
4月23日(木)の参議院厚生労働委員会でGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)について質問しました。「独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律案」の質疑でした。法案には反対し、反対討論も行いました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
まず、二〇一四年六月、日本再興戦略二〇一四で、GPIFについて、基本ポートフォリオの適切な見直しが書き込まれました。私もそのときのことをよく覚えておりますが、当時、自民党政調会長代理としてまとめに当たった塩崎さんは、どういう意味でこの日本再興戦略の中に基本ポートフォリオの適切な見直しを書き込まれたんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) おととしの再興戦略でしたね。このときの我々の提案あるいは政府の提案は、GPIFのことだけを言っているわけではなくて、押しなべて公的・準公的資金の政府によるあるいは政府、準政府による運用、そしてまたリスク管理体制が十分ではないんじゃないだろうかという問題意識であったというふうに記憶をしております。それは、もちろんGPIFが一つであり、共済もそうでありますし、その他、国立大学の余裕資金の運用の問題についても同様に指摘をしているというふうに思いますが、そういうところでの運用管理、それからリスク管理の高度化を図るべしということを提案をしたというふうに記憶をしております。
それを受けて再興戦略ができ、そして再興戦略の中で有識者会議をつくるということが提案をされて、実際その報告書が二十五年の十一月に出ておりますけれども、その有識者会議の名称も公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議ということでございました。
○福島みずほ君 年金の財政をどうするかという観点からこういうことが提案されているなら分かるんですが、最大の違和感は、日本再興戦略の中にポートフォリオの見直しが入っているからなんです。結局、これおかしいんじゃないですか。どうですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、政府が保有をする資産、資金というのは当然これは国民のものでございますから、それを高度化をして、しっかり運用とリスク管理をしてくれと、こういうことでございました。
○福島みずほ君 年金財政をどう安定させるか、どうやって保障するかというのは分かるんです。しかし、戦略として再興戦略の中に位置付けられたら、投機だったり手段だったりするじゃないですか。それは間違っているよということなんですよね。そういう観点から年金の貴重な積立金を使ってはならない。そもそもこのボタンの最大の掛け違いは、日本再興戦略の中に位置付けて、この金を株に使ってやれという、これは間違っていますよ。
塩崎大臣が厚生労働大臣に就任をされました去年の九月二日、ポートフォリオの見直しをばんと記者会見で冒頭おっしゃって、株が二百円ほど近く上がりました。厚生労働の点で見識を発表すべきであって、ポートフォリオの見直しで株価が上がった、これってどう思われますか。
○福島みずほ君 年金財政をどうやって国民の皆さんの年金を守るかという発想の下に提案されているんだったらいいんです。しかし、全体の国家戦略の中でどうやってやるかという、日本再興戦略、例えば労働法制の規制緩和やいろんなものがオンパレードしてある中にポートフォリオの見直しがあって、それをやるというのが間違いであるというふうに思っております。そもそもこんなやり方でやっていいのかと。
それで、次に、塩崎大臣がかねてより主張されていらしたガバナンスの強化は、今回の法案でどう位置付けられているんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、もう今朝ほどから何度か申し上げておるところでございますけれども、GPIFは、独立行政法人改革等に関する基本的な方針において、本年四月から中期目標管理型の独立行政法人に位置付けられて、今回の法改正では、閣議決定がございましたが、これに基づいて、新しい中期目標期間の開始とともに、独立行政法人のままでも迅速かつ着実に実施すべき措置を講ずるものとして、理事を追加、そして本拠地を東京にするということを明記したということであります。
他方で、法人形態変更も含めたGPIFのガバナンス体制強化については、日本再興戦略改訂二〇一四を踏まえて、社会保障審議会年金部会において法改正の必要性も含めて御議論をいただいておりまして、そこでの議論の内容を踏まえて検討してまいることになるわけでございまして、今回の法改正においては、先ほど申し上げたとおりのことでございまして、ガバナンス体制の強化については不断の取組というのが必要であって、できることからしっかりと取り組んでいくというのが絶えず必要とされる姿勢ではないかというふうに思います。
○福島みずほ君 今、この法案出していて、ガバナンスの強化だといいながら、別のところのもうガバナンスの強化について議論している。
大臣は、今回の法案では、大臣の見解ではガバナンスの強化は不十分だと思っていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 不断の見直しが必要だということはいつも考えておりますが、去年の十月のポートフォリオの見直しのときには、GPIF自身もでき得る限りのガバナンスの強化策を既に発表していて、一つは内部統制の強化、もう一つはリスク管理体制の強化。それぞれ今まで一度もやったことなかったことをたくさんお決めになって、それを実行に今順々に移していて、例えばガバナンス会議を設置する、投資原則、行動規範を作って、もうこれも実際にできております、コンプライアンス・オフィサーを新設をする、あるいはリスク管理体制としても、マクロ経済分析をもっと強化する中で、経済情勢がどういう変化があっても耐えられるだけの運用をしっかりやるために人をそろえるとか、あるいはノウハウも高める、運用資産と年金給付の一体的な分析、専門人材を増やすと、これも当然のことで、これも全て年金の確実な支払につながるようにするということでガバナンスを強化をしているわけであります。
〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕
したがって、私は、できるところからどんどんやっていくべきであって、そのためには議論が必要で、議論は今、年金部会でも行われているということでございます。
○福島みずほ君 普通、政府が出すときはこれで十分でございますと言うのに、そうでなくて、また議論をしているというのは非常に変だというふうに思いますが、運用に失敗して損失が生じた場合、その責任は誰がどのような形で取るんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 年金積立金の運用というのは長期的な視点から評価するものであって、その責任は年金制度を所管している厚生労働省が負うことになり、その長である大臣が最終的には負うということでございまして、また、公的年金制度については、将来の保険料水準を固定した上で、おおむね百年程度の財政均衡期間を通じての年金財政の均衡が保てるように年金額の水準を将来に向けて調整していく仕組みとなっておりますけれども、この仕組みにおいて、一般論としては、人口構造、就業構造等の長期間の動向と同様に、年金積立金の運用実績が将来の年金額の水準に影響を与えることはあり得るわけであって、この場合における運用実績は長期間の動向によって判断されるものであります。今でも大体年間の年金支給額の十数%はこのGPIFから出てきているものだというふうに私は理解をしております。
年金額というのは、物価又は賃金の変動に応じて改定される仕組みとなっておりますから、単年度の運用実績を理由として年金額が改定するものでもないわけでありますから、しっかりとしたこの運用をやるということがしっかりとした年金の約束どおりの支払につながると、こういうことだと思います。
○福島みずほ君 損失への対応は、五年ごとに行う財政検証で判断するということでよろしいですね。
○政府参考人(香取照幸君) 今大臣が御答弁申し上げたとおりでございまして、年金の長期的な財政に影響を与えるのは、もちろん運用もございますが、その時々の経済情勢でありますとか、あるいは被保険者の数、人口等々、様々な経済変動がございます。
〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕
そういうこともありまして、五年に一度、経済前提あるいは人口等、あるいはその間の運用実績等々も踏まえた見直しを行うということでございますので、その意味では、元々運用は将来の給付を確保するために運用を行っているわけでございますので、そういったもろもろの経済諸情勢の変化あるいは年金制度を支える様々な制度の変化を、全体を五年ごとにそれを反映させて見直しを行うと、基本的にはそういう法律上の構成になってございます。
○福島みずほ君 五年ごとに財政検証で判断するということですが、厚生労働大臣、これ損失が生じた場合、厚生労働大臣としてどう責任取れるんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) そもそも年金の運用というのは長期で行うものであって、その長期間の間に安全かつ効率的に運用していくというのが厚生労働大臣にも課せられた使命であるわけでありまして、そのような基本姿勢を貫いていくことが大事であって、最終的には年金の支払を約束どおりしていくということが私の責務であって、責任はそこにあるというふうに考えるわけであります。したがって、安全かつ効率的に運用をされることがなされていることを絶えず確認をしていくというのが私の責任だと思います。
○福島みずほ君 五年後に塩崎大臣が厚生労働大臣で、この損失に責任を取るとなるかもしれませんが、責任取れないでしょう。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げているように、安全かつ効率的にやっていくということを旨として日々これを実行していくということであって、それは、責任はそこにあるわけでありますので、そうなるためにどういうことをやるのが必要なのかということを絶えず考えてやっているところでございます。
○福島みずほ君 百三十兆円の年金や、それから今度は国家公務員共済、三つの共済などが全部入るわけですが、例えばこれが八十兆円になって年金が本当に目減りするというような事態が起きて、実は責任取れないんですよ。だから私たちは反対をしていると。
ガバナンスとポートフォリオの関係について、理事長とCIOの意見が異なった場合、どうなるんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 独立行政法人というのは、いわゆる独任制と呼ばれていて、これはその法人の長が法人を代表してその業務を総理するということに法律上もなっておりますので、これは最終的には理事長が責任を、最終決断をするというのが独立行政法人の基本でございます。
○福島みずほ君 民間企業でないのにCIOというのも変だなとは思いますが、CIOの水野弘道さんに対する大臣の評価はいかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、これは厚生労働大臣が任命しているわけではなくて、理事長たる三谷理事長が任命をされたということでございます。
彼は、水野さんは、政府の中にあっても幾つか仕事をされてきている方でもございます。また、民間の資産運用の任にも当たったことがある方だというふうに聞いております。
○福島みずほ君 評価はいかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) そういう経歴を積んでこられた力量のある方だというふうに聞いております。
○福島みずほ君 独法改革が効率化、スリム化を基本に行われている中で、GPIFのみが理事長の年俸が六四%引き上げられ、千八百九十四万円から三千百万円になります。また、これCIOもほぼ同じ金額、三千万円と聞いておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) このGPIFの役職員の給与につきましては、平成二十五年十二月に閣議決定をされた、まあ閣議決定というのは今回の法律改正のもとになる閣議決定でございますけれども、独立行政法人改革等に関する基本的な方針、ここにおいて、高度で専門的な人材確保ができるよう、給与水準の弾力化を検討することとされておりまして、本法人の給与体系の改定が求められていたわけであります。
このため、GPIFにおいて第三者的な観点から市場の報酬水準というのを勘案して改正を行うよう、専門のコンサルティング会社を活用いたしまして、その提言に即して平成二十六年十二月、昨年の十二月に給与体系を見直したというふうに承知をしております。
具体的には、金融機関の報酬水準についての客観的なデータなどを踏まえた上で設定されたものだと理解をしておりまして、なお、改定された役員給与規程につきましては、独立行政法人通則法の規定に基づいて、厚生労働省独立行政法人評価委員会、ここで御審議をいただいて、平成二十七年一月十三日に評価委員会として意見はないとの回答をいただいているところでございます。
○福島みずほ君 三千百万円、要するに六四%上がり、CIOもほぼ同じ金額ということでよろしいですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 理事長は三千百万円、それから理事兼CIOは三千万円となっております。
○福島みずほ君 一連の独法改革において、理事長の年俸が六四%上がるという例はありません。極めて異例であって、GPIFが公的使命、遂行から外れ、マネーゲームへ参入するという危険性を象徴しているのではないでしょうか。
それで、二〇一四年七月に基本指針が発表されてから今年三月にモデルポートフォリオが出るまで八か月掛かっております。その結果、GPIFのポートフォリオ変更が先行し、三共済、国家公務員共済、地方公務員共済、私学共済のポートフォリオがGPIFのポートフォリオを追従する形になったのではないですか。
○政府参考人(香取照幸君) GPIFの基本ポートフォリオの見直しに関しましては、これも今朝ほどから大臣からも御答弁申し上げていますが、現在のデフレからの脱却、適度なインフレ環境への移行といった経済状況の変化を踏まえて、厚生労働省としては昨年六月に、御案内のように、年金の財政検証を行いました。その財政検証の結果、長期的な年金財政を確保するための運用の在り方ということでポートフォリオの見直しということを決めたわけでございますが、その意味で申し上げますと、基本的には、今度の中期目標の期間がこの四月に始まるわけでございますけれども、そういった経済状況の変化を踏まえて機動的に対応するということで、その始期の前に前倒しをして行ったということでございます。
他方、モデルポートフォリオでございますが、これは被用者年金の一元化が行われまして、それに伴いまして、年金の積立金、それぞれ各共済がお持ちになっている積立金の運用は基本的には同じ考え方、同じルールで考えましょうということで、そのためのモデルポートフォリオを策定するという作業をいたしました。
この一元化法の施行は本年十月一日でございますので、それに対して十月一日からの施行に間に合うように準備を行って進めるということで、管理運用主体が、私どもがお示しをした積立金の基本指針に基づいて議論をしてそのモデルポートフォリオを決めたと。これが本年の三月二十日ということで、その意味では十月一日を頭に置いて三月に策定をしたと、そういう時系列関係でございます。
○福島みずほ君 この厚生年金のポートフォリオの変更に伴って、債券、国債などを売り、そして株を買うということをやったわけですが、その際、日銀の緩和で日銀がその国債を買うということがありました。これは、日銀は今も株も買っているし国債も買っているわけですが、これって偶然なんですか、それとも出来レースとして行われたんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 当然のことながら偶然でございます。
○福島みずほ君 すばらしい偶然というか、こういうのあるんでしょうか。ポートフォリオを変更するに当たって、結局、日銀がたくさん国債を買ったわけですね。でも、日銀もたくさん持っている、こんなことでいいんだろうかというふうに思います。
東京証券取引所から発表されている統計により投資主体別の株式の売買状況を見ると、個人は二〇一三年以降売り越し、売却額が購入額よりも多い傾向が続いております。また、外国人は二〇一三年には十五兆千百九十六億円の買い越しであったものの、二〇一四年になると買い越し額を八千五百二十六億円へと縮小させ、二〇一五年一月には八千九百三十二億円の売り越しを記録しております。
じゃ、誰が買っているのか。個人が売り越し、外国人による購入の勢いも弱まっています。株式市場における買手としての存在感を高めているのが信託銀行です。二〇一四年以降に鮮明化している信託銀行の売り越し基調に各種の公的資金に基づく株式の購入が少なからぬ影響を及ぼしていると。結局、GPIFによる株式購入は、これは信託銀行の売買動向に反映をされております。GPIFは株式の売買を自ら行うのではなく、信託銀行の口座を通じて売買の注文を出している。つまり、個人が買っているわけでもない、外国人だって弱くなっている、誰が買っているのか。まさにここなんですよね。
五頭の鯨と言われますが、これの厚生年金、それから三つの共済、それからあと、かんぽとゆうちょが出てくると。結局、全然アメリカの株とも連動しないし、いろんなものとも連動しない、エコノミストからいえば一切説明ができない株の動向である。これは、結局、日銀やいろんなものと、本当にこれ、一つの何か劇をやっているというか、一つの買い支えをやって官製相場をつくっているんじゃないか。
この官製相場については、いずれ底が割れるがどうなるのかという質問に、官房長官は、まあそうだと記者会見で言っているわけで、こういう官製相場をやっている限り、いずれ底が必ず割れる。だって、もう買手が決まっているわけで、個人投資家も外国人も出てこなければ、いずれ底が割れる。誰が、そうしたら、こんな年金つぎ込んで失敗して、どうなるのか。国民の年金、守るべきじゃないですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほども官製相場というお言葉が出ましたが、株価というのは何で決まるのかということを考えてみると、どこの国も年金資産で決まるなんという国はないわけで、経済学の授業でもそういうことは教えてくれないわけであって、それはGPIFといえども、先ほど来お話が出ているように、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式、この四つを市場動向も見ながら、そしてまた年金の財政を見ながら運用をして専門家がやっているわけでありまして、何か株価を引き上げるためとかそんなことではなくて、もう専らこれは年金を受け取る被保険者のために考えて運用をお願いをしている。これは寄託をしているわけですから、厚生労働大臣が、ということでやってもらっているので、それは、GPIFがどういう投資をしたりしているのかは我々はつぶさには日々追っかけているわけではございませんで、大きな枠をこうやって基本ポートフォリオとして認可をしているという中で、あとは、その法律にのっとってやってもらうという、コンプライアンス意識をしっかり持ってやってもらっているということでありますので。
そもそも、それよりも、株価を上げたいともし政権が思うならば、やっぱりそこの経済をどう強くするかということが一番大事なことであって、これは、為替相場を円安にしよう、円高にしようといって介入をしても、とてもじゃないけども市場には勝てないということはもう明らかですから、それは株価でも同じことであって、そんなことで株価が上行ったり下行ったりするような浅い国ではないということを日本の経済についても自信を持っていた方が私はいいと思いますし、その根っこの企業がどういうふうに、産業をどう強くするかというところをやっているのがアベノミクスだということを御理解を賜ると有り難いと思います。
○福島みずほ君 日銀は、今年に入ってから上場投資信託を五千億円近く購入。株価が下がる局面で買うことが多く、下落を和らげることで投資家に安心感を与えているというふうに言われています。
大臣は今、浅い国ではないと言ったけれども、浅い国になっていっているんじゃないですか。大臣おっしゃったとおり、実質経済強くすることが必要ですよね。実質経済強くするのは、経済産業省もそうですが、厚生労働大臣としては、雇用を守り厚生を守るというのが筋じゃないですか。結局これ、見せかけの、見せかけというか、株価の値上げをするためにポートフォリオを変更し、もう本当に株をどんどん買って……
○委員長(丸川珠代君) 福島委員、恐縮です。
○福島みずほ君 終わります、はい。
株価を上げることで、国民の年金をつぎ込むことには大反対です。
こんなやり方はやめて、手堅く厚生労働省はやってくれということを申し上げ、質問を終わります。
○福島みずほ君 福島みずほです。
私は、社会民主党・護憲連合を代表して、独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律案について、反対の立場から討論をいたします。
本法案に反対する第一の理由は、年金積立金管理運用独立行政法人、GPIFに関して大きな問題があるからです。
昨秋、安倍政権の成長戦略に基づき、GPIFは厚生年金と国民年金分の株式運用基準を大幅に変更しました。新基準で国内外の株式比率を倍増し、全体で五割に引上げを行う一方、比較的安全とされ、それまで六割を占めていた国内債券を三五%まで下げました。十分な説明が国民になされないまま、国民に対して年金受給額削減、保険料の引上げという大きなリスクを背負わされたことは大きな問題です。
塩崎厚生労働大臣は、大臣就任前から、運用基準の見直しとともにリスクをコントロールできる組織改革が必要だとおっしゃってきましたが、本法案の内容はリスクを回避するための組織改革とは言えません。新たに運用の専門理事を配置することは、逆に株式運用を進めるための体制を整えることにほかならないのです。巨額の年金積立金を株式市場に投じ、安定運用の原則を踏み外すことは断じて容認できません。
第二の理由は、労働安全衛生総合研究所と労働者健康福祉機構の両法人を統合し、新法人とすることです。
労働者健康福祉機構の職員数は一万五千人に対し、労働安全衛生総合研究所は百人程度にすぎません。両法人の統合を機に合理化が迫られ、労働安全衛生総合研究所が行っている事業場における災害の予防、労働者の健康の保持増進、職業性疾病の原因、診断、予防などに関する総合的な調査研究の予算や人員の確保が難しくなれば、労働者の健康、安全を守るという役割が後退しかねません。
長時間過密労働による労働災害、そして心身の健康障害、過労死、過労自殺が増加している現実を見れば、両法人の機能を一層強化し、連携を図るべきであって、安易な統合を行うことは避けるべきです。
以上、私の反対討論を終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
まず、二〇一四年六月、日本再興戦略二〇一四で、GPIFについて、基本ポートフォリオの適切な見直しが書き込まれました。私もそのときのことをよく覚えておりますが、当時、自民党政調会長代理としてまとめに当たった塩崎さんは、どういう意味でこの日本再興戦略の中に基本ポートフォリオの適切な見直しを書き込まれたんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) おととしの再興戦略でしたね。このときの我々の提案あるいは政府の提案は、GPIFのことだけを言っているわけではなくて、押しなべて公的・準公的資金の政府によるあるいは政府、準政府による運用、そしてまたリスク管理体制が十分ではないんじゃないだろうかという問題意識であったというふうに記憶をしております。それは、もちろんGPIFが一つであり、共済もそうでありますし、その他、国立大学の余裕資金の運用の問題についても同様に指摘をしているというふうに思いますが、そういうところでの運用管理、それからリスク管理の高度化を図るべしということを提案をしたというふうに記憶をしております。
それを受けて再興戦略ができ、そして再興戦略の中で有識者会議をつくるということが提案をされて、実際その報告書が二十五年の十一月に出ておりますけれども、その有識者会議の名称も公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議ということでございました。
○福島みずほ君 年金の財政をどうするかという観点からこういうことが提案されているなら分かるんですが、最大の違和感は、日本再興戦略の中にポートフォリオの見直しが入っているからなんです。結局、これおかしいんじゃないですか。どうですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、政府が保有をする資産、資金というのは当然これは国民のものでございますから、それを高度化をして、しっかり運用とリスク管理をしてくれと、こういうことでございました。
○福島みずほ君 年金財政をどう安定させるか、どうやって保障するかというのは分かるんです。しかし、戦略として再興戦略の中に位置付けられたら、投機だったり手段だったりするじゃないですか。それは間違っているよということなんですよね。そういう観点から年金の貴重な積立金を使ってはならない。そもそもこのボタンの最大の掛け違いは、日本再興戦略の中に位置付けて、この金を株に使ってやれという、これは間違っていますよ。
塩崎大臣が厚生労働大臣に就任をされました去年の九月二日、ポートフォリオの見直しをばんと記者会見で冒頭おっしゃって、株が二百円ほど近く上がりました。厚生労働の点で見識を発表すべきであって、ポートフォリオの見直しで株価が上がった、これってどう思われますか。
○福島みずほ君 年金財政をどうやって国民の皆さんの年金を守るかという発想の下に提案されているんだったらいいんです。しかし、全体の国家戦略の中でどうやってやるかという、日本再興戦略、例えば労働法制の規制緩和やいろんなものがオンパレードしてある中にポートフォリオの見直しがあって、それをやるというのが間違いであるというふうに思っております。そもそもこんなやり方でやっていいのかと。
それで、次に、塩崎大臣がかねてより主張されていらしたガバナンスの強化は、今回の法案でどう位置付けられているんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、もう今朝ほどから何度か申し上げておるところでございますけれども、GPIFは、独立行政法人改革等に関する基本的な方針において、本年四月から中期目標管理型の独立行政法人に位置付けられて、今回の法改正では、閣議決定がございましたが、これに基づいて、新しい中期目標期間の開始とともに、独立行政法人のままでも迅速かつ着実に実施すべき措置を講ずるものとして、理事を追加、そして本拠地を東京にするということを明記したということであります。
他方で、法人形態変更も含めたGPIFのガバナンス体制強化については、日本再興戦略改訂二〇一四を踏まえて、社会保障審議会年金部会において法改正の必要性も含めて御議論をいただいておりまして、そこでの議論の内容を踏まえて検討してまいることになるわけでございまして、今回の法改正においては、先ほど申し上げたとおりのことでございまして、ガバナンス体制の強化については不断の取組というのが必要であって、できることからしっかりと取り組んでいくというのが絶えず必要とされる姿勢ではないかというふうに思います。
○福島みずほ君 今、この法案出していて、ガバナンスの強化だといいながら、別のところのもうガバナンスの強化について議論している。
大臣は、今回の法案では、大臣の見解ではガバナンスの強化は不十分だと思っていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 不断の見直しが必要だということはいつも考えておりますが、去年の十月のポートフォリオの見直しのときには、GPIF自身もでき得る限りのガバナンスの強化策を既に発表していて、一つは内部統制の強化、もう一つはリスク管理体制の強化。それぞれ今まで一度もやったことなかったことをたくさんお決めになって、それを実行に今順々に移していて、例えばガバナンス会議を設置する、投資原則、行動規範を作って、もうこれも実際にできております、コンプライアンス・オフィサーを新設をする、あるいはリスク管理体制としても、マクロ経済分析をもっと強化する中で、経済情勢がどういう変化があっても耐えられるだけの運用をしっかりやるために人をそろえるとか、あるいはノウハウも高める、運用資産と年金給付の一体的な分析、専門人材を増やすと、これも当然のことで、これも全て年金の確実な支払につながるようにするということでガバナンスを強化をしているわけであります。
〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕
したがって、私は、できるところからどんどんやっていくべきであって、そのためには議論が必要で、議論は今、年金部会でも行われているということでございます。
○福島みずほ君 普通、政府が出すときはこれで十分でございますと言うのに、そうでなくて、また議論をしているというのは非常に変だというふうに思いますが、運用に失敗して損失が生じた場合、その責任は誰がどのような形で取るんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 年金積立金の運用というのは長期的な視点から評価するものであって、その責任は年金制度を所管している厚生労働省が負うことになり、その長である大臣が最終的には負うということでございまして、また、公的年金制度については、将来の保険料水準を固定した上で、おおむね百年程度の財政均衡期間を通じての年金財政の均衡が保てるように年金額の水準を将来に向けて調整していく仕組みとなっておりますけれども、この仕組みにおいて、一般論としては、人口構造、就業構造等の長期間の動向と同様に、年金積立金の運用実績が将来の年金額の水準に影響を与えることはあり得るわけであって、この場合における運用実績は長期間の動向によって判断されるものであります。今でも大体年間の年金支給額の十数%はこのGPIFから出てきているものだというふうに私は理解をしております。
年金額というのは、物価又は賃金の変動に応じて改定される仕組みとなっておりますから、単年度の運用実績を理由として年金額が改定するものでもないわけでありますから、しっかりとしたこの運用をやるということがしっかりとした年金の約束どおりの支払につながると、こういうことだと思います。
○福島みずほ君 損失への対応は、五年ごとに行う財政検証で判断するということでよろしいですね。
○政府参考人(香取照幸君) 今大臣が御答弁申し上げたとおりでございまして、年金の長期的な財政に影響を与えるのは、もちろん運用もございますが、その時々の経済情勢でありますとか、あるいは被保険者の数、人口等々、様々な経済変動がございます。
〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕
そういうこともありまして、五年に一度、経済前提あるいは人口等、あるいはその間の運用実績等々も踏まえた見直しを行うということでございますので、その意味では、元々運用は将来の給付を確保するために運用を行っているわけでございますので、そういったもろもろの経済諸情勢の変化あるいは年金制度を支える様々な制度の変化を、全体を五年ごとにそれを反映させて見直しを行うと、基本的にはそういう法律上の構成になってございます。
○福島みずほ君 五年ごとに財政検証で判断するということですが、厚生労働大臣、これ損失が生じた場合、厚生労働大臣としてどう責任取れるんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) そもそも年金の運用というのは長期で行うものであって、その長期間の間に安全かつ効率的に運用していくというのが厚生労働大臣にも課せられた使命であるわけでありまして、そのような基本姿勢を貫いていくことが大事であって、最終的には年金の支払を約束どおりしていくということが私の責務であって、責任はそこにあるというふうに考えるわけであります。したがって、安全かつ効率的に運用をされることがなされていることを絶えず確認をしていくというのが私の責任だと思います。
○福島みずほ君 五年後に塩崎大臣が厚生労働大臣で、この損失に責任を取るとなるかもしれませんが、責任取れないでしょう。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げているように、安全かつ効率的にやっていくということを旨として日々これを実行していくということであって、それは、責任はそこにあるわけでありますので、そうなるためにどういうことをやるのが必要なのかということを絶えず考えてやっているところでございます。
○福島みずほ君 百三十兆円の年金や、それから今度は国家公務員共済、三つの共済などが全部入るわけですが、例えばこれが八十兆円になって年金が本当に目減りするというような事態が起きて、実は責任取れないんですよ。だから私たちは反対をしていると。
ガバナンスとポートフォリオの関係について、理事長とCIOの意見が異なった場合、どうなるんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 独立行政法人というのは、いわゆる独任制と呼ばれていて、これはその法人の長が法人を代表してその業務を総理するということに法律上もなっておりますので、これは最終的には理事長が責任を、最終決断をするというのが独立行政法人の基本でございます。
○福島みずほ君 民間企業でないのにCIOというのも変だなとは思いますが、CIOの水野弘道さんに対する大臣の評価はいかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、これは厚生労働大臣が任命しているわけではなくて、理事長たる三谷理事長が任命をされたということでございます。
彼は、水野さんは、政府の中にあっても幾つか仕事をされてきている方でもございます。また、民間の資産運用の任にも当たったことがある方だというふうに聞いております。
○福島みずほ君 評価はいかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) そういう経歴を積んでこられた力量のある方だというふうに聞いております。
○福島みずほ君 独法改革が効率化、スリム化を基本に行われている中で、GPIFのみが理事長の年俸が六四%引き上げられ、千八百九十四万円から三千百万円になります。また、これCIOもほぼ同じ金額、三千万円と聞いておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) このGPIFの役職員の給与につきましては、平成二十五年十二月に閣議決定をされた、まあ閣議決定というのは今回の法律改正のもとになる閣議決定でございますけれども、独立行政法人改革等に関する基本的な方針、ここにおいて、高度で専門的な人材確保ができるよう、給与水準の弾力化を検討することとされておりまして、本法人の給与体系の改定が求められていたわけであります。
このため、GPIFにおいて第三者的な観点から市場の報酬水準というのを勘案して改正を行うよう、専門のコンサルティング会社を活用いたしまして、その提言に即して平成二十六年十二月、昨年の十二月に給与体系を見直したというふうに承知をしております。
具体的には、金融機関の報酬水準についての客観的なデータなどを踏まえた上で設定されたものだと理解をしておりまして、なお、改定された役員給与規程につきましては、独立行政法人通則法の規定に基づいて、厚生労働省独立行政法人評価委員会、ここで御審議をいただいて、平成二十七年一月十三日に評価委員会として意見はないとの回答をいただいているところでございます。
○福島みずほ君 三千百万円、要するに六四%上がり、CIOもほぼ同じ金額ということでよろしいですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 理事長は三千百万円、それから理事兼CIOは三千万円となっております。
○福島みずほ君 一連の独法改革において、理事長の年俸が六四%上がるという例はありません。極めて異例であって、GPIFが公的使命、遂行から外れ、マネーゲームへ参入するという危険性を象徴しているのではないでしょうか。
それで、二〇一四年七月に基本指針が発表されてから今年三月にモデルポートフォリオが出るまで八か月掛かっております。その結果、GPIFのポートフォリオ変更が先行し、三共済、国家公務員共済、地方公務員共済、私学共済のポートフォリオがGPIFのポートフォリオを追従する形になったのではないですか。
○政府参考人(香取照幸君) GPIFの基本ポートフォリオの見直しに関しましては、これも今朝ほどから大臣からも御答弁申し上げていますが、現在のデフレからの脱却、適度なインフレ環境への移行といった経済状況の変化を踏まえて、厚生労働省としては昨年六月に、御案内のように、年金の財政検証を行いました。その財政検証の結果、長期的な年金財政を確保するための運用の在り方ということでポートフォリオの見直しということを決めたわけでございますが、その意味で申し上げますと、基本的には、今度の中期目標の期間がこの四月に始まるわけでございますけれども、そういった経済状況の変化を踏まえて機動的に対応するということで、その始期の前に前倒しをして行ったということでございます。
他方、モデルポートフォリオでございますが、これは被用者年金の一元化が行われまして、それに伴いまして、年金の積立金、それぞれ各共済がお持ちになっている積立金の運用は基本的には同じ考え方、同じルールで考えましょうということで、そのためのモデルポートフォリオを策定するという作業をいたしました。
この一元化法の施行は本年十月一日でございますので、それに対して十月一日からの施行に間に合うように準備を行って進めるということで、管理運用主体が、私どもがお示しをした積立金の基本指針に基づいて議論をしてそのモデルポートフォリオを決めたと。これが本年の三月二十日ということで、その意味では十月一日を頭に置いて三月に策定をしたと、そういう時系列関係でございます。
○福島みずほ君 この厚生年金のポートフォリオの変更に伴って、債券、国債などを売り、そして株を買うということをやったわけですが、その際、日銀の緩和で日銀がその国債を買うということがありました。これは、日銀は今も株も買っているし国債も買っているわけですが、これって偶然なんですか、それとも出来レースとして行われたんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 当然のことながら偶然でございます。
○福島みずほ君 すばらしい偶然というか、こういうのあるんでしょうか。ポートフォリオを変更するに当たって、結局、日銀がたくさん国債を買ったわけですね。でも、日銀もたくさん持っている、こんなことでいいんだろうかというふうに思います。
東京証券取引所から発表されている統計により投資主体別の株式の売買状況を見ると、個人は二〇一三年以降売り越し、売却額が購入額よりも多い傾向が続いております。また、外国人は二〇一三年には十五兆千百九十六億円の買い越しであったものの、二〇一四年になると買い越し額を八千五百二十六億円へと縮小させ、二〇一五年一月には八千九百三十二億円の売り越しを記録しております。
じゃ、誰が買っているのか。個人が売り越し、外国人による購入の勢いも弱まっています。株式市場における買手としての存在感を高めているのが信託銀行です。二〇一四年以降に鮮明化している信託銀行の売り越し基調に各種の公的資金に基づく株式の購入が少なからぬ影響を及ぼしていると。結局、GPIFによる株式購入は、これは信託銀行の売買動向に反映をされております。GPIFは株式の売買を自ら行うのではなく、信託銀行の口座を通じて売買の注文を出している。つまり、個人が買っているわけでもない、外国人だって弱くなっている、誰が買っているのか。まさにここなんですよね。
五頭の鯨と言われますが、これの厚生年金、それから三つの共済、それからあと、かんぽとゆうちょが出てくると。結局、全然アメリカの株とも連動しないし、いろんなものとも連動しない、エコノミストからいえば一切説明ができない株の動向である。これは、結局、日銀やいろんなものと、本当にこれ、一つの何か劇をやっているというか、一つの買い支えをやって官製相場をつくっているんじゃないか。
この官製相場については、いずれ底が割れるがどうなるのかという質問に、官房長官は、まあそうだと記者会見で言っているわけで、こういう官製相場をやっている限り、いずれ底が必ず割れる。だって、もう買手が決まっているわけで、個人投資家も外国人も出てこなければ、いずれ底が割れる。誰が、そうしたら、こんな年金つぎ込んで失敗して、どうなるのか。国民の年金、守るべきじゃないですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほども官製相場というお言葉が出ましたが、株価というのは何で決まるのかということを考えてみると、どこの国も年金資産で決まるなんという国はないわけで、経済学の授業でもそういうことは教えてくれないわけであって、それはGPIFといえども、先ほど来お話が出ているように、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式、この四つを市場動向も見ながら、そしてまた年金の財政を見ながら運用をして専門家がやっているわけでありまして、何か株価を引き上げるためとかそんなことではなくて、もう専らこれは年金を受け取る被保険者のために考えて運用をお願いをしている。これは寄託をしているわけですから、厚生労働大臣が、ということでやってもらっているので、それは、GPIFがどういう投資をしたりしているのかは我々はつぶさには日々追っかけているわけではございませんで、大きな枠をこうやって基本ポートフォリオとして認可をしているという中で、あとは、その法律にのっとってやってもらうという、コンプライアンス意識をしっかり持ってやってもらっているということでありますので。
そもそも、それよりも、株価を上げたいともし政権が思うならば、やっぱりそこの経済をどう強くするかということが一番大事なことであって、これは、為替相場を円安にしよう、円高にしようといって介入をしても、とてもじゃないけども市場には勝てないということはもう明らかですから、それは株価でも同じことであって、そんなことで株価が上行ったり下行ったりするような浅い国ではないということを日本の経済についても自信を持っていた方が私はいいと思いますし、その根っこの企業がどういうふうに、産業をどう強くするかというところをやっているのがアベノミクスだということを御理解を賜ると有り難いと思います。
○福島みずほ君 日銀は、今年に入ってから上場投資信託を五千億円近く購入。株価が下がる局面で買うことが多く、下落を和らげることで投資家に安心感を与えているというふうに言われています。
大臣は今、浅い国ではないと言ったけれども、浅い国になっていっているんじゃないですか。大臣おっしゃったとおり、実質経済強くすることが必要ですよね。実質経済強くするのは、経済産業省もそうですが、厚生労働大臣としては、雇用を守り厚生を守るというのが筋じゃないですか。結局これ、見せかけの、見せかけというか、株価の値上げをするためにポートフォリオを変更し、もう本当に株をどんどん買って……
○委員長(丸川珠代君) 福島委員、恐縮です。
○福島みずほ君 終わります、はい。
株価を上げることで、国民の年金をつぎ込むことには大反対です。
こんなやり方はやめて、手堅く厚生労働省はやってくれということを申し上げ、質問を終わります。
○福島みずほ君 福島みずほです。
私は、社会民主党・護憲連合を代表して、独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律案について、反対の立場から討論をいたします。
本法案に反対する第一の理由は、年金積立金管理運用独立行政法人、GPIFに関して大きな問題があるからです。
昨秋、安倍政権の成長戦略に基づき、GPIFは厚生年金と国民年金分の株式運用基準を大幅に変更しました。新基準で国内外の株式比率を倍増し、全体で五割に引上げを行う一方、比較的安全とされ、それまで六割を占めていた国内債券を三五%まで下げました。十分な説明が国民になされないまま、国民に対して年金受給額削減、保険料の引上げという大きなリスクを背負わされたことは大きな問題です。
塩崎厚生労働大臣は、大臣就任前から、運用基準の見直しとともにリスクをコントロールできる組織改革が必要だとおっしゃってきましたが、本法案の内容はリスクを回避するための組織改革とは言えません。新たに運用の専門理事を配置することは、逆に株式運用を進めるための体制を整えることにほかならないのです。巨額の年金積立金を株式市場に投じ、安定運用の原則を踏み外すことは断じて容認できません。
第二の理由は、労働安全衛生総合研究所と労働者健康福祉機構の両法人を統合し、新法人とすることです。
労働者健康福祉機構の職員数は一万五千人に対し、労働安全衛生総合研究所は百人程度にすぎません。両法人の統合を機に合理化が迫られ、労働安全衛生総合研究所が行っている事業場における災害の予防、労働者の健康の保持増進、職業性疾病の原因、診断、予防などに関する総合的な調査研究の予算や人員の確保が難しくなれば、労働者の健康、安全を守るという役割が後退しかねません。
長時間過密労働による労働災害、そして心身の健康障害、過労死、過労自殺が増加している現実を見れば、両法人の機能を一層強化し、連携を図るべきであって、安易な統合を行うことは避けるべきです。
以上、私の反対討論を終わります。

