
本日(12月13日)夕方、参議院厚生労働委員会で、年金カット法案が採決され、賛成多数で可決されてしまいました。
私は断固反対の立場から、以下のように反対討論を行いました。お読み下さい。
私は、希望の会(自由・社民)を代表して、「公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案」について、反対の立場から討論を行います。
反対の最大の理由は、本法案で年金支給額を引き下げる新たなルールがつくられることにより、高齢者の生活基盤である公的年金が弱体化する危険性が非常に高いからです。
現在、新規裁定者は賃金変動に合わせ、既裁定者は物価変動に合わせて改定することにより、年金額の実質的な価値を維持し、高齢者の購買力を維持しています。
ところが、今回の賃金・物価スライド見直しは、物価の下げ幅より賃金が大きい場合は賃金に合わせて減額する、物価が上がっても賃金が下がれば賃金に合わせて減額する、というように、減額を強化する内容です。労働者の実質賃金は低迷を続け、政府が予定している消費税増税等による物価上昇を考えると、年金生活者の購買力がどこまで維持できるのか不安が募ります。また、これは本則の改定ですから、現役・将来世代も老後に受け取る年金が物価の上昇から離れて引き下げられ大きな影響を受けます。
さらに、本法案では、マクロ経済スライド調整率が、物価・賃金スライド率よりも大きくて引ききれなかった場合、翌年度以降に未調整分を持ち越す、キャリーオーバーという仕組みが設けられます。マクロ経済スライド調整は年金すべてにかかりますが、特に問題なのは基礎年金の水準が著しく低下することです。また、キャリーオーバーには期限がないため、調整期間が長期化すれば基礎年金の劣化が激しくなり、国民年金のみの高齢者、低年金者、障害年金で暮らす人びとほど、より打撃が大きくなります。
高齢者の最低限の生活水準を保障できるのかどうか、これは公的年金の存在意義にかかわることです。公的年金制度の最低保障機能をさらに脆弱化する本法案を許すわけにいきません。
加えて、本則の改定とマクロ経済スライド調整の強化がダブルで実施されることへの不安に対して、政府は甘い前提による見通しを示すのみでした。国民が納得できる政府の説明がなかったことを許すわけにはいきません。
政府は、現役・将来世代のために必要な改革だと強調しますが、本法案の短時間労働者への被用者保険の適用拡大は実効性が乏しいと言わざるを得ません。本気で現役・将来世代のことを考えるのであれば、中小企業への保険料負担軽減等の支援を講じながら適用拡大を大胆に進め、あわせて、非正規、男女の賃金格差を是正して、社会保障制度の支え手を増やしていくことに積極的に取り組むべきです。
新たに設置されるGPIFの経営委員会の構成員の割合も問題です。年金積立金の運用割合など重要方針を決定する役割を担うのですから、構成員の半数を被保険者の代表にして、国民の意見を反映させるべきです。
最後に、日本は、国連社会権規約委員会から2度にわたり最低保障年金の創設を勧告されています。高齢者の貧困・格差をこれ以上拡大させないために、最低保障年金を含む年金制度の抜本改革に今すぐ取り組むべきであることを強調し、私の討論と致します。
私は断固反対の立場から、以下のように反対討論を行いました。お読み下さい。
私は、希望の会(自由・社民)を代表して、「公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案」について、反対の立場から討論を行います。
反対の最大の理由は、本法案で年金支給額を引き下げる新たなルールがつくられることにより、高齢者の生活基盤である公的年金が弱体化する危険性が非常に高いからです。
現在、新規裁定者は賃金変動に合わせ、既裁定者は物価変動に合わせて改定することにより、年金額の実質的な価値を維持し、高齢者の購買力を維持しています。
ところが、今回の賃金・物価スライド見直しは、物価の下げ幅より賃金が大きい場合は賃金に合わせて減額する、物価が上がっても賃金が下がれば賃金に合わせて減額する、というように、減額を強化する内容です。労働者の実質賃金は低迷を続け、政府が予定している消費税増税等による物価上昇を考えると、年金生活者の購買力がどこまで維持できるのか不安が募ります。また、これは本則の改定ですから、現役・将来世代も老後に受け取る年金が物価の上昇から離れて引き下げられ大きな影響を受けます。
さらに、本法案では、マクロ経済スライド調整率が、物価・賃金スライド率よりも大きくて引ききれなかった場合、翌年度以降に未調整分を持ち越す、キャリーオーバーという仕組みが設けられます。マクロ経済スライド調整は年金すべてにかかりますが、特に問題なのは基礎年金の水準が著しく低下することです。また、キャリーオーバーには期限がないため、調整期間が長期化すれば基礎年金の劣化が激しくなり、国民年金のみの高齢者、低年金者、障害年金で暮らす人びとほど、より打撃が大きくなります。
高齢者の最低限の生活水準を保障できるのかどうか、これは公的年金の存在意義にかかわることです。公的年金制度の最低保障機能をさらに脆弱化する本法案を許すわけにいきません。
加えて、本則の改定とマクロ経済スライド調整の強化がダブルで実施されることへの不安に対して、政府は甘い前提による見通しを示すのみでした。国民が納得できる政府の説明がなかったことを許すわけにはいきません。
政府は、現役・将来世代のために必要な改革だと強調しますが、本法案の短時間労働者への被用者保険の適用拡大は実効性が乏しいと言わざるを得ません。本気で現役・将来世代のことを考えるのであれば、中小企業への保険料負担軽減等の支援を講じながら適用拡大を大胆に進め、あわせて、非正規、男女の賃金格差を是正して、社会保障制度の支え手を増やしていくことに積極的に取り組むべきです。
新たに設置されるGPIFの経営委員会の構成員の割合も問題です。年金積立金の運用割合など重要方針を決定する役割を担うのですから、構成員の半数を被保険者の代表にして、国民の意見を反映させるべきです。
最後に、日本は、国連社会権規約委員会から2度にわたり最低保障年金の創設を勧告されています。高齢者の貧困・格差をこれ以上拡大させないために、最低保障年金を含む年金制度の抜本改革に今すぐ取り組むべきであることを強調し、私の討論と致します。

