福島みずほのどきどき日記

「外国人労働者との共生」2008年3月10日号

 少子高齢化社会の中で、外国人を労働者として活用すべきだという意見がある。
現にかつて出入国管理法が改正され、いわゆる単純労働も事実上行われるようになった。また経済連携協定(EPA)に基づき、外国人看護師、介護福祉士の受け入れも決定された。これから、どう考えたらいいのだろうか。
 先日、参院少子高齢化・共生社会に関する調査会が、外国人との共生の実態を視察するため、静岡、愛知両県を訪れた。3つの学校と企業に協力してもらって、メンバーの1人として視察させていただいた。外国人の当事者の人たちと話をすることができた。日本の大学を出て、正社員として働いている人もいた。しかし、圧倒的に、派遣か請負として、工場の中で製造業に従事する人たちの方が多かった。給料は月給に換算すると20万―30万円の人たちが多いとも聞いた。
「安価な労働力の導入」ということでは成功したのかもしれない。みんなまじめに働き、場合によっては、本国に送金をしている。しかし問題は、人間は「労働力」だけの存在ではないということである。恋愛をしたり、結婚をしたり、子どもが生まれたり…。場合によっては病気にもなり、そうして年を取っていくということである。特に子どもたちの教育の問題は大事である。
 調査会に参考人として来ていただいた関西学院大の井口泰教授は、こうおっしゃった。
「日系人労働者は30万人を超えている。摘発されたはずの偽装請負は、また請負に復帰する動きがあり、外国人労働者の境遇改善にはつながらない。中卒外国人の子どもの高校退学率は学校統計では60%前後といわれるが、把握できない者を含めると、地域によっては4人に3人が進学せず、非正規雇用に流れた可能性がある」
 確かに、子どもたちの教育は後手に回っている。個人や現場の懸命の努力で何とか支えられているという感じである。
 浜松市の「ムンド・デ・アレグリア学校」は、松本雅美校長が無給で必死につくってきた学校である。地域の空き学校を使わせてほしいと願っているが、実現できていない。体育館やプールがない所で、子どもたちの笑顔に救われた。豊橋市の「カンティーニョ学園」は認可されており、補助も受けていた。ブラジルから教材を輸入している。授業料が3万円である。親にとっては、子どもが2人、3人となると負担が大変である。また豊橋市立岩田小学校では、先生たちが頑張って、入ってくる日系ブラジル人児童の日本語習得の手伝いをしていた。
 親にとっても悩みがある。母国語をマスターさせようとして、特別の学校に入れると、授業料の負担は大きいし、日本語の習得も遅れるかもしれない。公立学校では日本語はできるようになるかもしれないが、母国に帰ったときにどうなるのだろう。また、日本の高校、大学への進学は難しい。社会には差別もある。
 外国人の研修の問題もひどい。365日無休で、朝5時から夜10時までいちご農園で働かされた中国人にも会った。労働法制のみならず、あらゆる法制度なくして、外国人に安直に働いてもらってはダメ、というのが私の意見である。

【共同通信社週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」2008年3月10日号より】

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