福島みずほのどきどき日記

技能実習法案で質問 11/10参法務厚労連合審査

11月10日(木)午前の参議院法務委員会、厚生労働委員会連合審査会で、技能実習法案について質問しました。

○福島みずほ君 希望の会、社民党の福島みずほです。
 アメリカの国務省人身取引監視対策部は、今年六月三十日に発表した人身取引報告書において、外国人労働者の専門的技能育成という本来の目的の逸脱、一万ドルもの保証金、数千ドルの違約金、パスポート取上げ、移動の自由に対する制限などを挙げています。同報告書が二〇〇七年に初めて技能実習制度に言及して以来、十年が経過しているにもかかわらず、こうして毎年批判され続けております。
 国会においても、技能実習生について私も質問し続けてきました。改善されなかったのはなぜなんでしょうか。

○政府参考人(井上宏君) 技能実習制度につきましては、御指摘のように、一部で保証金の徴収、パスポートの取上げ等の不適切な行為が行われておりまして、これまで米国国務省の人身取引報告書でもこれらの行為の禁止を求められるなどしていたところでございます。
 法務省におきましては、これまでも随時通達や省令を見直すことにより不正行為対策を強化してきておりまして、さらに平成二十一年には、一年目から雇用契約の締結を義務付け、技能実習の全期間、労働関係法令が適用されるようにするなど、技能実習生の保護の強化を図るための法改正も行ってきたところでございます。これらの制度改正によりまして、不正行為は減少したものの、いまだに残業代の未払やパスポートの保管等の不適正な事例があるものと認識してございます。
 そこで、そのような技能実習における不適正な取扱いがなくならない原因でございますが、制度の趣旨を十分に理解せず、技能実習生を低賃金労働者として扱う監理団体や実習実施機関があるということが考えられます。また、入管法令や労働関係法令の遵守に関する点を含めまして、監理団体や実習実施機関などに対する政府の指導監督体制が十分でなかったことも一因と認識してございます。そこで、国際貢献という制度の趣旨を徹底するために制度の抜本的な見直しをすることといたしまして、今回の法案を提出させていただいた次第であります。

○福島みずほ君 パスポートを取り上げたり、保証金や、あるいはたくさんの人権侵害事案があって、今の御説明でも根絶されていないと。今後どうしていくかなんですが、最低賃金、技能実習生にも労働法の適用があるわけです。しかし、そのことが徹底されていない。だとすると、先ほど石橋委員の方からも質問がありましたが、先ほども現場を把握していないというのが答弁でした。じゃ、それを今後どうやって変えていくのか。
 私は、一つは、技能実習生一人一人に、例えば、日本はあなたには最低賃金の適用があって、この地域は幾らです、そして残業代は払われます、こういうふうに日本は規定をしています、あるいは、賃金が払われるけど、それからいろんな形で天引きがされることは違法です、そして問題があればここに訴えることができますというようなものを一人一人の技能実習生に配るなんというのはどうでしょうか。
 つまり、会社側はきちっとした最低賃金守りますというので出しているわけですが、現場の労働者の人権侵害はなくならない。だとしたら、現場の労働者に直接、あなたには最低賃金は保障されます、不当な天引きは許されません、そういうものをきちっとその国の言語で書いたものを渡していく、こういうのを徹底したらいかがでしょうか。どうでしょうか。

○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 現状の取組におきましても、技能実習生手帳というものを私ども作って配付をしております。これは主要な母国語でも作成をしておりまして、今先生が御指摘がありましたような労働法令につきましてもその内容に盛り込んでおります。
 引き続き、これ新制度におきましてもこうした取組、より内容についても更に必要なものを充実させていく、さらには入国後の研修のときにもこうした手帳等も活用しながら、よりこうした点を徹底をしてまいりたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 全員に配付されているんでしょうか。

○政府参考人(宮野甚一君) これは、入国時に全員に配付をいたしております。

○福島みずほ君 徹底して、きちっと守られるように更にお願いしますし、今日あったように、まだ人権侵害事案がたくさんあるということに踏まえて、対応していただきたいと思います。
 先ほど述べた報告書は、日本政府に対し、人身取引の被害者専用のシェルターなど、人身取引の被害者に対して専門のケアと支援を提供する資源を確保すべき旨勧告をしています。技能実習生を含む人身取引被害者のための専用シェルターを国の責任において造るべきではないでしょうか。

○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 受入れ機関による実習生への人権侵害等が認められ、当該受入れ機関の下での実習継続が困難と判断される場合には、外国人技能実習機構におきまして、実習生本人の希望も踏まえつつ、新たな実習先を確保するための連絡調整等の支援を実施するほか、実習生が受入れ機関の用意した宿舎に滞在し続けることが困難な事情があると認められる場合には、新たな受入れ機関による宿舎の確保等までの間、一時的に利用することができる宿泊先を確保、提供する等の援助を予定しております。

○福島みずほ君 それはシェルターではないじゃないですか。
 私は議員になる前、アジアからの出稼ぎ女性の緊急避難所のアドバイザーロイヤーの一人でした。やっぱりシェルターを国が造るべきだ、いかがでしょうか。

○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 今、私どもで考えておりますのは、固定的な施設としてのシェルターというものではなく、具体的には事前にこうしたケースについて優先的に宿泊できるということを特定の宿泊施設と契約をしておいて、必要が生じたときにそこで受入れをし、かつ機構の方の専用のスタッフがケアをするという体制を考えております。

○福島みずほ君 たくさんの人権侵害事案があり、ここに駆け込めば何とかなると、逃げ出した後にここを仮の宿泊所にしますよというのではなく、やはりきちっと対応して、根絶していただきたい。そういうシェルターを設けることが、逆に情報が入ってくるので、問題があるところを逆に切り込めることができると思います。是非検討をよろしくお願いします。
 それで、介護のことなんですが、技能実習生の対象職種に介護を追加することを検討する等整備をするということですが、訪問介護については行わないということでよろしいですね。

○政府参考人(定塚由美子君) 介護の技能実習制度におきましては、御指摘の訪問介護サービスについては実習の対象とはしないということを考えております。

○福島みずほ君 理由は何でしょうか。

○政府参考人(定塚由美子君) お答え申し上げます。
 厚生労働省の検討会において御議論をいただいた際に、訪問介護などの訪問系サービスは利用者と介護者が一対一で業務を行うことが基本であるサービスであるため、適切な指導体制を取ることが困難であること、また利用者、技能実習生双方の人権擁護など適切な在留確保の担保が困難であることから、実習実施機関の対象とすべきではないとされているところでございます。これを踏まえて、対象とはしないということと考えております。

○福島みずほ君 訪問介護の禁止は、法令上、厚生労働大臣告示で規定するということでよろしいでしょうか。

○政府参考人(定塚由美子君) 御指摘のとおり、技能実習法の主務省令に基づく厚生労働大臣告示で規定することを考えております。

○福島みずほ君 そうだとすると、将来、例えば訪問介護にも拡充する、要するに大臣告示を変えればいいわけですから、もちろん審議会等で議論するかもしれませんが、国会の関与なく、例えば訪問介護も拡大するということは法制度上は可能ということですよね。

○政府参考人(定塚由美子君) 今申し上げたとおり、厚生労働大臣告示で規定をしておりますので、もし将来改正をするということがあり得るならば、告示の改正を行うということになります。

○福島みずほ君 つまり、国会の法律の関与なく訪問介護まで拡充することができる。介護の訪問介護士の女性たちからは、やはりセクシュアルハラスメントを受けるや、いろんな労働相談、研修など、よく話を聞きます。ですから、やはり、守るというと変ですが、そういうことはとても必要だというふうに思っています。
 それで、訪問介護以外の部分において現在行われている介護労働と技能実習生の行う介護労働は、どこが同じでどこが違うんでしょうか。

○政府参考人(定塚由美子君) 技能実習生が行う介護の業務と介護職員が行う介護の業務は基本的には同じでございますが、その一方で、介護の技能実習制度では、技能実習生が行う介護について、移転対象となる適切な業務内容、範囲が明確にされ、各年で到達すべき水準が定められております。例えば、一年目であれば、指示の下であれば決められた手順等に従って基本的な介護を実践できるレベル、三年目であれば、自ら介護業務の基盤となる能力や考え方等に基づき利用者の心身の状況に応じた介護を一定程度実践できるレベル、このようなレベルに従って業務を進めていただくこととなります。

○福島みずほ君 今まで技能実習制度が、実は技能の研修というよりも、安価な労働力として農村やいろんなところで使われてきたということがあります。介護現場で外国人技能実習生が入るということは、またその日本の介護労働者の労働条件を引き下げることになってしまうのではないか。つまり、外国人の受入れを整備する前に、日本人の介護人材の活用と課題への具体的施策、労働条件の向上、それこそすべきではないでしょうか。
 ただでさえ、とりわけ小規模ですと、今、例えば労働条件悪く、皆さんも御存じのとおり、志を持ってもどんどん若い人が辞めていく現状があります。技能実習の利用が、要するに、介護職に導入することで介護職の低賃金の固定化や労働環境の悪化を招き、その結果、更に日本人の離職を助長するおそれがあるのではないか。政府はいかがお考えでしょうか。

○政府参考人(定塚由美子君) 委員御指摘のとおり、国内の介護人材の確保対策、大変重要と考えておりまして、これはニッポン一億総活躍プランに基づきまして、あらゆる施策を動員して介護人材の確保の取組、進めているところでございます。
 一方、技能実習でございますけれども、厚生労働省の検討会の中でも、介護職に対するイメージ低下を招かないようにすること、また、外国人について、日本人と同様に適切な処遇を確保し、日本人労働者の処遇、労働環境の改善の努力が損なわれないようにすることが必要であるとされているところでございます。
 今後、厚生労働省におきまして、こうした考え方に基づき、介護職種の追加に向けては、介護職の低賃金の固定化や労働環境の悪化などを招くことのないよう制度設計を進めてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 今日の審議の中で、今まで法務省が、実際幾らで働いているのか現場の一人一人について把握しているわけではないということが他の議員との質疑の中で明らかになりました。そうすると、日本人と同程度の給料、あるいはそれ以上、そしてきちっと最賃守っているということの担保は具体的にどうやっていくんでしょうか。

○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 まず、技能実習計画の認定の時点におきまして、日本人と同等以上の賃金が支払われることになっているかと、これにつきまして、実施者から証明をしていただくということになります。さらに、それに加えまして、新しく設立されます外国人技能実習機構の職員が実地にそれぞれの技能実習実施者を調査をいたしまして、具体的に支払われている賃金について、例えば賃金台帳等を確認するということも含めまして、きちんと確認をしていくということを考えております。

○福島みずほ君 日本語のコミュニケーションということで、介護現場の話に戻りますが、介護は対人サービスですから日本語能力は不可欠です。技能実習生が介護業務を行うのに必要な日本語能力の要件、及びその要件を法務省令あるいは主務省令でどのように担保していくおつもりなんでしょうか。

○政府参考人(定塚由美子君) 日本語能力につきましては、段階を経て技能を修得するという制度の趣旨から、期待される業務内容、到達水準との関係を踏まえ、入国時はN4程度を要件としつつN3程度が望ましい水準、二年目はN3程度を要件とし、一定の日本語能力を技能実習生に求めることを考えております。
 このような要件につきましては、技能実習法の主務省令に基づく厚生労働大臣告示で規定することを考えております。

○福島みずほ君 質問を終わります。ありがとうございます。

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