福島みずほのどきどき日記

Suica情報のビジネス化は問題だ

 6月10日(水)の参議院地方・消費者問題に関する特別委員会で、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」、「地域再生法の一部を改正する法律案」そしてSuicaの乗降情報のビジネス化の問題点などについて質問しました。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律案についてお聞きをいたします。
 法案では、二から四ヘクタールの農地転用に係る国の協議を廃止するとともに、四ヘクタールを超える農地転用に係る権限について、当分の間、農林水産大臣との協議を付した上で都道府県知事に移譲することにしております。
 地方からの要望を受けて法案化したもので、より地域に近くなるという面はあるかもしれませんが、他方、一方でどんどん農地を転用できるということで、農地が守れるのかという意見も出ております。このような懸念にどう答えますでしょうか。

○国務大臣(石破茂君) これは何度か申し上げておりますが、規制緩和を行うものではございません。権限移譲を行うものでございます。
 地方においていろいろな企業を誘致したい、そのためには農地転用が必要だ、しかしながらそれは四ヘクタールを超えている、国との協議ということをやっている間に時間が徒過をして企業が進出できなかったというような例が幾多ございます。そうしますと、その権限を都道府県知事、場合によってはそれ以下の自治体に落とすことによって時間の短縮というものを図ることができると思いますが、それを野方図に農地転用を認めるということを意味するものでは全くございません。
 ただ、国の関与というものをある程度残しておきませんと、それは自給力とか自給率とかいうものが瓦解するおそれがございますので、全く国の関与を外すものではございませんが、農地の総量確保あるいは自治体のスキルの造成、そういうものを図っていきながら、農地が壊廃が進まないように、それは今回の法改正におきまして最も留意した点の一つでございます。

○福島みずほ君 地方再生法の一部を改正する法律案についてお聞きをいたします。
 そもそも地方再生制度は、地方が行う自主的かつ自立的な取組を国が支援するといういわゆるボトムアップ型の施策でした。しかし、増田レポートに端を発した安倍政権による地方創生は、これは、例えば地方公共団体においては、国の長期ビジョンと総合戦略を勘案して、地域特性を踏まえた地方人口ビジョンと地方版総合戦略を策定するというふうになっております。既にコンサルに丸投げといった事態も指摘をされております。
 こうした中、国の総合戦略において、地方公共団体が作成する地域再生計画に企業などの地方拠点強化に係る事業を盛り込むことが規定をされました。言わば旧来型の企業誘致に頼る地方創生の手法でもあります。
 大臣は、地域を非常に、全国回ってボトムアップでやろうとしているというのも非常に見えるんですが、しかし、例えば里山などの地域資源を生かした地域の自主的、自立的な取組を支援するというスキームが事実上骨抜きになってしまったんじゃないか、国主導による地方創生ではないか、このことにどう答えられるでしょうか。

○国務大臣(石破茂君) いろんな御指摘は謙虚に承りながら、正すべきは正していかねばならないと思っております。
 ただ、私ずっと申し上げていることですが、その地域のことはその地域でないと分からないので、都城のことは都城でないと分からないであろうと、あるいは出雲のことは出雲でないと分からないだろう。それは、やはり地域でいろいろな総合的な計画を、五年を目途として来年の三月三十一日までに作ってくださいということを法律の内容として盛り込み、昨年暮れ成立をさせていただいたところでございます。そこにおいて、国が押し付けとかそういうことはできるはずもございませんし、国がこのような形でやれと言ってそういうことになるわけでもございません。
 その地域における産業界であり、あるいは学問に携わる方であり、あるいは労働問題に携わる方であり、あるいは金融に携わる方であり、そういう方々が御議論をいただき、PDCAをワークさせ、KPIを設定するということにおいて、そこにおいて国が何かを押し付けるということには論理的にもならないものだと考えております。

○福島みずほ君 東京一極集中是正と言いながら、一方で東京など大都市圏を国家戦略特区に指定しております。私は、国家戦略特区というのは新自由主義のものだと思っておりまして、規制緩和が入っております。私は地方出身ですから、地方はやっぱり社会民主主義的な価値観で、ボトムアップで共生社会とやらなければ生きていけない、新自由主義で地方は滅びると実は思っております。
 その意味で、国家戦略特区の考え方と地方創生、一方で東京を国家戦略特区に指定しながら地方創生と言うことは、これは矛盾しませんか。

○政府参考人(若井英二君) お答え申し上げます。
 今、こういった地方創生の関係と特区との関係ということについてのお尋ねでございます。
 特に、この地域再生法改正法におきます地方拠点の強化施策につきましては、東京二十三区に集中をしております本社機能について、これを全国に分散をしていこうと、このように考えておりまして、こういったことを通じまして地方に安定した良質な雇用をつくっていこうと、こういう考え方でございます。
 他方、国家戦略特区というものにつきましては、国際競争力を強化すべき産業、業種というものにつきまして、やはり国の既に集積のございます東京でありますとか大阪、名古屋、こういったところが国際的な経済活動の拠点となって日本の経済の成長のエンジンとなると、こういった形で全体を引っ張っていくということでございますから、これは対象としております業種ですとか考え方それぞれに整理をして行っているものでございまして、当然に整合的に進めておるものでございます。

○福島みずほ君 ただ、国家戦略特区で労働法制の規制緩和をしたり、今度の法案の中に、例えば国家戦略特区で外国から家事労働者を導入するということなど、一方で労働法制を規制緩和するという面があると思うんですね。一方で、ある意味新自由主義的な手法を物すごく取りながら、一方で、地方創生は私も社会民主主義的な価値観でなければやっていけないと思っているんですが、これは明確に矛盾ではないか。東京から新自由主義で、それで全国展開、東京から発信していくことと哲学が矛盾しているのではないかというふうに思っております。
 次に、二〇一二年改正法で、コミュニティー再生のノウハウを蓄積したNPOや社会福祉法人を対象に地域再生推進法人制度が創設をされました。二〇一四年改正法で、営利を目的としない法人が削除をされました。今回の法改正で再度文言を復活されております。二転三転しているのはなぜでしょうか。一貫していないのではないですか。

○政府参考人(内田要君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、平成二十六年の、昨年の臨時国会でございますが、改正におきまして、まちづくり会社など、町づくりの担い手として活動している例が大変有用だということで、営利法人を一部追加いたしました。その際、非営利法人を削除したのではございませんで、まちづくり法人として活動実績のあるNPO法人、一般社団、一般財団ということで非営利法人を整理させていただいたわけでございます。
 それで、今般の改正でございますが、小さな拠点の形成に、例えば高齢者福祉施設を営む社会福祉法人でございますとか、あるいは農業に携わる農協というのが地域の生活サービスの担い手ということで大変有用である、重要であるという実態を踏まえまして、改めて範囲の見直しをさせていただいたところでございます。
 以上でございます。

○福島みずほ君 消費者の権利という観点から、パーソナルデータ、ビッグデータ、マイナンバーなどについてお聞きをいたします。
 匿名加工情報についてとりわけお聞きをいたします。匿名加工情報とは、「特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって、当該個人情報を復元することができないようにしたものをいう。」とされております。匿名加工情報の第三者提供に関する内閣官房、消費者庁の見解はどうでしょうか。

○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、個人情報保護法上、個人情報は特定の個人を識別することができるということが要件の一つになっておるところでございます。今回の法案におきます匿名加工情報は、個人情報を特定の個人を識別することができないように加工し、かつ元の個人情報を復元することができないようにしたものでございます。したがいまして、個人情報には該当しないものでございます。
 今回の法案におきましては、消費者保護にも配慮をいたしまして、データの利活用による新事業、新サービスの創出を促進するという観点から、新たに匿名加工情報を定義をいたしまして、委員会規則に基づく適正な加工とか、加工に関する情報等の安全管理措置などの一定の条件の下におきまして、本人の同意なく第三者に提供できるようにするものでございます。
 消費者保護にも配慮しながら、自由な情報の流通、利活用が促進されることを期待をしているところでございます。

○政府参考人(服部高明君) お答えさせていただきます。
 匿名加工情報は、個人情報を誰に関する情報であるか分からないように加工し、本人の権利利益の侵害のおそれを低減したものと承知しており、その前提において消費者の権利利益を害するものではないと考えております。
 また、改正法案では匿名加工情報の作成方法や安全管理措置の基準等が個人情報保護委員会規則で定められることになっているところ、消費者庁としては、匿名加工情報に係る制度設計が消費者の理解を得られるものとなり、消費者の安心、信頼を損なわないよう運用されることが重要であると認識しております。
 法改正後は、新設される個人情報保護委員会が個人情報保護法を所管することとなりますが、消費者庁としても、同委員会と連携しつつ、消費者の利益の擁護及び増進を図るべく必要な取組を行ってまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 消費者の立場からすれば、自分のデータをビッグデータにしてそれを売買するということは予想していないと思うんですよ。そんなこと頼んでいないし、そんなこと同意していないよというのが消費者の立場ではないでしょうか。
 JR東日本と日立製作所の連携による四千三百万枚のSuica情報売買問題に関して、国土交通省はどのような注意、指導を行っているでしょうか。

○政府参考人(篠原康弘君) お答え申し上げます。
 御指摘の平成二十五年六月のJR東日本の事案でございますが、JR東日本によりますと、Suicaの旅客流動に関するデータの中で、氏名、連絡先、Suica番号等を削除して、個人が特定できないような加工をした上で日立製作所に提供したということでございましたが、国土交通省といたしましては、利用者の不安を惹起するおそれのあるデータの提供につきましては個人のプライバシーに配慮して慎重かつ丁寧な対応を行うことが望ましい旨の指摘を行ってございます。

○福島みずほ君 このSuica情報売買は、現行法において、適法なんでしょうか違法なんでしょうか。

○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。
 事案の発生当時、Suicaに関するデータにつきましては、氏名、連絡先、Suica番号等を除くことなどによりまして、個人が特定できないよう加工した上で日立製作所の方に提供されたものだというふうに承知をしているところでございます。
 個人情報保護法上、個人情報とは、特定の個人を識別することができるものをいい、他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含むというふうに規定をしているところでございます。
 他の情報と容易に照合できるかどうかにつきましては、当該情報にアクセスできる者の範囲、アクセス制限の技術的な措置等を踏まえて総合判断をする必要がございまして、御指摘の事案につきましては直ちに違法性があるとまでは言えないということで、このような事案につきまして、JR東日本を始め、グレーゾーンとして対応が困難という意見があるところでございます。
 したがいまして、現在、匿名加工情報という新たな類型を設けることといたしまして、法改正案を国会で御審議をいただいているところでございます。

○福島みずほ君 個人情報保護法の今回の改正案にも、大きく匿名加工情報についてできるというふうにやっているんですね。これは消費者の権利という観点から極めて問題ではないか。
 例えば、Suicaの情報は、池袋駅に夜六時に降りた人が二十代、三十代、四十代、男女別でどうで、どこから来ているかというのが全部分かるわけですよね。こういう情報って物すごくビジネスチャンスになるので、そういうことはSuicaを購入するときには考えていないが、自分の情報があらゆるビジネスに使われると、自分の承諾なくして、そんなことを、申し込んだときに同意なんかしていないよというのは多いと思うんですね。極めて匿名加工情報をビジネスに利用することは問題ではないか。
 マイナンバーにおいても、一つ、年金のだだ漏れ問題もそうですが、一つは今回医療情報も入っています。今回マイナンバーの中に特定健診とそれから予防接種が入っているんですね。でも、特定健診も予防接種も自分では持っているんですよ、その情報を。何でそれがマイナンバーに乗っかっていくのか、それが漏れたらどうなるのか。

○委員長(西田昌司君) 福島みずほ君、時間が来ていますので、おまとめください。

○福島みずほ君 はい、分かりました。
 漏れたらどうなるのかという問題と、それからそれがビッグデータとしてなると、今後それが特定健診でも心電図や血液や全部入りますので、今後医療情報に広がるとそれがビジネスに使われる、それから個人のデータが漏れると大変なことになる、その二つが極めて問題だと思います。またこの点については厚生労働委員会などでも質問させてください。
 以上で終わります。
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自殺対策決議で質問 6/2参厚労委

 6月2日(火)の参議院厚生労働委員会で、「自殺総合対策の更なる推進を求める決議」に当たって、厚労省や参考人の清水康之さん(ライフリンク代表)に質問しました。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 厚労省に移管するということで、厚生と労働を所管する強み、あるいはハローワークや医療機関と連携しながら、しっかり地に足の付いた形で取り組んでいかれるという決意表明が先ほど他の委員の答弁にもありました。
 厚労省に移管することで期待していることも大変あるわけですが、一方で内閣府の強みというのもあったと思うんですね。私自身もというか、今日は自殺がテーマでちょっと感無量というか、山本孝史先生、武見さん、尾辻さん、柳澤さん、津田さん、もう超党派で本当に初めから議員連盟をやってきて、そして私は二〇〇九年のときのまさに自殺担当大臣でした。そのときにやはり若者対策をやっていたので、若者と自殺、あるいはセクシュアルマイノリティーと自殺とか、あるいは文科省を呼ぶ、あるいは、さっきありましたが国土交通省に来てもらうとか、内閣府ってやっぱり横断的に様々なテーマを取り組むという、そういう非常に利点もあって、横断的に取り組むことができたと思っています。
 ですから、厚労省に移管することのメリット、それから横断的にやることも、他の省庁に働きかけるというのは内閣府が得意とするところなので、そういうことも生かしてやっていただきたい。その点、いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 先生がおっしゃっていらっしゃるのは、各省庁の連携がいかに大事かということなので、今回、様々な御意見の上で法律でもって今まさに自殺問題については内閣府から厚労省に持ってこようということでありますので、先生が大事だと思っていらっしゃる省庁間の総合調整、これをいかにうまくやるかということでありますので、関係閣僚会議ができて、そこで調整をする、その中心が厚生労働大臣がやるということになりますから、そこの実効性をどう高めていくかということが先生の、内閣府の方が調整機能が強いんじゃないかというお話でございますけれども、必ずしも、何というか、どの役所ということではなく、やっぱりこの問題に応じて総合調整は、今回厚労省に移すということでもございますから、それをしっかりやっていくことが大事だということで、覚悟を持って厚労省は臨まないといけないというふうに思います。

○福島みずほ君 是非頑張ってください。
 自殺をなくすためには、過労や過労うつをなくすこと、長時間労働の規制こそ必要で、これは厚労省、これこそやるべきだ、いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) そのとおりだと思いますし、それを心掛けて厚生労働行政をやっているつもりでございます。

○福島みずほ君 全会一致で過労死防止推進法が成立されましたし、塩崎大臣を本部長とする長時間労働削減推進本部も設置をされています。では、ホワイトカラーエグゼンプション、労働時間規制をなくす法案はこれに逆行するものだとやはり一言申し上げたい。厚労省は、長時間労働の規制こそすべき役所として頑張り抜いてほしいというエールを送りたいと思います。
 それで、私は担当大臣のときに、まさにライフリンクの清水さんなどに内閣府参与になっていただいて、啓発推進のためにいろんなこと、プロジェクトチームつくって様々な施策をやりましたが、啓発推進のためにとりわけやる必要があるとやりました。一つが、一番自殺が多い月である三月を自殺対策強化月間に決めてチラシを配ったり、駅の前でチラシを配ったりもしましたが、こういう強化月間や啓発のことについて、自殺対策の啓発に積極的に取り組むことの意味について、清水さん、いかがお考えでしょうか。

○参考人(清水康之君) 自殺対策を推進する上では、啓発と実務というのを、これ両輪でやっていく必要があると思います。畑仕事と同じように、枯れた土壌に幾ら種をまいても芽が出ないのと同じように、やはり自殺対策も、これを推進していこうという理解のない地域で実務を根付かせようと思ってもやっぱりうまくいきませんので、実務と啓発はしっかりと両輪でやっていく必要があると。
 しかも、その啓発をやる際には、多くの人ができるだけ共感してそのキーワードの下に結集できるような、そういうメッセージを掲げる必要もあると思います。例えば、響き方として、交通事故防止というのと交通安全の推進というと、やっぱり後者の方が何か前向きなメッセージとして受け止められて、いろんな関係者が結集しやすいと思うんですね。ですから、自殺対策においても、命支える自殺対策というようなメッセージを掲げて、既に自殺対策に関わっている関係者のみならず、企業やあるいはスポーツ団体とか、あるいは芸能関係者とか、そういういろんな人たちを巻き込んで、啓発、ひいては自殺対策を推進できるような、そういう状況をつくっていく必要があるんじゃないかと思います。

○福島みずほ君 ありがとうございます。
 確かに、その命を支えるというキーワードで命を支える自殺対策という、ポジティブというか、命を応援しますよという観点で自殺対策の施策を当時やれたことは大変よかったと思っています。また、先ほど福山さんの方からよりそいホットラインの話もありましたが、よりそいホットラインや、一つだけでなくて様々なことが相まって自殺をとにかくなくしていくということが可能だというふうにというか、それが必要だというふうに思っております。
 啓発活動の重要性について、厚生労働大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今、啓発活動についてのお尋ねでございますけれども、自殺予防に関して啓発活動をやるということについては、自殺総合対策大綱に、自殺等に関する正しい知識の普及を含む国民一人一人の気付きを促すと、それから、職場における普及啓発を含むメンタルヘルス対策の推進が当面の重点施策として示されておりまして、厚労省としてもこの二つを中心に進めてまいりたいと思っております。
 こういうことで、厚労省のホームページには、みんなのメンタルヘルス総合サイトというのを設けておりますし、若者向け、働く人向けのこれはポータルサイトでありますが、対象者に応じてきめ細かな啓発活動を行って、コミュニケーションをできる限り多層化するということかなというふうに思っております。
 また、先ほど来お話が出ている自殺予防総合対策センター、このウエブサイトにも、「いきる」というウエブサイトでありますが、自殺の現状、それから国、自治体の自殺対策について情報提供を行っておりまして、こういったことで国民各層の気付きを促す、こうした取組を更に多様化もし、積極化をしていきたいというふうに思います。

○福島みずほ君 清水参考人にお聞きをいたします。
 まず取り組んだことが、地域によっても自殺の理由が実は違う、割と主婦の方が亡くなっていたり若者が多く亡くなっていたり、いや、実は多重債務で亡くなる地域、秋田などそうだったと思うんですが、地域によっていろんな特色がある、それをきちっと踏まえて、それに適切に対応していくということなど大変必要だと思いますが。十年間を数分で話すのはちょっと難しいかもしれませんが、この間の自殺問題、人数を三万人切るなんて言い方はやめようと、当時担当大臣のときに、副大臣の大島さん、政務官の泉健太さんもすごい頑張ってくれたんですが、三万人切るという数字はやめようという話はしていたけれど、でも、この十年間の間にやはり二万五千人になった、でも、この二万五千人をどんどんやっぱりゼロにというか、自殺に追い込まれる人がなくなるようにしたいと思っているわけで、この間の取組でよかったこと、あるいはこれが課題だということをちょっと話していただけますか。

○参考人(清水康之君) 課題としては二つあると思っています。
 一つは、自殺対策に万能薬はないと腹をくくることですね。地域によって自殺の実情が違うということもそうですし、恐らくこれ時代によっても自殺で亡くなる人の数やあるいはその背景というものも変わってくると思うんですね。ただ、常に重要なのは、今一体何が起きているのかというその実態をしっかりと踏まえて、その実態に基づいて戦略を立てて、その戦略の下、しかるべき連携を図りながら関係者が実行して、その実行した結果をまた検証して、その検証の結果を政策に反映させていくという、一発勝負ではなくてそういうふうに継続的に対策を進化させていくということが必要だと思いますので、そうした意味で、万能薬はないんだ、粘り強くただ確実に進めていかなければならないと、このことを共有するのが一点と。
 あともう一つは、私は政治の関わりだと思っています。自殺対策の最前線というのは、これは個々人への対人支援です。言うまでもなく、一人一人の命とどう向き合うかと、そこが問われるわけですね。今日、今この瞬間においても、全国各地でいろいろな命を支える活動が行われています。いろんな支援者が奮闘しています。ただ、それを美談で終わらせるのではなくて、そういう人たちがちゃんと支援しやすいような、安心して支援に取り組めるようなその枠組みをつくるというのは、これは政治の仕事ですし、政治にしかできない仕事だというふうに思いますので、私は、支援から置き去りにされて自殺に追い込まれる人がいない社会を実現するためには、自殺対策は政治の仕事、そういう認識の下、今後も国会議員の皆さん、政府の皆さんにしっかりと関わり続けていただくと、これも非常に重要な課題だというふうに思っています。

○福島みずほ君 塩崎大臣、いかがでしょうか。移管された後、厚労省の責任というか役割がとても大きくなると思うんですね。
 私も、万能薬はなく、あらゆることをやるべきで、例えば、ちょっと細かいことですが、若者と自殺、あるいはセクシュアルマイノリティーと自殺、セクシュアルマイノリティーの人はやはりこの社会でより生きづらいために自殺をする人が十代で多いと。今、文科省がLGBTに関する手引を作ろうとしていたり、いろいろ頑張っている面もあるわけですよね。ということは、大きな大局的なことをやること、予算を付けることと同時に、きめ細やかにもやっていかなければならない。厚生労働省として、どんなスタッフで、これからのことですが、どんな形でやろうとお考えなのか、お聞かせください。

○国務大臣(塩崎恭久君) これは先ほど来申し上げているように、自殺をお考えになっていらっしゃる方々というのはまずどこにおられるか分からないことが多いわけで、お役所仕事というのは大体待っているというスタイルでありますけれども、それでは間に合わないわけです。
 したがって、先ほど来申し上げているように、一人公的な部門のお役所の人たち、国も都道府県も市町村のレベルも、それぞれのネットワークはフルに活用して、言ってみれば受ける体制はつくっておきながら、やっぱりアウトリーチをするためには、民間のやっぱりこの道の御専門の一番詳しい方々ともしっかりと言ってみればパートナーシップを組んでアウトリーチをして、そして専門家の医療あるいはPSWを含めて、そういった方々と連携をしながらやっていかなければならないので、そういう言ってみれば総合調整、まさにさっきのお話のとおりで、それは霞が関の省庁だけではなくて地方の様々な行政のレベル、それから民間の方々との連携をしっかりと組めるようにやっていかなきゃいけない、そういう総合調整も必要なんだろうというふうに思いますので、そういうことによって、これは一人親家庭への支援とか子供の貧困の支援とか、こういうものも同じだと思います。しっかり出ていって、早め早めに手が打てるような体制を、官だけでやろうとしないでしっかり連携を取って、ネットワークでもってやる努力をしないといけないのかなというふうに思っております。

○福島みずほ君 最後に、清水参考人に、先ほど政治の責任ということをおっしゃったんですが、足立区やいろんなところの自殺対策、自治体や、あとNGOで全国頑張っている人のことなどもよく御存じで、東尋坊で頑張っている人とか、私も何度もお会いしていますが、今ここは国会ですので、政治でこういうことをやってほしい、厚労省に言ってこういうことをやってほしい、提言をお聞かせください。

○参考人(清水康之君) 関心を持ち続けるという、もう一言で言うと、それに尽きると思います。その際には、やはり、先ほども少し触れましたけれども、自殺対策の現場、最前線というのはもう対人支援です。ですから、その現場で何が起きているのか、その現場で取り組んでいる人たちがどういう仕組みをつくれば、どういう体制をつくれば支援しやすくなるのかという、その現場を踏まえたシステムづくり、これはどちらかではなく、それは両方セットだと思いますので、これをしっかりとやっていただくために、やっぱり現場と国会と引き続き連携してやらせていただければというふうに思います。

○福島みずほ君 ここは厚生労働委員会なので、厚生労働省に自殺が移管して、私たちもその責任をより強く果たしていかなければならないと思っています。ですから、先ほど、長時間労働の規制こそ必要で、ホワイトカラーエグゼンプションは逆行するでしょうと申し上げましたが、まさに厚生と労働と両方頑張らなくちゃいけない。経済財政諮問会議の社会保障の切捨てなど、ゆめゆめそんなことが起きてはいけないと。社会保障の充実と労働のきちっとした規制、これも厚労省の大きな役割で、それが長期的に見たらやっぱり命の支援になるということで、厚生労働大臣、その立場でどうか頑張ってください。
 以上で終わります。
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盗聴法、道徳の教科化で決算委質問

5月18日(月)の参議院決算委員会で盗聴法、道徳の教科化について質問しました。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず初めに、盗聴法、捜査のための通信傍受法の改正法案についてお聞きをいたします。
 今回、詐欺罪、窃盗罪なども対象犯罪に拡大をしております。また、元々の法律にありました立会人も廃止をされます。今日お聞きしたいのはメールや電話についてのことです。
 一旦全通信を記録した後、暗号化して、そして事後的にスポット再生を行うことになります。しかし、電話や、それからメールや、いろんなものに関して、全部取った後に事後的にそれを再生をするというのは、それは可能なんでしょうか。どういう形で、例えばAという人の長い会話の中のどこに犯罪が入っているのか、例えば窃盗でもいいですよ、どうやって見極めるんですか。

○国務大臣(上川陽子君) 一時的な保存方式ということでの御質問であるというふうに思っておりますけれども、一時的に保存される通信につきましては、通信事業者等によりまして暗号化をされて、そして保存をされるということでございます。したがいまして、復号をしない限りは内容を知ることは物理的に不可能であるということでございます。
 そこで、復号した通信ということでありますが、現行通信傍受法の下での傍受をする場合と同一の内容、範囲でしか再生、すなわち聴取することができないということになっておりまして、現行通信傍受法の規定による傍受の場合とこの通信の秘密に対する制約の程度に実質的な差異は生じないということでございますので、現行通信傍受法の規定による傍受と同様に許容されるということでございます。
 また、令状主義におきましても、それに反しないということでございます。

○福島みずほ君 いや、全く変わるんですよ。
 今まで、一九九九年のときの法務委員会にずっとおりましたので、よく覚えています。例えば覚醒剤について話しているが、途中で普通の会話になる、それは取らない、覚醒剤になったら取る、またというふうなことの説明を受け、例えば何でも関係ない天気の話になったら、もうそのときは通信傍受、盗聴を遮断するとか言われました。
 しかし、今度は、この改正法案によれば、全部記録するわけですよね。全部、メールも電話も、一旦記録された全通信が暗号化されるとはいえ保存されると。記録された全通信が適法、適切に処理する担保はどうやってやるんですか。

○国務大臣(上川陽子君) ただいま立会人の御指摘もございましたけれども、先ほどのお話で、スポット傍受というシステムの中でシステムは動いているということでございます。一旦記録に残したとしても、復号をすることによりまして同様の趣旨の適正化が図られるというシステムの組立てをしているところでございます。
 また、傍受の実施におきまして、立会人ということで、今回、その立会人のところにつきましては、特定の電子計算機を用いての通信傍受の実施の手続をしっかりとしていくということでございまして、この立会人に要求されている内容につきましては、電子的な手法にのっとって適正にその手続が、立会人と同じ手続がなされるという機能が果たされるというふうに考えております。

○福島みずほ君 質問に答えていないですよ。
 つまり、全記録を全部取るわけですよね、電話であれメールであれ、全部。後からどの部分に犯罪があると事後的にスポットで当てられるんですか。神業でもない限りそんなことできないですよ。全部聞かないと分からない、あるいは、ある程度聞かないと分からない、ある程度見ないと分からない。どうですか。

○国務大臣(上川陽子君) 先ほどシステムの方式につきまして少し説明をさせていただきましたけれども、まず、通信の暗号化によりまして一時的に保存をするということでございます。したがいまして、事後的にその内容を聴取する方法による通信傍受を行う場合でございますが、通信事業者により暗号化されたものをベースにその復号をした通信ということでございまして、現行の通信傍受法の下の傍受と同一の内容、範囲でしか再生することができないという、そういう仕組みになっているところでございます。
 再生されない通信につきましては、捜査機関がその内容を知ることなく全て消去されるということでございまして、そういう意味では通信秘密の制約の程度に実質的な差異はない、そうした技術的な対応をしていこうというものでございます。

○福島みずほ君 いや、これ極めて問題です。つまり、今までと違って、全てのメールも全ての通信も、一旦全部記録し全部保存するんですよ。事後的にスポット的にやると言うけれども、神業でもない限り、どの部分に犯罪があるかなんてそんなの確認できないですよ。結局全部読むことになる、メールを読むことになるというふうに思っています。
 では、お聞きしますが、LINEやスカイプ、フェイスブックも捜査の対象になりますね。

○国務大臣(上川陽子君) 今回の部分のみならず、これまでの現状のシステムにおきましては、通信ということでございますので、その意味ではLINEあるいはスカイプなどにつきましても通信傍受の対象となるということで、可能であるということでございます。

○福島みずほ君 フェイスブックの場合、五千人友達がいる、あるいはメッセージのところに書く、この部分に犯罪があるかもしれない場合、どうやってその犯罪の部分を特定するんですか。全部読まないと分からないですよね。

○国務大臣(上川陽子君) 個々の通信手段についての通信傍受について技術的な可否がございます。具体的な捜査手法に関わることでございまして、お答えにつきましては差し控えさせていただきたいと存じます。

○福島みずほ君 納得ができません。結局、全ての通信、スカイプもLINEもフェイスブックもメールも電話も、全部一旦記録して全部保存するんです。後からどこかに犯罪があるかと事後的にスポット的にやると言うけれど、そんなことできないですよ。フェイスブックであれLINEであれ、結局全部読まないと分からない。Aという人とBという人の間で起こったことでも、ほかの人のメールの中でも読むかもしれない、あるいは同一人物が違うメールアドレスでやっているかもしれない。結局、相当読むことになるんじゃないですか。

○国務大臣(上川陽子君) LINE等の電話以外の通信手段につきましての先ほどお尋ねがございまして、これについての通信傍受を行うに際しましても、電話に対する場合と同様にこの傍受を適正に確保する手続を取ることが必要であるということでございまして、こうした手続によりまして傍受の適正が確保されるというふうに考えているところでございます。

○福島みずほ君 質問に答えていないですよ。
 Aという人がBという人にメールを送った。でも、Aという人のアカウントやメールアドレスは様々かもしれない。どうやってこのAとB以外のものを見ないということができるんですか。

○国務大臣(上川陽子君) 通信を一時的に保存する方法によりましての通信傍受を行う場合でありましても、捜査機関がその内容を知り得る通信の範囲でございますけれども、現行の通信傍受法の規定による傍受の場合と異なることはございませんので、通信の秘密に対する制約の程度には実質的な差異は生じないというふうに考えております。
 全ての通信を一時的に保存をしていく、事後的にその内容を聴取することにつきまして、現行通信傍受法の規定による傍受と同様に許容され、令状主義に反するものではないというふうに考えているところでございます。

○福島みずほ君 全く駄目ですよ。今と全く違うんですよ。大改悪です。今までは犯罪に関係ないことがあれば通信を切ると答えていたんですよ。一九九九年の答弁を読んでくださいよ。
 ところが、今度は全ての通信、電話もメールも、あらゆるものも一旦全部保管するんです。それを見ていない、違うところを見ていないということの担保はできないんですよ。それは俺を信じてくれということだけの話であって、どういうことが起きるかも分からない。第三者委員会もないんですよ。証拠開示もされないんですよ。だとすれば、これは大悪法で、今までの法律も大反対ですが、これは大改悪で、全部取る、全部一旦取って保存することには、これはもう大改悪で駄目だということを申し上げます。
 次に、道徳教育についてお聞きをいたします。
 学習指導要領がありますが、今度道徳が教科になって、そして、検定教科書を使い、かつ評価をすると。五段階評価ではないけれども、文言によって、言葉によって評価するということなんですが、小学校学習指導要領をお手元にお配りいたしました。
 私は、例えば家族愛、家庭生活の充実のところで、「父母、祖父母を敬愛し、家族みんなで協力し合って楽しい家庭をつくること。」と書いてあります。でも、お父さんがお母さんを殴っているかもしれない、おじいちゃんから性暴力を受けているかもしれない、家庭の中に虐待があるかもしれない。問題がある家庭だってあるじゃないですか。なのに、楽しい家庭をつくることとあるけれども、楽しい家庭をつくることは親や社会の責任ですよ。子供はいろんな家庭に育っている。私は家族はいいものだと思いますが、子供たちの周りにある大人たち、人は全員善人であるわけではありません。また、お父さんはこういうところはいいけどこういうところは問題だよね、お母さんはこういうところはすてきだけどこういうところはちょっと大人だけど改めてほしいな、子供はそう思って成長するわけです。このこと、極めて問題だと。
 問題を抱えている子供も、というか、問題のある、あるいはどんな家族も何らかの問題を抱えているかもしれない。そのときに、敬愛し、敬愛できないかもしれないじゃないですか。DVがある家庭で子供は悩んでいるかもしれない。明るい家庭を、楽しい家庭をつくること、これはありもしない家族を、というか、私、子供にとってはとても残酷なことになりませんか。

○国務大臣(下村博文君) 学習指導要領に規定されております父母、祖父母を敬愛することは、これは基本的には普遍的な、道徳的な価値であるというふうに思います。学校において、例えば日頃の父母や祖父母の様子を知ることから敬愛の念を育て、家の手伝いなどを通じまして家族の一員として役に立つ喜びを実感できるように指導することなどは、これは当然のことではないでしょうか。
 一方で、子供たち一人一人の状況を踏まえた配慮が、御指摘のようなことはありましたが、それは言うまでもなく、学習指導要領解説においても、多様な家族構成や家庭状況があることを踏まえ十分な配慮を欠かさないようにすることや、人権や個人情報に係る問題、人間関係に係る問題等への配慮が必要であるということもこれは明記をしております。また、子供たちをDV等の被害から守るため、家庭に問題を抱える子供については学校や地域の人々が連携して必要な支援をしていくことが重要であると考えます。
 このような配慮が行われるように今後とも指導することとしておりますが、多様な家族構成や家庭状況があることから、父母、祖父母を敬愛することを道徳科の内容項目とすることが問題の隠蔽につながるとの御指摘は、これは当たらないものと考えます。

○福島みずほ君 「私たちの道徳」、小学校一・二年、三・四年、五・六年、中学生、四冊の本を読みました。
 例えば、中学校のときに、家族との出来事や語らいで印象に残ったことを書き留めておこう。それはそれでいいのかもしれませんが、例えば家族に問題があったり家族に悩みがあったり、やっぱり全てとてもいい家族ばかりではないわけですよね。こういうのを記述として書かせるときに、本当に子供が、お父さんがお母さんを殴っている、DVがあるなんて書けるんでしょうか。

○国務大臣(下村博文君) どういう記述かどうかというのはそれぞれの子供たちのそのときの心情だと思いますから、一概に書ける書けないというのはちょっと申し上げることはできないと思います。

○福島みずほ君 子供は、親を尊敬したり、好きだったら尊敬しますよ。おじいちゃん、おばあちゃんだって本当に大好きで、敬愛するときは敬愛するんです。でも、子供を取り巻く環境は様々なので、学習指導要領で祖父母、父母を敬愛し、明るい、楽しい家庭をつくることと言われても、できない子供がいるということです。例えば、DVやそれから子供への性暴力は大変大きな問題です。子供たちには、嫌なものは嫌、あるいは逃げよう、大人たちがこれは秘密だよと言っても、話してもいいんだよということがあるわけじゃないですか。
 しかし、この道徳の学習指導要領も、それから私自身も「私たちの道徳」を読みましたが、うそをついてはいけない、明るい素直な心で生きようとか、だから、子供を取り巻く環境が決して全て健全ではない、いい大人ばかりではないときに、人権や、それをどう乗り越えるか、どういう問題があるかということを教えるべきであって、感謝の気持ちで大人を尊敬しようというだけでは問題は解決しない。大人に対して嫌なものは嫌と言える力だって子供には必要だと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(下村博文君) しかし、基本的に祖父母や父母に対して敬愛の念を持つということは、これは否定すべきことではないというふうに思います。また、感謝の思いを持つということも子供たちに教えることは必要なことだと思います。
 ただ、「私たちの道徳」を読んでいただいたということで、ありがとうございます。今までの道徳とこれから特に特別の教科化を目指す道徳というのは、今までは、教師がその物語を読んで、一方的にこれはこういうふうに読み取るべきだというふうな価値観を教えるということだけに終始した道徳でしたが、これからの道徳というのは、例えば正義も立場によっていろいろの考え方があります。子供たちに議論を、道徳の場等でアクティブラーニング等をする中で、何が道徳なのかというのは人によって違う部分があると。しかし、反社会的とか非社会的は別ですけれども、一つの価値観の中でも見方が違うねということの中で多様性をお互いに認め合う、そういうことで、一方的な価値観を教師が教えるというような教科書にするということは全く考えておりません。

○福島みずほ君 多様性という言葉がありましたが、この「私たちの道徳」では、お父さんとお母さんがいて、例えば弟がいるとか。でも、御存じ、今離婚の家庭も増えておりますし、一人親家庭もあります。両親が離婚して祖父母に育てられている子供だって私たちの周りにもたくさんおります。子供を取り巻く環境は様々です。
 この教科書、この考えは、一つのやっぱり家庭像を押し付けることになるのではないかと思います。例えば、一人親、障害のある人、性的マイノリティー、貧困などの状況にある子供の設定や配慮というものは一切ありません。子供を取り巻く貧困の問題も、そういうものも一切ありません。少数者への視点に欠けているのではないか。
 この中に、中学校に「異性を理解し尊重して」という項目があります。一見いいとは思いますが、私、スウェーデンの社会科の教科書を読んだときに、セクシュアルマイノリティーのこともちゃんと書いてありました。様々な子供に対するそういう配慮は本当に必要だと思います。ほかに、勤労や奉仕を通して社会に貢献する。しかし、何のために働くかといえば、まず第一に食べるため、生きるためです。勤労や奉仕を通して社会に貢献すると。
 この教科書や、教科書というか、「私たちの道徳」もそうですが、国、社会、職場、学校、家族に問題があるという立場に立っておりません。例えば、学校のところでも、この学校のいいところはどこだろうということだけなんですね。でも、学校のこういう問題はもっと解決、例えば学校のところで、小学校五・六年のところ、自分の学校について考えてみましょう。この学校の自慢、この学校の好きなところ、こんな学校にしたいとあるんですが、やっぱり、この学校のこういうところは問題ではないか、こういうところはこうしたいとか。まず自慢と良いところというところから始まるわけです。
 国も、愛国心を持とうというのはありますが、国、社会、職場、学校、家族に問題があるときに、それをどう解決していくのかという視点が極めて弱いと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(下村博文君) たまたま五月にフランスに行ったときに、日本人学校でその五、六年生の道徳の教材を使って、私たちの学校について、良いところ、それからもっと良くしたいところということを、道徳の時間、視察に行きました。私たちの学校に対していいところというのを子供たちに議論させて、それぞれがみんな書く、また今後のもっと改善、もっと良くすべきところも書くということについては、これは子供たちも素直に、いいところもあれば、もちろん自分たちの学校の課題もあるということで、多面的な見方で、なおかつそれは、みんなそれぞれ、子供たちがそれぞれ書いていて、それに対して教師も、その考え方は正しいとか、その考え方は正しくないと言っているわけではなくて、それぞれの主体性の中でその教材を使ってやっているわけでありまして、そういう視点から、改めて自分たちの学校は自分たち自身もつくっていくんだということでは、私はすばらしい授業をしているなというふうに思いました。使い方の問題だと思います。

○福島みずほ君 規則や決まりを守りましょう、それはそれで正しいんですが、規則やそういうものが本当に正しいのか。かつて、丸刈り訴訟というのもあったり、女の子の制服が下から何センチというのが問題になったこともあります。
 規則や決まりが本当に正しいのか。つまり、何が教育にとって必要かといえば、自分の頭で考えて、自分の言葉を持ち、自分で行動し、そして現実を変えられる力を持つことではないかと思うのですが、これは、うそをついてはいけません、そして素直な明るい心で生きましょう、感謝の気持ちを持ちましょうと言って、だから、変えていくという視点、権利という視点がやっぱり弱いというふうに思っています。
 家族について、私は、大人はもし敬愛してほしければ、そうしていれば子供は敬愛してくれるというふうに思います。子供に感謝や敬愛せよと言うよりも、そういう社会を大人こそつくるべきであると。
 この学習指導要領は様々な点で問題がありますし、子供が、お父さんのこういうところは嫌だ、お母さんのこういうところは嫌だという自由記述が書けるんでしょうか、本当のことを書けるんでしょうか。子供は良い子を演ずるようになっちゃうんじゃないかということを非常に懸念しております。
 以上をもって私の質問を終わります。
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2015年度政府予算案に反対討論

4月9日参議院予算委員会で、2015年度政府予算3案に対して反対討論を行いました。

○福島みずほ君 福島みずほです。
 社会民主党・護憲連合を代表し、二〇一五年度政府予算三案に対し、反対の立場から討論を行います。
 まず、歳入面の前提となる二〇一五年度税制改正によって、消費税率一〇%への増税を二〇一七年四月から実施することが決定されました。さらに、法人実効税率の引下げや贈与税の減税を始めとする大企業・資産家優遇税制が拡大をされました。こうした不公平税制によって、税制の所得再分配機能が低下するとともに、税収に占める消費税の割合が二年連続で最大となる消費税依存税制となっています。
 さらに、昨年四月からの消費税増税分は全額社会保障として国民に還元すると言いながら、その実態は社会保障切捨てのオンパレードです。昨年六月のいわゆる骨太の方針で、社会保障費について自然増も含め聖域なき見直し、徹底的に効率化、適正化するとされ、概算要求段階で約八千三百億円見込まれていた社会保障の自然増分が、本年度予算案では約四千二百億円に圧縮されました。介護報酬の大幅な減額や生活保護の見直しなども併せ、小泉構造改革で社会保障費を毎年二千二百億円カットしたことをほうふつさせるとともに、消費税増税分が国民に還元されているとは到底言えません。
 社会保障が聖域なく見直しされる一方、防衛費の聖域化はますます進行しています。前年度補正予算と合わせた十五か月予算として見れば防衛費は五兆円を突破、中期防衛力整備計画の枠すら上回るのは必至です。オスプレイやステルス戦闘機F35、イージス艦の建造など過剰な装備が増えることは専守防衛の国是に反するとともに、防衛調達について長期のローン契約を結ぶことは継続的な軍拡と歳出の硬直化を進めるものと批判せざるを得ません。
 また、辺野古新基地建設費を増額する一方、沖縄一括交付金を減額したことは沖縄県への圧力ではないでしょうか。
 さらに、九州電力川内原発の再稼働が狙われている中、再稼働容認自治体に配る交付金の創設は、地方創生どころか、原発マネーに依存する地方を生み出し、地域資源を生かした地域の再生に反するものです。
 以上、軍拡の一方で、消費税増税や社会保障の削減により国民生活が疲弊することは明らかであり、いわゆるアベノミクスが当然の結果としてもたらす大企業と中小企業の格差、都市と地方の格差、正規雇用と非正規雇用の格差、富裕層と低所得者層の格差を是正し、貧困をなくす施策こそが今求められているという立場から、政府予算三案へ反対すると申し上げ、討論を終わります。(拍手)
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4月6日参地方消費者特委で特保など質問

4月6日の参議院地方・消費者特別委員会でノンアルコール飲料の特保認定などの問題について質問しました。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 ノンアルコール飲料の特保表示許可についてお聞きをします。
 消費者委員会は、二〇一四年八月五日、特保として表示許可することは不適切であるとノンアルコール飲料に関して答申しましたが、その理由は何でしょうか。

○政府参考人(黒木理恵君) お答え申し上げます。
 消費者委員会は、酒類の代用飲用物として広く認知されているノンアルコール飲料が特定保健用食品として販売された場合において、特定保健用食品の持つ健康に役立つイメージに引かれて同飲料を飲用する未成年者が増え、未成年者の飲酒の入口になる可能性が更に上がるという懸念を持ち、検討を行ったところでございます。この懸念が払拭できなかったことから、特定保健用食品として表示許可を行うことは不適当との答申を行ったところでございます。

○福島みずほ君 消費者庁はこれを覆し、二〇一五年二月十八日、ノンアルコール飲料二点について許可をしました。これまで消費者委員会が不適切と答申した案件を一転許可した例があるのでしょうか。

○政府参考人(岡田憲和君) これまで二件ございます。それぞれ、不許可した場合、それから事業者が取り下げた場合、こういう二つの事例がございます。

○福島みずほ君 なぜ答申を覆して許可としたのか、問題ではないでしょうか。ノンアルコール飲料は未成年者に飲酒習慣を付けてしまう可能性がありますという意味で不適切ではないでしょうか。

○国務大臣(山口俊一君) お答えいたします。
 先生の御指摘のとおり、本年の二月十八日、ノンアルコール飲料二品目に対して、実は安全性及び効果に問題がないものということで、特定保健用食品の許可基準がございますが、これにのっとっていわゆる特保としての許可が行われたというふうなことでございます。
 これは、これもお話ございましたが、昨年の八月に消費者委員会から示された答申内容、これの趣旨は特保たるノンアルコール飲料が未成年の飲酒の入口とならぬように留意すべきというふうなことにあるということを、消費者庁が整理をして答申内容を尊重するというふうな観点から、申請事業者が特保たるノンアルコール飲料について、未成年者が手にすることができないように酒類業界で定めている自主基準、これに準拠した措置を行うこと、これを条件にしまして特保としての許可を行ったというふうに聞いておりまして、適切な対応であったと考えております。

○福島みずほ君 しかし、ノンアルコール飲料は清涼飲料水ですから、未成年者が飲んでも法律違反ではないですよね。棚で分けるといっても、そんなの無理なわけですし、十七歳がノンアルコール飲料を飲んでも違法ではないわけですから、条件付しても無意味なんじゃないですか。

○国務大臣(山口俊一君) この先ほど申し上げました基準、これは許可された二品目につきましては、糖の吸収を穏やかにしたり脂肪の消費を助けるといった、当該食品を摂取する者に対する健康の維持、増進効果がある、これはあるわけです。これが期待をされております。
 そして、御指摘のノンアルコール飲料と未成年者の飲酒の関係、これに係る懸念につきましては、ノンアルコール飲料を摂取をした未成年者に対し、どのような飲酒の誘引効果があるのかということにつきましては、いわゆる科学的根拠等に基づく具体的な因果関係が示されていないということで、現行の特定保健用食品の許可基準、これに照らしまして不許可にする理由はない。
 ただ、さっき申し上げましたように、そういった条件を付けることによって、例えば、今結構流通しております、名前言っていいのかな、ヘルシアだ何だ、いろいろあります。そういったものと並んで販売されることはないというふうなことで理解をしていますし、これはあくまで条件ですから、これが満たされない場合は、当然、指導もさせていただきますし、取消しもあり得るというふうなことであります。

○福島みずほ君 条件付けて特保というのも分かりませんし、ノンアルコール飲料をこういう形で特保と認めていいのだろうか。厚生労働省調査研究二万人調査、ノンアルコール、飲んだことがある、中高生の二九%、女子高生三六%。主婦連合会百人アンケート、未成年の飲酒助長する、四割。
 ノンアルコールですから、ノンアルコールと思って飲むわけですよね。でも、多くの人は、やっぱりノンアルコール飲料はアルコールの代替と思って飲む場合もあるわけですし、幾ら条件を付けても、それはやっぱり未成年者がノンアルコールを飲むのは全く違法ではありませんし。それから、それを特保として、消費者庁が、ある種、消費者庁マークというのを付けて売るということもいかがなものでしょうか。
 消費者委員会はアルコールの代替飲料として未成年者も飲む可能性があるからNG、駄目だと言い、消費者庁はアルコールを含まない飲料としてオーケーを出したという構図ですが、やはり未成年者の飲酒習慣につながるという視点を消費者庁も持つべきだというふうに考えています。この点は、消費者委員会のきちっとした判断を、やっぱり全体としてこれ特保として許可すべきなのかどうかという観点から消費者庁は判断すべきですし、条件がこれを満たせるのかということについては甚だ疑問だというふうに思います。
 次に、食品表示法の中に、表示に疑問があった場合に何人も消費者庁に申し出ることができるという申出制度が新たに導入されました。この申出制度では、申出を受けた消費者庁はその表示を調査することになっています。しかし、その結果については申出者に通知することが明記されていません。これでは、せっかく消費者が申出をしても、消費者はその調査結果を知ることができません。今後の制度運用の中で是非調査結果を申出者に通知できるようにしていただきたい、いかがでしょうか。

○政府参考人(岡田憲和君) お答えいたします。
 食品表示法におきましては、監視執行体制を補完する観点から、消費者等からの申出制度を設けているところでございます。申出があった場合には、監視執行を行う行政機関は調査を行うこととされております。調査の結果、指示等の食品表示法に基づく行政処分を行った場合にはその旨を公表するということにしておりまして、申出者に通知せずともその措置の内容を確認ができるということになっているわけでございます。
 なお、申出者への調査結果の通知につきましては、公表されない場合の指導内容が申出者を通じて外部に伝わっていくおそれがあることから、適切ではないというふうに考えておる次第でございます。

○福島みずほ君 確かにホームページなどで公表していくということなんですが、申し出た人がいるわけですから、結果報告について、これは法律上の規定がないとしても、是非対応していただきたい。やっぱり、裁判ではありませんが、何か苦情処理の申立てをしたらやっぱりその人に通知が行くというのが普通だと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(岡田憲和君) 申出を出していただくということは、監視執行を進める上で大変重要だということは認識しておりますけれども、公表のルールをあらかじめ決めておりますので、公表されていないにもかかわらず申出者を通じて情報が漏れていくということになりますと公表のルールに反していくということになりますので、また食品表示自体は消費者全体の皆さんが情報を共有すべきものでございますので、特定の方だけが知っているということもいかがなものかということでございますので、今回の制度につきましては、通知について、するということについては適切ではないというふうに考えている次第でございます。

○福島みずほ君 しかし、申出をした人は何か理由があって申出をしているわけで、その調査結果についてこうなりましたと言うべきではないでしょうか。

○政府参考人(岡田憲和君) 最初申し上げましたとおり、何らかの改善がされた場合には当然、製造業者等がホームページにそれを記載するわけでございますので、それを知ることはできるということでございますけれども、どこにもそういう情報が流れていないという場合には疑義がなかったものと推測されることになりますので、申出は通知せずとも措置の有無を確認することは可能ではないかなというふうに思っている次第でございます。
 いずれにいたしましても、公表のルールというものをあらかじめ決めておる段階で特定の方だけが情報に接するということはいかがなものかということでございますので、こういった公表のルールに従って情報を適切に皆様が共有していくということで制度を運用していきたいというふうに思っております。

○福島みずほ君 申出をした人は常にホームページを注視しなければならないというふうになりますので、ホームページで例えば公表していくときに、申出者に、ここに書いてありますので是非見てくださいとか、そういうことは是非御検討をよろしくお願いします。
 次に、食品表示法の検討過程で積み残された問題点、一、加工食品の原料原産地表示の検討、二、遺伝子組換え食品の表示見直し検討、三、食品添加物の表示見直し検討がありますが、その後の検討状況はいかがでしょうか。

○政府参考人(岡田憲和君) 消費者庁におきましては、食品表示法案の検討に先立ちまして、食品表示一元化検討会を設置の上、食品表示に係る様々な論点について検討を行ったわけでございます。その検討において結論を得ることができなかった事項につきましては、食品表示の一元化とは別に検討することが適当とされ、本年三月に閣議決定されました消費者基本計画におきましては、インターネット販売における食品表示、加工食品の原料原産地表示、食品添加物表示、遺伝子組換え表示の在り方につきまして順次実態を踏まえた検討を行うこととされたところでございます。
 まず、新たな食品表示制度の普及啓発に努めることが重要と考えておりまして、現時点においては、これらの課題の検討スケジュールは決まっていないところでございます。

○福島みずほ君 これは、でも、積み残しの問題ですし、今スケジュールが決まっていないということですが、是非、これは基本計画にも盛り込まれているわけですから、早急にきちっとやっていただきたいということを要望しておきます。
 心臓疾患などの原因物質として、トランス脂肪酸は各国で監視と警告の対象となっております。日本での対応は、国際的な流れと比べて表示の義務付けなどにおいて遅れているのではないでしょうか。

○政府参考人(岡田憲和君) 食品表示法に基づきます栄養成分表示についてのお尋ねでございますけれども、これらにつきましては、消費者における表示の必要性、事業者における表示の実行可能性、それから国際整合性の全てを満たす場合、この場合に義務表示とするというふうにいたしたわけでございます。
 トランス脂肪酸につきましては、脂質の多い食品に偏った食事をしている場合はその摂取量が高くなる可能性があるとされておりますけれども、日本人の大多数のトランス脂肪酸の摂取量はWHOの目標を下回っておりまして、食品安全委員会の食品に含まれるトランス脂肪酸評価書におきましても、通常の食生活では健康への影響は小さいというふうにされておりまして、消費者全体への表示の必要性は必ずしも高いとは考えられないということでございます。
 また、食品中の栄養成分の含有量の合理的な推定を行うための書籍、文献等も必ずしも充実していないというふうに考えられますことから、事業者の実行可能性も高いとは考えられないということでございます。
 さらにまた、国際整合性についてでございますけれども、コーデックス委員会の栄養表示ガイドラインにおきまして、摂取量の水準が公衆衛生上の懸念となっている国では表示を検討すべきというふうにされておりますけれども、さきに申し上げましたとおり、我が国では公衆衛生上の懸念とはなっていないということでございますので、以上のことから、トランス脂肪酸の表示につきましては義務ではなくて任意表示というふうにいたしたところでございます。

○福島みずほ君 トランス脂肪酸は各国で監視と警告の対象となっております。平均値で下回るにしても、たくさん取る人もいるかもしれませんし、警告を発することは必要です。是非、この点についてきちっと表示をしていただきたい、そのことを申し上げ、質問を終わります。
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3月31日参厚労委質問 空襲被災者への補償について

3月31日参議院厚生労働委員会で、空襲被災者への援護・補償について質問しました。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 社民党も本案には賛成ですし、まず、冒頭に当たって、戦争の犠牲者の皆さん、それから御遺族の皆さんに追悼とお見舞いを本当に申し上げたいと思います。
 まず、お聞きをいたします。
 東京、横浜、名古屋、大阪、福岡、長岡、富山などの大空襲は、人道に対する罪に当たるのでしょうか。中国重慶への爆撃は人道に対する罪でしょうか。沖縄一〇・一〇空襲は人道に対する罪に当たりますか。

○政府参考人(秋葉剛男君) お答えいたします。
 人道に対する罪が法的拘束力のある文書において初めて規定されましたのはニュルンベルク国際軍事裁判所条例第六条においてでございますが、現在の国際刑事裁判所規程において確立されているような十分詳細な定義が定められていたわけではなく、当時の国際法上十分に確立した定義があったとは承知しておりません。したがいまして、お尋ねの個別の事案につきまして確定的にお答えすることは困難でございます。
 なお、ニュルンベルク国際軍事裁判所におきましては、ナチスの犯罪が人道に対する罪に該当すると判示された一方で、ほぼ同様な規定を有しておりました極東国際軍事裁判所におきましては、その罪名の下で処罰を受けた事案はなかったということでございます。

○福島みずほ君 軍人軍属に関する皆さんたちには、戦後、五十兆円以上、総計五十二兆円ですか、払われているんですが、国会の中で取り上げてきたものに、空襲による被害者の皆さんへの補償の問題があります。これは議員連盟もありまして、私も所属をしておりますし、社会党の時代もこの立法に向かって努力をしてきたわけですが、まだこれは実現しておりません。
 二〇〇八年四月の第百六十九回参議院のこの厚生労働委員会において、私の質問に対して舛添厚生労働大臣は、我が国には民間の、例えば外国の軍隊による空襲の被害者についての特別の措置はございません、こういうものについてどうするか、これはきちんと議論をすべき課題であると思います、福島委員の御提案も受け止めさせていただいて、これは厚生労働省というよりは、国会議員として、政治家としてきちっと議論を重ね、最終的に戦後処理をきちっとやりたいというふうに答弁していただいているんですね。
 厚生労働省、これをどう受け止めていらっしゃるでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 舛添大臣が真摯に受け止めるというような趣旨のことをおっしゃったと理解をしておりますが、それは、当然私どもも、この戦争による被害というものについては真摯に受け止めなければいけないと思っています。
 ただ、私ども政府の役所は、法律に基づいて法律を執行するということでございますので、それをどうするかということは、まさに先ほどもお話が出ましたけれども、国会で御議論をいただくことだというのが、先ほど小池先生からも、最後の結論でございましたが、やはりここのところは国会の中でもしっかり御議論をいただいた上で皆で考えていくことではないかなというふうに思います。

○福島みずほ君 議員立法でも頑張りたいと思いますが、厚労省もこの点については、やはり法の下の平等の観点から是非議論を開始していただきたい。いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 厚生労働省としてそれについてお答えをする立場では今はないんではないかなというふうに、今の御質問であれば、と思います。

○福島みずほ君 舛添大臣は、せっかく受け止めてやりたいというふうにおっしゃったんで、是非引き継いでください、いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) まあ舛添先生は舛添先生ということでございまして、趣旨はよく分かりますが、それは所管というものもございますので、そこは私が一人で政府を代表するというわけにはなかなかいかないというふうに思います。

○福島みずほ君 戦後の補償の問題に関して、やっぱり極めてゆがんでいると思うんですね。
 沖縄では、一九八一年からは六歳未満の児童も対象としました。これはすごい努力の結果で、ただ、沖縄の空襲あるいは地上戦の犠牲者全てではないんですね。六歳未満であったり、あるいは二十項目に該当する人というので極めて限定はされておりますが、国と雇用関係にある者とそれに準ずる者という基準は実際当てはまらないというふうに考えますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今、六歳未満の子供を戦闘参加者としてみなして対象としているのはなぜかという意味合いのことをおっしゃったかと思うわけでございますけれども、戦傷病者戦没者遺族等援護法、この対象となる準軍属の類型として、軍の要請に基づいて軍事行動に参加させられた戦闘参加者が位置付けられております。具体的には、地上戦が行われた沖縄等の地域におきまして、軍の要請などによって弾薬や食料の運搬、炊事、道案内など戦闘を幇助する軍事行動に参加した者が戦闘参加者とされております。
 御指摘の六歳未満の者については、沖縄の場合などについて、保護者に抱かれて戦闘に巻き込まれた実態がある場合には戦闘参加者とするという運用をしているものだというふうに思います。

○福島みずほ君 たくさんの戦争経験者、それから空襲に遭った人たちからたくさん話を聞いております。
 裁判にもなりましたが、杉山千佐子さん、名古屋大空襲に遭われて、一九一五年生まれですから今九十九歳、一九四五年三月二十五日未明、名古屋空襲で左眼球が破裂し、顔面に大やけどを負った方ですが、この一九八〇年四月二十一日の参議院の社労委員会においてやはりその切情を訴えています。「女が顔をなくしたとき、人生をなくしたのと同様です。」と言って、国による援護を切々と訴えています。横浜市港北区で空襲により顔に大やけどを負った女性も、戦後十数回、足の皮膚を移植するなどして繰り返しておりますが、これはもう全部費用は本人の借金でやっています。一九四五年三月十三日、大阪空襲で母親と小学一年の弟を失い、自身も顔や手に大やけどを負った伊賀孝子さんも、戦後三年目ぐらいまでは電車の中でも大変やったね、頑張ろうねと声を掛けてくれる人がおりましたが、日がたつにつれ、ケロイドを残した顔や手を見ては、汚いものでも見るような視線が返ってくるようになりましたというふうにおっしゃっているんですね。
 何が言いたいか。軍人軍属の方ももちろん大変だったわけです。でも、沖縄地上戦では、六歳以下の子供だけではなく、やっぱり大変だった。そして、東京での空襲、全国での空襲も、それはそれは皆さん大変な目に遭って、しかも一円もお金は出ない、費用は全部自分で治療しなければならなくて、大変な人生を歩いてこられます。
 ドイツにおいては、空襲や戦後の地雷等による被害も援護補償の適用対象になっております。また、イギリスにおいても、空襲等により人又は財産に与えられた衝撃に起因する身体上の疾病に対して各種の給付が行われております。日本の現状はこのような国際基準と大きく乖離しており、是正すべきではないでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 何度も申し上げておりますけれども、今回御審議を賜っておりますこの戦傷病者戦没者遺族等援護法の対象というのは、もう繰り返しませんが、定まっているわけであります。この戦没者の遺族への援護施策として国がどういう措置をとるべきかというのは、その国の言ってみれば歴史的な事情等によってまたそれぞれ異なってくるわけでありまして、今先生から御指摘のあったようなケースを含めて、今回の御審議をいただいている法律の対象かどうかということから見れば、対象である場合には当然我々は責任を持たなきゃいけませんけれども、そうではない場合には、なかなか私どもの立場としてコメントをするという立場にはないのかなというふうに思います。

○福島みずほ君 極めて残念で、そういうことも含めて政治の場面で、国会でもですが、厚労省でも議論していただきたいというふうに思っております。
 この犠牲は物すごくやっぱり大きくて、それを今でも現在進行形で持って、苦しんで、しかも戦後それのために大変な苦労をされた人たちがたくさんいるわけです。その人たちは、一円もお金は出ないし、治療も全部自分でやってこなくちゃいけなかった。今もそれを訴えているわけですね。他方、戦争で被害だと、大将が一番例えば金額も大きいし、位に応じてやっているわけですし、それから、今日、冒頭、津田理事からもありましたが、じゃ、私たちはどうやってこれを、あと十年後までにどうするかという議論もしなければならない。そういう中で、一切、被害者なのに受けられていない人たちがいるというのは極めて問題で、見直すべきだというふうに考えております。
 是非この件について、日本でも空襲被害者に対してどうしていくのか。これはシベリア抑留者や、まあ少しずつ、差は物すごく、法の下の平等ではありますが、少しずつ前進してきましたが、唯一残っているのが実は空襲被爆者なんですね。是非このことについて、国会でも取り組みますが、厚労省としても取り組んでくださるように心からお願い申し上げ、質問を終わります。
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3月26日参厚労委で技能実習制度など質問

3月26日参議院厚生労働委員会で、オリンピック・パラリンピックアクセシビリティーガイド、技能実習制度、ホワイトカラーエグゼンプションなどについて質問しました。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに当たり、政府はIPCアクセシビリティーガイドの日本語訳を早急に作成し、周知すべきではないでしょうか。いかがですか。

○政府参考人(芦立訓君) お答え申し上げます。
 私どもとして、このIPCのアクセシビリティーガイドにつきまして、非常に意味のあるものだというふうに認識しております。これについて各団体で情報をしっかり共有できるように工夫してまいりたいと、かように考えております。

○福島みずほ君 いや、これは実は障害者団体の人が、英語はあるんですよ。東京都が日本語訳をしているんですが、仮訳なのでということで出してくれないんです。二〇二〇年までに、障害のある当事者の皆さんたちが、果たして東京がバリアフリーなのかということも含めてこのガイドに照らしてどうかと、ちゃんとやりたいと。私はそれは必要なことで、これをやり切らないと、世界から日本の東京はこのガイドに満たしていないオリンピックをやっていると言われると思うんですね。
 ですから、これ、東京都が仮訳を出さないのは私は問題だと思いますが、政府の方でこのガイドをしっかり日本語訳を作成して周知してほしい。いかがでしょうか。

○政府参考人(芦立訓君) 東京版ガイドラインというものを制定することに向けまして、この日本語訳の問題についても前向きに考えてまいりたいと、かように考えております。

○福島みずほ君 前向きということは、東京都に頼っていたら駄目なので、済みません、政府で日本語訳作って、それを障害者団体や当事者、私たちとも共有して、東京をまさにオリンピック・パラリンピックができる場所にするということでよろしいですね。

○政府参考人(芦立訓君) そのように検討してまいりたいと思います。

○福島みずほ君 そのように検討するということで、早く日本語訳が出て、実際、東京の町がパラリンピックにふさわしいように五年掛けてできるようにと思っていますので、これは障害のある人もない人も望んでいることですので、是非よろしくお願いします。出してください。
 では次に、技能実習生の問題についてお聞きをいたします。
 この委員会でも何度かお聞きをしていますが、厚労省労働基準局監督課によると、二〇一三年、外国人技能実習生の実習実施機関、二千三百十八事業場に対して監督指導を行ったところ、七九・六%に当たる千八百四十四事業場において何らかの労働基準関係法令違反が認められました。このパーセンテージは過去一貫して七〇から八〇%に張り付いており、改善が全く見られません。根本的に問題があるのではないでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 技能実習制度につきましては、事業主との雇用関係の下で労働関係法令が適用されているということから、現在も労働基準監督署において実習実施機関に対する監督指導を行っておるわけでありますが、労働基準関係法令違反が依然として発生していることは先生今御指摘のとおりであります。今の七九・六という数字は、元々違反懸念先のところに対して労基署などが監督指導を行った二千三百十八機関のうちの違反事例であって、やはりかなりあるというふうに私も認識をしております。
 そういうことから、今回提出をいたしました技能実習法案において新たに外国人技能実習機構というのを創設をして管理団体等への実地の検査等を行うこととしておりまして、今後、労働基準監督署と連携をして技能実習生に対する労働基準関係法令の遵守を徹底してまいりたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 技能実習生は労働者ですよね、大臣。

○国務大臣(塩崎恭久君) そのとおりでございます。

○福島みずほ君 労働者であるにもかかわらず、違反のパーセントが今大臣おっしゃったとおり高いんですね。二〇一一年は八二%。そもそも技能実習生という制度の中に労基法違反を生むような構造があるんじゃないか。それに目をつぶって拡充しても、うみとか問題点は広がるばかりではないかと思っております。
 技能実習制度について、労働力能力開発局長は、二〇〇八年四月一日の参議院厚生労働委員会において、「労働力対策という意味での制度ではない」と明確に答弁をしています。しかし、介護など人手不足が深刻化している業種において、外国人技能実習制度がなし崩し的に拡充されつつあります。矛盾ではないでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) この制度をどうするかということについては、私ども、私がまだ自民党の政務調査会の会長代理というのをやっていたときに随分議論をいたしました。おっしゃるように、この数字が高いのは元々怪しいところを狙ってやっているから高いということもありますが、真面目にやっているところもたくさんもちろん私の地元でもあって、特に私の地元などでも、地銀の調査報告書でも、やはり、言ってみれば、大分、地域経済でもいろんなところで技能を学んでいるということを報告がありました。
 そういうことで、なぜ、じゃ、そういうことが、違反事例が絶えないのかということが問題であって、それはやはり、監督をしているはずのところが、いわゆる公益財団法人国際研究協力機構というところに委託をして巡回指導とかやってもらっていたわけでありまして、これは民間委託事業では実効性がやっぱり限界があるということで違反事例が絶えなかったというふうに思っております。
 だからこそ、先ほど申し上げた、今回は新しい外国人技能実習機構というのを創設し、なおかつ実地の検査などをできる権限を与えるということをもってしっかり管理監督をさせるということを仕組んだわけでございまして、これがやっぱり機能をするということが今回の最大のポイントではないかというふうに思います。

○福島みずほ君 いや、技能実習生の中で人権侵害が絶えないのは、これは、労働力の対策ではないと言いながら、実は労働力不足を補う労働者として安く、本当に場合によっては奴隷的に使われているというところが問題です。ですから、このような手法を取る限り問題は解決しない。国際貢献という建前と、外国人技能実習生を労働力として活用するという本音の著しい乖離はいつまでたっても解消されず、そのことによって外国人技能実習生に対する人権侵害や労働諸法令違反も温存されたままです。
 本当に外国人を活用する、すなわち日本で労働してもらうのであれば、外国人技能実習制度などという制度ではなく、労働者なわけですから、外国人労働者を受け入れるための制度について議論すべき段階に来ているのではないでしょうか。いかがですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 労働力人口が減少傾向で推移している中で成長を実現するためには、働き手を増やさなきゃいけないということと、それから労働生産性を上げていくというこの二つを同時にやっていかなければいけないということであるわけでありますが、そのためにはまずは我が国の若い人たち、あるいは女性、そしてまた高齢者などが働く能力を高めてその能力を十分に発揮できるという、そういう全員参加の社会というものを実現していくということがまず先決だろうというふうに思います。
 一方で、いわゆる単純労働者の受入れなど外国人労働者の受入れ範囲の拡大、これは、社会保障や教育、あるいは治安等の国民生活全体に与える影響に鑑みて、我が国のあるべき将来像と併せて中長期的観点から、いろんな意見がありますから、国民的なやっぱり議論をしてコンセンサスを得ていかなければいけないことでありまして、それにはしっかりとした検討と議論が必要だというふうに思います。

○福島みずほ君 私も、外国から労働者を連れてくるのではなく、まず真っ先に女性や高齢者や若者の活用をやるべきで、そして、もし受け入れるとすればきちっとしなければならないという大臣のそれまでの答弁には賛成です。
 しかし、私が問題にしているのはその局面ではありません。これは労働力対策ではない、人手不足対策ではない、国際貢献で日本の技能を勉強してもらうのだという建前と、実は低賃金で、本当にある意味とても過酷な労働をしている技能実習生の現場の乖離が問題で、労働者だというのであればきちっと労働者としてやればよくて、この建前と現実の乖離をやっている限り人権侵害は増えるばかりではないかという指摘についてはいかがですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) そのことは十分私どもも踏まえた上でどうするかということを、先ほど申し上げたように自民党の中でも議論し、そして政府の中でも日本再興戦略の中で定義付けたわけでございまして、やはり労働政策としてはきっちり法律を働く人には守ってもらうということが十分ではなかったということが反省としてあるわけでありますから、これをしっかりとやる。一方で、国際貢献もやっていくということも同時に進めていこうというのが今回の我々の提案だというふうに考えております。

○福島みずほ君 いや、これは法務省だけに任せることなく、まさに厚労省が一番出番ですよ。今まで法律があっても、八十何%違反例があるというような労働者の現場なんて異常ですよ。
 実際、今日はちょっと時間がありませんが、たくさんのいろんな人権侵害事例があります。例えば、法務省に今日来ていただいていますが、強制帰国という、例えば賃金もっとちゃんとくれとか、セクハラやいろんなこと、パワハラやいろんなことに対して抗議をしたりすると、無理やり強制帰国を、本人が同意があるというような形で空港から送り返してしまうみたいなことがあります。
 不正行為の類型の中に強制帰国は入っておりませんが、このような例は御存じでしょうか。

○政府参考人(杵渕正巳君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の強制帰国というものが、技能実習生の意に反して技能実習を継続させずに帰国させるということである場合には、現在、帰国に至る過程の中で仮に暴行、脅迫等の手段が行使されたりするなど人権を侵害するような行為が確認されれば、不正行為の類型の一つである人権を著しく侵害する行為ということで対応しております。
 平成二十六年中に、技能実習生の帰国に際して人権を著しく侵害する行為があったとして不正行為を通知した機関は三機関ございます。
 法務省入管局におきましては、御指摘の、いわゆる強制帰国を含め、不当な解雇や賃金の不払など労働関係法令違反等の技能実習生に対する人権侵害が疑われるような事案につきましては、労働基準監督機関や警察と連携して適切に対応するよう努めているところでございます。

○福島みずほ君 今度、今出ている法律案がありますが、これが成立を仮にすれば介護労働者にも拡大されるということでよろしいですね。条文の中には介護労働者というのは入っていないんですけれども、介護労働者にも拡充されるということでよろしいですね。

○政府参考人(宮川晃君) 今回の法案の内容につきまして御説明申し上げます。
 今回の法案の中で、職種につきましては法定事項ではございません。いわゆる省令以下の運用事項でございまして、介護の話ということで、介護ですか。

○福島みずほ君 介護です。

○政府参考人(宮川晃君) 介護の内容につきましては、入れるのであればそういう形で、法律で対応する話ではないということでございます。

○福島みずほ君 もしにでも技能実習生が介護の労働者として入るということであれば、その人たちは福祉士ではなく、要するに正式に資格を取った人ではなく、実習生、勉強している途中ということですから、全く資格がなくて介護の労働現場で働くということでよろしいですね。

○政府参考人(宮川晃君) 現在想定しております介護の技能実習の件でございますけれども、この件につきましては、専門家にお集まりいただきまして、どのような形で技能実習制度というものができるのかという観点について議論を続けてきたところでございます。
 今回の改正内容を踏まえた上で、さらにその上で、対人サービスであるということなどを踏まえた、例えば日本語要件など、要件も含めた形で技能実習について考えるべきであるという結論に達しているところでございます。

○福島みずほ君 だから問題だと思います。条文の中には介護労働者は入っていないけれども、実際、介護労働者を入れるかどうかという議論をどういう場合にできるかしているわけじゃないですか。
 介護の現場が人手不足なことは事実です。でも、そのときに資格を取るのが外国人は難しいから、というか、もちろん頑張って取っている人もいらっしゃるんですが、言葉のハンディなどもあって難しい。だから、労働者として正式の資格を持った人ではなく技能実習生として入れると。でも、そうすると、介護現場の中で、資格がないけれども外国人として入る。介護の仕事は難しいですよ、人手不足だから入れりゃいいということでは駄目だし、ここは厚生労働委員会ですが、介護労働者を技能実習生として入れるかどうか、それが法律の中に入っていなくて、成立したら後からどんどん入っちゃうよということでは困ります。きちっと議論すべきだし、介護労働者について入れるべきではないと思いますが、大臣、いかがですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げてきているように、技能実習制度そのものは、技能を移転するということであって、この介護、看護もそうでありますけれども、いろんな形で、特にアジアの国々は日本の現場のノウハウについて学びたいというところがたくさんあって、私どもの、専門学校なんかにも問合せで、いろんな形で協力を求めてくるところもあります。
 したがって、そういうことで、今回介護の職種を追加するということはもう既に申し上げているわけでございますけれども、国会で法案として御議論を賜るのは全体の法律のフレームワークをお願いをするわけでありまして、介護については職種として追加をさせていただくということでございます。

○福島みずほ君 つまり、法律の中には入っていないんですよ、でも、法律が成立したら後から入るって、でも、それはやっぱりおかしいですよ。
 それから、ヘルパーさんたちの話を聞くと、家に入るから、やっぱりセクハラの問題が起きたり、あるいはいろんな疑いを掛けられたり、やっぱり難しい、きめ細かな仕事ですよ。これを技能実習生でやるということはどんなものなのか。結局、労働力不足だから技能実習生を入れるということになって、やっぱり問題なんですよ、これは。こういうやり方で技能実習生を裏口入学させて、ますます労働現場の労働条件が悪くなると思いますが、大臣、いかがですか。
 少なくとも、介護労働者を入れると今明言されているわけだから、この厚生労働委員会できっちり議論をすべきだと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(宮川晃君) 先ほども申し上げましたように、厚生労働省の中での検討会におきましては、技能移転、あくまでも日本から開発途上国等への技能移転であるという趣旨の下、制度趣旨に立った上で介護職に対するイメージ低下を招かないようにすること、外国人について、日本人と同様に適切な処遇を確保し、日本人労働者の処遇、労働環境の改善の努力が損なわれないようにすること、それから、介護サービスの質を担保するとともに、利用者の不安を招かないようにすることという三つの要件に対応した具体的な制度設計の考えが示されているところでございます。

○福島みずほ君 いや、制度設計できないですよ。だって、これだけ技能実習生、労基法違反があって、入れて、できるわけがないというか、私は、外国人の人たちが頑張ろうというのはすばらしいと思うんですが、労働者としてこれほどまでに保護されていなくて、介護労働者で入れることを今言って、そしてこれを条文には入れずにやってしまうというのは極めて問題だと思います。
 少なくとも介護労働者の労働条件を上げるということをこの厚生労働委員会は一生懸命やってきたわけで、労働条件の低下をやっぱり招きかねないし、それは技能実習生にとっても本当に良くないというふうに思っています。この厚生労働委員会でしっかり議論をしない限り、この法律通せないですよ。
 国交省は、三年間の技能実習修了者を再び特定活動ビザで建設労働に就労させる場合、工程上分離できない業務の場合は、技能実習と異なる職種や作業に従事することも認めています。しかし、そもそも技能実習制度が、六十七職種、百二十四作業に厳格に限定され、それと異なる作業をさせた場合には不正行為になるという制度です。再就労において職種・作業限定が緩和されるのは問題ではないですか。

○政府参考人(吉田光市君) お答え申し上げます。
 今回の建設分野におきます緊急措置は、復興事業の更なる加速を図りつつ、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けまして、一時的に増大する建設需要に的確に対応するため、緊急かつ時限的な措置として、即戦力となる外国人材を就労目的で受け入れるものでございます。
 御指摘の外国人建設就労者が従事する業務については、原則として修了した技能実習の職種及び作業と同一である必要があると考えてございます。ただし、就労目的で受け入れるという本緊急措置の趣旨を踏まえまして、工事の工程により分離できない等の理由により異なる職種、作業に従事させる可能性がある場合には、その理由や安全衛生管理の方法についてあらかじめ適正監理計画の申請の際に記載させ審査した上でこれを認めることとしたものでございます。

○福島みずほ君 日本が、あるところは労働力不足であることは認めますし、求められていることの現実は分かります。しかし、技能実習生という形で入れることが本当にいいのかというふうに思っておりまして、これはまた、やっぱりこれだけの労基法違反がたくさんあるわけですし、というふうに思っております。これについてはまたこの委員会でも議論していきたいというふうに思っています。
 ホワイトカラーエグゼンプションについてお聞きをします。
 使用者の労働時間、ホワイトカラーエグゼンプションとは何か。労働時間規制が一切ない労働者が初めて日本に誕生するということでよろしいですね。これは、労働省というか、労働法制の死ではないでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、ホワイトカラーエグゼンプションという言葉は使っておりませんので、是非、高度プロフェッショナル制度というお言葉でお願いをできたらと、こう思うわけでありまして、仕事の進め方とか時間配分を自ら決めて、時間ではなくて成果で評価をされる働き方という考え方で、選択ができる一つの働き方というふうにお考えをいただければと思います。
 このため、割増し賃金の算定の基礎となります労働時間を把握する必要はありませんけれども、健康確保の観点から、在社時間と事業場外で働いた時間の全部を健康管理時間として客観的に把握することを使用者に求めることとしておりまして、働く方の時間の管理を行わないといった指摘は当たっていないというふうに考えておるところでございまして、さらに、こうした健康管理時間を基にいたしまして、終業時間から始業時間までの間に一定時間以上を確保させるいわゆるインターバル規制、それから在社時間等の上限規制、それから年間百四日の休日数規制のいずれかの措置を必ず講じることを使用者に求めるとともに、健康管理時間が長時間となった場合には、医師による面接指導の実施を法律でもって、これは労働安全衛生法でありますが、義務付けるなどの、通常の方々に対するよりもむしろ厳しい健康確保のための措置を講ずることとしているわけでございまして、こうした措置によって、高度プロフェッショナル制度を選んだ方が、健康を確保しながら、その意欲や能力を存分に発揮をしてもらうと、そういう制度設計を行ってまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 健康管理時間は労基法上の労働時間ではありません。労基法上の労働時間規制を一切なくして、健康管理時間で管理するなんてまやかしですよ。労基法上のそれは義務ではないから、これ、二十四時間働かせ法案じゃないですか。二十四時間働いても労基法違反ではない、こんな法律を成立させては駄目ですよ。
 高度プロフェッショナルと言うんだったら、最も高度プロフェッショナル的な、例えばお医者さん、たくさん過労死しています。給料がやや高くても、専門職であっても、というか、むしろそういう人たちこそ過労死をしている。これは二十四時間働かせ法案で、こんなことをやったら過労死対策基本法を成立させた意味がないですよ。
 もう一つ、この中に裁量労働制の規制緩和が入っていることも極めて問題です。課題解決型提案営業。でも、営業って課題解決型でありますよね。ほとんどの仕事の現場においてPDCAを行ったり、営業において課題解決や提案を行ってすることは当たり前になっております。裁量労働制、これ入れれば、対象が際限なく拡大するのではないでしょうか。対象労働者の数はどれぐらいになると考えていますか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、企画業務型裁量労働制の対象業務として追加する課題解決のための提案営業の業務は、法律によって取り扱う商品やサービスが法人全体にとって重要なものに限られていることや、それから、企画立案の業務と一体的に営業を行うものであることを定めるとともに、法律に基づいて指針が作られますけれども、ここで、店頭販売とかあるいはルートセールスとか単純な営業業務である場合などは対象業務とならないことを法律成立後の作られる指針で明示をする方針でございます。
 それから、裁量的にPDCAを回す業務は、法律上、企画立案の業務を行い、かつ、これらの成果を活用するという要件を定めるとともに、法律に基づいて先ほど申し上げたような指針を作って、その中で、企画立案の業務と組み合わせるものが、個別の製造やあるいは備品などの購入とか、あるいは庶務とか経理とか、こういうような場合は対象業務とはなり得ない旨を定めることとしておりまして、こうした法律それから指針による限定によって、対象となる方々の数は相当程度絞られるということでありますので、これが際限なく広がるというようなことはないと思っておりますが、今申し上げたように、例えば、営業職というと三百四十二万とかそういうふうに言われますけれども、今申し上げたようなことで、相当この数字は絞られるというふうにお考えをいただければというふうに思います。

○委員長(丸川珠代君) 福島委員、時間が過ぎておりますので、おまとめください。

○福島みずほ君 労働法制の規制緩和を労働省はやらないでください。
 以上で終わります。
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辺野古海底作業中止指示で質問

 翁長沖縄県知事は3月23日(月)、沖縄防衛局に対し、海底作業の停止の指示を出しました。その文書は以下のものです。

沖縄県達農第281号

 沖縄防衛局のコンクリートブロックの投下は、許可の申請外の行為であり、許可を得ずに岩礁破砕行為がなされた蓋然性が高いと考えられるので、県が必要とする調査を実施するというものです。

 また、翁長知事は同じく3月23日、キャンプシュワブ臨時制限区域への立入許可申請についての通知も沖縄防衛局長に出しました。次のものです。

農水第3661号

 「2月26日、在日合衆国軍隊に対し、当該調査のため立入許可申請を行ったが、運用上の理由で、県の立入申請を受け入れることができないという回答があった」というのは大問題です。

 仲井眞前知事は、2014年7月11日に沖縄防衛局に対して岩礁破砕許可(沖縄県指令農第1381号)を交付しています。その第6項は「漁業調整その他公益上の事由などにより、別途指示する場合には、その指示に従うこと」と、条件を付して許可しています。次のようなものです。

沖縄県指令農第1381号

 翁長知事の3月23日の海底作業の停止の指示は、まさにこの第6項の指示です。政府はこの第6項に従って、その指示に従わなければなりません。

 まさに、沖縄県は、法的な手続きに従っており、政府は従う義務があるのです。

 このことを3月24日の参議院予算委員会で質問をしました。この指示に従うべきではないかと何度も中谷防衛大臣に質問しましたが、答えませんでした。指示に従うべきです。
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ビキニ水爆実験問題で厚労省が新たに健康調査

 毎日新聞は本日(1月5日)付で、「1954年のビキニ環礁水爆実験に関して、厚労省が第五福竜丸以外の船の船員に対して初めて健康影響調査に乗り出すことを決めた」旨、報じています。
 この問題に関して長年にわたって取り組んでこられた全国の皆さんの努力のおかげです。私も心からうれしく思っています。
 私も昨年、参議院厚生労働委員会で以下のように質問しました。
(2014年10月16日参議院厚生労働委員会)
○福島みずほ 二〇一三年、アメリカ公文書館で、例えば船体の基準値を超えた船は五隻となっています。また、沖縄のビキニ事件、一九五三年から六〇年まで八年間にわたり、年間八回ずつ被災海域で操業していたマグロ漁船、銀嶺丸と大鵬丸、この乗組員六十八名がいるんですが、この調査の結果、これは民間で調査を日本でやったわけですが、十七人が四十歳代半ばから五十歳代で死亡し、死因はがんが最も多くて十一人。被害が本当に出ていますよ。
 それで、アメリカからの見舞金があり、八億ほどありましたよね。そのうち、百六十名に見舞金が払われています。少ないと思いますが、数も、でも、その百六十名、見舞金を払った人たちのフォローアップを厚生労働省はしていますか。
○政府参考人(新村和哉) 見舞金を支払って、それを受けた方につきましては、その当時、見舞金を払った方の名簿はあったんだろうと思いますけれども、私ども、船体あるいは人体等の放射能の検査をして検出をしたその船、それから乗組員、そういった方々については今回徹底的に調査をして資料を出したわけですけれども、その名簿、船の船名なりその乗組員の方の名簿等がやはり十分残っているものではなくて断片的であったということでございますし、その見舞金を受けられた方との関係等についても明確でございませんので、その意味でフォローはされておりません。
(中略)
○福島みずほ 厚労省はひどいと思いますよ。広島、長崎があって、福竜丸があって、ビキニの環礁の被曝があったわけで、それについてきちっとフォローアップすべきですよ。船員さんたちは、なぜ健康が悪くなったか分からず、黙って亡くなっていった人もたくさんいるわけです。六十年間放置していたんですよ。低線量被曝が影響ないなんて何で分かるんですか。みんな海水でお風呂を浴びているし、泳いでいるし、マグロを食べているし、そうなんですよ。そして、服などは洗っているから、それを放射線量が低いからといって被曝していないとは言えないし、むしろ四十、五十、六十で症状が出てくるからきちっとフォローアップすべきじゃないですか。それを六十年間やらなかったんですよ。こんなことをやっていると、今、福島の被曝でも低線量被曝、大したことないなんてなったら本当にこれは困ると思います。
 とりわけ外務省は、当時アメリカには資料を提供しながら日本では公表しない。厚労省も、資料を持って結果があって、少なくともそれを公表すべきじゃないですか。みんな福竜丸しか被曝していないと思っている人もいるかもしれませんが、全国的に被曝しているんですよ。大きな被曝があります。
 これについては、なかなか、歴史、六十年たっていますが、今からでも遅くない、何かやるべきだ。大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久) 先ほど橋本政務官から御説明申し上げたとおり、こういった資料が出てこなかったというのは極めて問題だったと思います。
 さらに、今御指摘の点について、今局長から説明したように、当時の判断としては、線量としてははるかに国際基準よりも低いという判断でそういうことになったんだろうというふうに思いますが、今日、先生、そういう形で問題点の指摘をいただきましたので、持ち帰ってまたみんなで検討してみたいというふうに思います。
(議事録おわり)

  これからも、厚労省の調査結果や、元船員の皆さんへのフォローアップなどについて、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
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参厚労委でWE、社会保障改革など質問

参議院厚生労働委員会2014年11月18日(速報版)

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 ホワイトカラーエグゼンプションは、第一次安倍内閣のときに上程ができませんでした。私はこれは運動の成果で潰したんだと思っていますが、ホワイトカラーエグゼンプションが来年出てこないように、派遣法は、先ほど津田理事の方から、呪われた法案だということで二回潰れましたが、派遣法も出てこないように、改悪法案、そしてホワイトカラーエグゼンプションも出てこないように、今日質問したいと思います。
 なぜ年収の高い労働者が使用者に対してより高い交渉力を持つということができるんでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) もうこれは何度か答弁申し上げたと思いますけれども、一般的に年収が高い労働者はそうした年収に見合う高度な知識と経験を有していると、そういうことで、他の労働者と比べて相対的に有利な立場で、年収があるということはそれだけの力があるということで、有利な立場で労働条件に関する使用者との交渉を行うことができるのではないかというふうに考えられるところでございまして、こうしたことから、今回の新たな労働時間制度の対象者については、少なくとも年収一千万円以上という年収要件を盛り込んでいるわけでもありますし、また、これに加えて、単に年収が高いだけで仕事の進め方や分量についての裁量性がない労働者を対象から除外するために、職務の範囲が明確で高い職業能力を有するといった要件も示しているところでございます。

○福島みずほ君 有期雇用のときの参考人で、経団連の鈴木さんは、年収だけで交渉力というものを考えるべきではないというふうに思っておりますというふうに言っています。年収が高いということと本人の能力とスキルは関係ある場合もあるかもしれませんが、全く関係ないかもしれない、年収要件で考えられない。そして、専門的なというふうに今大臣おっしゃいましたが、派遣法は、できるときに二十六業種に限るとか、小さく産んで大きく育てるという形になっておりますので、とにかくメーデーの原点である労働時間規制を、たかだか年収がちょこっとだけ高いとか、ちょこっとだけ専門性があるように見えるかもしれないという理由で労働時間規制を取っ払うことは、労働法制そのものを厚労省がぶっ壊すことだというふうに思っております。ホワイトカラーエグゼンプション、出すべきでないということを強く申し上げます。
 次に、社会保障制度改革について私もお聞きいたします。
 厚生労働省は、十三日に予定していた医療保険改悪案の公表を中止をいたしました。なぜですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど小池先生にお答えをいたしたとおりでございますが、申し上げたように、この特例措置、軽減措置などについては、骨太方針でも見直すということが閣議決定もされていることでありますから、政府は、やはり閣議決定には従うということは当然のことでございます。
 しかしながら、その作業の中で様々な意見が寄せられて、そして、特に弱い立場の方々、所得の低い方々の立場のことに特に配慮をした上で改革案を出してこいと、こういう声もございましたので、改めて検討を更に重ねるということになったところでございます。

○福島みずほ君 十一日、自民党の会合で、後ろから鉄砲で撃たれるようなものだと言われたというのは確かですか。

○政府参考人(唐澤剛君) 部会の内容について私からはお答えできませんけれども、今大臣からも御答弁がございましたように、やはり所得の低い方々については、負担能力というものを十分勘案をして丁寧な配慮を行うべきという御意見をいただいたところでございます。

○福島みずほ君 お手元に資料をお配りしています。
 大臣は先ほどからも、道筋は付いている、改革は粛々とやっていく、閣議決定した中身ですからこれをやらなければならないというふうにおっしゃっているので、その言葉の重みをしっかり訴えていきたいというふうに思いますが、政府は社会保障改革の名の下、医療・保険分野で十四項目、年金分野で二項目、介護分野で一項目に関して国民負担増となり得る内容の検討を行っております。
 合計十七項目、一つ一つですが、これを実施するのかしないのか、実施するとすればいつなのか、答弁してください。

○政府参考人(唐澤剛君) 十四項目、ここに先生からいただいた資料がございますが、私はまず医療と保険の部分についてお話しさせていただきます。
 全体的に、現在、先ほど申し上げましたように、案について検討中というのが現在の状況でございますが、まず簡単にお話しさせていただきますと、最初が、後期高齢者支援金の全面報酬割というのは、これは高齢者の方々の医療費の四割を現役世代の支援金で賄っていただいておりますけれども、その負担の仕方を、三分の二の加入者割を全部総報酬制に変更するという内容でございます。これは、健康保険組合などの方々は、所得の高い保険者の人たちは負担が少し重くなりますが、所得の低い方々については負担が軽減されるというものでございます。
 それから、協会けんぽの影響……

○福島みずほ君 ちょっと済みません、中身は理解しているので、やるのかやらないのか、いつ……

○政府参考人(唐澤剛君) これは……

○委員長(丸川珠代君) 済みません、委員長の指名に従っていただけますか。

○政府参考人(唐澤剛君) はい。

○福島みずほ君 済みません、中身は分かっておりますので、この一つ一つについて、やるのかやらないのか、いつやるのかをお答えください。

○政府参考人(唐澤剛君) これは、いつどのような内容で実施をするかということについて現在検討をしているところでございます。

○政府参考人(香取照幸君) 年金については、御指摘二項目ございますが、この二項目いずれも、昨年の社会保障制度国民会議報告、あるいはプログラム法、さらには実は民主党政権時代の一体改革の大綱の中でもそれぞれ検討課題として挙げられているものということになってございます。
 これらは、いずれも指摘の中では特にいつまでにという御指摘をいただいたものではありませんけれども、いずれも大変大きい課題ということで、現在、社会保障審議会の年金部会において審議を重ねているという段階でございます。

○政府参考人(三浦公嗣君) 介護関係でございますけれども、特別養護老人ホームの多床室に入所する一定程度の所得を有する方々の居住費の在り方につきまして、現在、社会保障審議会介護給付費分科会で検討をいただいているところでございます。
 引き続き、低所得者の方への配慮を含めまして、様々な意見を踏まえて、平成二十七年度介護報酬改定に向けて御議論いただく予定としております。

○福島みずほ君 唐澤局長、一から十四までありますが、この中で白紙撤回するもの、見直すものというのはあるんですか。あるいは、これは既定路線でしょうか。

○政府参考人(唐澤剛君) これらの項目は、昨年成立いたしました社会保障改革プログラム法に検討が規定されているものや、あるいは骨太方針等に規定されているものが基になっておりますけれども、この中で最も期日がはっきりしておりますのは、三番の短時間労働者の適用拡大というのは時期がもうはっきりしておりますが、ただ、そのときに更にこの激減緩和のための措置を検討しなければならないというふうなことを考えているわけでございます。
 これは白紙撤回とかそういうことではありませんで、現在、全体としてのどのような案にすべきかということにつきまして検討を深めているところでございます。

○福島みずほ君 ということは、この一から十四までの医療の負担増に関しては、細部は調整するけれども、基本的に骨太方針、あるいは閣議決定、プログラム規定、これの下にこれをやるということでよろしいですか。

○政府参考人(唐澤剛君) これは、やると決めるときはもう案ができているわけですから、まだ私どもは案を検討する途中でございますので、この検討すべきだということは義務付けられておりますので、それがいろいろな方々に受け入れられやすいものにならなければなりませんし、丁寧な配慮も必要でございますので、そういうことを踏まえて検討中ということでございます。

○福島みずほ君 三人の局長に答弁していただきましたが、白紙撤回するもの、検討した結果、やらないものというのはあるんですか。

○政府参考人(唐澤剛君) これは何度も申し上げて恐縮なんですが、現在検討中という段階でございます。

○福島みずほ君 しかし、先ほど局長は、骨太方針であり、閣議決定をしたものであり、かつプログラム法に載っているものであるから検討すると。検討するというのは、やることはやるんだけれども、中身の検討でしょう。

○政府参考人(唐澤剛君) 検討というのは、全体について検討というふうに私どもは受け止めておりますので、それはもう結果がどうなるかについては、まだ私がそんな予断をもってこれはこうだと申し上げられませんけれども、もちろん、プログラム法なりあるいは骨太方針なりに記載されている趣旨を踏まえて検討するということでございますが、ただ、その際には、いろいろな配慮事項もございますし、例えば直ちにできるものもあるかないかというようなこともございますので、それはそういうものを含めて検討させていただいているということでございます。

○福島みずほ君 先ほど大臣は、道筋は決まっている、粛々とやるというふうにおっしゃいました。
 こういうのは、私もこれは先ほどの同僚委員と一緒なんですが、極めて重要なことで、原発再稼働も、消費税増税も、社会保障の負担も、集団的自衛権の行使の法案がどうなるかも、一切明らかにしないで選挙やるのは邪道中の邪道だと思います。
 少なくとも、この厚生労働委員会においてこういうことをきちっと明らかにすべきだと。少なくとも、これ、検討事項でやっているんですよ。今日の話で三局長とも、これを白紙撤回するものについては特に答弁がなかったというふうに理解をしております。負担増について、しっかりこれは明らかにすべきだと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来、小池先生も福島先生も一方的な断定をされるので、これはちょっと一言行っておかないといかぬなと思っておりますが、粛々、淡々とやると言っているのは、この今先生がお配りになっているものを全部ここに書いてあるとおりやるだのようなことは一言も言っておりませんで、我々は内閣でありますから、内閣で閣議決定をしたものについてはやらなければいけないと言っているので、それは何て書いてあるかというと、例えば、後期高齢者医療の保険料軽減特例措置について段階的な見直しを進めることについて検討するとされている。検討するというのは、検討して、やるかやらないかを含めてどうなるかは中身次第ですから、我々がやらなきゃいけないと言っているのは、粛々とやるのは検討をするということを言っているので、これらを全部やるだのようなことを一方的に言っていただくと、ちょっと私の言ったことを誤解されたかなと、ひょっとしてと思って、明確にしておかなきゃいかぬと思うので、繰り返し申し上げますけれども、検討をするということは間違いなく検討をしているわけで、結論はどうなるかは全く分からないということであります。

○福島みずほ君 じゃ、大臣、この中で白紙撤回するものってあるんですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 検討をしていますから、それはどうなるかはやってみないと分からないということであります。

○福島みずほ君 厚生労働省は十三日にこれ発表して、そして、選挙前ということもあって、これで中止にしたということです。私は、それは民主主義の立場からアンフェア、ちゃんと説明すべきだというように思います。
 次に、セクハラ、マタハラなどの実態について、派遣労働者など非正規雇用労働者の職場実態についてどう調査、認識をしているのか、今後このことについてどのように取り組もうとしているのか、教えてください。

○政府参考人(安藤よし子君) 男女雇用機会均等法におきましては、セクシュアルハラスメント対策を講じる義務や、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止を規定しているところでございまして、都道府県労働局雇用均等室では、こうした事案につきまして労働者などから相談を受けているところでございます。
 平成二十五年度に雇用均等室に寄せられた労働者からの相談件数については、セクシャルハラスメントに関するものが六千百八十三件、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いに関するものが二千九十件というふうになっておりますけれども、雇用形態別の内訳については取っておりませんことから、派遣労働者など非正規雇用労働者からの相談件数としては把握はしていないところでございます。
 いずれにしましても、こうした法の趣旨がしっかりと徹底されるように努力してまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 第十四回出生動向基本調査、結婚と出産に関する全国調査では、女性パート、派遣労働者の就業継続割合は一八・〇、育児休業制度を利用しての就業継続割合は僅か四%となっています。正社員が、この統計では五二・九%、育児休業制度を利用しての就業継続割合は四三・一%となっていますので、十分の一以下なんですね。格差が余りに大き過ぎる。
 それから、派遣法を出しながら、そこでどれだけ産休、育休が取れているか、その実態の数というのは分からないんですよね。改めてお聞きします。

○政府参考人(安藤よし子君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、数につきましては現在は把握ができておりませんので。ただ、そうした実態につきましては、雇用形態別に把握できる調査をしなければいけないというふうには考えております。今その詳細につきまして検討中でございますが、いずれにしましても、施策の基礎資料となるような調査をしたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 派遣で働く女の人は産休も育休も取れないんですよ。有期契約の人たちは契約更新拒絶されるから妊娠、出産、産休、育休取れないんですよ。物すごく低いですよ。中絶しろと言われた人もいれば、本当にそれで流産に遭った人もたくさんいます。そういう中で、だから派遣法の改悪に反対というか、一・八、出生率を上げようと言いながら、そういうふうに非正規雇用、とりわけ女性が増えるという状況は問題だと思います。
 厚労省がようやく実態調査をされるということで、その結果どうなるのか、それに対してどう対策を打つのか、だからこそ労働法制の規制緩和は間違っているという方向に厚労省として踏み切っていただきたい。間違ってもホワイトカラーエグゼンプションや派遣法の改悪法案三度目出すことはやめていただきたいというふうに思います。
 この間、この厚生労働委員会で視察に行きまして、派遣の、どう扱うというか、労働局の視察を私も参加させていただきました。派遣会社がいろんな業務報告をする際に、女性、男性の産休、育休の取得率などを報告書に毎年報告させるなどというのは、よりその事業者の態度が分かるので必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(安藤よし子君) 派遣労働者などの非正規雇用の労働者も含め、女性が安心して子供を産み、育てながら継続就業できる環境整備、大変重要なものだと考えております。
 今御指摘のとおり、様々な実態については把握をした上で、期間雇用者の育児休業取得要件の周知徹底を始め、今後とも取り組んでまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 是非やってください。それは今でも法律改正しなくてもできることで、派遣で女の人が本当に産休、育休取っているのか、それの実態報告、割合をちゃんと事業者に命じてくださいよ。本当にどれだけ取っているのか。取れていないですから。是非そのことをやっていただくようにお願いをいたします。
 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案のことについてお聞きをします。
 ポジティブアクションの実効性が余りに薄いのではないか、義務付けが大企業のみであり、数値目標も企業側が自由に決められる規定になっております。達成できなかった場合の罰則もありません。ナイロビ将来戦略、二〇二〇・三〇という目標を切り下げることにならないでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の法案では、事業主行動計画のための事務負担を考慮いたしまして、中小企業については計画策定を努力義務としました。中小企業主への支援も併せて行うということにし、中小企業にも取組を広げていきたいと、こう考えているところでございます。
   〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕
 なお、数値目標については、各企業がそれぞれの実態を分析をして、把握した課題を解決するのに最もふさわしい目標であるということが必要なために、その具体的な内容とか水準については一律の基準を設けるのはやっぱりふさわしくないんじゃないかということにいたしました。
 なお、数値目標が達成できなかったときの罰則についてでありますけれども、事業主における意欲的な目標設定を妨げる懸念があるということから規定はしておりませんけれども、数値目標を含めた行動計画全体が公表されるということになりますので、各事業主においては、目標達成に向けた努力がおのずとそういった意味でなされることになるのではないかと考えております。
 また、二〇二〇・三〇についてお話がありましたけれども、この二〇二〇・三〇は、我が国の、政府のですね、については大変高い水準の政府目標と考えておりますけれども、本法案に基づいて女性の活躍推進に向けた取組が各企業において着実に進められることによって、社会全体でも達成を目指していきたいと、こう考えているところでございます。

○福島みずほ君 女性の活躍というのであれば、男女雇用機会均等法やパート法を改正するのが先ではないでしょうか、大臣。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今パートタイム労働法の話などが出ましたが、女性が出産、子育てを通じて安心して働き続けて活躍できる社会の実現に向けては、まず、性差別とか妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いを禁止するこの男女雇用機会均等法や、それから均等・均衡待遇の確保を目指すパートタイム労働法、今おっしゃったとおりですが、を土台とした上で、新法によって、企業に対して女性の活躍推進に向けた状況把握、それから課題分析を踏まえた行動計画の策定等を求めていくということで、女性がその能力を十分に発揮できる環境を整備していくことが重要ではないかというふうに考えておるところでございます。
   〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕
 こういった枠組みによって、現に生じている男女間の格差是正を図るとともに、女性が活躍できる社会を構築するということに努めてまいりたいというふうに思っております。

○福島みずほ君 女性の活躍というのであれば、パート法や男女雇用機会均等法の改正、そして間違っても派遣法の改悪などはしないことだというふうに思いますので、それはよろしくお願いします。
 ハンセン病の法案についてお聞きをいたします。
 超党派で努力をされた皆さんたちに心から敬意を表します。
 国立ハンセン病療養所の職員定数二千九百十三人と予算額三百二十七億円、いずれも二〇一四年度予算で、これを拡充すべきではないでしょうか。いかがでしょうか。

○政府参考人(二川一男君) ハンセン病療養所の職員定数、予算のお尋ねでございますけれども、まず、本年八月十五日に、平成二十七年度以降における国立ハンセン病療養所職員の定員の取扱いにつきまして統一交渉団との間で合意書を締結したところでございます。この合意書に基づきまして、厚生労働省としては、ハンセン病療養所の職員定員を平成二十七年度から三十年度までの間、毎年度、対前年度比一人ずつ増とすることを目指しております。あわせて、療養環境の向上に資するための必要な予算額の確保にも努めていくこととしております。
 これらの対応によりまして、入所者の皆様が良好で平穏な療養生活を営むことができるよう、療養体制の充実に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

○福島みずほ君 日本遺族会の国有財産の法律についてお聞きをいたします。
 今までの現行法では、これは、これまで政府が日本遺族会に直接行ってきた土地と九段会館の無償貸与を改め、民間事業者に対して営利目的の活動を許すものであり、問題があるのではないでしょうか。民間企業の営利事業解禁は法律の趣旨を著しく逸脱するものと考えますが、厚労省の見解、いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の改正後の法律においても、日本遺族会に対する無償貸付けは、引き続き遺族の福祉を目的とする事業、これに限定をされるわけでありまして、現行法の無償貸付けの趣旨は損なわれないというふうに考えております。
 なお、国有財産の活用の在り方、これにつきましては財務省において適切な検討がなされるものというふうに考えております。

○福島みずほ君 国有財産を使って、PFIを使ってばあんと建物を建てる。だから、遺族会が所有している部分については無償貸与で変わらないとしても、ほかの部分は今までの法律を逸脱している問題があるというふうに思います。
 こういうことが許されるのであれば、じゃ、ほかのところはどうなるんだというのは言いたいところなんですが、問題があり得るのではないかということを申し上げ、時間ですので質問を終わります。

【社団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸与に関する法律の一部を改正する法律案に対する反対討論】

○福島みずほ君 私は、社民党を代表し、ただいま議題となりました社団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸与に関する法律の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。
 現行法は、国有財産たる九段会館とその敷地を日本遺族会に対して無償貸付けするに当たり、用途を厳しく制限しております。
 すなわち、同法二条において、遺族会は、前条の規定により貸付けを受けた財産を左に掲げる事業以外の事業の用に供してはならない。
 一、遺族に無料又は低額な料金で宿泊所を利用させる事業。二、遺族に無料又は低額な料金で集会所、食堂、理容所、洗濯所等の施設を利用させる事業。三、遺族に生活必需品を実費で販売する事業。四、無料又は低額な料金で遺族の生活及び結婚に関する相談に応ずる事業。五、遺族の育英を行う事業。六、その他遺族の福祉を目的として行う事業で厚生労働大臣の指定するものという規定を設け、用途制限を行っているわけです。
 ところが、今般の改正法案では、民間事業者がPFIの手法によって九段会館を取り壊した後、高層ビルを新築して営利活動を行うこととなります。現行法の基本的枠組みを大きく逸脱する改正であると言わざるを得ません。このような施設が必要であることは十分理解し、大事なことだと考えますが、法を逸脱するものではないでしょうか。
 国民、市民の共有財産である国有地利用についても十分な議論が尽くされないままです。高層ビル建設により、日照被害、風害、景観への影響なども懸念されています。千代田区や地元住民の声もしっかりと聞いた上で、今後の在り方を決めていくべきだと思いますが、そのようなプロセスも全くありません。
 来年、我が国は戦後七十周年という節目を迎えます。二・二六事件の際の戒厳司令部、戦後のGHQによる接収など、日本の戦前、戦中、戦後を振り返る際、ファシズムと侵略戦争への反省を呼び覚ましてくれる貴重な歴史的建造物を安易に取り壊して新たな高層ビルを建て、営利事業に供することは、歴史に目をつぶることにならないでしょうか。
 以上、述べた理由により、本法案に反対する旨を表明し、討論といたします。
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参厚労委で派遣法など質問

厚生労働委員会 2014年11月11日(速報)

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 私も、現行の六十万円から百二十万円になぜ引き上げるのかとか質問通告をしておりましたが、同僚委員の方からも質問がありましたので、それはちょっとカットさせていただきます。
 厚労省は、二〇〇六年三月一日付け、基発第〇三〇一〇〇二号において、「労働争議時の団体交渉において、一方の代理人になることは法第二条第二項の業務には含まれず、社会保険労務士の業務としては引き続き行うことができない」としております。この通達は現在も維持されているということでよろしいでしょうか。

○政府参考人(岡崎淳一君) 御指摘の通達、平成十七年の社会保険労務士法の改正の際に出した通達でございますが、この通達は現在でも有効でございます。

○福島みずほ君 今回、社会保険労務士法の改正で権限を拡大するということが議論になっているわけです。私自身も社会保険労務士さんに大変雇用や年金の点で相談して本当にお世話になっていたり、事務所がお世話になっていたり、あるいは、周りの社会保険労務士の方もたくさんいらっしゃいますし、どの政党もそうでしょうが、社民党の中にも党員で非常に社会保険労務士として頑張っているという人たちもたくさんいます。
 ですから、この法案で権限を拡充する、真面目に頑張って、やっぱりしっかり仕事をしていただくということには賛成なんですが、先ほどから同僚委員の中からも出ているように、今回、連合や全労連、全労協、それから労働弁護団の方から懸念の声が上がりました。それをしっかり克服をして、より社会保険労務士の皆さんたちが社会の中で頑張るというのが私たちが本当に望んでいることだというふうに考えております。
 懸念の理由は、実はほとんどの人、私も知り合いに社会保険労務士の方がたくさんいらっしゃいますから、一部の人たちが労働事件において、これはちょっと困ったというふうにみんなが思っているということはあると思うんですね。もちろん、悪徳弁護士も、悪徳医師もじゃないですけれども、悪の弁護士で問題がある人もいるわけですから、どこの、専門家の集団の中で問題があるということ、それをどう克服していくかということだと思いますが、それについてしっかりやっていかないと、実は社会保険労務士会も、それから労働界も、それから中小企業も発展がないと思いますので、そのことについて御質問をさせていただきます。
 社会保険労務士法は、一九六八年の制定時において労働争議に対する不介入が明示されておりましたが、二〇〇五年改正においてこの規定が削除になりました。これにより、集団的労使関係の現場で一部の不心得な社会保険労務士が現れることになっているのではないか。
 例えば、東京都の豊島区のある社会保険労務士事務所のこれはホームページです。社長を守る会なるものを立ち上げ、そのホームページのトップページには、労基法を始めとする様々な関連法令が存在し、それらは全て労働者側の立場で作られており、社長を守ってくれる法律はありませんと書かれています。極めて一方的かつ偏った認識であり、労使対等原則や労働法令遵守といった意識の欠如を示すものです。
 また、この社会保険労務士事務所が開催する会社を守るユニオン対策実践編セミナーには、ユニオンの個別労働紛争代理機能、このゴールは解決金、これが正当な労働活動ですか、ビラ、街頭宣伝、ツイッター、ウエブ等、何か変だよ不当労働行為救済申立て、こんな内容で本当にやるのといった項目が立てられています。さらに、ザ・事務所案内、平成二十六年五月十六日には、六、労働法関連の中に、真面目そうだと思って採用したのに、使用期間が終わった途端、労働組合をつくり始めたなどの記載があります。
 しかし、労働者が労働組合をつくることは憲法上の権利でありまして、それを問題視して介入したり問題にするのは、まさに労働組合法の不当労働行為に該当いたします。このような表現の根底には、憲法に保障された労働組合活動や労働委員会制度に対する敵対意識が存在しているのではないでしょうか。事実、この社会保険労務士は、本年七月十五日に開催された全国コミュニティ・ユニオン傘下のなのはなユニオンが会社を相手に行った団体交渉において、組合は早期退職五百万円での金銭解決を図ることに検討に値しないと答えているが、本人に聞きたいなどと発言をしております。明らかに補佐人の域を超えており、発言内容も不当労働行為です。
 二〇〇五年法改正が、このような、まあ一部ですが社会保険労務士をつくり上げてしまったのではないでしょうか。

○政府参考人(岡崎淳一君) 個別の事案にはコメントは差し控えさせていただきますが、基本的に、十七年の改正、労働争議への不介入の規定自体は削除されております。ただ、先ほどの通達に示されていますように、争議行為時の団体交渉におきまして一方の代理人になることは、法第二条二項の業務に含まれない、社会保険労務士の業務としては引き続き行うことができないということにしております。また、社会保険労務士会の定める会則におきまして、適正な労使関係を損なう行為の禁止ということも書いてあります。
 やはり社会保険労務士は、その専門家としまして、労働関係法令をしっかりと理解した上で適切に対応していただくと、そういったことの指導等はしっかりしていきたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 労使紛争や団体交渉は、もちろん敵対的になったり紛争が起きるということはあるわけですが、しかし、そこでやっぱり決められていること、あるいは通達で決められていること、あるいは不当労働行為は会社側もしてはならないわけですので、このようなことが起きないようにしっかりしていく。私は、そのことがひいては社会保険労務士、それから労働団体、それから社会のためにいいというふうに確信をしております。
 例えば、上記通達を明らかに逸脱した行為を行う社会保険労務士に対してどのような措置を講ずるのでしょうか、大臣。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今朝、津田先生からも御指摘がございましたけれども、労働争議時の団体交渉において一方の代理人となる、そして交渉するということは社会保険労務士の業務には含まれないということがまず第一点であります。
 一般論として、これを逸脱して適正な労使関係を損なった場合には、適正な労使関係を損なうことを禁止している社会保険労務士会の会則違反になるわけで、そして会則に違反をする行為は社会保険労務士法に違反をするということになるわけでございますので、懲戒処分の対象となるということでございます。
 一方で、社会保険労務士の会則違反の事実が確認された場合には、社会保険労務士会から当人に対して指導及び処分が行われるものだというふうに理解をしております。
 御指摘のような今朝ほど来お話が出ておりますような事案は、まずは社会保険労務士会からの指導及び処分の中で是正をされるべきであると考えるわけでありますが、それでも是正がなされない場合には懲戒処分を行うことも含めて対応を検討してまいりたいというふうに思っております。

○福島みずほ君 中小企業の方たちは真面目にやっているわけですが、労基法やいろんなことがよく分からないと、こうしたら社長、大丈夫ですよとか、こうやったら解雇ができますよともし言われたら、何か、頼りにするというか。実は、年金や雇用や保険料やいろんなことで社会保険労務士さんには大変お世話になるわけですし、コンサルタントみたいなことも頼むと。そういう中で、やはり不当労働行為的なことやそういうことが起きないようにということが必要で、先ほども同僚委員からありましたけれど、是非これは厚生労働省の方で、真面目にやっている人が大半だけれども、そういう問題があった事例や、これ通達違反じゃないかというようなことが本当にあるのかどうかも含めて実態調査をして、やっぱり軌道修正していただくというか、業界の発展のためにもこれは必要ではないかと思いますが、大臣あるいは局長、いかがでしょうか。

○政府参考人(岡崎淳一君) 社会保険労務士の方が専門家として、かつ先ほどの社労士法の定めた倫理の問題とか、あるいはその会則、こういったものをしっかりと守っていただくというのは非常に重要だというふうに思っています。
 ただ、士業団体としての社労士会もありますので、まずは全国社会保険労務士会連合会がしっかりと会員の社労士の方々への教育指導をしていくというのが基本だとは思いますが、ただ一方では、厚生労働省としてもそこのところはしっかりとやっていただかなきゃいけないということでありますので、全国社会保険労務士会等しっかりと動きを見守りながら、私どもとしても必要な対応はしていきたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 局長がしっかり見守りながらしっかり対応していきたいというふうにおっしゃったので、是非、つまり九九・九九九九%の人が真面目でも、何かそういう不当労働行為的なものがあったりすると、労働側は何かやっぱり問題だというふうにすごく思って、そのことが議論になってしまうというのは、業界全体にとってもすごく残念だと思います。
 ですから、厚生労働省の方でそれは実態把握も是非していただきたい。団体交渉やいろんな場面って非常に大事ですので、是非、お任せではなく、その実態把握を是非厚労省がしていただけるようにお願いします。局長がうんうんとうなずいているので、同意だということでよろしいですよね。

○政府参考人(岡崎淳一君) 実態把握のやり方等につきましても、私ども、士業団体がある場合にはそこがまずしっかりと対応するということだろうと思いますが、ただ先生からの御指摘もありますので、少し検討させていただきたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 先日、感染法が成立をしましたが、一言質問をさせてください。
 そのときにもちょっと質問しましたが、エボラ熱の件で、神奈川県内の産業廃棄物会社で働くガーナ人労働者が有給休暇を使って母国に帰省しようとした際に、会社からエボラ出血熱に感染する可能性があることを理由に、日本帰国後三週間の出勤停止、無給を命じられるというケースが起きています。これは、無給じゃなくて休業手当が出ればいいという話ではなくて、ガーナですから基本的には余り関係がありませんし、それからその人が何かエボラ熱に感染しているということも疑いもなく兆候もなく一切ないんですが、ガーナに帰って、帰ってくるとすると三週間の出勤停止を命じられるというケースが具体的に起きています。そのガーナ人にも私は会いました。
 これはHIVのときに不当解雇だとかいろんな事案が、裁判例でHIVを理由に解雇したケースが無効だとされた例やいろいろありますが、感染症の場合、やっぱり余りにこれは行き過ぎている。西アフリカでこういうのがあるとなると、もうわっとそこでアフリカ系の人に対する、具体的に労働現場でも不利益が起きているということなんですね。
 厚生労働省は、このような感染症をめぐる差別と偏見の助長に対して、どのような具体的取組を行うおつもりでしょうか。その人が感染している、あるいは感染している可能性があれば別です。しかし、この人はまだガーナに帰る前なんですよね、まあ戻ってこられたんだと思うんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 先生言うまでもなく、このエボラ出血熱は日本でまだ発生していない感染症でありまして、国民の皆様方に対しては、正確な情報をきめ細かく提供するということがとても大事だというふうに思っております。
 私どもの厚労省のホームページなどでも必要な周知を行っているところでありますが、今の先生御指摘の神奈川でのガーナの方のケースでありますけれども、確かにガーナというのはエボラ出血熱が現在流行していない国であって、そういうところを訪れた人についても、エボラ出血熱に感染するおそれがあるとの誤解が多分あるのかなと。そういうことであれば、この誤解を払拭するように、事業主を始め国民に対してしっかりと厚労省としても周知をしていかなければならないなというふうに思います。

○福島みずほ君 この人はガーナ人なんですね。有給休暇を一生懸命ためて、母国に帰ってくると。そうすると、来るなとこう言われて、やっぱり、これアフリカの人に対するいわれなき差別と偏見が労働現場で拡大しているし、不利益取扱いだと思いますので、是非、厚労省としても対応をよろしくお願いします。
 以上で質問を終わります。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 衆議院で労働者派遣法の改正法案、社民党的には改悪法案ですが、審議中です。今週中にでも強行採決されるのではないかということも言われており、それは分かりませんが、来週水曜日解散になればそれも全部吹っ飛んでしまうわけですが、派遣法は二度廃案になれば、もう国会に出すわけにはいかないと思っています。でも、解散の前に厚生労働委員会でぶっ飛ばすのが正しい厚生労働委員会、どうだと思いますので、しっかり質問したいというふうに思います。
 労働者派遣法改正法案により正社員の道が閉ざされてしまうのではないか。これは、派遣元で無期雇用であれば一生派遣が可能です。三年置きに課を変えれば、人を替えれば派遣労働者を雇い続けることができる、正社員の道が歴然と閉ざされる、大臣、いかがですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の労働者派遣法の改正案においては、同じ事業所における継続的な派遣労働者の受入れについては三年という期間制限を課すこととして、さらに三年を超えて派遣労働者を受け入れようとする場合には過半数労働組合等からの意見聴取を義務付けるということによって、派遣先で今御指摘の正社員が派遣労働者に代替されることを防ぐということとしておるところでございます。
 今回の改正案では、派遣会社に対してキャリアコンサルティングとかあるいは計画的な教育訓練を新たに法的に義務付けるということを行っているほか、派遣期間が満了した場合の雇用安定措置の実施を新たに法的に義務付けるということにしております。これらによって、正社員を希望する方にはその道が開かれるように支援を努めることとし、正社員への道が閉ざされるとの御指摘は当たらないと思っております。
 また、派遣元の方では、無期雇用をされる労働者については、有期雇用の方に比べ雇用の安定が図られていること、あるいは、今回の改正案によって、派遣会社に対し長期的な観点に立ったキャリア形成支援を新たに法的に義務付けるということ等から、労政審の建議において派遣労働という働き方に見られる弊害が少ないとされたため、期間制限の対象外としたわけでございます。
 さらに、今回の改正案によりまして、労働者派遣事業を全て許可制とすることで、労働者派遣事業の質のこれまで以上の一層の向上と業界全体の健全化が図られて、派遣労働者の雇用の安定と処遇の改善にもつながるということを期待をしているところでございまして、今お話のように正社員への道が閉ざされてしまうのではないかという懸念に対しては、今申し上げたようなことを新たに義務付けたりすることによって、そういうことではないということを明らかにしているところでございます。

○福島みずほ君 一体どこを読めばそうなるのかというのがさっぱり分かりません。
 派遣元で無期雇用であれば、その人は一生派遣なんですよ。
 リーマン・ショックのときに明らかになったことは、常用型派遣労働者のうち、無期派遣労働者は七二・六%解雇率、うち有期派遣労働者七七・五%。無期と有期で関係ない。無期雇用でも派遣切りが起きたんです。派遣元で無期雇用であれば一生派遣なんです。この人がどうして正社員になれるんですか。
 駄目。大臣、お願いします。読まないで答えてください。

○政府参考人(坂口卓君) 今委員御指摘の無期雇用派遣労働者の雇用の安定の関係でございますけれども、先ほどもおっしゃいましたリーマン・ショックの後の段階で、二十四年の改正でも、派遣元と派遣先双方に、そういった中途解約をした場合にはちゃんと雇用安定の措置を図らなければならないというような形の措置を二十四年の法改正でも講じていただきました。
 また、先ほど大臣が申しましたように、今回の法案の中では、キャリアコンサルティングでありましたり、あるいは計画的な教育訓練でありましたり、長期的なキャリア形成を視野に入れた形でそれも行わなきゃいけないというようなことも義務付けております。
 それからまた、雇用の安定の関係につきましては、実は労働政策審議会の建議の中で、無期雇用の派遣労働者につきまして、派遣元事業主について、派遣契約の終了のみをもって解雇してはならないということを指針に規定したり、あるいは派遣契約の終了のみをもって解雇しないようにすることを許可基準に記載するということが適当であるということも建議の中でもいただいておりまして、そういった措置も含めまして雇用の安定をしっかり図ってまいりたいと思っております。

○福島みずほ君 それは建議になっているのであって、この法案には入っていないですよね。
 私が申し上げたいのは、先ほどからというか、ずっと政府はキャリアアップをやるからとおっしゃいますね。それは、この改正法案の三十条の二の「段階的かつ体系的な教育訓練等」、しかしこれは派遣労働者としての教育訓練じゃないですか。私が一番問題にしているのは、正社員への道が閉ざされるということです。派遣元で無期雇用であれば一生派遣が可能なんですよ。今局長が答えたのは、いや、それは解雇はしないよという話であって、この人は正社員になれないんですよ。
 もう一つ、三年置きに人を入れ替えれば派遣を雇うことができる、あるいは課を変えれば雇うことができる。これも正社員の道を閉ざすことになるじゃないですか。派遣先の労働組合の意見聴取は意見聴取だけであって、大臣、こっちもこっちも正社員の道を別に義務付けていないんですよ。じゃ、正社員の道が閉ざされるじゃないですか。
 キャリアアップの条文は、どこにも正社員化のためにというのはないんですよ。派遣としてのキャリアアップであって、私がここで質問している正社員の道を閉ざすことになりますねということに答えていないじゃないですか。大臣。

○国務大臣(塩崎恭久君) お言葉ではありますが、それぞれ、まず第一に、自ら望んで派遣を選んでいらっしゃる方がおられるということ、そしてまた、派遣でありながらやっぱり正社員になりたいと思っていらっしゃる方々がまた大体同じぐらいおられるというのが我々の調査での結論だったと思うんです。
 そういう中にあって、したがって、派遣から正社員になりたい方については、当然のことながら、派遣会社においても、それから派遣先においても正社員に向けてのインセンティブや支援策を今回新たに義務付けて用意をさせる。あるいは、元々正社員化をするためには、能力があるということが正社員になる可能性が高まるわけで、無理やり正社員にしてくださいと言っても、それは企業がどう採るかの問題でもございますので、そういうことを考えると、いかにこの派遣会社に対して今申し上げたようなキャリア形成をできるような仕組みを義務付けるかということと、それから派遣先に対しても派遣労働者への正社員募集に関する情報提供を義務付けるとか、そういう形でチャンスを用意して、正社員を希望する方にはその道が開かれるように支援をするという観点から今回の改善をもたらしているものでございます。

○福島みずほ君 どこの条文で、どこの条文で正社員になれるんですか。

○政府参考人(坂口卓君) 御答弁させていただきます。
 今大臣が御答弁させていただきましたように、今回の法案では、この段階的かつ体系的な教育訓練というようなことを新たに派遣会社に義務付けるということをもってして、そういう正社員を希望する方にその道が開かれるようにするということでございます。それから、また、今の条文は委員御指摘の三十条の二でございます。それからあとは、大臣の方から、派遣労働者への正社員募集に関する情報提供を義務付けるということにつきましては、今回の改正法案の四十条の五の第一項ということでございます。
 いずれも、今大臣が申しましたように、正社員を希望する方にその道が開かれるような、そういった支援の道を開くための措置を今回、今までなかった規定でございますけれども、新たに法制化するということでございます。

○福島みずほ君 キャリアプランの条文は単なるキャリアアップであって、派遣としてのキャリアアップじゃないですか。どこにもこれ正社員化への道ってないですよ。
 それから、今回、どこで派遣の人が正社員になれるんですか。四十条の五のどこですか。これだと周知とかであって、四十条の五でどこが正社員になれるんですか。

○政府参考人(坂口卓君) 二点御質問をいただきました。
 まず一点目の三十条の二の方の規定でございますけれども、確かにこの中にそういった正社員という文字はございませんけれども、先ほど大臣も申しましたように、いろいろ、派遣労働者の方には派遣としてそのまま働きたいという方もおられます一方で、正社員としても働きたいという方もおられるので、その派遣労働者の方の今後のキャリア形成に資するようなという趣旨からいくと、正社員化にもつながるような教育訓練もそういった中身の中には含まれてくるだろうということでございます。
 それから、第四十条の五の方でございますけれども、こちらの方につきましても、規定の仕方としましては、おっしゃるとおり、通常の労働者の募集を行うときは、そういったことについて、掲示の措置によって募集に係る事項を労働者に、派遣労働者にですね、周知するということで、募集の提供の機会ということをしっかり派遣労働者の方に知らしめるということを通じて、正社員への希望をされている方の道を開いていこうというものを新たに今回規定するものでございます。

○福島みずほ君 駄目ですよ、こんなの。今おっしゃった三十条の二はキャリアプランというか、これは派遣労働者としてのキャリアアップじゃないですか。問題にしている正社員化への道はどこにも条文書いてないですよ。四十条の五も正社員化への道なんてどこにも書いてないですよ。だから正社員になれずに派遣のままの人が増える。今、五四%が非正規雇用で、女性は物すごい高いですよね。その中で、一・八と、ひと・まち・しごとの対策本部が出生率一・八とか言うけれども、そんなことになるわけないですよ。
 一方で女性の活躍法を国会に出しながら、派遣法の改悪やって、女性たちが、事務職が本当に派遣から正社員になれないというふうに閉ざすような法律を提案しておいて、女性の活躍なんてちゃんちゃらおかしいですよ。女性を踏み付けにしてやるぞというのがこの法案じゃないですか。Women Shineというけれども、Women、SHINE、これをある学者は女性死ねって読みましたよ。
 派遣を増やすというこの法律は駄目なんですよ。だって、今日の答弁でも、どこにも正社員化への道って答えられないじゃないですか。縮小、廃止される直接雇用、これは努力義務も含めてですが、改正法案では現行法四十条の三で規定してある無期雇用派遣労働者に対する派遣先の直接雇用努力義務を全て削除しています。改正案は、制限期間を超えて派遣労働者を使用しようとする派遣先の労働契約申込義務を定めた現行法四十条の四も廃止をしております。
 今部長は二つ言いましたよね。キャリアアッププランの三十条の二と、もう一つ、四十条の五だと。どこにも正社員化の義務は書いてないですよ。むしろ、今まであったのを改悪して、直接雇用の努力義務というのを本当に減らしているんです。これでは派遣だったら派遣のままじゃないですか、どうですか。

○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 今回、今御指摘のありました関係でございますけれども、四十条の四でありますとか四十条の五につきましては、現在これは、四十条の四については期間制限の違反を防止するためということでございましたので、今回の規定の関係では、全体としてその目的については、前回のあの二十四年の法改正で入れていただきました雇用みなし規定というものがありますので、そちらの方に移し替えるということでございます。
 それから、四十条の五につきましては、今回、派遣元の方に雇用責任を強く負わせるということで、この四十条の五は二十六業務の業務に限った措置でございますので、これについては今回、そもそも二十六業務との区分をなくすということも含めて今回削除するという規定で、先ほど申しましたような四十条の五という規定を新たに入れるということでございます。
 以上でございます。

○福島みずほ君 四十条の三と四十条の四はどうですか。

○政府参考人(坂口卓君) 四十条の三につきましては、今回の規定でいきますと新しい四十条の四に基本的には移行しているということでございます。それから、現行の四十条の四につきましては、先ほど申しましたように、四十条の四につきましては、現在、期間制限違反の防止ということを目的とした規定でございますので、これは先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、二十四年の改正で雇用、労働契約のみなし制度というものが違法派遣の場合については期間制限も含めて適用になるということで、そちらの方ができるので、そちらの方にカバーができるということで、現行の四十条の四については整理して削除するということでございます。

○福島みずほ君 この中で、やはり直接雇用の努力義務規定が縮小ないしは廃止されているんですよ。そして、さっき答えたように、正社員化への道がどこにあるかといったとき、三十条の二と四十条の五を言いましたよね。しかし、これはどこにも正社員化への道についての規定の条文ではないんですよ。結局、何が今回の派遣法改正法案、問題か。正社員化への道を閉ざしちゃうんですよ。一旦派遣になったら一生派遣のまま、正社員になれないという点が最大の問題で、ここがこの法案、こんなことをやったら、というか、法律を私たちが作ることによってみんなの働き方が変わるんですよ。正社員への道を閉ざすことがどれだけ不安定雇用になるか。幾ら、派遣元で一生雇用するからいいだろうという話では全くありません。
 改正法案では、三年ごとに、派遣先の過半数労働組合に意見聴取を行えば、派遣労働者を変えれば当該部署で引き続き使用することが可能となります。しかし、派遣労働者自身は派遣元と派遣関係を結ぶ労働者であり、その意見が派遣先における過半数労働組合ないし過半数代表に反映されることは全くありません。労働条件の決定的変更に関わる聴取であるにもかかわらず、その過程において全く反映されないようなものの意見聴取を要件とすることは問題ではないでしょうか、大臣。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今、過半数労働組合等の意見聴取に関連してお話がございましたが、派遣先と労働者の間に雇用関係がない派遣労働については、派遣先において正社員から派遣労働者への置き換えを防ぐ、いわゆる常用代替の防止が課題だということでされてきました。
 このため、今回の派遣法の改正案においては、同じ事業所における継続的な派遣労働者の受入れについては三年という事業所単位の期間制限を課すことにした、これが四十条の二でございますが、制度の趣旨が派遣先の常用雇用の正社員の保護を目的としているために、三年を超えて派遣労働者を受け入れようとする場合には派遣先の過半数労働組合等からの意見聴取を義務付けるということにしたものでございます。

○福島みずほ君 違う。大臣、分かっていないですよ。
 私が質問をしたのは、意見聴取をするのに、その派遣労働者は派遣元と雇われているわけで、派遣先の労働組合とは関係がないんですよ。何で自分と関係ない労働組合の意見聴取がいいんですかという質問です。

○国務大臣(塩崎恭久君) それは常用代替を防ぐということが課題とされてきて、その常用代替というのは派遣先の労働者の保護ということでございますので、今申し上げたとおりでございます。

○福島みずほ君 いや、私が言いたいのは、じゃ、この派遣先の労働組合の意見聴取ということは派遣労働者のための条文ではないということですね。というか、やっぱりこれの、労働組合の意見聴取をするということが、結局何の役にも立たないということなんですよ。
 というか、じゃ、逆にこういうふうにお聞きをいたします。
 現在の労働関係諸法令における過半数代表規定において、その構成員として意見反映が全く行われていないにもかかわらず、労働条件その他の決定がなされる際の要件となるような規定が労働者派遣法以外にあるでしょうか。労働組合法十七条の労働協約の一般的効力、十八条の地域の労働協約における一般的効力以外で、労働者派遣法以外にあるでしょうか。

○委員長(丸川珠代君) 坂口部長、申合せの時間になっておりますので、簡潔におまとめください。

○政府参考人(坂口卓君) 今御指摘の労働関係諸法令で申し上げますと、過半数労働組合からの意見聴取規定が規定されている例としましては、就業規則の作成、変更に関わる労働基準法の九十条の一項の規定がございます。
 ですから、こういった例も含めまして、一般に意見聴取の対象は、当該事業場において雇用される労働者から構成される過半数労働組合とその対象はなっているということで認識をしております。

○福島みずほ君 いや、私が聞いているのは、派遣労働者は派遣元との間の労働契約があるので、派遣先ではないということなんですよ。この労働組合の意見聴取は単なる意見聴取であって、何の役にも立ちません。
 今日の審議の中で、結局正社員化への道が……

○委員長(丸川珠代君) 恐縮ですが、時間を過ぎておりますのでおまとめください。

○福島みずほ君 はい。
 正社員化への道が閉ざされるという、この派遣法の問題点は明らかになったというふうに思います。こんな法律を認めてはならないと申し上げ、質問を終わります。
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秘密保護法関連で委員外発言

6月20日(金)の参議院議院運営委員会で、秘密保護法に関連する国会法改正について委員外発言を行いました。議事録の速報版をアップしますので、是非ご覧ください。


○委員以外の議員(福島みずほ君) 社民党の福島みずほです。ここでの発言を許していただいたことに感謝をいたします。
 秘密保護法は一旦白紙に戻して、現在の国際水準、ツワネ原則に即して作り直すべきだ、廃止すべきだと考えております。
 今、仁比議員から質問がありました。私も同じ質問をいたします。
 秘密保護法十条は、特定秘密の提出などが我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがあると行政機関が判断した場合には国会に特定秘密が提出されない、国会の行政機関監視機能を後退させると大批判をされました。だから、こういう審査会を設けて、秘密が、ちゃんと重要な情報が国会に出てくる仕組みをつくったはずです。
 しかし、今回の国会法はどうでしょう。百二条の十五は、内閣が特定秘密の提出が我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがある旨の声明を出せば、特定秘密を国会に提出しなくてもよいとしています。大臣は、繰り返し、十分尊重すると言っていますが、文言が同じだったら情報出ないじゃないですか。意味ないですよ、こんな審査会。

○国務大臣(森まさこ君) 今回のこの法案の成立、施行によって、国会において特定秘密を保護するために必要な措置が講ぜられることになりますから、それは基本的には、行政機関の長は、情報監視審査会の求めに応じて特定秘密を提供することとなるものと考えます。他方、例えば先ほど例示したようなごく一部の情報については、我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがある場合には、国会法等の規定に基づく内閣の声明を出し、提出を拒否することがあり得るというふうに考えます。
 いずれにせよ、国会への資料の提出の適否については個別具体的に判断する必要がございますが、国権の最高機関たる国会に設置された情報監視審査会から特定秘密の提出の求めがあった場合、政府としては、その求めを真摯に受け止め、かつそれを尊重し、適切に対応してまいりたいと思います。

○委員以外の議員(福島みずほ君) 全く答弁になっていないですよ。法律家でしょう。だって、同じ要件だったら、幾らこんな審査会つくってこんな大げさなことをやったって、外交の重要なことは、声明出せば、内閣が言えば出てこないんですよ。法律の条文、同じじゃないですか。こんなの意味ないですよ。国会が何で苦労してこんなことをやらなくちゃいけないんですか。全く意味ないですよ。
 アメリカでは大統領が国会に対して情報提供を拒む権利がありません。だから、逆に厳しくやってみんなで見るんですよ。それが、これでは、同じだったら情報が出てきません。
 また、これ、八人しか委員がいないわけですよね。じゃ、ドント式でやればほとんど与党が多くなる、少数会派は入れない、その国政調査はどうなるのか、全ての国会議員は選ばれて国政調査権を持っています。
 大臣、全ての国会議員の国政調査権はきちっと保障される、秘密であったとしても、要求すればそれは個々的に出されるということでよろしいですね。大臣。

○国務大臣(森まさこ君) 国会議員からの国政調査権の行使につきましては誠実に対応してまいりますけれども、それは、国家の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがあるかないかということで判断をしてまいることになるというふうに考えております。

○委員以外の議員(福島みずほ君) じゃ、全ての国会議員の国政調査権も今の基準ですし、この審査会で出すか出さないかというときの基準も一緒で、秘密保護法の基準も一緒だったら意味ないじゃないですか。私は、国会議員の国政調査権は極めて重要なもので、本当にこれは保障されるべきものだというふうに考えています。
 ところで、附則にこういう規定があります。どさくさに紛れてではないかもしれませんが、検討の見出しの下に対外情報機関の設置が書き込まれています。アメリカ版CIA的な諜報機関の新設構想は検討するんですか。大臣。

○国務大臣(森まさこ君) 政府において対外情報機関設置に向けた検討が進めているのかどうかという御質問だというふうに理解をいたしますが、我が国をめぐる安全保障環境が悪化する中、国家、国民の安全を守るためには安全保障や国民の安全に直接関わる情報の収集が極めて重要であります。
 例えば、国際テロ、大量破壊兵器拡散等について、関係する国や組織の内部情報の収集は極めて重要でありますが、一方で、それらの国や組織は閉鎖的であるため、情報収集活動は相当の困難を伴うものであります。
 このような認識の下、内閣の戦略的な意思決定に資する情報機能を強化することは極めて重要であると考えておりまして、こうした観点から、より専門的、組織的な対外人的情報収集の手段、方法及び体制の在り方について更に研究を深めてまいりたいと思います。

○委員以外の議員(福島みずほ君) いや、ふざけていますよ。だって、これは国会法の改正なのに、今の大臣の説明だと、アメリカ版CIA的な、要するに諜報機関の新設構想を検討するとあるんですよ。これ、国会と関係ないじゃないですか。国会の権能をどう強めるかという議論が国会法の改正なのに、どさくさに紛れてこういうのが検討事項として入っているんですよ。それはやっぱりおかしいですよ。
 それから、この国会における適性評価、適性評価については物すごく内部で議論していますよね。私も内調から段ボール箱何十箱もらった資料の中のかなりの部分はこの適性評価です。しかし、国会議員の適性評価は一条しかないんですよ。これで不利益取扱いしないとか何も書いていないですよ。こんなことで国会の職員守れるんですか。
 先ほど、ほぼ準ずるとありましたが、何が同じで何が違うんですか。それから、どれぐらいの人を対象にするんですか。何人がどれぐらいの国会議員を調べるのか、教えてください。職員。──答えられないんだったら、これ、出し直してくださいよ。じゃ、発議者、答えてください。

○委員以外の議員(上月良祐君) 先ほど来御答弁を申し上げておりますが、適性評価のやり方、いわゆる内容、そういったものについては、法案や規程が可決されました暁には、その後、その詳細につきまして御検討いただくと、そういうことだと思います。
 したがいまして、そのどこが違うのかということについてこの場でお答えすることはできず、また、何人かというのも、どれぐらいの規模の事務局を置くのか置かないのか、そういったことの検討の中で決まっていくものだというふうに考えております。

○委員以外の議員(福島みずほ君) 私は、非常に不出来な法律だと思った秘密保護法ですら適性評価についてかなり規定を置いています。一条しかないんですよ。こんなんで適性評価、国会でやっていいんですか。国会の職員、こんなことで身元調査やっていいんですか。しかも、やり方全然分からないじゃないですか。ほぼ準ずるといいながら、今日の質問で、何が同じで何が違うか答えられないんですよ。この法律は秘密保護法以上に欠陥法案です。だったら、やり直せと言いたいですよ。
 審査会の会議が非公開で行われ、議事録も非公開にしなければならないものが存在すること自体はやむを得ないにしても、特定秘密にも指定期間や解除手続が定められておりますので、議事録の非公開についても期間制限や解除手続を設けるべきではないですか。

○委員長(岩城光英君) どなたへの質問ですか。

○委員以外の議員(福島みずほ君) 発議者。

○委員以外の議員(上月良祐君) 秘密会の議事録をその後どういうふうに公開するのかしないのかという一般的な問題とも関連する問題だと思っております。特定秘密自体が、指定期間や解除手続があり、特定秘密でなくなることもあるわけですが、そのときにかつてそうであった、かつて審議されたときの議事録が自動的に開示されるかどうかというのは、それは慎重に検討しなければいけない、それは今後の課題なんだというふうに認識をいたしております。

○委員長(岩城光英君) 福島みずほさん、時間が参っておりますのでおまとめ願います。

○委員以外の議員(福島みずほ君) はい。
 これは非常に重要で、議事録は何年たったら公開するかとか、しっかりこれは検討すべきですよ。全て未来に任せるということでは、それは、大口さんがうんうんと言っていますが、だったら法律に入れてくださいよ。これはやっぱり極めて不完全です。
 国政調査権が国会議員にあって、国民の負託を受けて、情報を出せと、一人の国会議員も頑張ります。これはこれに背を向けるものであって、国会の自殺行為で国会の首を絞めるものです。秘密保護法を強行採決しましたが、国会法の改正を強行採決したり、こんな拙速で成立させることは断じてならないということを申し上げ、質問を終わります。
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過労死防止対策推進法が参厚労委で可決

6月19日の参議院厚生労働委員会で過労死防止対策推進法案が可決されました。この法案と介護・障害福祉事業者の人材確保のための法案について質問しました。議事録の速報版をアップしましたので、是非ご覧ください。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今回は四つの重要な法案に関して議員立法という形で結実させて、今日、発議者として努力をされてこられた皆さんに心から敬意を表します。そして、とりわけ過労死防止推進法については、私自身も議連のメンバーですが、馳浩さん、そして泉健太さん、取りまとめて頑張ってこられたことに心から敬意を表したいと思います。また、遺族の皆さんたち、弁護士、そしてそれを支援する皆さん、当事者の皆さん、どれだけ長い間、遺族としての苦しみを乗り越えて過労死をなくすために努力をされて、長年努力をされてこられて、この日を待っていらっしゃることにも心から感謝と敬意を申し上げたいと思います。その意味では、今日、もしここで可決をされれば、日本の本当に働く人にとってエポックメーキングな日になると、私自身も大変感無量に思っております。
 まず初めに、基本理念において、百八十五回国会二八号法案では、過労死はあってはならないという基本的認識が示されていました。これは、過労死防止基本法制定実行委員会ホームページでも、一、過労死はあってはならないことを国が宣言すること、二、過労死をなくすための国、自治体、事業主の責務を明確にすること、三、国は、過労死に関する調査研究を行うとともに、総合的な対策を行うこと。一の過労死はあってはならないというのが削除されたんですが、それはなぜなんでしょうか。

○衆議院議員(馳浩君) 一つの概念があってはならないという文章が法文上ふさわしいのかどうかという観点で議論をしました。その結果、立法を求めている遺族会始め家族会の方の気持ちはよく分かる、したがってもっと具体的に目的規定に書いた方がよりふさわしいのではないかということで、目的規定に「もって過労死等がなく、仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に寄与する」という具体的な規定を設けたものであります。

○福島みずほ君 それでは、過労死はあってはならないということは当たり前のことで、この法案ができれば、政治の宣言として、過労死はあってはならないということだということでよろしいですね。

○衆議院議員(馳浩君) そもそもあってはならないという概念というものは私たちもよくよく理解しておりますが、法文上に表現するとして、先ほど申し上げた表現の方がよりふさわしいのではないかということであります。

○福島みずほ君 過労死等の定義を脳血管疾患、心臓疾患、精神障害を理由とする自殺、死亡などに限定したのはなぜでしょうか。

○衆議院議員(馳浩君) まずは労災認定の定義を引用することが妥当であろうと。しかしながら、初めて過労死という文言を法律に規定する以上は、過労死等というふうに表現しておりますように、労災認定では明確に疾患というふうに表現されておりまして、疾患と認定されるまでもないけれども、周辺状況から見てどう考えてもこれは過労死だろうと、そして自殺に至る状況であろうと、それはまさしく今後、調査分析の上、過労死の定義として定着するものであるならばそうでありましょうが、まずは調査の対象として、そちらの方が、広い概念で取った方がよいであろうということでこういう書き分けをしたものであります。

○福島みずほ君 過労による呼吸器疾患が労災認定されるケースもあります。このようなケースも過労死等に入るんでしょうか。仮に入らないとすれば、どのように対応するのでしょうか。

○衆議院議員(泉健太君) 今回の法案では、先ほど馳委員からもお話がありましたように、過労死の定義、これは脳血管疾患、そして心臓疾患、精神障害ということになっておりますので、現段階では呼吸器疾患が入らないということになります。しかし、既に裁判でも呼吸器ということで労災認定を受けているものもあります。そういったことも含めて、我々立法者としても、今後不断の見直しというか検討を図っていかなければいけないと思っておりますので、この調査研究の対象には含めてまいりたいというふうに思います。
 そういった知見をしっかりとためていって、また言ってみれば、大変難しいのは、御遺族の方や労働者本人が様々な資料を収集をして労災の申請をする、あるいは裁判をする、しかし資料を持っているのは会社側だというところが大変難しいところもありますので、そういった資料の収集等々も含めて、やりやすくできるように働きかけをしていきたいというふうに思います。

○福島みずほ君 本法案四条三項に、事業主は国及び地方公共団体が実施する過労死等の防止のための施策に協力するよう努めるものとするとあります。努力義務規定となっておりますが、不十分ではないでしょうか。また、行政の対策への協力のほかにも職場においての配慮が必要だと考えますが、具体的にどのような配慮が考えられるでしょうか。

○衆議院議員(泉健太君) やはり、ブラック企業という言葉が、先ほどもお話しさせていただきましたが、あるように、様々な企業がある中で、様々、規制を考えなければいけない側面もあるかもしれませんが、しかし、この立法が初めての立法であるということ、そしてやはりなかなか民間にすぐに規制を掛けるということにはならないということで、まずは「努めるものとする。」というような書きぶりをさせていただきました。
 国、地方公共団体の実施する施策への協力については規定をさせていただきましたけれども、一方で、事業者、事業主には、そもそもで言うと、労働基準法ですとか労働安全衛生法の中で労働者に対する配慮義務、これは健康や安全、そして労働条件に関する義務が具体的にありますので、改めてその周知徹底ということをさせていただくようにしたいと思います。

○福島みずほ君 二〇一二年度の労災補償状況を見ますと、精神障害の決定が千二百十七件、支給決定が四百七十五件、自殺、未遂を含むは、決定二百三件、支給決定九十三件と、いずれも過去最高となっております。
 政府の過労死、過労自殺防止の施策とその効果、総括と今後の方針を教えてください。

○政府参考人(中野雅之君) これまで、厚生労働省といたしましては、過重労働による健康障害防止のため、時間外・休日労働の削減に向けた労働基準監督署における監督指導の徹底、計画付与制度の活用による年次有給休暇の取得促進、労働安全衛生法に基づく労働者の健康管理に係る措置の徹底等に取り組んできたところでございます。
 また、職場のパワーハラスメントにつきましては、職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議の提言を踏まえ、その予防、解決に向けて周知啓発を行うとともに、各企業や職場の取組支援を行っているところでございます。
 さらに、メンタルヘルス対策に関しましては、先般、本委員会でも御審議いただき、本日成立いたしました改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度等により、メンタルヘルス不調の未然防止を図ることとしております。
 厚生労働省といたしましては、労災補償の現状や過労死等防止対策推進法案が審議されている状況を踏まえれば、働くことによって命を失ったり、心身の健康を損なうような事態を防止することが一層強く求められていると考えております。このため、労働基準監督署における監督指導の徹底などによる過重労働の防止、それから職場のパワーハラスメントの予防、解決、改正労働安全衛生法等に基づくメンタルヘルス対策等にこれまでにも増して全力で取り組んでまいる所存でございます。

○福島みずほ君 本法案施行は、公布の日から六か月を超えない範囲内で政令で定める日となっておりますが、今年十一月の過労死等防止啓発月間に間に合わせるという考えはあるのでしょうか。

○国務大臣(田村憲久君) 法の施行日に関しましては、提案者の議員の皆様方や、また関係者の方々、そういう方々が大変大きな期待をお持ちであろうというふうに考えております。
 もちろん、準備状況、これを勘案しながらでありますけれども、適切に法を施行してまいりたい、このように考えております。

○福島みずほ君 十一月を月間としますので、拙速ではいけませんし、準備は大変でしょうが、今年の十一月の月間がやはりこの法案を踏まえた意義のあるものになるように心から期待をいたします。
 過労死等防止対策推進協議会の組織及び運営については政令で定めることとされております。研究者や当事者も含まれた重要な組織であり、大綱の策定作業はもちろん、その他にどのような役割を果たすことが想定されるんでしょうか。街頭啓発や全国でのシンポジウムなど国の啓発活動の計画を策定、実施したり、委員の調査派遣なども役割として入れたらいかがでしょうか。

○衆議院議員(泉健太君) 大変いい御提案をいただいたと思います。
 自殺対策のときもそうなんですが、やはり当事者なり専門家の方、現場の方がこういった協議の中に入っていただく、計画の策定に入っていただくことでより実態に近い対策を打つことができると思っておりますので、今お話しいただいたような街頭啓発、そして全国でのシンポジウムなど国の啓発活動の計画を策定する段階でしっかりと当事者の御意見を伺いたいと思いますし、また、調査研究ということでいえば、全国各地に様々な事例がありますので、そういったところにこういった協議会の委員のメンバーが調査に行くことも含めて、積極的な活動を想定をしていきたいというふうに思います。

○福島みずほ君 自殺対策防止のときに大臣政務官で、街頭でチラシまいたり月間つくったりやって、いろいろやりました。是非、厚労省、内閣府挙げてやっていただけるように、また当事者を、当事者というか、そういう皆さんの声を聞いて、活用してそういうキャンペーンもやっていただけるよう、国会も協力しますので、是非よろしくお願いいたします。
 過労死等防止対策推進協議会設置並びに大綱策定のスケジュール感を示してください。

○衆議院議員(馳浩君) 参考までに、これまで、高齢社会対策の大綱が七か月、法施行から七か月、少子化に対処するための施策の大綱が九か月、自殺対策の大綱が八か月と、こういうふうな経緯もございますので、法施行から少なくとも一年以内に、一日でも早くというふうに願っております。

○国務大臣(田村憲久君) 今お話ございました過労死等防止対策協議会でありますが、遺族の皆様方や関係者の方々、それから労使の方々、専門家の方々が入っていただくわけであります。
 それからまた、大綱の方の策定に関しましても、これ、どちらにいたしましても、もう準備段階から、法が施行する前から準備はしていけるわけでございますので、そういう準備段階の中におきまして関係者の方々からいろいろと御意見をいただきながら、施行後しっかりと進めていけるような、そんな段取りを進めてまいりたい、このように考えております。

○福島みずほ君 過労死はあってはならないという形で準備され、大綱がきちっとしたものができ、それに基づいて、全国津々浦々に過労死はあってはならないということがしみ通るように是非よろしくお願いいたします。
 過労死等防止対策推進協議会に家族会のメンバー複数人、やっぱり当事者は入れていただきたい。これは、さっき泉健太議員がやはり当事者の意見が大事だとおっしゃってくださったんですが、いかがでしょうか。

○衆議院議員(馳浩君) 厚生労働大臣が適切に任命されるものと確信しております。

○国務大臣(田村憲久君) 二十名以内で構成されるということでありまして、今ほど来申し上げましたが、当事者の方々、関係者の方々、それから労使、さらには専門的知識を有する方々、こういう方々で構成されるわけでございまして、当然、関係者の方々は入っていただくわけでございます。法成立後、適切に対応してまいりたい、このように考えております。

○福島みずほ君 適切にということは、やっぱり複数ちゃんと入るという意味だと私は理解しますので、よろしくお願いいたします。大臣がうんと言ってくださったので──あっ、違いますか。じゃ、適切に対処をよろしくお願いいたします。
 大臣、一方で、内閣府の平成二十五年版自殺対策白書を見ると、勤務問題を理由とした自殺は二〇〇七年以降一貫して二千人台のまま推移をしております。勤務問題を苦にした自殺の全てが労災ではないにせよ、二つの数字に余りに隔たりがあることについてどうお考えでしょうか。

○政府参考人(中野雅之君) 御指摘の自殺対策白書における原因、動機別の自殺者数は、精神障害の発病の有無を問わない警察庁の統計を基にしておりまして、業務による精神障害を発病して自殺された方々の労災認定件数とはそもそも一致する性質のものではないと認識しております。なお、労災請求すべき人が請求しないことがないように、その意味では行政の責任でありますので、そこは最大限我々として努力してまいりたいと考えております。
 それから、本法案では、いわゆる調査研究には過労死等の定義に該当しない方についても行うこととしておりますので、その方面からの調査研究もしっかり行っていく必要があると考えております。

○福島みずほ君 実は、私は弁護士として過労死の事件を担当したことがあります。先ほど寺西笑子さんの初めの基調報告の中で、やっぱり氷山の一角だという話がありました。実際、労災認定されたりするケースは少ないというかなかなか裁判も起こせないし、問題も提起を遺族そのものができにくい、資料も本当に会社にしかなくてとても困難であるという状況があります。このギャップを埋める努力を是非していただきたいと思いますが、どうでしょうか。

○政府参考人(中野雅之君) 労災請求がなされた場合、労働基準監督署におきまして実際に働かれた職場の状況とか、その他業務起因性について判断をして認定作業を行っていくわけでございますので、その際には、請求をされた方々の置かれている状況等にも十分配慮して、行政として取り組んでいきたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 次に、介護・障害福祉事業者の人材確保のための法案についてお聞きをいたします。
 これもまた重要な法案で、提案をされた発議者に心から敬意を表します。介護も障害福祉従事者も極めて大事な仕事であるにもかかわらず、やっぱり給料が安いと。これをやっぱりどう変えていくのか、百八十三国会、介護従事者等の人材確保に関する特別措置法案、これは民主、社民、生活が出したものですが、二〇一三年、施行に要する経費見込みとして千八百七十億円を記載し、介護従事者一人当たり月額一万円の処遇改善を実質的に担保しておりましたが、本法案ではそのような具体的担保がありません。なぜでしょうか。また、処遇改善をどう具体的に担保されるのか、お聞かせください。

○衆議院議員(山井和則君) 福島委員にお答え申し上げます。
 確かにおっしゃいますように、平均にして約十万円ぐらい介護や障害者福祉の職員の賃金は一般の労働者に比べて低いということが言われておりますし、また重要なのは、全国二百万人の介護や障害者福祉の職員の賃金を上げるということだけではなく、それによって高齢者が幸せになる、障害者が幸せになる、またその御家族も幸せになる、やっぱり安心して暮らせる社会に日本がなるということだというふうに考えております。
 では、今回の法案は、その財源などが明確ではないということでありますが、これ与野党で様々な協議をする段階でこういう丸い法案になったわけでありますが、先ほども答弁させていただきましたが、実は六年前にも同じような経緯で検討規定が中心な介護処遇改善法が成立いたしました。そのときにも、こういう曖昧な検討規定の法律で本当に賃金は上がるのかという批判を受けたことがありますが、二〇〇八年の四月に法律が成立して、翌年四月には介護報酬、障害者福祉の報酬両方とも上がりまして、それによって介護は月給九千円、障害者福祉は月給七千二百円アップしました。さらに、半年遅れて十月には処遇改善交付金がスタートして、今申し上げました月給アップに加えて、月給一万五千円、さらに計算上、理論上はアップしたということになっております。
 そういう意味では、その六年前の実績があるわけですから、そして今回物価も上がる中、超党派七百二十二人の衆参国会議員全員が賛成するわけですから、私たちのその思いを込めて、来年四月には六年前のその額を目指して賃上げに取り組んでいかねばならないと考えております。

○福島みずほ君 発議者の皆さん、本当にありがとうございます。
 ところで、今日もホワイトカラーエグゼンプションの話が出ておりますが、過労死防止推進法がみんなの努力で成立しようとしている国会において、にもかかわらず、厚生労働省がホワイトカラーエグゼンプションを了承するというのは歴史に泥を塗るものだというふうに思っています。過労死をなくそうと一方で言いながら、一方で労働時間規制をなくす、年収で区切ったらどんどん下がっていきますよ、限定容認って集団的自衛権と一緒で歯止めなくなるんですから、それは駄目ですよ。ですから、一方で過労死防止推進法をみんなで作る、一方でホワイトカラーエグゼンプション、労働法制の規制緩和は断固これに相反するもので許せないと。これ、過労死防止促進法ですよ、ホワイトカラーエグゼンプション、断固反対。
 厚労省が正気に戻って反対をしっかりしてくださるよう、この過労死防止推進法の趣旨を理解して、しっかり労働者を守る省としてまた生まれ変わって頑張ってくださるよう私は申し上げ、質問を終わります。
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6月5日参院厚生労働委 介護保険で質問

6月5日(木)の参議院厚生労働委員会で介護保険について質問しました。議事録の速報版をアップしましたので、是非ご覧ください。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 前回、介護保険について聞きました。今日も介護保険について聞いた後、医療についてお聞きをしたいというふうに思っております。
 私は、今回の改正案が要支援一、二の通所サービスと訪問サービスを保険給付から外すということが、なぜ行うのか。費用削減という図を前回示しましたけれど、費用抑制のためだけにこういうことをやるんじゃないか。サービスは変わりません、変わりませんと言うのであれば、何でこういうことをするのか。私も、保険給付から外すことがそもそもやっぱり問題だというふうに思っています。これは保険詐欺じゃないですか。
 私たち、四十歳からずっと介護保険料を払い続けて、実際、自分の親があるいは自分が介護のお世話になるとき、要支援から始まるわけですよね。訪問サービス、通所サービス、百万人の人が両方で合わせればお世話になっている。そのときに保険給付から外すんだったら、介護保険の仕組み改悪じゃないですか。これって保険詐欺というか、保険金詐欺とは言いませんが、保険詐欺だと、約束していたことと違うじゃないかと思いますが、どうですか。

○国務大臣(田村憲久君) 制度は不断に今までも見直してきているわけでございまして、そういう意味では保険詐欺ではないんだと思いますが、サービスとしてはしっかりと提供させていただくということでございます。サービス変わらないって、変わるのは変わる、見ていただければ分かりますとおり変わるわけでありまして、その変わり方というのが、より御本人にとっていいようなサービスを提供をするというような形の中で要支援事業という、保険ではありませんからいろんな工夫ができるような制度の中において提供をいただくということであります。

○福島みずほ君 いや、適したサービスとか良いサービスと言うけれど、今までの介護保険の訪問サービスとそれから通所サービスで、要支援で何か問題があったんですか。

○国務大臣(田村憲久君) いや、ですからそういうサービスも残ります。全くなくなるわけではないわけですね。
 しかし、本来そういうサービスよりも他のサービスを受けられた方がいい方々に対しては、そのようないろんなサービスをニーズに合わせて提供をさせていただくということでございますので、決して言われているみたいに、今あるものが、サービスの内容ですよ、保険給付ではなくなりますけれども、サービスの内容としてなくなるというわけではございません。必要な方々にはしっかりとサービスを提供をするということであります。

○福島みずほ君 地域移管して多様なサービスが各自治体で保障されるとはとても思えません。これは衆議院の議論でも山井さんが質問をしておりますが、物すごい大チェンジをやるわけですよね。そのときに、平成二十四年度に導入した介護予防・日常生活総合事業を発展的に展開、つまり今和光市などでやっていることを全国に広げるという。要支援の高齢者が和光市で何人ぐらいこの事業に参加しているのかと聞いたら、五人という回答なんですよね。
 つまり、多様なサービス、いいサービス、今よりも適したサービス、いろいろ受けられますと言うけど、それはうそで、実際、要支援の一、二の通所と訪問を地域移管してどうなるのかというモデル事業や、何人ぐらいがどうなって全国の全ての自治体でそれが可能なのか、厚労省は検証したんですか。

○国務大臣(田村憲久君) 和光市だけじゃなくていろんな事業がありますので、そういうものを参考にさせていただいたわけでありますが、もう委員御承知だと思いますけれども、要支援者の一歩手前という言い方がいいのか、要支援者になられる前の方々、二次予防事業対象者の方々、こういう方々も含めた総合事業等々いろいろと中身を見てまいりますと、この二次予防事業対象者の方々のかなりは、状態像としては要支援の方々と同じだというような方々が結構入っておられます。これはどこの市の調査かちょっと覚えておりませんが、七十数%、実際問題、中を見てみれば、状態像を調べてみれば要支援であると。
 ですから、状態像の方々が必ずしも介護認定して要支援ではなくて、そういうところにもおられるわけでありまして、そういう方々に対する事業等々を実施した上において、改善でありますとか悪くならなかったりでありますとか、また、悪くなり方が緩まったりでありますとか、いろんな事例があるわけであります。

○福島みずほ君 いや、それは一体どこの話ですか。今議論しているのは、要支援一、二における通所サービスと訪問サービスの人たちの今まで受けられていたきちっとしたサービスが権利として保障されるかという議論なんですよ。今の大臣の答えは、いや、要支援一、二に認定されなかった人でも同じような状態の人がいて、いろんなサービスが受けられるって、問題が違うじゃないですか。

○国務大臣(田村憲久君) いや、同じ状態像の、要介護認定されれば要支援だというような方々で、つまり要介護認定されずに二次予防事業対象者の中に含まれた方々が、我々がいろいろと総合事業の中で検証する中において、いろんなサービス、我々が今回提案しているような内容のサービスも含まれております。そういうものを受けられたときの、データとしてですよ、その方々が悪く余りならない、若しくは今のまま、若しくは改善するような、そのようなデータはあるわけでありまして、そういうものを勘案してそれを行えば効果が出るであろうということで今回の提案をさせていただいておるということであります。

○福島みずほ君 いや、意味が、やっぱりそれはごまかしですよ。つまり、要支援一、二の通所サービスと訪問サービスは、人々はやっぱり受けたいわけですよ。プロによってきちっとやっぱり通所サービス、訪問サービスを要支援一、二で受けたいんですよ。そういうサービスが受けられなくなるじゃないかという議論をしているときに、いや、いろんなサービスが、要支援一、二じゃなくても受けて改善した例があるという答えはやっぱりごまかしていますよ。
   〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕
 それは、そういう人もいるかもしれないけれど、介護保険で何かといえば、要支援一、二の通所・訪問サービスがちゃんと受けられるか、権利として、全ての地域でという議論をしているわけですよ。でも、大臣、だってそれはどこにどういうデータがあるんですか。

○国務大臣(田村憲久君) そのデータは、要介護二から二次予防事業対象者まで入っておる、そういうような事業のデータであります。でありますから、要支援者も入っているわけでありますが、要支援者だけでいきますと数というものが一定程度になりますので、数が少ないではないかというお話がございましたので、そもそも二次予防事業対象者という方々はどのような状態像であるかということの中において、ある市で調査した中でありますけれども、七割以上の方々が要介護認定すればそういう方々は要支援に相当するという方々でございますから、そういう方々も含めて、全体で要支援と思われる方々も、先ほど来言っておりますとおり一定の効果があるということで今回提案させていただいたと。
 それとは別に、受けなければならない方々が今委員がおっしゃられたようなサービスを受けるということは、これは今回の制度の中でもしっかりそのように受けられるというふうになっておりますので、そういう方々がサービスを受けること自体を全く我々として排除しているわけではないということを申し上げたわけであります。

○福島みずほ君 やっぱり、議論しているところがやっぱり違うんですよ。要支援一、二の人が通所サービス、訪問サービスを今までどおり受けられるのか。それで、何で保険給付から外すのか。
 保険給付であれば、先ほども議論がありましたけれども、やっぱり給付として受けられるわけですが、その保障が、地域に移管して各自治体で全部受けられるかというと、すると、それは受けられなくなるんじゃないかというように思っているんです。その立証が、全部費用抑制から全部入ってくるので、実際それはできなくなるのではないかというふうに思っています。
 でも、逆に大臣、要支援一、二と認定されてもサービスの種類によっては保険としてのサービスが受けられなくなる、これでよろしいですね。

○国務大臣(田村憲久君) 訪問看護等々保険の給付として受けられるサービスはあるわけでございますので、保険のサービスも受けられます。

○福島みずほ君 介護保険給付としてのサービスとしては受けられなくなりますね。

○国務大臣(田村憲久君) 介護保険給付のサービスとして受けられるということであります。

○福島みずほ君 じゃ、今までの介護保険から外して何で地域移管するんですか。

○国務大臣(田村憲久君) いや、ですから、通所介護でありますとか訪問介護に関しましては、それは保険給付から外して地域支援事業という枠組みの中で提供すると。一方で、訪問看護のようなサービス、こういうものは今までどおり保険給付の中で要支援者に提供するということでございます。

○福島みずほ君 なぜ要支援の訪問介護と通所サービスだけを介護保険の給付から外すんですか。

○国務大臣(田村憲久君) それは、やっぱり保険という性格上、一定の基準等々をクリアしなければならないわけでありまして、言うなれば一律的なサービスになってしまうと。その細かい内容は、もしよろしければ局長の方から、どういう理由で保険の給付だと一律性があっていろんなバリエーションがつくれないか、一方で、地域支援事業であればいろんなバリエーションがつくれるかという、もしよろしければ保険局長の方から答弁させます。

○政府参考人(原勝則君) 今回、予防給付の中で通所介護と訪問介護だけを地域支援事業に移行させたことの理由につきましては、まさにこの移行の理由でございますように、こうした軽度な方あるいは要支援認定までに行かないような二次予防事業対象の方々を含めまして、やっぱり必要とされているサービスというものが生活支援サービスが中心であると。また、これから大事なことは介護予防でございますけれども、介護予防のためには、やっぱり地域の中にいろんな社会参加の場、居場所と出番みたいなのをつくっていくと。それで、両方とも、生活支援サービスも社会参加も、これは実は介護保険事業所だけが提供しているわけじゃなくて、地域の中でいろんな多様な主体が多様なサービスを提供しているんです。そうであるならば、それを、一番事情が分かっているのは市町村でございますので、市町村がマネジメントしながら、あるいはその資源を開発しながら効果的、効率的に事業展開できるんじゃないかということでその二つを落としました。
 一方、訪問看護等のサービスは、これは専門職種の方がかなり関わっておりますので、その多様化の余地が少ないだろう、あるいは市町村の事務負担ということもやっぱりございましたので、今回は対象からは外させていただいたということでございます。

○福島みずほ君 訪問看護が極めてプロの仕事であることは理解しますが、訪問サービスも通所サービスもプロの仕事じゃないですか。もちろん様々なサービスがあっていいですよ。予防があってもいいし筋トレがあってもいいです。しかし、訪問サービスも通所サービスもプロの仕事じゃないですか。それ以外のサービスを望む人もいるが、それを介護保険給付として望んで、みんなそれでやってきたわけじゃないですか。それだけを何で外すんですか。

○政府参考人(原勝則君) 私、一言も専門家によるサービスがなくなるとなんか申し上げておりません。多様な主体による多様なサービスの中に当然今でも専門職によるサービスというのはありまして、これは引き続きやっていただくわけでございます。恐らくこれが多分一番主力になるかもしれません。
 ただ、それ以外に、やはり地域の中で、例えば体操教室でございますとかあるいはサロンみたいな場をつくっていただいて、あるいは見守りだとか配食サービスだとか、いろんな方々がやっているわけでございます。
   〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕
 これは、画一的な給付でやるよりもやっぱり事業としてやった方がうまくこれできるんです。それは市町村だからこそできるんだと思いますけれども、したがって、私どもはそこを一体にして市町村にお願いをしたいと。したがって、専門的なサービスは引き続き、これはもう市町村のケアマネジメントでしっかりと判断をしながら、そういう方にふさわしい方が、専門的サービスをしっかりと確保していきたいと思っております。

○福島みずほ君 要介護一、二、三、四、五もどれも重要であり、要支援の訪問サービスも通所サービスも極めて重要です。配食サービスやサロンや見回りや、それも重要ですが、それは今でもNGOや地方自治体はやっています。介護保険制度の中で保険給付として大事とされていた要支援一、二の訪問サービスと通所サービスを何で切り分けて給付から外すのか、理由になっていないですよ。
 私は、父も母も、介護保険の、本当にヘルパーさんが来てくれる、女の独り暮らし、男の独り暮らし、そんなことが可能なのは、そういう人が地域にいて、介護保険のお世話になってあるからこそできるんですよ。もちろん見回りだって配食だってあったらいいけれども、これを国の責任としてあった介護保険給付から外すから理解ができないというふうに言っているんです。外す理由がないじゃないですか。いろんなサービスがあるとして、なぜそれだけ外すんですか。

○福島みずほ君 いや、理由が全く分かりませんよ。多様なサービスが必要である、それはそのとおりです。でも、今までの介護保険制度を維持しながら、いろんな多様なサービス、NGOや、いろんな活用すればいいじゃないですか。全く理解ができないのは、今まで介護保険給付として実現されてきた要支援一、二の通所サービスと訪問サービスをなぜか切り離して、そして地域移管にするというのは理解が全くできません。これはもう介護保険を壊すものだと思います。
 前回も質問しましたが、全国一律の保険サービスから市町村事業に移すことで、市町村間でサービス、内容、基準、単価などに大きな差が出るのではないかということを前回も御質問しました。市町村事業は条例で定めますよね。厚生労働省は、本当に全部基礎自治体に投げて条例作らせて、ちゃんと維持できると思いますか。

○国務大臣(田村憲久君) これ、前回も申し上げましたけれども、いきなり全てが完璧にでき上がるということはまずあり得ないわけであります。それぞれの市においても、その市の中においてそのようなサービス、つまり地域のコミュニティーが強かったりだとか意識の高いところ、そういうところは早く我々が目指しているようなサービスをおつくりをいただけると思います。
 一方で、新興住宅街でありますとか、コミュニティー、まあそれは新興住宅街でもコミュニティー強いところはありますから一概に言えませんけれども、なかなかそういう意識が低いところ若しくはコミュニティーが強くないところ、そういうところはなかなかそういうサービスができない部分もあると思います。
 そういうまだら模様の中で、一つの市においても、そういうところは今までの既存のサービスしかありませんから、当初は既存のサービス中心なんでありましょうけど、まだら模様の中でだんだんだんだん、隣の町にそういうものができる、それを見て、隣の方々が喜んでいる姿を見て我々もつくろうという話になってくる、そういうふうに時間を掛けながらこのようなサービスというものは増えていく、多様なサービスは増えていくと我々は思っておりまして、それを支援をするために、いろんな事例集でありますとか、またコーディネーター等々も育成をしなければなりませんので、そのような意味では、財政的な支援も含めて対応をしてまいりたい、このように考えております。

○福島みずほ君 予防給付に比べて地域支援事業はサービス単価が安く設定されるため、介護事業者は要支援分野から撤退するんではないかというふうにも思います。そして、いろんなサービスがあって、いろんな多様なのがあっていいんですよ。だけれども、極めて重要な介護保険のイの一番である要支援一、二の訪問サービス、通所サービスを地域に丸投げすることでやっぱり介護が壊れてしまうというふうに思って、この法案には大反対です。
 介護保険に入る理由がないじゃないですか。突然、だって要介護五になるわけじゃないんですよ。まず、自分が要支援になっていろいろ不案内になったときに通所で来てほしい、訪問サービスを利用したい、ここが地域によって非常に貧弱になる可能性があるんだったら、介護保険給付に対する信頼感がなくなってしまいますよ。こんなの、介護保険を厚労省自ら壊そうとしているとしか思えません。
 でも、時間がもったいないので次にちょっとずんずん行きますが、前回もNPO、ボランティアを活用するという話がありました。NPOやボランティアが潤沢にないところはどうなるのか、第一点。第二点、要支援一、二の訪問サービスと通所サービスでボランティア、NGOを使うということはあるんでしょうか。

○国務大臣(田村憲久君) 通所介護。

○福島みずほ君 通所サービス。

○国務大臣(田村憲久君) 通所サービス。それは、通所サービスというカテゴリーをどう考えるかでありますが、先ほど申し上げました、例えば体操教室でありますとかサロンでありますとか、そういうものも、通所サービスといえば、通う場所でありますから、通う場所という意味からすれば、そういう中において、NGOなのか、また地域のボランティアなのか分かりませんが、そういうことはあると思います。
 併せて申し上げれば、前から言っておりますとおり、ボランティアが中心になるとも思っていない。もちろんボランティアも大きな担い手でありますが、ボランティアだけでできるわけがないわけでありまして、そこは先ほど来言っております、事業者の方々のサービスもあれば、NPOが雇用をして行うサービスというものもあると思います。
 でありますから、多様なそれぞれの立て付けの中で、例えばボランティアがいないところであっても、雇用という場で、雇用という形態でサービスを提供するのであるならば当然そこでは収入があるわけでございますので、働ける方々がおられれば、そういう中において働いていただいていろいろなサービスを御提供いただけるということはあろうというふうに思います。

○福島みずほ君 体操教室は確かにいいかもしれないけれども、それは元気な人が行く体操教室ではなくて、要支援一、二の人が訪問サービスへ行ったりとか、そこでの体操とかやったりしていますよね。私が聞きたいのは、今ある要支援一、二の通所サービスと訪問サービス、この部門においてNGOやボランティアを活用するということはあるんですかという質問です。

○国務大臣(田村憲久君) 今ある通所サービスの中においてですか。
 それはそういう立て付けを禁じているわけではございませんので、そのような形でやることはあり得る。やってはいけないということではないというふうになっておると思います。

○福島みずほ君 結局、地域移管して地域包括センターにすると、要支援一、二の今まであった通所サービス、それから訪問サービスがぶわっと薄まって、体操教室もあります、何とかもありますだけれども、十分いかないんじゃないか。
 そして、今の答弁でも、今の通所サービスや訪問サービスでもNGOやボランティアでやることもあるという答弁でしたよね。私はNGOやボランティアの役割を否定するものではありませんが、今、介護保険給付で行われている要支援一、二の訪問サービスや通所サービスは本当にプロ的な、本当に大変な仕事ですよ。家に来てくれるのは、やっぱりそれは特訓を受け、研修を受け、そして来てくれるわけで、今の大臣の答弁は、それは通所サービス、訪問サービスを地域移管する中でボランティアやNGOも使いますということであれば、今のようなサービスが本当に維持できるのか。そして、ただでさえ労働条件の悪い介護労働者の労働条件が、更にボランティアやNGOもやれる仕事だということで低くなるのではないかということを大変危惧をしています。
 次に、特養老人ホームに入る要件が要介護三以上となることについての問題点についてお聞きをいたします。
 要介護一、要介護二の人々の現在の割合はどれぐらいでしょうか。また、待機者がどれぐらい減ると試算をされているんでしょうか。要介護一、要介護二の人々はなぜ現在特養老人ホームに入っているのか。実態調査はなされているのか。教えてください。

○政府参考人(原勝則君) まず、現在、特別養護老人ホームに入所している要介護一、二の方の割合でございますけれども、平成二十五年十月時点で一一・八%であり、うち要介護一の方は三・一%、要介護二の方は八・七%でございます。
 それから、待機者でございますけれども、これは平成二十六年の三月に都道府県から集計をしたものでございますが、入所申込みをしている方の全体の数としては五十二・四万人でございます。その中で、私ども、特に在宅の方で要介護四、五ぐらいの方が非常に優先度が高いんじゃないかと思っておりまして、その方の数としては八・七万人ということでございます。

○福島みずほ君 要介護五の方がやはり特養老人ホームに入る必要性が高いというのはよく理解ができます。しかし、現在でも特養老人ホームに入っている人の中で一一・八%は要介護一、二の人です。つまり、要介護一、二だけれども、特養老人ホームに入る必然性があって入っているわけですよね。もちろん、例外的に特養老人ホームに入る要件を今回も決めていますが、極めて例外的な場合です。
 これ、何で要介護三以上にするのかというのが分からないんですね。特養老人ホームを増やすことがまず必要なことであって、あるいは待機者の数を減らしたいのか、どうなんでしょうか。

○政府参考人(原勝則君) 先ほど御質問に対してお答えを忘れましたので。
 三点目の御質問でございますけれども、現在、特別養護老人ホームに入所している要介護一、二の方の入所理由、これは関係団体が二十四年に調査をしたものがございまして、それによりますと、介護者不在、介護困難と、あるいは認知症その他の理由による判断力の低下、喪失、あるいは独居で身寄りなしと、いろいろ様々な理由が挙げられております。また、実際に私ども、特別養護老人ホームの施設長などに対していろいろ、なぜ、要介護一、二の方の入所が必要と考えられる理由につきましてはいろいろ聞き取り調査も行いましたけれども、認知症等以外の理由として、家族によるネグレクト、経済的・身体的虐待の存在でございますとか、精神障害、知的障害等により生活維持能力や生活意欲が著しく低下しているといったようなことが理由として挙げられております。

○国務大臣(田村憲久君) 今局長が申したような理由がありますので、そういう方々含めて、一定の要件の方々は三以上でなくても一応入れるということになっておるわけであります。
 なぜ中重度というところに今回重点化するかということでありますが、もちろん特養が余るほど今あれば、それはそういう方々も入っていただければいいんだろうと思いますが、実態は、もう御承知のとおり、四、五の方でもたくさんの方々が待機されておる。もちろん、三以上であればそれ以上の待機者がおられるわけであります。やはり、重い方々から入っていただく、これはやはり国民の皆さんに一定程度御理解いただけるのではないかと。同じ状況なら重い方々に入っていただく、こういうことでございますので、まずはこの中重度化ということを今回提案をさせていただきました。ただし、理由がある方々は一、二であっても入っていただけるということであります。

○福島みずほ君 ただ、先ほど局長が答弁したように、要介護一、二でも入る必然性がある人たちはいるわけですよね。今回も例外を認めているけれども、それは極めて限られています。
 私は、特養老人ホームを増やすことと同時に、やはり一、二ではもう原則として入れませんよとすることで、やはり本当に必要な人が、例えばネグレクトや虐待やとさっきおっしゃいましたよね、そういう人たちがそもそも特養老人ホームの待機リストに入れないというのは問題ではないかと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(原勝則君) 本当にそういう必要な方が入れないようになってはこれは困りますので、やはりきちんとした入所判定というんでしょうか、そういうものが求められると思います。
 それで、またどういう場合がそういうやむを得ない事情に当たるのか、これも更に我々いろんな方々の御意見を聞きながら、そしてきちんとガイドラインみたいなのを作りまして区市町村にお示しをしていきたいと思っております。

○福島みずほ君 だったら要介護三以上なんてやる必要ないじゃないですか。今までと何が違うんですか。だって、今だって例外的にしか入れないわけで、例外的に入れるというんだったら、こんな三以上なんてやらなくていいじゃないですか。これ、何でやるのか。やっぱり待機者の数を減らしたいんじゃないか。あるいは、私は、要介護一、二の人を介護している家族はもう特養老人ホームに入れないと思ってしまうという、もう本当に、何か最後命綱がなくなるというか、もうみんな要介護三以上にしてくれというふうに認定のときに実際思ったり、頼んだりというのはなかなか難しいかもしれないんですが、そういうことが起きるんじゃないか。要介護三以上とする必然性はないし、もし今までと変わらないんだったらこんなのやめてくださいよ。

○政府参考人(原勝則君) 変わらないと申し上げているわけじゃなくて、我々が、今現在一、二で入っている方でやむを得ない事情だと思われるのが先ほど言ったような理由でございます。
 あとは、もう一つ、この見直しをしたきっかけは、要介護一、二の割合、先ほど約一二%と言いました。これ、全国平均では一二%なんですが、結構都道府県で差があります。これ、さらに、データでお示ししていませんけど、市町村あるいはその施設ごと、随分差が出てまいります。ですから、その辺は具体的にどこがどう悪いとかいうわけじゃありませんけれども、やはり我々としては、基本的な考え方をここでお示しして、やっぱり在宅の重度の方をより優先的に入れられるようにすること、そのためにはやっぱりこういう考え方をきちんと示していくことがやっぱり大事じゃないかということでございます。

○福島みずほ君 私は、多分、みんな事情がそれぞれ様々なので、単に要介護五と三でどうかだけれども、必然性が強い人をやっぱり特養老人ホームに入れているんじゃないかというふうに思います。先ほどもあったように、ネグレクトや虐待のケースや独居だとしたら要介護二でもやっぱり入れようという判断を現場がしているのであって、それを要介護三以上にしろとすると、じゃ、入れない人はどうなるのか。
 じゃ、逆にお聞きしますが、要介護一、要介護二の人々で今後特養老人ホームに入れない場合、どのような援助をされるおつもりでしょうか。

○国務大臣(田村憲久君) 基本的には、入る必然性がある方々は今般も排除しているわけではありませんし、今入っておられる方々は要介護一、二でも出ていただくというわけではありません。
 同じ状況であるならば、やはり要介護認定度の重い方々が先に入っていただくというのは、これは国民の皆様方としては御理解をいただける部分だというふうに思って我々としては今般提案させていただきました。今までも各自治体には重い方々中心というお願いはさせてきていただきましたが、それでも自治体や施設によってばらつきがかなりある。これは、理由は我々も細かく詳細には分析しておりませんが、いろんな理由があるんだというふうに思います。そういうことを考えますと、ここでやはり国が基準をしっかりお示しをするべきであると。
 入れない方々はどうするんだということでありますが、基本的には、そのためにも在宅での介護のサービスというものを充実するために、地域包括ケアシステムというものを今一生懸命整備をさせていただいておりまして、例えば定期循環・随時対応型サービスでありますとか、訪問介護看護でありますとか、それからまた、サービス付高齢者向け住宅でありますとか、さらには、軽費老人ホーム、いろんなものがあると思いますが、そのようなものの中において対応をしてまいるということになろうと思います。

○福島みずほ君 厚労省は、特養を利用している要介護一、二にはこれから低所得高齢者の住まい対策で今後対応するということなどを言っています、今おっしゃったように。しかし、社会福祉法人やNPOが運営主体となり、空き家などを利用した高齢者ハウスで生活支援サービスを提供し、介護や医療、みとりなどには必要に応じて外部サービスを提供すると言うが、現実的なのか。やっぱり、特養老人ホームと空き家で暮らすというのは、やっぱりそれはレベルが違いますよね。なぜか局長がうんうんと言ってくれているんですが。
 だとしたら、私はやっぱり、様々な特養に訪問に行ったりしますが、いろんなグループホームであったり特養であったりするわけで、今、在宅でやれとか、それから低所得高齢者の住まいでやるとか、それではやっぱり足りないんじゃないか。いかがでしょうか。

○政府参考人(原勝則君) 私どもも特養はもう要らないとか言っているわけじゃなくて、特に都市部なんかではなかなか特養というのはできない状況がございます、土地の問題とかございまして。だから、これからも市町村の介護保険事業計画に基づいて必要な特養は整備していきたいと思っております。
 ただ、都市部なんかではなかなか供給不足があるものですから、そこを補完するものとして、例えば今考えておりますのは、空き家の活用も一つ確かにございます。これは、今年度の事業で少しモデル事業をやっていきたいと思っておりますけれども、せっかく限られた資源が今地域の中にあるわけでございますので、そこを、社会福祉法人とNPOが生活支援をしながらそれを活用するということは、並行してそれはやっぱり進めていってもいいんじゃないかと考えているところでございます。

○福島みずほ君 あらゆるいろんな生き方があってもちろんいいとは思うんですが、ただ、要支援、要介護一、二の人で、独居で、そして空き家でというのが本当にうまくいくのか。例えば、関西の方で、ワンフロアにたくさんの部屋を置いて、そしてやって貧困ビジネスではないかということでもう非常に問題になりました。そういうことが横行するんじゃないですか、どうですか。

○国務大臣(田村憲久君) そうならないように進めていかなきゃならぬと思っておりますが、要支援の方々はまだ要介護の方々よりかは状態像としては軽いわけでありまして、要介護の方々に対してもそのような対応を我々はしていかなければならぬわけでございますから、とにかく総動員、特養もまだつくっていきます、もちろん。ほかのいろんなものも整備してまいります。しかし、それだけでは足らないであろうと思われる高齢化のピーク、これに向かって、我々は総動員をして、そのような状況の下でもそれぞれが尊厳を持って生きられるような、そんな環境整備をしてまいらなきゃいけないわけでありまして、努力してまいりたいと思います。

○福島みずほ君 特養老人ホームを要介護三以上にするということには私は反対です。やはりそれは必要があれば要介護一、二の人も入れるようにすべきだし、来るなというか、要するに待機者リストにそもそも入れないということそのものが問題だと思います。
 二割の負担増について今日もずっと議論になっておりますが、二割、二倍の負担増になる人々はどれぐらいいるのか、また家計に占める割合がどのような割合になるか、様々なケースを含め試算をしているんでしょうか。

○政府参考人(原勝則君) まず、二割負担で実際に影響を受ける方、一応基準は被保険者全体の所得分布の上位二〇%ということでございますが、実際、介護になられてサービスを受けられる方は相対的に所得が低いものですから、実際に影響を受ける方としては在宅サービス利用者で約一五%ぐらいです。それから特養で約五%、それから老健施設で約一二%程度と見込んでおります。
 また、具体的にどのくらいの方が二倍になるのかというようなことについては、これはちょっとなかなか推計が難しゅうございまして、そういった数字は持ち合わせておりませんけれども、しかし、自己負担額については高額介護サービス費というのがございまして、一般世帯であれば月額三万七千二百円でございますから、二倍になったとしても。それは今現在一万八千六百円ですか、以上の方が最大二倍になる、上限に到達するということで一番その引上げ幅が多くなるというようなことはございますけれども、ちょっと数量的に何人の方が該当するかというところまでは推計しておりません。
 また、上限に達するかどうかという見方をすると、施設居住系サービスについては元々その介護給付額が大きゅうございますので、そういう意味では、二割ということになりますと上限に達する方は多いと。それから居宅サービスについても、例えば最も負担の重い要介護五で見れば約六二%ぐらいの方が上限に達するというようなことは見込まれるかと思います。

○福島みずほ君 上限があるんですが、しかし、二割になるということは二倍になるわけです。
 私が聞きたかったことは、様々な、たくさんいますのでモデルケースというのはあり得ないけれども、例えば、今、年金の保険料が上がる、年金が下がる、そして保険料が上がる、給付が上がる、医療の負担が増えるという状況で、電気、ガス、光熱費で電気代が少し上がっているとか、震災復興のお金の税金が掛かるとか、いろんなケースでどれだけ負担増になって、どれだけかみたいな試算は厚労省はされたんでしょうか。

○政府参考人(原勝則君) そこまではやっておりません。

○福島みずほ君 いや、私は素朴に思って、誰を標準にするかは難しいけれど、そういうのをやるべきだと素朴に思っているんです。例えばこういう年金でこういう人は、まあ電気、ガス、水道、人によっても違うけれど、どれぐらいの負担になってどうなるのか。ですから、事前に厚労省に聞いたらそういう試算はしておりませんということだったんですが、でも、みんな生身の生きている人間で、どれだけの負担になるのかというやっぱり実感も必要ですし、是非そういう試算をしていただきたいというふうに思います。
 そういう試算はしていないというので、グロスで何人、グロスでどうかという話ではなくて、是非、どういう人たちは二割負担になってどれだけ困るのかという実感をやってもらって、こういう制度設計をしていただきたいというふうに思っています。
 実は今日は医療をやろうと思ったら、何かずんずん介護保険ばかりになってしまってちょっと申し訳ないんですが、今日の議論でも、というか、医療についてで、策定のためのガイドラインの具体的内容って明らかになっていないんですよね。これは是非、本来ならば明らかにすべきだと思います。
 都道府県はビジョンを策定するとありますが、二〇二五年の医療需要、二〇二五年に目指すべき医療提供体制、目指すべき医療提供体制を実現するための施策などを、都道府県はビジョンを策定すると。しかし、都道府県や市町村に対して十年以上先を見越した詳細な需要予測を行わせることに意味があるんでしょうか。確度の高い予測を果たして期待できるのか。いかがでしょうか。

○政府参考人(原徳壽君) 医療の需要につきましては、簡単に言いますと、病気の量がどれぐらいになるかということをどう推測するかですけれども、人口の推移がある程度分かりますと、それに対して性・年齢階級別の疾病の量というのが推計できますので、それを掛け合わせることによって十年後のおおよその患者増というのが見えてくると、ここはある程度の確度を持って言えます。
 それに対して、その患者さんに対してどのようなサービス、例えば入院医療ならどのような入院施設で対応していくかと、これが今度は施設側のビジョンになるわけですね、それをどうマッチさせていくかというのが将来出てくるわけです。当面は、今どういう機能を担っているかというのを出していただいて、将来的にそのそれぞれの医療機関がその必要であるべき患者さんをどういう形で診ていくかというのをビジョンとして出していく。
 したがって、その患者さんのニーズ、需要量についてはおおよそのところは確度を持って推計できるというふうに考えております。

○福島みずほ君 国の医療政策がころころ変わる中で、十年先のビジョンを国、市町村が責任を持って作れるのかというふうに思っています。
 今朝の午前中の議論でもありましたが、高度急性期機能、急性期機能、回復期機能、慢性期機能の四つの医療機能から病棟単位で一つの医療機能を選択させる、こんなの無理じゃないですか。四択、無理でしょう。

○政府参考人(原徳壽君) もう一度申し上げます。それぞれの病棟が、例えば急性期機能の病棟だと、こう言うと、その中にいろいろな、急性期の状態にある患者さんもいれば、回復期になっている患者さんも当然おられるわけです。それは、回復期の患者さんを急性期機能と報告した病棟から追い出せと言っていることは少しもないわけです、追い出せと言っているわけじゃないんです。要するに、主として急性期の患者さんがその病棟におられるならそこの病棟は急性期の機能を持っているとした報告を下さいと言っているわけです。
 ですから、そのおっしゃっている意味は、主としてどういう患者を診ているかという観点でそれぞれの医療機関で判断をいただくということであります。

○福島みずほ君 私が病院だったら困りますよ。だって、中小病院だったら、地域の全部の機能を持っていたり、回復期機能かなというところに丸をしますよね。四択の中で選べと言われたって、これ非両立じゃないから選べないですよ。しかも、多くの病院が回復期機能に丸を付けたら、どうやってこれを調整するんですか。こんなことを答えさせてどんな意味があるのかというふうに思っています。
 例えば、これに従わないというか、だから、病院側の要請と、いや、うちは急性期を増やしたい、この県では、これ、応じない病院は一体どうなるんですか。

○政府参考人(原徳壽君) 基本的には、十年後に急性期の患者が例えば五百人おられるのに、急性期の病棟を一千床持っても意味がないわけですね。それは、だから、その病棟にそれぞれどういう患者がおられるかを見ると、おのずからその病棟の機能というのは出てくるわけです。
 ですから、そのときに、将来に急性期の患者が例えば五百人おられる、収容すべき病床室だというような医療圏があったとして、そこに例えばA、B、C、D、Eという医療機関で急性期機能を持ちたいというような例えば希望として千床あったと。だけれども、実際的には、そこは話合いをしていただく中で、五百床に相当する患者を診ていっていただくことを話合いで決めていく必要があると。だから、全部が、千床分を造ったとしても患者さんは、それにふさわしい患者がいないわけですから……

○委員長(石井みどり君) 時間を過ぎておりますので、答弁は簡潔に願います。

○政府参考人(原徳壽君) そういう意味では、協議の場というのは非常に重要だというふうに考えております。

○福島みずほ君 たくさん疑問があります。そういうふうにきれいにできるものか、上からのそういう押し付けで医療が壊れるんじゃないかと思いますが、また続いて質問します。
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6月4日参議員消費者特別委でカジノ、景表法質問

6月4日の参議院消費者問題に関する特別委員会で、カジノ法案、不当景品類及び不当表示法について質問しました。議事録の速報版をアップしますので、是非ご覧ください。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 他の委員会との関係で順番を変えていただいたことに感謝をいたします。ありがとうございます。
 本案に入る前に一言、カジノ法案について質問をいたします。
 カジノの合法化を含めた法案が国会に提出をされております。この件について、私は四月十日、質問主意書を提出をいたしました。この中で、消費者庁と本当に関係すると思うんですが、「日本における多重債務者の問題について、政府の見解を明らかにされたい。」「多重債務と自殺の関係について、政府の見解を明らかにされたい。」というふうにいたしました。
 消費者庁や他の政府の本当に頑張りで、森まさこ大臣も弁護士時代に多重債務の問題に関わっていらっしゃいましたが、多重債務を自殺の原因、動機とする自殺者数は、平成二十年六月に警察庁が公表した統計によれば、平成十九年に千九百七十三人であったのが、本年三月に内閣府及び警察庁が公表した統計によれば、平成二十五年には六百八十九人に減少しております。政府が努力をしてきたのだというふうに思います。
 多重債務の問題に関しては、多重債務は自殺の社会的要因の一つであると理解しており、多重債務者対策の推進は多重債務を原因、動機とする自殺者数の減少にも相当程度寄与しているものと考えているという答弁をいただきました。
 予算委員会でこのカジノについて聞いたときに、森まさこ大臣は、「カジノ合法化については、ギャンブル依存症や多重債務に陥った人への対策のほか、治安や青少年への影響といった負の側面への対策等を考慮する必要があると考えております。」というふうに答弁をされていらっしゃいます。
 だとすると、やっぱりカジノ、あれはギャンブルなわけですから、多重債務の問題、依存症の問題、あるいは青少年に対する問題、治安の問題、まさに消費者庁が扱うべきギャンブル依存症や多重債務、ひいては自殺につながる場合があるわけですが、徹底的にこれは議論すべきであり、消費者庁としてやっぱり意見を言ってほしいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君) 冒頭、多重債務と自殺について御指摘がございましたけれども、多重債務を原因とする自殺者が非常に減ってきております。これは、貸金業規制法から貸金業法に改正をされたことによる、また、その他の関係者の皆様のこれまでのお取組の成果であるというふうに認識をしております。
 そして、御質問のカジノの合法化の問題でございますが、さきの臨時国会において、カジノの合法化を含めた特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案が議員立法により提出され、継続審議となっていると承知しております。
 一般論として申し上げれば、カジノ合法化については、ギャンブル依存症や多重債務に陥った人への対策のほか、治安や青少年への影響といった負の側面への対策等を考慮する必要があると考えております。
 私としては、消費者担当大臣として、御指摘の多重債務問題等の問題を含め、そういった問題を悪化させないという観点からしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

○福島みずほ君 是非、消費者庁として意見を言ってください。
 ギャンブル依存症に陥った当事者の話、何人もの話を聞いたり、集会で話を聞いたりしております。やはり、家族が崩壊する、離婚やあるいは仕事ができない、あるいは失職してしまう。本当に大変な中で、依存症をどうやって克服するかということも含め、大変な問題です。ですから、やはりみんなが安心して暮らせる、ギャンブル依存症をやっぱり減らして安心して暮らせる、多重債務者をやはりつくらない、あるいは、できたとしても自殺に追い込まれない、青少年への影響、治安への影響など、しっかりこれは考える必要があるというふうに考えております。
 消費者庁として、是非、今までも答弁され、今の答弁もそうですが、しっかり取り組んでくださるよう心からお願いを申し上げます。
 では、本案についてお聞きをいたします。
 先ほども他の委員からも質問がありましたが、不当景品類及び不当表示法の実効性を確保するため、都道府県の担当職員の配置及び研修の拡充など、必要な支援を行うことをどう考えていらっしゃるでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君) 本法案による都道府県における景品表示法の監視指導体制の強化については、その実効性を確保するため、法改正により都道府県の意識の変化が期待できることも踏まえ、都道府県における景品表示法の執行水準が全体的に向上するよう、都道府県における執行体制の整備を一層積極的に支援していきたいと考えております。
 具体的には、過去の執行事例の周知、消費者庁による研修の実施、実際に事案を取り上げる際の具体的な審査手法や事務処理手続等の法執行に関するノウハウの提供、都道府県における研修等への地方消費者行政活性化交付金の活用の促進などに取り組んでまいりたいと思います。

○福島みずほ君 これまでも国は地方消費者行政活性化基金を地方に交付してきましたが、各自治体での本予算化がなかなか進まないという状況は、残念ながら変わっておりません。地方消費者行政活性化交付金が本予算で措置されることとなり、今まで以上に地方自治体で利用しやすくなったと思いますが、やはり年限がある問題であり、各自治体できちんと本予算化を進めていってもらわなくてはなりません。
 消費者庁として、これまで地方自治体での本予算化に向けた取組としてどのようなことを行ってきたのか、また、今後の取組としてどのようなことを行っていくつもりでしょうか。

○政府参考人(川口康裕君) 消費者庁では、平成二十一年度から二十三年度までの地方消費者行政の集中育成・強化期間といたしまして、地方消費者行政活性化交付金を交付いたしまして、基金の活用期間の延長とともに、二十六年度まで合計三百五十六億円を措置してきたところでございます。
 平成二十二年度から消費生活相談員の人件費に基金が活用可能となるよう見直したことを始め、交付金を呼び水といたしまして、地方の消費者行政における自主財源、基金以外でございますが、これは、平成二十一年度の約百二十二億円から平成二十四年度の百三十五億円へと増加したところでございます。
 平成二十六年度予算におきまして、平成二十五年度当初予算の五億円から大幅増額いたしまして三十億円を措置したことにより、地方において計画的かつ安定的に消費者行政の維持、充実に取り組むことが可能となったことを踏まえまして、地方消費者行政強化作戦におきまして具体的な政策目標を示し、各都道府県にこの目標への対応を記載した自主財源化のための計画の策定を求めているところでございます。この自主財源化計画を策定することにより、消費者行政、消費生活相談体制の更なる充実強化を図る一方で、各都道府県、市町村におきまして自主財源化に向けた道筋を付けてもらいたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

○福島みずほ君 ちょっと難しいかもしれないんですが、国民生活センターが介入して被害回復した額を各自治体でデータ化して、プライバシーの問題があるかもしれませんが、公表してもらうとか、相談者の感謝の声や、こういうふうに解決したとか、毎年集約して発表するなど、独自予算化を視野に入れた具体的な取組を例えば国として整理した上で地方に積極的に働きかけていくなんということはいかがでしょうか。

○政府参考人(川口康裕君) 消費生活相談員の活動による被害回復額の集計等について、これを把握することができれば、相談業務の重要性を分かりやすい形で地方公共団体の住民において示すことができまして、自主財源の確保にも資すると考えられると思います。今後、相談情報を用いた被害回復額の把握につきまして、その可能性を含め、検討してまいりたいと思っております。
 様々な努力をそのほかにもしております。様々な努力を積み重ねることによりまして、地方消費者行政に係る自主財源が将来的に確保されるよう、地方公共団体に対して積極的に働きかけてまいりたいと思っております。

○福島みずほ君 資格保有の地域偏在の解消についてお聞きをいたします。
 新たな消費生活相談員資格試験の実施に当たっては、各地域における試験の機会を確保し、資格保有者の地域偏在の解消を図る必要があります。
 平成二十五年四月一日現在、六三・九%の市区町村等が消費生活相談員を配置しており、計二千四百二十二人の相談員のうち、千七百二十人が現行の三資格の一つ以上を保有しております。しかし、地域ブロックごとに資格保有者の割合を見ると、南関東は九五%、近畿は八六%と高い水準にあるのに対し、四国は五七%、東北は五一%、北海道では三七%にとどまるなど、資格の保有に地域的な偏在が見られます。
 このような資格保有者の偏在の原因について、どう認識し、どう解消されようとしているんでしょうか。

○政府参考人(川口康裕君) 相談員の資格保有率でございますが、ブロック別には委員御指摘のとおりでございまして、私どもは更に各県別に資格保有率を把握しているところでございますが、大変ばらつきがあるという状態でございます。
 このため、本年一月、どこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられる地域体制を全国的に整備するため、地方消費者行政活性化基金を通じた当面の政策目標といたしまして、地方消費者行政強化作戦を定めまして、その中で、都道府県ごとに消費生活相談員の資格保有率を七五%以上に引き上げることを働きかけるなど、相談員の資格保有者の地域偏在の解消に向け努めているところでございます。
 また、新たな消費生活相談員資格試験の実施に当たりましても、地方における受験や講習の受講機会を十分に確保するなど、地方においても円滑に資格を取得できるようにすることが必要であると考えておりまして、登録試験機関が定める試験業務規程を定めるなどの内閣府令を定める際にもこの点も配慮しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○福島みずほ君 新たな消費生活相談員資格試験制度が創設された後も現行の三資格保有者が引き続き業務を担えるよう、円滑な移行措置を講じていただきたい。いかがでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君) 現在、消費生活センターなど消費生活相談の現場で活躍される相談員のうち、多くの方々は、内閣府令で相談について専門的な知識及び経験を有する者として列挙された三つの資格のいずれかを保有しており、新しい制度の下でもこうした方々に引き続き活躍していただくため、本法案の附則三条において経過措置を規定しています。
 具体的には、第一項で、内閣府令により消費生活相談等の実務の経験に関して基準を設け、その基準を満たす者については相談の実務に従事する中で消費生活相談員として必要な知識やコミュニケーションスキル等の技術が養われていると考えられるため、消費生活相談員資格試験合格者とみなしています。
 さらに、そうした実務経験に乏しい者についても、第二項で、内閣総理大臣が指定する者が実施する講習会を修了した場合は施行後五年に限り合格者とみなす規定を置いています。
 経過措置の詳細な制度設計については、有識者や現在の資格付与団体などの意見を聞きながらしっかりと検討し、現行の三資格を保有する消費生活相談員が引き続き円滑に業務を担えるようにしてまいりたいと思います。

○福島みずほ君 この資格化の中で、待遇改善という思いや、それからやはり権限の強化ということを相談員の皆さんたちが願っているし、それが消費者行政を良くすることに本当につながるというふうに思っております。
 ただ、非正規公務員は、女性の割合が高く、事務職とそれから消費者相談員と保育士さんの割合が非常に高いです。実際、消費生活相談員の七五・八%が非常勤職員等であり、常勤職員以外の者の八六・七%が一年間の期間で雇用されている中、一九・二%の地方公共団体が雇用期間の更新回数の制限、いわゆる雇い止めを設けているなど、依然としてやはり不安定な雇用の下でベテランで働いているという状況です。
 この点については、衆議院の消費者特別委員会で池本参考人が次のように述べていらっしゃいます。「消費者庁長官名で、あるいは、その前には大臣名も含めて通知を繰り返し出していただいているのですが、雇いどめがとまらない。これは、幾つか理由はあると思うのですが、やはり、一番大きいのは、自治体の中で、総務課とか人事の部署は総務省を向いている。」というのが出ているんですが。だから、もっとその自治体の中で消費者相談員の役割を重要視して、そして非常勤をやっぱり改善することや、あるいは雇い止めを繰り返す、雇い止めが止まらないということをやめてもらいたいということがあると。
 今回、その国家資格化とすることで待遇の改善がされると、ベテランの女性が圧倒的に多いわけですから、雇い止めはやっぱりもったいないと思うんですね。
 この点について、今まで消費者長官名で、あるいは大臣名で繰り返し通知を出していただいているわけですけれども、そこをやっぱり、待遇改善についての消費者庁としての決意を是非お聞かせください。

○国務大臣(森まさこ君) 今まで通知を出してきたわけですけれども、なかなか雇い止めが減らないという状況にございます。
 そこで、私としては、この雇い止めについては基金の運用期間を縮小するというペナルティーも設けました。これについては、今後、その期間の、基金の始期からこの終期までの期間の間に地方公共団体で条例等が策定されると思いますけれども、その中でどれぐらい解消されていくか、その効果を見守りたいと思いますが、現時点で三自治体でこの雇い止めが解消されました。
 さらには、今回の法改正で法的資格を付与いたしましたので、その点も含めまして、今般の改正が実現をした暁には、改めて雇い止めの見直しを始めとした処遇改善に係る大臣名の通知を発出することを考えております。

○福島みずほ君 この委員会でもよく出てきますが、消費者相談員の皆さんの給料が残念ながら高くないという問題があり、今回、法的資格を付与することで、やっぱりベテランでこの消費者行政に携わる人々の待遇がもう少し改善されないかというふうに思っております。
 非正規公務員の問題でもあり、女性の働き方の問題でもあるんですが、その改善について、副大臣と政務官がうんうんと言ってくださっているんですが、きっとやっぱりこれは変えなくちゃいけないと思ってくださっていると思うんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君) 賃金の面も含めて、雇い止め、全ての処遇改善に向けてしっかりと地方自治体の意識を持ってもらうように、先ほど言及しました大臣通知を含め、しっかりと消費者庁から働きかけてまいりたいと思います。

○福島みずほ君 自治体によって消費者行政が実はばらばらであったり、凸凹であったりしますが、消費者相談員の皆さんが全国にきちっと配置されて、そこである程度安定した職場としてベテランの皆さんたちが活躍できるように、是非、この法律が成立した暁には、消費者庁、今までもやっていただいていますが、より待遇改善、雇い止めを止めるために頑張っていただきたいと思いますし、国会の中でもそのことを応援していきたいというふうに思っております。
 課徴金制度の導入について、賦課要件の明確化及び加算・減算・減免措置等について検討し、消費者の被害回復をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
 御指摘いただきました賦課要件の明確化、それから加算・減算・減免措置、そして消費者の被害回復の点でございますが、いずれも現在、消費者委員会で議論の対象になっているところでございます。
 最初の賦課要件の明確化につきましては、消費者委員会におきましては、例えば、不当表示がなされた場合には原則として課徴金を賦課することとし、不当表示を意図的に行ったものではなく、かつ、一定の注意義務を尽くしたことについて合理的な反証がなされた場合を例外的に対象外とすれば足りることとすること、また、課徴金額は一定の算定式により一律に算定すべきこと、そうした方向での答申の取りまとめに向けた議論がなされているところでございます。
 また、加算・減算・減免措置、これにつきましては、中間整理を公表した後に引き続き議論がなされておりまして、その議論を踏まえて、今後、消費者委員会から最終的な取りまとめが公表されるものと承知しております。
 また、消費者の被害回復の点につきましては、課徴金制度に、違反行為者が手にした不当な利得を剥奪しつつ、国庫に納付させる前に消費者に還元する手法を導入できないか検討しているところでございまして、すなわち、課徴金を徴収してから特定の目的に使用するのではなく、自主的返金により直接被害者に還元することを原則としつつ、それが困難な場合には寄附等を通じて広く一般消費者に還元することで被害の回復に言わば擬制する仕組みを創設できないか、消費者委員会で御議論いただいているところでございます。
 消費者庁といたしましては、このような消費者委員会における御議論をにらみながら、適切な制度設計となるよう、更に検討を進めていきたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 課徴金はやはり莫大なお金ですし、被害者に返還されるのは当然として、どのような制度をつくればより被害者への返還がなされるのか、あるいは、この課徴金を消費者団体や、あるいは有効に使うことによって消費者行政にも実は資してほしいというふうに思いますので、今議論中ですが、是非、国会の中で出た議論を反映する形で課徴金制度についてより前進が行われるように強く要請を申し上げ、私の質問を終わります。

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