給料が下がってしまうわけですね。今審議官が手で示されましたが、がくっと下がってしまうわけです。そうすると、この深夜早朝割増し料金の廃止がやはり運転者の皆さんのすさまじい減収になるという点を踏まえて、是非これはやっぱり問題ではないかと、こういうことが全国にもし蔓延すれば更に低い運転者の皆さんの給料がますます低くなるというふうに思います。これはしっかりというか、私はこれはもう深夜早朝割増し料金は廃止はやめるべきだというふうに思っておりますが、是非その方向で御検討ください。
 そして、厚生労働省、最低賃金法や労働基準法が遵守されているか、どのように把握、指導しているか、教えてください。

○政府参考人(岡崎淳一君) いろんな業種につきまして私ども監督指導をやってきております。
 ハイヤー、タクシーの関係につきましては、平成二十五年、五百二十三件の監督指導を行いました。残念ながら、全体として労働基準法関係法令違反は九割近いところで指摘いたしました。
 また、最低賃金につきましても、一割強のところで違反があったという事実はございます。私どもとしましては、やはりしっかりと問題があるところについては指導していくということをやりますし、労働基準監督署と、それから国交省の地方機関との相互通報制度等々もありますので、そういったものも生かしながら、今後しっかりとした指導をして、法令の遵守に、遵守するように努めてまいりたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 今答弁にあったように、最低賃金法四条違反件数、平成二十五年度で百六件、違反率は一二・一%。今局長が一割とおっしゃいましたが、つまり、最低賃金を満たさないところがこれだけあるということで、働いても働いても最低賃金を満たさないと。これらは改善されるべきだと思います。不当というか、改善するよう、厚生労働省、しっかりこれを指導してくださるようにお願いします。
 不当労働行為などの実態をどう把握しているでしょうか。

○政府参考人(石井淳子君) 議員御案内のとおり、労働組合法では不当労働行為、これにつきましては、労働者がそれを受けたということで、組合が不当労働行為を受けた場合には労働委員会に救済申立てができるという、そういう仕組みがあるわけでございます。労働委員会は申立てに基づいて審理を行いまして、不当労働行為の事実があると認められる場合には使用者に対して救済命令を行う、こういう仕組みでございます。
 この件数でございますけれども、労働組合法違反の件数でございますが、道路旅客運送業、ハイヤーとタクシー含んでおりますけれども、そこにおきます全国の労働委員会の不当労働行為の申立て件数、これで申し上げますと、平成二十三年度が十八件、二十四年度が十四件、二十五年度が八件となっているところでございます。

○福島みずほ君 不当労働行為などが続いている実態についてもしっかり取り組んでください。
 福岡における検証プログラム「みんなのウーバー」などでアプリを使ってやるということで、これが白タクに当たるという判断で、取りやめるよう国交省が指導したというふうに聞いております。でも、こうすると、もうタクシー業界そのものが成り立っていかないので、やっぱり運転手の皆さんの労働条件を守るべく、よろしくお願いいたします。
 塩崎大臣に、今までの議論を踏まえて、国土交通省もさることながら、厚生労働省でしっかり取り組んでいただきたい。一言お願いします。

○国務大臣(塩崎恭久君) 労働関係法令の違反がないように、私どもとしてもしっかり見てまいりたいというふうに思います。

○福島みずほ君 労働関係違反ではなくても歩合給制の検討とか、是非よろしくお願いします。
 ホワイトカラーエグゼンプションが残念ながら四月三日閣議決定されましたが、これについて経団連の榊原会長が六日の記者会見で、これについて、最終的には年収要件の緩和や職種を広げる方向で考えていかなければいけないとおっしゃいました。これ、ひどいですよね。
 結局、ホワイトカラーエグゼンプション、年収要件も職域も広がるということでよろしいんでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、国会に提出させていただいたこの労働基準法の改正の中には様々な事項が入ってございます。その中の一つが高度プロフェッショナル制度でありまして、ここに至る議論も労政審で随分いろいろな幅のある意見が出たところでございまして、最終的には今御提示申し上げている私どもの案で、具体的には年収の三倍をはるかに超えるような賃金を、年収をもらう人を相手に、一定の対象に、希望すればということで今回の新たな働き方を採用できたらなということで提案を申し上げているわけであります。
 今、経団連の会長が発言をしたことについて言及がありましたけれども、法律を決めるのは国会でありますから、法律に書いてあるのが私ども政府として審議をお願いをしている制度でございますので、それをしっかりと通すというのが私どもの使命であり、また御議論を賜るというのが私たちのお願いでございますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。

○福島みずほ君 ただ、年収要件下げて職域を拡大すると経団連が言っているわけで、その面でもこの法案は極めて問題があるということを申し上げ、質問を終わります。

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